コラム

2019/03/12
【五官科疾患】近視について

西洋医学的に考える近視

近視は屈折異常の一種で、遠方から目に入ってきた光が網膜上の正しい位 置ではなく、網膜より手前で像を結び、物がぼやけて見える状態です。近視は、角膜から網膜までの長さが正常より長すぎるか、角膜・水晶体の光の屈折力が強すぎることにより起こります。

 

なぜ起こるのか…

近視の正しい原因は、現在のところはっきりとはわかっていませんが、遺伝的な要素と環境が関係すると考えられています。

 

遺伝的な原因

親が近視の場合、子供が近視になる可能性は比較的高く、遺伝的な要素が複雑にからんでいると考えられます。

 

環境的な原因

一般的な近視の場合、環境も影響すると考えられています。勉強、読書、テレビ、コンピューターゲームといった近くを見る作業を長く続けたり、暗い部屋など、適正な照明の元で行われない場合、目の負担になります。このような状態を長く続けることにより、視力低下が起こるといわれています。(化学的な因果 関係はまだ研究段階です)

 

●●●中医学的にみると…

中医学的に近視を捉える場合は、西洋医学のように、単なる屈折異常のひとつとして捉えるわけではなく、眼精疲労や視力低下も含めて全般 的に捉え、その方の体質や生活をしっかりと把握してタイプ別に分けて治療することになります。

 

▼関係する臓腑

中医学では、目に関連する臓腑は肝・胆・腎と言われています。

肝と胆は目に通じており、肝に何らかの負担がかかると目の疲れや視力の低下が起こります。また、肝は筋の働きも管理していますから、視力を調整する筋の管理も担当しており、その働きが悪くなると、近視の症状が出てしまいます。

腎は生まれながらにして人間がもっている両親から授かったエネルギー(精)を蔵しています。また、中医学には「肝腎同源」という言葉があり、肝と腎はお互い助け合いながら働いているため、どちらかの臓腑に問題があると視力低下や目に関する症状が出てくるのです。

また、両親から授かったエネルギーを蔵している腎に対して、脾は、生まれた後のエネルギーを作る作業を担う臓腑のため、直接ではありませんが、関係のある臓腑としては無視できません。

 

▼ 近視をタイプ別に分けると…

● 肝血不足による近視

中医学では肝は血を蔵すると言われています。肝血は目を滋養する働きを担っていますので、なんらかの原因で肝血が不足すると目を充分に栄養することができなくなりますから、眼精疲労や視力低下の症状が起きたり、目の周りの筋がピクピクするなどの症状が現れます。

 

付随する症状:目の乾燥感、かすみ、肩こり、手足の痺れ、ひきつり、足がつるなど

治療方法:肝の血を補う治療を行います。

ツボ:太衝、三陰交、血海、地機、陽りょう泉、風池、膈兪、足三里

 

積極的に取った方が良い食べ物:赤色、黒色、紫色の食品、黒米、栗、黒豆、あずき、紫いも、ごま、松の実など全ての種実類、ほうれん草、小松菜などの緑の濃い野菜、人参、きくらげ、血筋の多い魚(さば、さんま、まぐろ、いわしなど・・青み魚類)、ブルーベリーほかベリー類

 

 

● 肝気鬱滞による近視

肝の気は目に通じて、眼球運動と視力に関係するわけですが、肝は臓腑の中で最もストレスに弱い臓腑と言われています。ですから、ストレスが多いと、肝の気の流れが悪くなり、身体を構成している気・血・水の流れが悪くなるため、本来目を栄養するはずの、気や血の流れが滞り、視力の低下や目の疲れが起こります。

 

付随する症状:イライラ感、側頭部の頭痛、胸脇の張り感、腹にガスがたまる感じなど

治療方法:肝の気をスムーズに流す治療を行います。

ツボ:太衝、陽りょう泉、三陰交、内関

 

