コラム

2019/03/11
【内科疾患】発熱1~西洋医学編

今回のテーマは発熱です。皆さんも何度かは経験があると思います。発熱という症状はとても軽い場合もありますし、重大な疾患のサインだったりもします。

ところが、こんなにも身近な症状であるのに意外と詳しく知っておられる方は少ないのではないでしょうか?今回はそんな発熱について紹介したいと思います。

では、まずは西洋医学の観点から見てみましょう。

 

 

★★西洋医学から見た発熱★★

発熱とは、「体温調節中枢に異常があり、平常時以上に体温が上昇すること」と定義されております。体温調節中枢については後述いたしますので、とりあえず今は脳にある体温調節を行う部位 と理解しておいてください。では平常時体温とはいったい何℃なのでしょうか?健康人の平常時体温(腋下計測)は36~37℃と言われております。ですから、通 常では37℃以上を「発熱」と言います。因みに、36℃未満を低体温と言います。

ところで、皆さんは何処で体温を計測しますか?

口・わきの下・お尻(直腸内)などがありますが、本来、体温とは体内の温度のことですから、外界の温度の影響を受けない場所がベストなのです。その観点から言えばお尻(直腸内)が正確な体温計測が出来る部位 になります。

しかし、実際はわきの下で計っておられる方が一番多いのではないでしょうか。ですから今から体温についてはわきの下で計測した数値で説明いたします。(先程、紹介した平常時体温もわきの下で計測したものです。)

因みに、わきの下は、お尻(直腸内)に比べると0.6~1℃、口の中に比べると、0.2~0.5℃程低いと言われております。ですから、口で計測した場合では、37.3℃・お尻では37.6℃以上を発熱といいます。

せっかくですから体温の話をもう少しだけいたしましょう。通常体温は日内変動と言って一日のなかでも変化しており、AM2~4時ごろ最低になりPM2~6時に最高となります。

又、女性は月経周期によって1℃以上体温が上がる場合がありますし、大部分の子供は大人より体温は高く、1日の体温変化も大きくなります。因みに子供は軽度のウイルス感染でも高熱を出すことがありますが、このようなことで脳が直接損傷を受けることはありません。

 

 

☆体温調節のしくみ☆

さて、「発熱」の説明に入る前に、先ず健康な人の体温調節の仕組みを説明します。

ところで、何故体温調節が必要なのでしょうか?

その理由は幾つかありますが、先ず考えられるのは、体内の機能が外気温からの影響を受けずに効率よく作用できる適温を維持するためです。

例えば我々人間は南極の極寒の地でも、中近東の灼熱の地でも暮らしております。両地の温度差は60℃を軽く越えるでしょう。しかし、そこに住んでいる人達の体温の差はそれほどではありません。また、日本でも冬と夏の温度差に比べ、体温の差はそれほどではありません。これは、外気温に関係なく体内は適温に調節されているからなのです。

ではどの様にして体温調整をしているのか簡単に説明します。

 

 

◎産熱と放熱◎

体温を一定に保つ為には、体内で熱を生む「産熱」と体外に熱を出す「放熱」によって行われます。

外気温が下がれば、体温が下がらないように「産熱」が起こり、外気温が高くなれば、体温の上昇を抑えるために「放熱」がおこります。

 

○低温時・・・『産熱』

産熱は内臓や筋肉の代謝が亢進し、酸素が燃焼されて起こります。

例えば、寒い時にふるえが起こりますが、これは筋肉を動かすことにより「産熱」が起こっているのです。又、皮膚にある「立毛筋(りつもうきん)」という筋肉が収縮することにより毛穴や汗腺を閉じて放熱を防ぎます。このときに起こるのが鳥肌や立毛です。更に、皮膚の血管が収縮することにより皮膚の血流量 を減らすことで放熱を防いでもいます。ですから、寒いと顔の表面の血流が減り顔色が青白くなるのです。

 

○高温時・・・『放熱』

皮膚・肺・尿・便・は放熱の作用があります。

熱いと毛穴が開いて放熱が起こります。又、発汗も起きます。発汗すると皮膚が汗で濡れます。次に汗が蒸発する時に体の熱も奪去ってくれます。これは夏によくやる「打ち水」と同じ原理です。因みに、汗をかかない動物などでは自分の体を舐めることにより発汗したのと同じ状態をつくりだしています。又、皮膚血管の拡張が起こり、放熱が促進されます。このため熱いと顔が赤くなるのです。他には、産熱量 の減少のために、食欲不振・運動量の低下が起こります。

 

「産熱」と「放熱」のバランスが上手にとれて体温は適温に保たれます。

これらの反応は我々が意識して起こしているものではありません。無意識のうちに自律神経が行っております。

次は、その仕組みを簡単に説明します。

 

◎体温調節中枢と温冷受容器◎

さて、「産熱」や「放熱」は意識とは関係なく自律神経によって行われているのですが、これらの反応はそれぞれの部位 が自発的に行っているのではなく、脳からの指令によって行われています。脳の中には視床下部(ししょうかぶ)といわれる部位 があり、そこに「体温調節中枢」があります。この体温調節中枢というのが体温調節の司令塔になります。それに対して皮膚には外気温を感知する、温受容器と冷受容器があります。体温調節は、司令塔である体温調節中枢や、外気温を感知する温受容器と冷受容器、体温調節中枢からの命令を受けて、実際に産熱や放熱をする筋や血管といった効果 器と、それらを繋ぐ神経によって行なわれています。

 

◎体温調整の流れ◎

次に体温調節の流れをまとめてみます。

○外気温の低下

1.冷受容器が外気温の低下を感知して体温調節中枢に伝えます。

2.体温調節中枢は

a:

ホルモン系を通じて内蔵や筋肉へ代謝を亢進させ産熱の指示をします。

b:

自立神経を通じて皮膚の血管へ血管を収縮して放熱を抑えるように指示をします。

c:

体性神経を通じて筋肉をふるえさせ産熱の亢進を指示します。

 

○外気温の上昇

1.温受容器が外気温上昇を感知して体温調節中枢に伝えます。

2.体温調節中枢は

a:

自律神経を通じて汗腺へ発汗による放熱の亢進を指示します。

b:

自律神経を通じて皮膚血管へ血管拡張による放熱の亢進を指示します。

以上が体温調節の仕組みです。次に発熱の仕組みを説明します。

 

 

☆発熱の仕組み☆

体温調節の司令塔は視床下部にある体温調節中枢でした。体温調節中枢は「産熱」と「放熱」という手段を使って体温を通 常体温である36℃~37℃の間で一定に保っているわけです。この一定した数値(36℃~37℃)のことを設定値とか、セットポイントといいます。

イメージ的にはエアコンを思い浮かべて下さい。皆さんは快適に過ごせる室温をエアコンに設定し、エアコンはその室温が一定に維持するように働きます。つまり皆さんがエアコンに設定した温度が体温調節中枢のセットポイント(36℃~37℃)に当たるわけです。そしてエアコンが室温を一定に保つのと同じように、体温調節中枢は「産熱」と「放熱」という手段で体温をセットポイントと同じ温度に保つわけです。

ところが、何らかの病的な理由でこのセットポイントが正常値より高くずれてしまうことがあります。すると体はその反応として「産熱」を起こしセットされた高い値に体温を合わせてしまうのです。この状態を『発熱』といいます。つまり、発熱とは、セットポイントが通 常より高い値にセットされてしまう事によって起こるのです。

