東京都三鷹市在住S.Yさん
48歳。
元気がなく、疲れやすい、寒がり、手足が冷える、白くて薄い水様状の痰が出る、動くと息切れがする、食欲不振、腰や膝が怠い、むくみ、夜間頻尿などの症状がみられました。
中医学では、これらの症状を統括して『水飲内停』というタイプの喘息と判断します。
どうしてこのようなタイプの喘息になってしまったのか。
それは、先天的虚弱と、喘息の慢性化によって、体を温めるエネルギーが消耗し、体内に存在する水分を運搬したり、温めて気化する機能が不足したりしたため、水分が停滞して、希薄な水飲(痰)を生じ、それを出そうとして喘息の発作が出て来ると考えられました。
治療は、温補脾腎・化飲利水といって、体を温める力を高めて、水飲(痰)の産生を抑制し、さらに、水分の排泄を強める鍼灸をいたしました。
体を温めるツボを多くとり、水分の流れをコントロールツボにも刺激を与え、産生された余分な水分である水飲(痰)を取り除くことで体質改善を促しました。
治療期間は、半年程かかりました。
最初の3ヵ月は、週2回のペースで治療を受けていただき、
その後の1ヵ月半は、週1回のペースで、
その後は、10日に1回のペースにしました。
3ヵ月間発作が出なくなったので、治療を終えました。
基本的に、慢性症状の場合、3ヵ月間、症状・発作等が落ち着いて現れなかった場合に一応治癒したとみます。
ただし、その他の症状や疾患の場合もそうですが、
症状が出なくなったといって治療をすぐにやめてしまう方がいますが、
本来は、まだ症状が小康状態になっているだけで、完全に治ったという訳ではないです。
病の芽はまだ残っていることのほうが多いのです。
ですから、症状が出なくなっても、最低3ヵ月くらいは様子を見て、継続的に治療を行なった方が宜しいかと思います。
喘息治療で大切なのは、発作を止めることだけが、喘息の治療ではないということです。
次の発作を引き起こさないように、病を根本から改善していくことが重要なのです。
吉祥寺 中医学に基づく 喘息
鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院