積極的に取った方が良い食べ物:春菊、三つ葉、柚子の皮、香菜など、香りの良いもの。 ジャスミン、カモミール、ミントなどのお茶を飲むのも良い。

 

● 腎虚による近視

腎は生まれながらにして人間がもっている両親から授かったエネルギー(精)を蔵しています。その生まれながらにして蔵しているエネルギーが少ないと、比較的低年齢から近視や弱視の症状が出ることになります。

また、年齢を重ねることにより(加齢)、両親から授かったエネルギーが消耗しても、このタイプの近視は起こります。

 

付随する症状:頭のふらつき、知力減退、めまい、耳鳴り、聴力減退、腰と膝に力が入らないなど。

治療方法:腎精を補う治療を行います。

ツボ:三陰交、太渓、絶骨、復溜

 

積極的に取った方が良い食べ物:もちこめ、やまいも、大豆、そらまめ、栗、はすの実、 黒い食べ物(もずくなど海藻類)、ネバネバのもの。

 

※腎虚には、更に、冷えの症状を強く訴えるタイプと、身体の内側に熱感を感じるようなほてり感を訴えるタイプに分けられ、それぞれ治療方法が異なります。

 

― 冷えの症状を訴えるタイプに付随する症状:目が疲れやすい、冷たい涙が出やすい、手足の冷え、夜尿多い、腰膝のだるさ、手足のむくみ

 

― ほてり感のあるタイプに付随する症状:目の乾燥感、かすみ、眩暈、難聴、耳鳴り、皮膚乾燥、口乾、腰のだるさ

 

● 脾気虚による近視

腎が生まれながらにして両親から授かったエネルギーを蔵するのに対し、生まれた後の精を作り出すのは、脾の働きによるものです。ところが、飲食の不摂生により、生まれた後のエネルギーがしっかりと作ることができないと、気も血も水も不足してしまうため、視力低下の症状が現れます。

 

付随する症状:目の乾燥感、涙が出ない、食べると腹が鳴る、食欲不振、便秘あるいは軟便・下痢

治療方法:脾の気を補う治療を行います。

ツボ:足三里、太白、陰りょう泉、三陰交、内関、公孫、血海

 

積極的に取った方が良い食べ物:かぼちゃや芋などの黄色く、ホクホクとした食べ物、きのこ、もち米など。

 

以上近視について述べさせて頂きました。

近視に関して、中医学(東洋医学)ではタイプ別により治療の仕方が変わってくることを、ご理解頂けましたでしょうか?

 

近視でお悩みの方

一度、中医学的な治療を試みるのも宜しいかと思います。特に受験期の学生の急な近視傾向、或は、仮性近視の治療などは早めのお手当てをされた方が、良い結果 が出やすいと思います。

 

近視の治療に関して、必ずしも、目の周りのツボを使う必要性はないので、眼の周りに鍼を打たれるのが不安な方は、ご心配されなくても大丈夫です。手足のツボで、目の症状を治療するツボをしようして、治療が行えるのも、中医鍼灸の特徴です。

 

詳しい事をお知りになりたい方は、お気軽に当院までご相談下さい。

2019/03/12
【外科・整形外科・皮膚科疾患】頸椎損傷について

頚椎損傷とは頚椎(頭を支える7つの首の骨)が強い衝撃や加齢などにより変形、脱臼、骨折などを起こした状態を言います。頚椎が損傷した際には様々な症状が首周りだけでなく腕や下半身にも出てきます。一口に頚椎損傷と言ってもどこを傷つけたかによっていくつかに分けることが出来ます。それではおおまかにではありますが述べていきましょう。

 

☆変形性頚椎症  

 力仕事やスポーツ、不良姿勢、小さな外傷の積み重ねなどが起因となったり加齢変化としての頚椎の変形、椎間板(頚椎と頚椎の間にあるクッションの様なもの)の変性や破綻が頭部の痛みや重苦、運動制限など頚部の症状として現れた状態です。症状としては無理をしたり、姿勢が悪いなどのきっかけで肩が凝る、首筋が張るなどです。症状が慢性化すると筋緊張の力は頚椎にストレスを与えるので頚椎がより変形していくという悪循環を呈します。