この発熱を起こす物質を「発熱物質」といいます。発熱物質は体外からやってくる細菌やウイルスといった外因性発熱物質と、外因性発熱物質に刺激され体内で産生される内因性発熱物質があります。発熱物質は外気温に関係なく視床下部の体温調節中枢へ作用して、産熱作用を高め放熱作用の抑制をします。そのため、発熱時には、ふるえ・悪寒・皮膚血管の収縮がおこります。次に、発熱の原因が取り除かれると亢進していた産熱機能はおさまり、放熱機能が高まります。これにより通 常は発汗が起こり体温は元に戻ります。

 

 

☆うつ熱☆

「発熱」に対して、「うつ熱」というタイプがあります。

これは熱放散より熱産生が多くなったり、環境から受ける熱が異常に大きくなって体温が上昇する場合を言います。

うつ熱は直射日光の下や、高温・多湿・無風・の条件下で激しい作業や運動をした際に、産熱が著しく増え放熱がそれに追いつかない状況の時に起こります。

発熱と違い、この場合のセットポイントは正常です。

 

アスピリンなどは、上昇しているセットポイントを正常に戻す作用をしますので、解熱剤としてよく用いられますが、うつ熱のセットポイントは正常ですので、解熱剤の効果 はありません。

ですから、夏場によく耳にする「熱中症」はうつ熱ですので、解熱剤は効きません。

熱中症は、熱痙攣(手足の痙攣・筋肉痛)→熱疲労(倦怠感・嘔吐)→熱射病(意識障害)の順に重くなります。 熱射病では体温調節中枢が障害を受け、発汗や皮膚血管拡張といった放熱作用も低下してしまい体温は40℃を超えることもあります。

先程も述べましたが、これらは解熱剤は効きませんので、冷たい水で体を拭いて体温を下げます。

 

☆発熱の原因となる疾患☆

1.

感染症:細菌・ウイルス・リケッチャ・スピロヘータ・真菌・原虫・などの感染によります。

2.

腫瘍:組織破壊によるものと、しばし、感染症の併発によるものによります。

3.

膠原病:全身エリトマトーデス・皮膚筋炎・結節性多発動脈炎・リウマチ熱などによります。

4.

代謝異常:甲状腺機能亢進症・貧血・妊娠などによります。

5.

アレルギー:薬物アレルギー・不適合輸血・血清病などによります。

6.

吸収熱:大量出血後などによります。

7.

組織障害:心筋梗塞・肺梗塞・外傷などによります。

8.

体温調節中枢の障害:脳出血・脳腫瘍・脳外傷などによります。

 

☆発熱の分類と熱型☆

37℃以上が発熱ということですが、実はもう少し分類があり、37~37.9℃の発熱を「微熱」・39℃以上を「高熱」・41.5℃以上を「過高熱」と言います。

さて、発熱は上記したように、感染症・悪性腫瘍・膠原病・内分泌の疾患・アレルギー疾患・代謝性の疾患・などといった様々な病態で生じます。

発熱時の体温の変化をグラフにして特に特徴的な動きのものを熱型といい、疾患によっては特徴的な熱型を示すものもあります。

例えば、周期的に高熱期と無熱期がくる熱型を「周期的発熱」といい、代表的な疾患としては、「マラリア」があります。他の熱型と代表的な疾患としては、「稽留熱」「弛張熱」「間欠熱」などがあり、「稽留熱」の代表的疾患としては腸チフスや髄膜炎などがあり、「弛張熱」や「間欠熱」の代表的疾患としては、敗血症や膠原病があります。

 

 

☆診断と治療☆

さて西洋医学の発熱の治療は、発熱をおこしている疾患を診断し治療することになります。そこで先ず、発熱の診断に主に必要な検査を紹介します。

◎発熱の診断に主に必要な検査

1.

一般検査・・・全身・局所の診察・尿・便・血液・血圧

2.

レントゲン・・胸部・腹部の撮影・必要に応じて、断層撮影・造影検査・CT検査。

3.

超音波検査・・腹部超音波検査

4.

血清検査

5.

細菌検査・・尿・便・痰・咽頭・血液・髄液・胆汁

 

などがあります。

◎治療

治療は先程述べたように発熱を起こしている疾患の治療になりますが、発熱により不快感が強かったり、体力消耗がある場合は「アスピリン」などの解熱剤を使います。

 

☆発熱から考えられる病気☆

発熱は病気が原因で発症します。そこで、発熱と随伴症状で病気が何なのかを知ることが出来ます。ここでは、発熱から考えられる病気を随伴症状に照らし合わせて紹介します。(ここで紹介する随伴症状は一般 例ですので、あくまでも参考程度に止めて置いてください。)

 

◎まず40℃近い発熱がある疾患からまとめて紹介します。

○急性胆のう炎○

黄疸・寒気・ふるえ・吐き気・発作的なみぞおち・右上腹部の痛み・右肩・右背部に痛み

 

○ 胆石症○

寒気・ふるえ・黄色い液を吐く・黄疸・白い便・右上腹部のはれや痛み・背中や肩の痛みがあることもあり・突然の激しい腹部の痛み

 

○腎盂腎炎○

突然の発熱・悪寒・ふるえ・腰痛・側腹痛・頻尿・排尿痛・尿混濁・血尿・膿の混じった尿

 

○インフルエンザ○

悪寒・頭痛・腰痛・関節痛・筋肉痛・だるさ・食欲不振・のどの痛み・咳・鼻水・下痢

 

 

☆次に40℃までは発熱しない疾患を紹介します。

○急性肝炎○

だるさ・全身の脱力感・食欲不振・吐き気・嘔吐・頭痛・悪寒・神経痛・筋肉痛・関節痛・下痢・便秘・みぞおちの右側に圧迫感と圧痛・黄疸

 

○急性すい炎○

みぞおちの周辺突然の痛み・背部痛・吐き気・嘔吐・黄疸がでる場合もあります。

 

○急性虫垂炎○

急激な腹痛(当初は、みぞおちやへその部分といった、体の中央部から始まり右下腹部へと移動してゆきます)・吐き気・嘔吐・便秘・発熱は37度台

 

○肺結核○

風邪と同じ症状で咳や痰がいつまでも止まらない・食欲不振・だるい・疲れやすい・痩せてきた・不眠・寝汗・肩こり・発熱は微熱が続く。

 

○急性気管支炎○

風邪の症状に続いて発症・乾いた咳と痰に続き、湿った咳や黄色い痰に変わる・黄疸がでることもあります・高熱・まれに呼吸困難や顔色が青くなります。

 

○気管支拡張症○

慢性の咳と痰・胸痛

 

○風邪の諸症状○

鼻づまり・鼻水・くしゃみ・咳・ノドの痛み

 

○亜急性甲状腺炎○

甲状腺部(ノドの前部)の痛み・時に耳の痛み

 

○肺炎○

寒気・赤っぽい痰を伴う咳・時に血痰・胸痛・ノドの痛み・頭痛・関節の痛み・吐き気や嘔吐・下痢

 

○急性上気道炎○

鼻水・鼻づまり・ノドの痛み・頭痛・だるさ・食欲不振・咳・痰

 

簡単ですが、以上が西洋医学から見た「発熱」の説明です。

続いて中医学から見た「発熱」の説明をいたします。

 

