東京都武蔵野市在住 H.Yさん 30代 男性
日ごろから食が細く冷えやすいタイプの方でした。
発症の起因は天候が寒くなってきたことで体が冷え、それにより症状が悪化し、痔核が飛び出してきたようです。
中医学的診察を行なったところ、脈が遅く、舌の色が淡紫紅でした。
これらの反応は体のエネルギー不足を意味しています。
H.Yさんはもともと食が細いために、中医学でいう『後天の気(飲食物から得るエネルギー)』が不足気味なのです。
そのため、天候が寒くなり体を温めるのにエネルギーを消耗してしまい、症状が出てしまったのです。
そして、中医学的な考えでは、気を上に持ち上げる力も不足したために、痔核が出てきたと考えました。
H.Yさんの場合、日頃から食が細いことに起因があるようです。
中医学では、食の細い方は、「脾胃虚弱」「脾気虚」「脾気下陥(中気下陥)」というタイプに多くみられます。
「脾気下陥」というのは、「脾」の働きが低下していることで、本来、上に昇っていく「気」が上がらずに下がっている状態のことです。このようになると、脱肛や胃下垂、子宮下垂といった「下垂傾向」の症状が出やすくなるのです。
H.Yさんは、「気虚」と「脾気下陥」と「瘀血」によって症状が起こっていたと考えられました。
痔だからといって肛門の周りだけに鍼灸治療を行なうわけではありません。
局所的な治療も行ないますが、頭や手足のツボも使って、全体的にケアを行ないます。
下がっているエネルギーを持ち上げるようにしました。また、大腸の働きを改善し、局所の冷えを取り除き、血流の改善を促していきました。
食欲が増すようなお手当ても行ないました。
このような治療をしていって、1回目の治療より2回目、2回目より3回目と、治療の回を追うごとに症状が改善し、段々と痔核が小さくなっていきました。
痛みも緩和してきたようです。
最初は、立ったり座ったりの動作がつらかったようですが、3回目くらいからは、その動作も楽になり、歩行もしやすくなっていきました。
4回目くらいから、正常に戻りつつあり、食欲も出てきて、痔核も上がってきたとのことです。
8~9回目には症状はほとんど緩和し、トータル12回の治療で痔の症状がすべて改善しました。
その後は、食事の指導を行ない、家庭で定期的に養生の灸を行なって頂いているので、痔の症状は落ち着いているようです。
鍼灸治療で痔を治そうというイメージは、なかなか湧かないかもしれません。
しかし、体質判断をしっかりとして、タイプ別のお手当てを行なえば、鍼灸治療はかなり有力なお手当てになると思います。
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