 

☆頚椎症性神経根症  

 変形性頚椎症を原因として頚椎と頚椎の間から出ている神経の根っこが圧迫されて起こるシビレと痛み(神経痛)、筋力の低下や萎縮などの運動マヒが起こる状態です。上を向いたり、首を横に傾けたりでこれらの症状が出やすいですが、どこの頚椎と頚椎の間かによってシビレや痛みが出てくる場所が変わってきます。

 

☆頚椎症性脊髄症   

 変形性頚椎症を原因として頚髄(首から出てる神経のおおもと)が障害された状態です。神経根症よりも重篤で頚髄の上の方を傷つけてしまうと手足が動かなくなってしまうばかり か自分で呼吸することさえ出来なくなったりするのです。また膀胱や肛門の神経も障害され排尿障害(オシッコが出にくい)、排便障害(自力で排便出来ない)といった症状をきたす場合もあります。

 

☆治療法として☆  

 変形性脊椎症であれば寝違え状態の場合は安静が必要です。また温めたり頚椎を牽引したりしていきます。鎮痛消炎剤を飲んだり塗ったりして痛みを抑えたりもします。神経根症の場合では安静の他にカラー(首を保護するもの)や装具を使用したりもします。消炎鎮痛剤以外でもステロイドホルモン剤の投与も考えます。また頚髄症では先に述べたものに加え手術を視野に入れていきます。頚椎が頚髄を圧迫している状態なので頚椎と頚髄の間を拡大する除圧手術が必要です。その際頭を支える頚椎の強度を低下させない工夫があります。安静、薬の投与、手術が治療の基本となっています。

 

☆中医学的な見方☆  

 中医学では頚椎損傷における「痛み」、「シビレ」、「運動 マヒ」や「運動制限」、「感覚マヒ」などの症状に着目し、それらの症状がどういったときに出てきてしまうのかを診ていきます。こういった症状が出る場合をいくつかのケースに分けて述べていきましょう。

 

☆「痛み」や「シビレ」、「マヒ」について  

 中医学において正常な人の体の中では「気」、「血」が「経絡」の中をスムーズに流れています。「気」とは人の生理活動にとって欠かせないものでエネルギー源としての働きがあり、発育や成長の際には推動作用、体を温める際には温く作用、外から入ってくる邪(寒さや湿気など)を防いでくれる際には防衛作用、体の中の液体(血や汗、尿など)の量 を調節する際には固摂作用、食べたものをエネルギーや排泄物に変える際には気化作用としての働きをします。「血」とは全身を滋養して潤す作用があり、生命維持に欠かすことの出来ないものです。また精神活動をする際の栄養源にもなるので思考や感情などとも深い関係があります。「経絡」とはこれら「気」と「血」の通 り道で体じゅうにはりめぐらされているものです。  

 正常な状態ならば「気」、「血」がスムーズに流れ順調に体が機能するのですが、この「気」と「血」が何らかの理由で滞ってしまい、流れなくなったり滋養出来なくなると「痛み」や「シビレ」、「マヒ」が起こってしまうのです。

 

☆「気」や「血」の流れが滞ってしまうケース  

 ○体の中で「気」の流れを統括している器官に「肝」というものがあります。「肝」は全身すみずみに「気」を送る働きがあります。ノビノビとした状態を好みますのでストレスなどが加わると働きがとたんに弱くなって「気」が滞ってしまう「肝気鬱結」という状態になってしまいます。「気」と「血」はともに作用しあって全身を流れますので「気」が滞ると「血」も滞ってしまい関節や筋を滋養出来ず「痛み」等が起こってしまうのです。  

 