2019/03/11
【内科疾患】排尿障害5~養生編~

★排尿障害の養生★

 一言で養生と言っても、その方法は沢山ありますが、このHPは東洋医学についてのHPですから、東洋医学流の養生法を紹介いたしましょう。

しかし、東洋医学流の養生法といっても、これまた沢山の種類がありますので、今回は皆さんが簡単に実行に移しやすい「食養生」「健康茶」「酒・薬酒」を中心に紹介したいと思います。

 

 さて、皆さんは「医食同源」という言葉を聞いたことがあると思います。

これは中国の言葉で「食事も医学と同じく健康を左右する大切な物である」という考えです。

その発想から生まれたものが、「薬膳料理」です。

つまり、食事には体質改善や、病を改善させる力があるのです。

そこで是非、皆さんもご自分の体質を理解され、それに見合った食事をして下さい。

今回は「民間療法」も混えて紹介いたします。

そして中国にはもう1つ「医茶同源」という言葉もあります。

これも食事と同様に、「お茶も医学と同じ位健康を左右させることができる」という考えです。

日本人もお茶が大好きな民族ですので、これは健康に生かす手はないと思います。

さて、皆さんの中には梅酒などを作る方もおられると思います。

梅酒には血液を浄化させたり、疲労回復・体力強化・老化予防・食欲消化の促進といった、たくさんの効果 があります。

このように薬効のある原料をアルコールに漬けたものが「薬酒」です。

薬酒は原料をそのまま摂取したり、煎じて飲むより体内の吸収率が高いという利点があります。

さて、養生については先ず、先程紹介した病因別の養生法を、次に、症状・西洋医学的疾患名別 の養生法を、最後に利尿効果がある養生法を紹介します。

 

〈病因別養生法〉

【湿熱による排尿障害(湿熱体質)の養生法】

* 湿熱は「湿」と「熱」が合わさった表現です。

湿と熱では養生法が若干異なりますのでここでは「湿」と「熱」に分けて紹介いたします。

《熱の食養生》

麦・あわ・とうもろこし・はとむぎ・そば・緑豆・浜納豆・豆腐・豆乳

ピータン・プレーンヨーグルト

かに・あさり・ところてん・昆布・のり・わかめ・しじみ

きゅうり・とうがん・ズッキーニ・にがうり・レタス・白菜・セロリ・なす たけのこ・ごぼう・大根・チンゲン菜・トマト

キウイ・スイカ・レモン・梨・メロン・バナナ・柿

《熱の健康茶》

緑茶・ウーロン茶・菊花茶・プーアール茶・荷葉茶・どくだみ茶

《その他、熱の生活上の注意点》

脂っこいもの・味の濃い物・甘いもの・お酒・肉類は食べ過ぎないように注意しましょう。

熱いお風呂も避けましょう。

 

 

 

《湿の食養生》

はと麦・とうもろこし・そば・はすの実・小豆・大豆・緑豆・黒豆

えんどう・空豆

あさり・あわび・しじみ・はまぐり・ふな・どじょう・こい・すずき・昆布 のり・わかめ・ところてん

にがうり・たけのこ・きゅうり・さやえんどう・セロリ・とうがん・もやし 白菜・ズッキーニ・ごぼう

すいか・すもも・ぶどう・キウイ・メロン

《湿の健康茶》

柳茶・プーアール茶・紅茶・ジャスミン茶

《その他、湿の生活上の注意点》

脂っこいもの・味の濃い物・甘いもの・冷たい水分の食べすぎに注意しましょう。

適度な運動(汗をかく位)をしましょう。

冷えは水液代謝を悪くしますので、体を冷やさないようにしましょう。

お風呂はぬるめのお湯で長めにつかりましょう。

 

 

【脾の気や腎の気の不足による排尿障害(気虚体質)の養生法】

脾の気や腎の気の不足は、いずれも気の不足ですから、ここでは大きく「気虚」という括りで養生法を紹介します。

《食養生》

麦・ひえ・きび・あわ・もち米・うるち米・はとむぎ・豆腐・とうもろこし

納豆・そば・うどん・大豆・小豆・空豆・枝豆・黒豆・えんどう豆・赤小豆

牛肉・鶏肉・羊肉・かも肉・鶏卵

鰻・まぐろ・鯛・わかめ・のり・昆布・ほたて・あさり・こい・ふな

いしもち・えび・すずき・いか・貝柱・牡蠣・かまぼこ・あおのり・かに

はまぐり・もずく・しじみ・ひじき・めざし・干物・佃煮・いわし・さば

ぎんなん・金針菜・くるみ・木耳・銀耳・あしたば・まいたけ・しいたけ

人参・山芋・じゃがいも・さといも・さつまいも・かぼちゃ・キャベツ

レンコン

クコの実・松の実・なつめ・パイナップル・サクランボ・桃・ぶどう

りんご・栗

ナツメグ・胡麻・みそ・はちみつ・水あめ・食塩・しょうゆ

=民間療法=

豚の胃袋スープ・はと麦スープ・くず湯・にんにく蜂蜜漬け

りんご酢と蜂蜜のドリンク

 

《健康茶》

クコ茶・グアバ茶・杜仲茶・はと麦茶・麦茶・ほうじ茶・柳茶・なつめ茶

高麗人参茶

 

《酒・薬酒》

ケンポナシ酒・スイカズラ酒・カリン酒・アキグミ酒・五味子酒・ハマナス酒 フユイチゴ酒・くわの実酒・あんず酒・キハダ酒・グミ酒・夏みかん酒・梅酒

《その他、湿の生活上の注意点》

気虚とはエネルギー不足のことですから、食事はしっかり摂りましょう。

又、気虚の方の中には胃腸が弱い方がかなり多くいらっしゃいます。

ですから食事はゆっくり出来るだけよく噛んでいただきましょう。

エネルギーの不足している状態ですから、過度な運動や寝不足は避けましょう。

過度な思い悩みは脾を損傷させますので、注意しましょう。

 

 

【肝の気の鬱滞による排尿障害(気滞体質)の養生法】

*肝の気の鬱滞の主な原因はストレスですので、ストレスを排除する養生法を紹介します。

《食養生》

牛乳

牡蠣・あさり・しじみ・しゃこ・しらす・かに

らっきょ・うど・せり・みょうが・みつば・春菊・パセリ・セロリ・しその葉・からしな・にら・ねぎ・にんにく・小松菜・菊花・キャベツ・かいわれ大根・ボウフウ・大根・かぶ・ラディッシュ・ザーサイ・はまなすの花

みかん・グレープフルーツ・ゆず・金柑・レモン

ミント・ナツメグ・しょうが・こしょう・八角・わさび・さんしょう

《健康茶》

しそ茶・カモミール茶・菊花茶・ジャスミン茶・ミントティー・刺五加茶

 

《薬酒》

高麗人参茶・しそ酒・杜仲酒

《その他、生活の注意点》

日ごろからストレスを溜めないように注意し、自分にあったストレス解消法を探しましょう。

できるだけ規則正しい生活を送りましょう。

アロマや柑橘類の香りは気分をリラックスさせてくれます。

寝室やリビング又はお風呂場などで上手に使ってみましょう。

何か集中できる趣味などを持ちましょう。

 

 

【血の滞りによる排尿障害(オ血体質)の養生法】

《食養生》

小豆・黒豆

まぐろ・かつお・いわし・さば・こはだ・あじ・さんま

山芋・おくら・トマト・なす・アスパラガス・たまねぎ・にら・にんにく・らっきょ・しょうが・とうがらし・ピーマン・ほうれん草・かぶ・うこん

プルーン・クランベリー・桃・いちご・メロン

酢・カレー・黒砂糖

=民間療法=

緑の濃い野菜や野草のジュース・りんご酢と蜂蜜のドリンク

 

《健康茶》

まいかい茶・ヨモギ茶・ウコン茶・ローズティー・ハイビスカスティー

さんざし茶・田七人参茶

 

《酒・薬酒》

紹興酒・赤ワイン・イチゴ酒・梅酒・パセリ酒・ハッカ酒

 

《その他、生活の注意点》

◎運動は血行を促進させてくれますので、適度な運動を心がけましょう。

 

 

【症状・西洋医学的疾患名別の養生法】

☆腎炎の食養生☆

パイナップル(初期の腎炎)・カリウム醤油

 

☆腎結石の食養生☆

ぶどう・牛乳

 

☆前立腺肥大の食養生☆

とうがらし

 

☆尿路結石の食養生☆

キウイフルーツ・くるみ・とうもろこし・酢

 

☆尿道炎の民間療法☆

アケビ・リンドウ:これらを煎じて飲みます。

 

☆膀胱炎の食養生・民間療法・薬酒☆

〈食養生〉

大麦(急性膀胱炎)

〈民間療法〉

あけび・リンドウ・ウツボ草:これらを煎じて飲みます。

〈薬酒〉

コケモモ酒::腎臓炎・膀胱カタル・腎盂炎・リュウマチなどに利くと言われています。

スイカズラ酒:膀胱炎・腎臓病・利尿・感冒・解熱などに効果があると言われております。

 

☆頻尿の食養生・民間療法☆

〈食養生〉

くるみ・えび

〈民間療法〉

ニラの種子:煎じて飲みます。

 

☆尿の出がよくない人の食養生☆

みかん・せり・ハモ・どじょう

 

☆尿漏れの食養生☆

やまいも

 

最後に利尿効果のある食材・薬草・民間療法・薬酒を列挙しておきますので、参考にしてくださいませ。

《食材》

パイナップル・ぶどう・キウイフルーツ・とうもろこしのひげ・せり

 

《薬草》

アケビ・アシタバ・イタドリ・イノコズチ・ウツボ草・エビス草・オオバコ

オケラ・カワラヨモギ・クコ・クチナシ・クララ・クワ・ゲンノショウコ

サジオモダカ・サンショウ・ジャノヒゲ・スイカズラ・スイカ・タンポポ

ドクダミ・ナツメ・ニラ・ニワトコ・ハコベ・ハトムギ・ヒルガオ・ベニバナ

ホオノキ・マツホド メハジキ・ヨモギ

 

《民間療法》

クズ湯・たんぽぽ茶・ニンニク蜂蜜漬け・はとむぎスープ

 

《薬酒》

くちなし酒・しそ酒・しょうが酒・すいかずら酒・たんぽぽ酒

 

以上が排尿障害についての説明になります。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

 

 

◎ 当院での治療をお考えへの方へ

 

=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=

 

当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。

例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。

急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。

ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。

西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。

ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。

例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。

大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。

 

当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。

又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。

 

しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。

 

さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。

当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。

それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。

この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。

特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。

顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)

急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子

その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳

アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など

これらの疾患はほんの一例です。

疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。

針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。

 

当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。

 

少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。

 

2019/03/11
【内科疾患】排尿障害4~淋証編~

**淋証**

「淋証」とは頻尿・尿意急迫・残尿感・排尿痛・小便少量、たらたら出る

といった症状を総称して「淋証」といいます。

現代医学の病名としては

「尿路感染症」「結石」「前立腺炎」「腎盂腎炎」「乳び尿」

などが近い病気にあたります。

「淋証」は病因や症状により

「熱淋」「寒淋」「気淋」「血淋」「石淋」「膏淋」「労淋」「老淋」

などがあります。

書物によっては

「熱淋」「寒淋」「気淋」「血淋」「石淋」「膏淋」「労淋」

の7種類の分類のものもあれば、

[五淋]といい、「熱淋」「気淋」「血淋」「石淋」「膏淋」

の5種類で分類している書物もあります。

 

「淋証」の【病因・病機】については、先程の「りゅう閉」と殆んど同じで、

以下の3つがあります。

Ⅰ、膀胱の中に湿熱が入り込む「膀胱湿熱」

Ⅱ、脾や腎が損傷しておこる「脾腎両虚」

Ⅲ、肝の気が滞って起こる「肝鬱気滞」

 

≪病因・病機≫

Ⅰ【湿熱が膀胱に入り込む淋証「膀胱湿熱」】

りゅう閉の病因でも説明しましたが、「肥甘厚味の過食」や「過度の飲酒」は 体内で湿熱を生みます。

体内で生まれた湿熱は湿の特性から膀胱へ入り込んで「膀胱湿熱」となります。

又、性器を不衛生にしていても「膀胱湿熱」になりました。

膀胱湿熱は膀胱の気化作用を無力させ淋証をまねきます。

(詳しくは「湿熱りゅう閉」の病因・病機を参照して下さい。)

 

Ⅱ、【脾や腎が損傷しておこる淋証「脾腎両虚」】

既に皆さんもご存知のように、長患い・老化・虚弱体質・過度の性交渉などは脾腎を損傷させてしまいます。

このことにより気化作用が無力になったり、逆に固摂作用が無力となったりします(腎気不固*)。

(腎気不固*:腎の生理作用を参照してください)

 

Ⅲ、【肝の気が滞って起こる淋証「肝鬱気滞」】

情志失調により肝の気が鬱滞をおこし、それが熱化し膀胱の気化作用に影響をおよぼしておこります。

(詳しくは肝鬱りゅう閉の病因・病機を参照して下さい)

 

≪症状≫

次に症状と治療の説明に入ります。

「淋証」の病因・病機は「りゅう閉」とよく似ておりますので

証候分析(症状が現れる機序)については簡略化いたします。

もし理解できないようであれば、「りゅう閉」の証候分析を読まれれば詳しく記載されております。

症状は、先程少し触れた[五淋]と「労淋」「老淋」があります。

今回は[五淋]を中心に説明し、「労淋」「老淋」を後から簡単に紹介します。

 

Ⅰ【気淋】

「気淋」とは「気」の不足や、「気」の流れの滞りによって起こる症状を言いますので、「脾腎両虚」「膀胱湿熱」「肝鬱気滞」などによっておこります。

〈主症状〉

排尿に力がない(脾腎両虚)・・・・脾が損傷することによりエネルギーが生産されない状態です(気虚)。

エネルギー不足のため小便を押し出せなくて起こります。

又、腎が損傷すると脾を温められず脾の消化吸収能力を低下させます。

小便が途切れ途切れ・点滴状(脾腎両虚)・・・運化作用や昇清作用の失調のため、膀胱へ運ばれてくる水液が減少しているためです。

又、腎虚により水液代謝や膀胱の気化作用が失調しているためにおこります。

排尿後もポタポタと垂れる(脾腎両虚)・・・・腎の固摂作用の無力化によります。

下腹部が下垂して張った感じがする(脾腎両虚)・・・脾の昇提作用の失調のため下垂感が現れます。

小便が出しぶる(肝鬱気滞・膀胱湿熱)・・・・情志失調により肝の気が鬱滞をおこし、疏泄作用無力となり、膀胱の気化作用が低下しておこります。

下腹部や脇に脹った痛みがある(肝鬱気滞)・・・気の流れが渋滞を起すと脹った痛みが出現します。

下腹部や脇には肝と関わりのある経絡が通るので、この部位に脹痛が出ます。

怒りや情志の失調で症状は増悪します。(肝鬱気滞)・・・情志の失調やイライラは更に疏泄作用を失調させます。

 