 ○外から入ってくる邪気(風、暑、湿、燥、寒、火)の中でも「気」、「血」の流れを滞らせたり「痛み」の発症にもっとも関与するのが「寒」です。「寒」には「凝滞」するという性質があり「気」、「血」の通 り道である「経絡」に外から入ってくると流れを滞らせてしまいます。また「収引」という性質もあるので「経絡」に入ってくると「経絡」をひっぱって引きつらせてしまうので「痛み」が起こるのです。 

 

☆「気」、「血」が不足してしまうケース  

 ○「気」、「血」が不足して充分に働きかけられない状態でも「痛み」や「シビレ」、「マヒ」は起こります。出血したり、長患いで「気」が消耗したりもそうですし、「脾胃」が虚弱になり「気」、「血」を作れなくなったりしたときもそうです。ここでいう「脾胃」の働きとは食べ物が入ってきたときに消化や吸収をして、その中からエネルギーを取り出すことです。このエネルギーから「気」、「血」を作り出すのですが「脾胃」が弱くなってると作り出せなくなってしまいからだの中に充分な量 の「気」、「血」が存在しないために筋や関節、皮膚を滋養出来ず「痛み」や「シビレ」、「マヒ」が起こってしまうのです。

 

☆「運動制限」について  

 筋をつかさどるのは「肝」です。「肝」の「気」が充分であれば、筋は力強くスムーズに動きますが「肝」の「気」が衰えたり、「血」が不足したりすると筋が滋養されず金が思い通 りに動かなくなり「運動制限」や「運動マヒ」が起こるのです。

 

☆中医学的な治療として☆  

 ○「気」、「血」がストレスなどによって「肝気鬱結」によ り滞ってしまった場合には「肝」の「気」を流す働きを促してあげるツボを刺激してあげます。また「肝気鬱結」の状態が続くと「脾胃」になで影響が及び、げっぷや胃液がこみ上げる、下痢が出るなどの症状が一緒に出てきますので「脾胃」の働きを整えるツボにも刺激することが必要です。  

 

  ○「寒邪」が入ってきて「気」、「血」の流れが滞ってしまった場合には、体を温める作用のあるツボを刺激します(お灸も有効)。また体の表面 を邪が入ってこないようにガードしている「気」(衛気)の働きを強めるようなツボを刺激してあげると予防にもなります。  

 

 ○「気」、「血」が不足している場合には「脾胃」が正常に働いて「気」、「血」を作り出せるようなツボに刺激を入れます。「脾胃」が弱っているときは、食欲が無い、疲れやすい、下痢、手足がだるいなどの症状も一緒に出ますのでそちらの治療ツボにも刺激を入れていきます。

 

要するに整形外科的な疾患に対しても中医学的な考えでは体のアンバランスが起因だと捉え、全体の体のケアを視野に入れ、お手当てを行います。ゆえに局所のみの治療でなく全体的な治療になります。ですから牽引や薬物療法で結果 が思わしくない場合には違う角度からのお手当てを考える中医学鍼灸の治療を考えるのも良いかと思います。ただし、どこの鍼灸院でも中医学鍼灸を行っているとは限りませんのでご留意してくださいませ。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

2019/03/12
【五官科疾患】歯痛について

 みなさんも一度は歯痛に悩まされたことがあるのではないでしょうか?歯痛というとまっさきに虫歯というキーワードが連想できそうですが他にも歯周病や知覚過敏など様々な原因で起きる身近な痛みです。ここでは現代医学でいわれる歯痛の原因を説明していきます。

 

大きくみて歯痛の原因として考えられるお口のトラブルは

 1・虫歯

 2・歯周病

 3・知覚過敏

 4・萌出(歯肉の下に隠れていた歯が歯肉から顔を出そうとすること)

 5・噛み合わせ

 の5つがあげられます。

 