〈随伴症状〉

食欲不振(脾腎両虚)・・・・運化作用の失調のため、消化吸収能力が低下し食欲不振となります。

精神疲労・息切れ・だるさ(脾腎両虚)・・運化作用の失調によりエネルギーが不足しておこります(推動作用や宗気の不足)。

顔色が蒼白い(脾腎両虚)・・・・・腎虚により気血が循環できず(温運)おこります。

精神不振(脾腎両虚)・・・・腎虚が進み気虚(エネルギー不足)となり、気の推動作用が失調しておこります。

腰膝に力が入らない(脾腎両虚)・・・腎は腰の府と言われ、腎虚になると腰や膝を栄養できなくなりおこります。

(詳しくは腎の生理作用を参照してください)

普段からイライラや怒りっぽい(肝鬱気滞)・・・・疏泄機能が低下すると情志を調節できなくなりおこります。

咽が渇き、水分を欲する(肝鬱気滞)・・・・気の流れが渋滞を起し、それが熱化してしまったためです。

(これらの症状について、詳しくは肝鬱りゅう閉の病因・病機を参照してください)

 

Ⅱ【石淋】

砂淋又は砂石淋とも呼ばれます。

石淋とは、「膀胱湿熱」「脾腎両虚」などによっておこり、湿熱が溜まることにより、それが尿中の不純物を凝結させて、砂石を形成してしまい尿道を閉塞して起こる症状をさします。

〈主症状〉

尿に砂が混じる・尿の出が渋い・排尿が中断する・排尿痛・尿道疼痛・陰茎や下腹部の脹張感・・・・・・・・・尿道に石があるためです。

 

〈随伴症状〉

腰・腹の激痛・・・・・結石が尿路の上・中部にある場合におこります。

血尿・・・・・・・・・結石が血脈を損傷するとおこります。

顔色がさえない・無気力・・・・・気血両虚による症状です。

体内に湿熱が溜まるということは、もともと運化作用が弱いからです。

運化作用が弱ければ気血の生成不足となり気虚や血虚をまねきます。

食欲不振(脾腎両虚)・・・・運化作用の失調のため、消化吸収能力が低下し食欲不振となります。

精神疲労・息切れ・だるさ(脾腎両虚)・・運化作用の失調によりエネルギーが不足しておこります(推動作用や宗気の不足)。

顔色が蒼白い(脾腎両虚)・・・・・腎虚により気血が循環できず(温運)おこります。

精神不振(脾腎両虚)・・・・腎虚が進み気虚(エネルギー不足)となり、気の推動作用が失調しておこります。

腰膝に力が入らない(脾腎両虚)・・・腎は腰の府と言われ、腎虚になると腰や膝を栄養できなくなりおこります。

(詳しくは腎の生理作用を参照してください)

 

Ⅲ【血淋】

「気血水の陰陽分類」で説明しましたが、体内の血や正常な水が損耗した状態を「陰虚」と呼び、陰虚は熱を生んでしまいました。

このように陰虚で生まれた熱のことを「虚熱」といいます。

慢性病や老化は陰虚をまねきやすく、続いて虚熱を生みます。

この様に生まれた熱や、体内の湿熱が血に影響を及ぼすことがあります。

そして、熱邪には出血させるという特性がありました。

 

「血淋」とは「膀胱湿熱」「脾腎両虚」などでおこり、尿中に血液が混じる淋証で、体内の熱や湿熱が血に影響を及ぼしたり、「石淋」の刺激により血脈が損傷された状態の症状をさします。

〈主症状〉

排尿時の灼熱痛・刺痛・渋り感・尿色深紅・・熱が血脈を損傷しておきます。

血尿・・・・・・・・・・・・血脈が損傷し出血しておこります。

尿中に血塊・排尿痛・・・・・出血した血液が固まり、尿路を閉塞しておこります。

「脾腎両虚」による場合は、排尿痛は無く尿色も淡紅となります。

排尿痛は熱による痛みです。脾腎両虚の熱は虚熱ですから実熱と比べると熱性が弱く痛みも軽くなります。

 

〈随伴症状〉

食欲不振(脾腎両虚)・・・・運化作用の失調のため、消化吸収能力が低下し食欲不振となります。

精神疲労・息切れ・だるさ(脾腎両虚)・・運化作用の失調によりエネルギーが不足しておこります(推動作用や宗気の不足)。

顔色が蒼白い(脾腎両虚)・・・・・腎虚により気血が循環できず(温運)おこります。

精神不振(脾腎両虚)・・・・腎虚が進み気虚(エネルギー不足)となり、気の推動作用が失調しておこります。

腰膝に力が入らない(脾腎両虚)・・・腎は腰の府と言われ、腎虚になると腰や膝を栄養できなくなりおこります。

(詳しくは腎の生理作用を参照してください)

 

Ⅳ【熱淋】

「膀胱湿熱」によっておこります。

湿熱や熱が膀胱へ入ることによりおこります。

〈主症状〉

尿道の灼熱痛み・・・・灼熱痛は熱の特性です。湿熱が尿道に入り込むことにより起こります。

急激な尿意・尿色黄色で混濁・・・・熱の特性です。

尿量少・脹痛・・・・・・・・膀胱の気化作用の低下によるものです。

 

〈随伴症状〉

便秘・・・熱の特性に体内の水を損耗させるというのがありました。

体内の水は体に潤いを与える作用がありますので、水が損耗されると腸を潤すことが出来なくなり便秘になります。

悪寒・発熱・・・・湿熱の外邪を受感した時におこります。

口が苦い・嘔悪・・・湿の特性も1つ粘調があります。そのため湿はその粘調の特性で経絡を塞いでしまいます。この場合は湿熱が体内で経絡を塞いでしまい、気が流れることができなくなってしまい起こります。

 

Ⅴ【膏淋】

「膏淋」は「膀胱湿熱」「脾腎両虚」などでおこり、「肉淋」とも呼ばれます。

〈主症状〉

小便は混濁し米のとぎ汁、又は脂肪の様・・・・・・「膏淋」の特徴的な尿です。

これは膀胱へ湿熱が入ることで膀胱の気化作用が低下してしまい、必要な水分(清)と不要な水分(濁)を分けることが出来なくなり起こる場合と、腎のエネルギー不足により固摂作用が低下して脂液が尿に混じって排出されることにより起こります。

排尿時の灼熱痛や疼痛(膀胱湿熱)・・・湿熱の熱の特性です。

 

〈随伴症状〉

腰や膝がだるく力が入らない(脾腎両虚)・・・「腎は腰の府」と言われ腎のエネルギー不足は腰や膝に影響がでます。

精神疲労・息切れ・だるさ(脾腎両虚)・・運化作用の失調によりエネルギーが不足しておこります(推動作用や宗気の不足)。

日増しにやせる・めまい・・・・混濁した尿を排尿することにより、体に必要な水分(清)が失われておこります。

 

以上が五淋についての説明になります。

次に、老淋と労淋について少し説明をしましょう。

 

「老淋」とは字からも想像がつくと思いますが、年老いてきて起こる淋証です。

腎の生理作用で説明しましたが、老化は腎を損傷させます(特に腎精)。

この腎精の不足によって起こる淋証です。

治療は腎精を補う治療を施します。

 

「労淋」とは、淋証が長い間完治せずにいたため、脾腎両虚となってしまったところに、過労が要因となって発病する淋証です。

主な症状としては、排尿後の陰部の痛み・手足や膝腰のだるさ・無力・精神疲労などがあり、いずれも脾腎両虚による症状です。

治療は「腱脾益腎」といい、脾をたて治し、腎精を益す治療を施します。

 

 

《治療》

さて淋証の治療については、基本的に病因に対して考えますので、先ず、病因別 に紹介します。

 

『膀胱湿熱』による淋証

「清熱利湿」「通淋止痛」といって、病因が湿熱ですから、湿をとり熱を下げることで、淋証を改善して痛みも止める治療を施します。

 

『肝鬱気滞』による淋証

「疏肝解鬱」「気機調節」といって、肝の気の滞りを流し、体全体の気の流れをよくしてあげる治療を施します。

 

『脾腎両虚』による淋証

「腱脾利湿」「益腎固渋」といって、脾をたて治し湿を取り除き、腎のエネルギーを益し、腎の固摂作用を高める治療を施します。

 

因みに、先程紹介した五淋の中で「石淋」の場合は「排石通淋」という言葉を使う場合もあります。

例えば、病因が「膀胱湿熱」の「石淋」であれば、「清熱利湿・排尿通 淋」となります。

他には、「血淋」の場合は、「止血」という言葉を使う場合もあります。

例えば血の中に熱が入って起こる「血淋」の場合は「涼血止血・清熱通 淋」などと言う場合があります。

 

 

以上で中医学から診た排尿障害(りゅう閉と淋証)の説明になります。

次に排尿障害の養生について紹介をしましょう。

 

2019/03/11
【内科疾患】排尿障害3~りゅう閉編~

★中医学による排尿障害の概念★

中医学でも排尿障害は「尿閉」「排尿困難」「頻尿」「尿失禁」・・・・など

現代医学と同様に、幾つかの症状が含まれます。

この中で、「尿失禁」は以前に紹介されておりますので、今回は「排尿困難」「尿閉」「頻尿」「尿意急迫」「残尿感」などを主訴とする疾患について紹介します。

中医学では以上のような症状を主訴とする疾患は「りゅう閉」「淋証」の2つがあります。

先ず、この2つの疾患についての共通点と相違点を簡単に紹介しましょう。

 

▼ 共通点

①、 小便が点滴して出難い

②、 残尿感を伴うこともある

▼ 相違点

 

=りゅう閉=

=淋証=

①1日の総尿量

減少

減少しない

②小便の頻数

頻数しない

頻数する

③排尿痛

排尿痛少ない

排尿痛有り

以上のような共通点や相違点があります。

それでは、「りゅう閉」から説明始めてみたいと思います。

 

★★ りゅう閉 ★★

『りゅう閉』の「りゅう」には排尿時に小便の出がわるく、少量しか出なく、下腹部が充満して隆起した状態で、病勢が比較的緩慢なものを指します。

「閉」は小便が閉塞して出ない状態で、病勢が比較的急性なものを指します。

『りゅう閉』とは、排尿困難となり小便が出にくく、重度の場合は閉塞が起こり小便が不通 になる病症を指します。

 

「りゅう閉」はその病因・病機により下記の6つの証に分類されます。

Ⅰ、湿熱が膀胱に下注して起こるもの

Ⅱ、肺に熱が鬱積して起こるもの

Ⅲ、脾の気の不足により起こるもの

Ⅳ、腎陽の不足により起こるもの

Ⅴ、肝の気が鬱滞して起こるもの

?、血の滞りによって起こるもの

 

「りゅう閉」は、以上のように分類をすることができます。

次に上記の分類に従って、病因・病機~弁証名~症状~治療、の順に説明してゆきます。

 

Ⅰ【湿熱が膀胱に下注して起こるもの】

《病因・病機》

病因のところで説明しましたが「肥甘厚味の過食」や「飲酒過度」は体内で湿熱を生みます。

飲食物により生まれた湿熱は、当初は中焦といって腹部の辺りにありますが、湿の重い性質により下部へと移行して膀胱へ入り込んでしまいます。(湿熱下注)

又、性器を不衛生にしていると、性器を通じて濁気が膀胱へ入り込み湿熱となります。

膀胱の生理作用で説明しましたが、尿が体外に排出されるのは膀胱の気化作用によるものです。

膀胱に入り込んだ湿熱は膀胱の気化作用を失調させてしまいます。

又、腎の熱が膀胱へ転移して湿熱が鬱積し、膀胱の気化作用を失調させる場合もあります。

いずれにしても、湿熱が膀胱へ侵入することにより起こる「りゅう閉」です。

 

≪弁証≫

湿熱が膀胱に入って起こるりゅう閉ですから、

弁証は『湿熱りゅう閉』又は「膀胱湿熱証」となります。

≪症状≫

〈主症状〉

小便は点滴状で尿量少・排尿困難・閉塞・・・・膀胱の気化作用の失調のためです。

尿量黄色又は赤色で灼熱間を伴う・・・・湿熱の熱の特徴です。

 

〈随伴症状〉

下腹部が急に痛む・・・・湿熱の湿の粘調の性質で気血が阻滞を起こして痛みが出ます。

咽の渇き・・・・湿熱の熱の特性より体内の水分が損耗されてしまい、咽が渇きます。

≪治療≫

『清熱利湿』といって、熱を下げ湿を体外へ排出する治療を施します。

 

Ⅱ【肺に熱が鬱積して起こるもの】

≪病因・病気≫

「熱邪壅肺(ねつじゃようはい)」と言って、外因に含まれる「熱邪」を受感してしまうと、その熱が肺に停滞してしまうことがあります。

すると肺の生理作用の1つである「粛降作用」が失調を起こしてしまいます。

「粛降」とは、下方へ降ろす作用でした。

 もう一度、水液代謝を思い出してみましょう。

肺は脾から送られてきた有益な水液を「粛降作用」により下方に降ろしておりました。

つまり、粛降作用により水液は全身を巡り腎に到達することができるのです。

更に腎に送られた水液のうち、再利用できないものは膀胱へと送られ、排尿されました。

「粛降作用」が失調を起こすと、水液が下方へ降りて行きづらくなってしまい、腎へ送られる水液の量 が減ってしまいます。

腎へ送られる水液量の減少は、膀胱へ送られる水液量の減少につながり、最終的には尿量 の減少になるわけです。

 

≪弁証≫

肺に熱が鬱積して起こるりゅう閉ですから、『肺熱りゅう閉』となります。

≪症状≫

〈主症状〉

小便は点滴状か閉塞・・・・・・・・膀胱へ水液が送られてこなくて起こります。

尿の色は黄色・・・・・・・・・・・熱邪の特徴です。

 

〈随伴症状〉

咽の渇き・・・・・・熱の特性より体内の水分が損耗されてしまい、咽が渇きます。

咳嗽・・・・・・・・肺の「粛降作用」が失調している為に、降ろす働きが弱くなり気が逆流(上逆)して上がってきてしまい起こります。

 

≪治療≫

『清泄肺熱』といい、肺の熱を下げる治療を施します。

 

 