 では歯痛の前に歯のつくりを簡単に説明していきます。

歯は表面に出ている歯冠部と歯肉(俗に言う歯茎)に埋まっている歯根部、その間の歯頚部に分類されます。歯冠部の表面 を覆っているのがエナメル質です。これは人体で一番硬く歯の内部を守っています。歯根部を覆っているのはセメント質です。硬さはエナメル質の4分の1程度です。歯根膜とは歯根と歯槽骨(歯茎の骨)を結びつける繊維です。歯の内部には象牙質が大部分を占め、その中に歯髄と呼ばれる神経と血管から出来ているものがあります。

 

 さて次に歯痛の原因を1つ1つみていきましょう。

 

1・虫歯

歯の表面についた汚れをプラークといい、ほぼ細菌からできています。その細菌によって引き起こされる病気が虫歯です。虫歯は進行度によってC1~C4までの4段階に分けられます。

C1…

エナメル質が虫歯になっている状態で自覚症状はほとんどありません。

C2…

エナメル質の下にある象牙質まで虫歯になっている状態で冷たいものや甘いものがしみます。

C3…

歯の神経まで虫歯になっている状態で神経が炎症を起こすため激痛が生じます。

C4…

歯の根の先まで虫歯が進行している状態で根の先が炎症をおこし痛みが生じます。

虫歯治療は初期の段階で治療することで治療回数も減り、痛い思いをせずに生活を送ることができます。早期に歯医者に行くと良いでしょう。

 

 

2・歯周病

歯周病はプラークが原因で起こる歯の周りの病気です。

成人20代以上の80%が歯周病といわれるくらい身近でほおってはいけない病気です。歯茎の腫れや出血を特徴とする歯肉炎、さらに症状がすすみ歯根膜、歯槽骨まで破壊される歯周炎の2つに分けられ最終的には歯が抜けてしまう病気です。

 

歯周病チェック

 ・歯を磨くと出血する。

 ・強い口臭がある。

 ・歯肉が腫れている。

 ・朝起きたとき口の中がネバネバする。

 ・歯が浮いた感じがする。

 ・歯肉が退縮して歯が長く見える。

 ・歯が移動して歯間に隙間があいている。

 ・冷たいものや熱いものが歯にしみる。

 ・歯がぐらぐらする。

 などの症状があれば要注意です。

 

治療は薬物療法や外科治療がありますが基本的にはきちんとしたブラッシングを身に着けることです。

 

3・知覚過敏

虫歯ではないのに冷たい水や熱いお茶、歯を磨く時に歯ブラシがあたるとしみる等、このような症状を知覚過敏といいます。

歯茎が下がってきたり無理な力でブラッシングを続けていると表面のエナメル質がから内側の象牙質が出てきてしまいます。そうなると冷たいものなどが象牙質の神経に触れしみるようになります。こうなったときは早目に歯医者に行き適切な処置を受けましょう。

歯磨き粉の中にも知覚予防をする粉もありますので自宅でもしっかりケアをすることが大事です。

 

4・萌出

萌出とは歯が生えてくる意ですが乳歯が抜けて永久歯が生えてくる以外にも親知らずの存在があります。

一番奥に生えてくる歯で高校生から25歳ぐらいまでの時期に顔を出します。顎に親知らずを受け入れるスペースがないとまっすぐに生えてくることができず他の歯を押しのけようとすることで激痛をともないます。

親知らずと歯や歯茎、顎の骨が関わりますので状況により治療の仕方が変わりますが抜く、抜かないにしろ歯医者の適切な指示に従うのが良いと思います。

 

5・噛み合わせ

普段から強く噛み締めるクセがあれば歯の表面が磨耗して知覚過敏の原因なったりします。歯並びを全体的に見直すのであれば専門の矯正医の治療が必要ですし、長期的な治療になるでしょう。

 

これら以外にも肩こりが原因で起こる場合もありますし、歯にいく神経の中に三叉神経といっていわゆる痛みなどを感知する神経になんらかの異常があった場合にも痛みが誘発されるケースがありますので歯に痛みが出たときは早期に適切な治療をうけておくと後で手遅れになることも少ないでしょう。