Ⅲ【脾の気の不足により起こるもの】

≪病因・病気≫

脾の生理作用の説明の際にも触れましたが、飲食の不節・過度の過労・長患いなどは脾の機能損傷をきたします。

その結果、運化作用や昇清作用の失調が起こります。

正常な水液代謝や脾の生理作用が理解されておられる方なら、既にピンときていると思いますが、これらの機能失調は、脾から肺へ送られてくる水液量 の減少を意味します。

肺に送られてくる水液量が減少すれば、当然体内を巡る水液量も減少し、最終的には尿量 の減少に繋がります。

 

≪弁証≫

脾は体の概ね真ん中にありますので『中虚りゅう閉』又は、「脾気虚証」となります。

 

≪症状≫

〈主症状〉

小便の出が悪い・すっきり出ない又は出ない・・・膀胱へ運ばれてくる水液が減少しているためです。

又、エネルギー不足の為、押し出す力もありません。

排尿後疲労感がある・過労で症状が増悪する・・・・運化作用の失調により、エネルギー不足(気虚)になっているためです。

 

〈随伴症状〉

下腹部が下垂して張った感じがする・・・昇提作用の失調のため下垂感が現れます。

食欲不振・・・・運化作用の失調のため、消化吸収能力が低下し食欲不振となります。

精神疲労・息切れ・だるさ・・運化作用の失調によりエネルギーが不足しておこります(推動作用や宗気の不足)。

 

〈治療〉

『益気健脾』といい脾をたて治し、エネルギー不足を解消させます。

 

 

Ⅳ【腎陽の不足により起こるもの】

≪病因・病気≫

老化や長患いは腎を損傷させます。その中で特に腎陽が損傷を受けると、温煦作用が失調を起こします。

腎の生理作用で説明しましたが、腎陽は温煦作用の力で水液代謝や膀胱の気化作用を支えていました。

温煦作用の失調は水液代謝や膀胱の気化作用を失調させ、癃閉をまねきます。

 

≪弁証≫

腎が損傷して温める力がなくなっておこるりゅう閉ですので、

『腎虚りゅう閉』又は「腎陽虚証」となります。

 

≪症状≫

〈主症状〉

小便が出ない・ポタポタとしか出ない・・・・腎陽虚により水液代謝や膀胱の気化作用が失調しているためにおこります。

排尿に力が入らない・・・・腎陽虚は脾陽を損傷させます。脾陽虚はエネルギー不足となりますので、押し出す力がなくなってしまいます。

老化や過度な性交渉などで症状が増悪します・・・老化や過度な性交渉は腎を損傷させてしまいりゅう閉をまねきます。

 

〈随伴症状〉

寒がり・・・・腎陽虚により体を温める力がなくなっているためにおこります。

顔色が蒼白い・・腎陽虚により気血が循環できず(温運)おこります。

精神不振・・・腎陽虚が進み気虚(エネルギー不足)となり、気の推動作用が失調しておこります。

腰膝に力が入らない・・・腎は「腰の府」と言われ、腎虚になると腰や膝を栄養できなくなりおこります。

(詳しくは腎の生理作用を参照してください)

朝方下痢をする・・・・朝方は気温が一番下がる時間です。この時に体を温める力がないとお腹に冷えが入り下痢をします。

下腹部の冷え・・・・腎は腰の位置にありますので、腎陽虚になると腰や下腹部に冷え感がでます。

 

≪治療≫

「温補腎陽」といって腎陽を補う治療を施します。

 

 

Ⅴ【肝の気が鬱滞して起こるもの】

≪病因・病機≫

病因の内因で説明した情志の失調によるもので、情志が抑鬱状態になると肝の気が鬱滞を起してしまいます。

その結果、肝の生理作用である「疏泄」の機能の低下がおこります。

疏泄の働きの1つに、気血の運行の促進がありました。

疏泄機能が低下することにより、気血の運行も低下を起します。

気は全ての働きの原動力ですから、気血の運行の低下は様々な働き低下させてしまいます。

そのことにより、気化作用や水液の通路である三焦に影響を及ぼしりゅう閉をまねきます。

 

≪弁証≫

肝の気が鬱滞して起こるりゅう閉ですから『肝鬱りゅう閉』となります。

 

≪症状≫

〈主症状〉

小便がすっきりでない・・・疏泄機能の低下によるものです。

下腹部や脇に脹った痛みがある・・・気の流れが渋滞を起すと脹った痛みが出現します。

下腹部や脇には肝と関わりのある経絡が通るので、この部位に脹痛が出ます。

怒りや情志の失調で症状は増悪します・・・情志の失調やイライラは更に疏泄作用を失調させます。

 

〈随伴症状〉

普段からイライラや怒りっぽい・・・・疏泄の作用の1つに情志活動の調節がありますので、疏泄機能が低下すると情志を調節できなくなり、怒りっぽくなったり、いつもイライラするようになります。

咽が渇き、水分を欲する・・・・気の流れが渋滞を起し、熱化してしまったため体内の水分を損傷させてしまっておこります。

便秘・・・・これも熱が腸の水分を損傷しておこります。

 

≪治療≫

「疏肝理気」といって肝の気を流してあげる治療を施します。

 

 

?【血の滞りによって起こるもの】

≪病因・病気≫

血の滞りが尿路を塞ぐために起こります。(イメージ的には現代医学の尿路結石みたいなものです。)

血の滞りのことを「オ血」と言いました。

「オ血」の原因は大きく分けると4種類ありますが、りゅう閉に関係のある原因は「気滞」と「血熱」です。

外傷を受けると血が血脈から流れ出てしまい、更に外傷を受けた部位では気の流れも滞り気滞をおこします。

「オ血」の説明で触れましたが、気の流れが滞ると血の流れも滞ってしまいます。

このことを気の滞りによって生まれる「オ血」ですから『気滞血オ』と言います。

つまり、外傷によって流れ出た血は、その場所で『気滞血オ』となって留まってしまいます。

又、血に熱が侵入すると、熱が血を煮詰めてしまい「血熱血オ」となります。

 

更に「オ血」は塊(腫塊)を生じる特性があります。

外傷や熱の血への侵入により生じた「オ血」が尿道を閉塞しりゅう閉を起します。

その他に、脂っこいものや、味の濃い物を食べ過ぎて(過食肥甘厚味)生じた湿熱が、膀胱へ入り煮詰まり結石となり尿道を閉塞する場合もあります。

 

≪弁証≫

血オによって起こるので「血オりゅう閉」となります。

 

≪症状≫

〈主症状〉

尿がポタポタとしか出ないか、細い。出ない場合もあります・・・尿路が閉塞されているためです。

下腹部が脹って痛む・・・尿路の途中までは尿が来ているからです。

 

≪治療≫

『行オ散結』と言って、オ血をとり尿道を清利します。

 

以上が「りゅう閉」についての中医学的説明になります。

次に「淋証」についての説明に入りましょう。

2019/03/11
【その他】中医学で考える、ストレスが起因で起こる症状と病気

今、世の中ではストレスが蔓延しており、ストレスによる症状で心療内科を受診される方が非常に増えてきております。

それは何故でしょう?

私が考えるには、多くの方々が体の許容量を超え仕事をしなければならない状況下に置かれている事と、体へのお手当てが足りないために増えてきているのだと思います。

 

また、人間は機械と違い感情を持っています。とてもデリケートな生き物なのです。忙しい世の中だからこそ、自分自身の空白の時間、余暇の時間を持たなくてはいけません。それらが足りないが為に、体も心もオーバヒートを起こしてしまい、体に不具合が出てきてしまうのでしょう。

 

では、理論上「ストレス」を中医学(東洋医学)ではどの様に捉え認識しているのでしょうか?