 

 

中医学でみる歯痛

 

歯痛をひも解くために中医学独特の生体観・生理観、また歯痛に関連するキーワードをピックアップしていき少しでもわかりやすいように説明していきます。

 

~気・血・水~

気-

気とは物質であり人が生理活動する上での重要なエネルギー源です。

物質ゆえに消耗したり補充したりすることが出来ます。また運動性ももちあわせており「昇降出入」というはたらきがあります。

「昇降出入」とは気の運動形式の」ことで昇ったり降りたりする上下方向の運動と発散したり収納したりする出入方向の運動が基本になっているということです。よって気は物質でありながら運動性を持っているのです。

また気が不足して病気になってしまうことを気虚と呼び、気が一ヶ所に滞って流れが悪くなって病気になってしまうことを気滞と呼びます。

気の具体的な生理作用には人体各部を栄養する栄養作用、内臓の活動を促進したり体内の流れを推進したりする推動作用、内臓を温め活動を促進したり体温を維持する温く作用、体表を保護し外から侵入してくるものを防いだり侵入してきたものと闘ったりする防御作用、人体を構成している水分や血液が外に漏れでないようにする固摂作用、体内の物質を変化させたり代謝を行う気化作用などがあります。

 

血-

血とは体内を流れる赤色の液体で人体を構成し生命活動を維持する基本的物質です。

現代医学でいう血液とは似ていますがイコールではありません。中医学で血の作用は全身を栄養し潤すことです。

例えば顔が赤くつややかだったり肌がふくよかで皮膚や髪の毛が潤って光沢があるのも、あるいは目などの感覚器や筋肉などの運動器が円滑にはたらくのも血の充足のおかげなのです。

他にも血は精神活動をも支える栄養源となっており、血が足りなくなると精神的な症状(失眠、健忘、昏迷、不安など)が現れます。

 

水-

水とは人体中の正常な水分の総称です。その中には唾液や涙、汗といったものも含まれます。

水の作用は体表部(皮膚や汗腺など)から体内深部(脳や骨、関節や内臓など)を潤します。またこの水は血を作るうえでも重要な成分になっています。

 

~臓・腑~

臓-

臓とは五臓とも呼ばれ肝、心、脾、肺、腎という実質性臓器のことを指し、主なはたらきは気、血、水の生成や貯蔵を担います。

 

腑-

腑とは六腑とも呼ばれ胃、小腸、大腸、膀胱、胆、三焦という中空性臓器のことを指します。

主なはたらきは飲食物の消化をし身体に必要なものは五臓に渡し、不必要なものは排泄します。

臓の中でも特に腎は歯痛と関連が強いのでピックアップしてみます。

腎-

腎とは腰の位置で背骨の両側に一対ずつあるものです。

腎のはたらきには精を蔵す、先天をつかさどる、生殖をつかさどる、納気をつかさどる、二陰をつかさどる、骨をつかさどる、水をつかさどる、骨髄をつかさどるなどがあります。

精とは身体の生長や発育、生殖能力などの源になっています。

精には先天の精と後天の精があり前者は両親からもらい生まれながらにして備わっているものです。後者は飲食物から摂取されるものでこの2つが合わさり腎にしまいこまれるのです。また身体の水分代謝にも大きく関わり、特に尿の生成や排泄は腎によるところが強いです。

納気とは固摂や受納といった意味で肺によって吸入した清気(イメージは酸素)を体の奥底に引き込むことで正しくガス交換が行われます。腎にはしまい込むというはたらきが多いのです。

二陰とは前陰(外生殖器)と後陰(肛門)のことで腎は生殖や排泄に関わっているので二陰をつかさどっているのです。

骨と骨髄も腎の管理下にあり腎の精気が充分であってはじめて正常に発達していきます。歯は中医学では骨余と呼ばれ骨と同様に腎に養われます。

 

~経絡~

 