 中医学(東洋医学)では、各臓器には?各々が精神作用を担っている?と考えられております。

「各臓器」とは、肝・心・脾・肺・腎を指します。

 

・「肝」の気が正常な働きを保っていれば

  常識・礼節をわきまえ、物事をきちんと判断し処理します。

 

・「肝」の気がスムーズでない場合は

  憂うつになりやすい、意欲がわかない、決断力が欠けます。

 

 

・「心」の気が正常な働きを保っていれば

  個性豊かな安定した情緒を保ちます。

 

・「心」の気がスムーズでない場合は

  臆病になりやすく、勇気がなく不安感が出やすくなります。

 

 

・「脾」の気が正常な働きを保っていれば

  包容力が有り、皆さんの意見を公平にまとめます。

 

・「脾」の気がスムーズでない場合は

  くよくよ思い悩み、主体性が無く、気迷う事が多くなります。

 

 

・「肺」の気が正常な働きを保っていれば

  五感がさえます(視る、聴く、痛痒など)

 

・「肺」の気がスムーズでない場合は

  表情が無くなり、注意力が散漫、やる気が出ません。

 

 

・「腎」の気が正常な働きを保っていれば

  志を強く持ち、根気が強く丁寧に物事を処理します。

 

・「腎」の気がスムーズでない場合は

  忍耐力が無くなり、根気も無くなり、面倒くさがります。

 

 

これらの臓器の中で、ストレスを受けると働きに特に影響が出やすくなるのが「肝」です。

 

中医学(東洋医学)では、各臓器の気・血が何時も万遍無くスムーズに流れ、気・血が体に満たされている状態が、人間の体を正常な働きに導き且つ健康な状態を保つのだと考えられています。

 

ですが、外気(天候)・精神状態(気持ち・感情)・食生活・房事・労働などの環境が自分の体の許容量 を超えて、必要以上に極端な変化や負荷が掛かってしまった時、生命活動・体を元気に保ち維持するエネルギー、気・血に影響が及び、その流れが損われてしまいます。そのため、体内での機能バランスが崩れ、症状や病気を引き起こすのだと考えられています。

 

この様な気・血の流れの失調により発症する症状・病気などは、残念ながら幾ら検査を行っても数値に出てきません。

しかし、中医学(東洋医学)的な発想で、問診・脈の打ち具合、舌の色合いなどを診ることで、体のどの部分で機能バランスの失調が起きているのかを知ることができます。

 

西洋医学と中医学(東洋医学)では、病気を診る角度が違うので、おのずと治すプロセスも違ってくるのです。

 

それでは、ストレスを中医学(東洋医学)的に考えた時、どの様に捉えるのでしょうか?

 中医学的な考えでは、人間がストレスを感じた時、「肝」の気の流れや働きに異常が出てくると考えます。

 

「肝」の気と言うのは、伸び伸び流れる事で正常な働きを保っています。しかし、いやな事・イライラする事・怒られる様な事などがあると、肝の臓器に影響が及び、肝の気の流れに問題が生じ、気の流れの渋滞を引き起こします。これを肝気鬱結(かんきうっけつ)といいます。この状況が長引くと、気のエネルギーがどんどん溜まって来て、熱を帯びるようになります。熱と言うものは炎上(上昇)の性質を持っています。そのためイライラやのぼせ・めまいなどが生じるようになり、益々症状が悪化するのです。

 

ですから、このような場合は肝の気の流れを元に戻し、スムーズに流れるように促す治療を行なってあげなければ症状は改善されません。

 

 

 

?肝の気の流れが失調した場合、基本的に下記の症状がおこります?

 ●軽い場合:

 

イライラする、怒り易くなる、落ち着かない、胸脇・乳房の脹痛、下腹部の脹痛。

 

 →さらに状態が進行すると:

 

赤ら顔、のぼせ、目の充血、頭頂痛、片頭痛

 

 →もっと進行すると:

 

めまい、ふるえ、ひきつけ、などの症状が出てきます。

 

また、ストレスが起因により肝に負荷が掛かる事で、様々な病気を引き起こします。

 ●軽いものであれば:

 

肩凝り、緊張性頭痛、軽い不眠、腰痛

 

 →多少重くなってくると:

 

過敏性大腸炎、自律神経失調症、書痙、対人恐怖症、突発性難聴、円形脱毛症、不妊症(器質的な問題のないタイプ)、インポテンツ、アトピー性皮膚炎の悪化

 

 →さらに重くなると:

 

パニック障害、適応障害、うつ病、重い不眠症

 

ストレスによる病気は、挙げたらまだまだございますが、上記の病気は一般 的によく目にする症状・病気かと思います。

 

上記の病気で、精神安定剤、抗うつ剤の服用で症状の改善や治っていくケースも多々有ります。しかし、逆に長引いて強い効能のある薬の投与を受ける方もいらっしゃいます。

 

それはどうしてでしょう?

 

中医学(東洋医学)的な発想では、肝の気の流れを改善していない為に、他の臓器の気の流れにも影響が及び症状が進行していくとのだと考えます。

また、自然治癒力(体の回復力)の低下だとも考えられます。自然治癒力の低下は年齢が増せば増すほど起こりやすくなります。体力の低下もその一つです。体力の低下と共に人間の体を整える自然治癒力と言うのは低下して行きます。その為、年齢が増すのにつれて、症状や病気も進行しやすくなるのです。

 

また、自然治癒力は、普段の生活での体への気配りが足りなくても低下しやすくなります。

 

体に負荷をかける生活が多くなりますと:睡眠不足、過労、食生活の乱れなどが起こってきます。

 

そのため、中医学(東洋医学)の治療では、肝の気の流れを調整すると共に、生活指導を行い、自然治癒力の底上げも同時に行い、症状の改善を図っています。

 

 

 何かの病気が発症する前に、体は声を発しています。

日頃、ストレスを感じている方はなるべく体の発している声に耳を傾けて、早めにお手当てをなさってください。

 例:

突発性難聴になる前、頻繁に耳鳴り(ジーやキーンという音)、肩の凝り、耳の周りの脹り、突っ張る様な症状が出ます。この様な症状は、体が注意信号を出している状態です。中医学(東洋医学)ではこれらの症状を?未病?と言っております。未病とはまだ病気にはなっていないが、病気の現れる前兆である事を指します。

ストレスに関して、中医学(東洋医学)的な考えを多少なりともご理解して頂けましたでしょうか?

 

ちなみに、ストレスを溜めやすいタイプは・・・

 

 ・内向的でおとなしい方

 

 ・真面目で几帳面な方

 

 ・取り越し苦労の多い方

 

 ・自分に否定的な方

 

 ・頑固で厳格な方

 

上記のようなタイプの方は、ストレスを溜め込まないように、リラックスとリフレッシュを心掛けて下さいませ。

大事なのは、オープン(発散)・リラックス(ときほぐす)・リズム(イキイキとした生活)です。

 

 普段の生活でストレスを感じている方、何か気になる症状が出ている方、中医学的な考えに関して詳しく知りたい方は、お気軽に当院へご相談くださいませ。

未病の状態は、中医学(東洋医学)が得意とする分野でございます。

 

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