経絡とは前述した気、血、水の通り道として身体に存在しています。

また経絡には種類があり先ほどの臓腑と関わりをもちそれぞれに対応したものがあります。特に歯に通 ずる経絡に胃、大腸と関わる経絡があります。

胃-

中医学での胃のはたらきは食べ物を受け入れて(受納)、消化し(腐熟)、消化物を下に降ろす(和降)というものです。

正常なときの流れは上から下ですが異変が起きたときは流れなくなったり逆上したりして経絡を伝って歯に影響してしまいます。

 

大腸-

中医学でいうところの大腸のはたらきは胃、小腸から降りてきた食べ物のカス(糟粕)を肛門から排出することです。

こちらも正常ならば上から下に流れていくものなので異変があれば流れなくなったり逆上したりしてしまい経絡を伝って歯に影響がいってしまいます。

 

~外邪~

 

外邪とは外から体内に侵入してくる病気のもとです。

風、暑、湿、燥、寒、火と6つあるので六淫とも呼ばれます。

特に歯痛と関わりがあるものでは風邪があげられます。これは風には上に上がる、外に向かうといったはたらきがあり体内に入ってきたときに頭部、顔面 部を侵しやすいからです。また他の外邪と結びついて歯に影響がいってしまうこともあります。

 

歯痛に関連する事項を中心に中医学の基本的な生体観を上記しました。

これをふまえたうえでどのようのして歯痛が起こるかをみていきます。

 

<実火による歯痛>

 

辛いものや油っこいものを偏食していると胃腸に熱がこもりやすくなります。

この熱が盛んになると火を生じます。火は炎上し昇っていく性質があります。

この火が歯と関わりのある経絡にそって歯肉に上炎すると痛みが起こります。

このタイプの歯痛には顔のほてり感や口臭、口が渇く、便秘、尿は黄色などの症状が出てくることが多いです。また自分で舌を鏡などでみてみると舌の色は赤く、舌についている苔は黄色くなっています。脈をみてみると速いリズムでなめらかになります。

治療は胃や腸の火を清熱(熱をとること)することで痛みのもとを取り去っていきます。

 

 

 <風火による歯痛>

 

もともと体質的に陽盛(陰陽の陽でこの場合は温かすぎるの意)で内熱がある人(熱がこもっている人)が風邪が体に入ってくることにより体内の熱と結びついて風火となり歯と関わりのある経絡にそって歯にいき痛みが起こります。

このタイプの歯痛には悪風、発熱が症状として一緒に出てきます。

 

 

<腎陰虚による歯痛>

 

腎は骨をつかさどっており、骨余である歯も当然この範囲です。

腎の気には腎陽と腎陰があり、腎陰が不足すると(この場合の陰は水のようなものとイメージしてください)身体の中の火を消すことが出来なくなり虚火が生じこれが上炎すると痛みが起こります。

このタイプの歯痛は昼間よりも夜に痛みが増すなどの特徴があり腰や膝がだるく痛む、めまいや耳鳴り、口が渇くが飲みたがらないなどの症状が出てくることが多いです。

舌をみてみると舌の色は赤く苔は少ないです。脈は細くて速いです。

治療は熱をとるのと同時に少なくなった腎陰も補うことで歯痛をとっていきます。

 

 歯医者に行っても特に原因が見当たらないケースの歯痛には中医学的なお手当てが効果 を発揮する場合もあります。それは体の中のバランスが崩れその影響が歯に出ているという状態をしっかりと改善していくことが出来るからです。

 中医学では表に出てきてしまった症状を治療するのと同時に体の中のバランスを整える治療(これを標本同治といいます)を基本としています。ゆえに歯痛の起こりにくい体質を改善することが出来ます。もちろん虫歯や歯周病など原因がはっきりしている歯痛の場合でも痛みを抑える治療は中医学でも出来ますが原因がわからないものを中医学の角度からみて治療するということが本領です。

 

原因不明の歯痛でお悩みの方、お気軽に当院までご相談ください。

 

2019/06/07
クロウ・深瀬症候群

おはようございます。

 

スタッフの篠原です。

 

2019年5月28日㈫に

テレビ朝日で放送された「名医とつながる!たけしの家庭の医学」

という番組を観ました。

 

番組内で

クロウ・深瀬症候群という病名が出てきました。

初めて聞きました。勉強不足です。

 

 

調べてみました。

 

クロウ・深瀬症候群は、高月病、PEP症候群、POEMS症候群とも呼ばれる場合があります。

POEMS症候群のいう呼び方の、POEMSとは、この病気の主な症状の頭文字から取ったものです。

 

P→多発性神経炎(Polyneuropathy)

O→臓器腫大

E→内分泌障害

M→蛋白血症

S→皮膚異常

 

診断基準は以下の通りです。

(抜粋:http://www.m.chiba-u.ac.jp/dept/neurol/files/7515/4381/0165/2015poems.pdf

大基準

◇脱髄性ニューロパチー

◇VEGF上昇(血清または血漿)

◇M蛋白血症

小基準

◇血小板・赤血球増多

◇臓器腫大(肝脾腫・リンパ節腫脹)

◇血管外への体液貯留(浮腫・胸腹水・心嚢水)

◇内分泌障害(性腺機能異常・甲状腺機能異常・耐糖能異常・副腎機能異常)

◇皮膚変化(色素沈着・剛毛・血管腫・爪床蒼白 等)

◇乳頭浮腫

◇骨硬化性病変

◇Castleman病

 

1. 3個+小基準1個以上

2. 2個+小基準1個以上

治療法に関しては、以下のサイトを参考にしてみてください。

POEMS症候群サポートグループ

POEMS症候群の治療方法 https://poems.jp/about-poems/treatment/

参考サイト

・難病情報センター | クロウ・深瀬症候群(指定難病16)http://www.nanbyou.or.jp/entry/82

・POEMS症候群とは | POEMS症候群サポートグループhttps://poems.jp/about-poems/

・治験調整医師・調整事務局 千葉大学医学部附属病院 神経内科・臨床試験部http://www.m.chiba-u.ac.jp/dept/neurol/files/7515/4381/0165/2015poems.pdf

 

 

 

吉祥寺 中医学に基づく 体質改善

鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院

 

2019/07/03
アトピー性皮膚炎の漢方薬

アトピー性皮膚炎は、西洋医学的に言えばアレルギー反応の一種とされております。

しかし、中医学(東洋医学)的には単なるアレルギー疾患とは見なしません。 精神的ストレスや天候・気候の変化といったことを考慮して、また、肌の状態などからタイプ別に原因を探して、一人一人に合わせた治療を行っていきます。

中医学(東洋医学)では、主に4つのタイプに分類し、それぞれに合ったツボを選び治療していきます。 はっきりと1つのタイプが現われる場合もあれば様々なタイプの症状が混在している場合もあります。また、季節や生活環境によって変化することもあります。

 

 

漢方薬は、

 

血が不足し、肌が乾燥しがちな方:当帰飲子

 

カラダの中に熱がこもっている方:温清飲

 

カラダに余分な水分と熱が溜まっている方:黄連解毒湯

 

血流が悪くなっている方:桂枝茯苓丸

 

などがおすすめです。

 

ご紹介した漢方は一例ですので、同じものを飲めば良いかというとそうではありません。

タイプ別に分かれること、タイプによって色々な漢方があることをご理解頂ければ幸いです。

また、タイプは1つだけ現れる方もいれば、いくつかのタイプが合わさるタイプの方もいます。

 

 

アトピー性皮膚炎の当院の治療法は、下記を参考にしてみてください。

https://www.dokutoruyo.com/atopy/

 

実際に服用される際は、漢方薬をきちんと学習された方に診て頂くことをおすすめ致します。

 

東京 中医学に基づく アトピー治療

鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院

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