東京都武蔵野市在住S.Yさん
20XX年10月に来院されました。
事の起こりは、10年前だったそうです。
S.Yさんは、大学卒業後就職しました。その4か月後の8月。家族に「円形のハゲができている」と言われたそうです。
皮膚科に行って診てもらうと、「円形脱毛症」と診断されました。
塗り薬を処方され使用すると、一時的には良くなったそうですが、その年から定期的に、円形脱毛症が起こるようになってしまいました。
当院へ来院されたときも、後頭部右側に500円玉くらいの大きさの円形脱毛ができていました。
詳しく生活状況を聞いたところ、
『以前よりも仕事量が増え、ストレスが多い状況下にある。夜はあまり眠れず夢ばかり見る。腰も痛い。夜間に手足が火照る感じがある。口渇感がある。頭がボーっとすることが多い。便が硬め』
ということでした。
中医学的に分析すると、「血虚」という状態が進行して、「陰虚」という状態になっていることがわかりました。
これは、慢性的なストレスにより、体のエネルギーが滞り、そして熱に変化し、体の中にある陰液(血液や水分)を消耗させてしまっている状態です。
そのため、髪の毛へ栄養素が不足し、円形脱毛症が起こってしまったのです。
円形性脱毛症の症状で来院されましたが、ほかにも色々な不定愁訴が生じてして、それらが円形脱毛症を起こす引き金になったと考えられました。
「陰虚」という状態(火照り、腰痛、口渇、頭がボーっとする)を改善するお手当てを行ない、それと同時に、精神安定を促す治療をし、睡眠が充分に取れるようにしました。
睡眠がきちんと取れるようになると、体を整える力(自然治癒力)が戻ってくるので、他の悪かったところも自然と改善されていきました。
S.Yさんは、3ヵ月間、週2回の治療で「火照り、腰痛、口渇、頭がボーっとする、不眠」が改善し、それとともに、円形脱毛症も徐々に改善していきました。
現在は、体調不良を起こさないよう、なるべく週1回のペースで養生のための治療を受けるよう努めておられます。
そうすることで円形脱毛症の繰り返しを避けることもできるのです。
吉祥寺 中医学に基づく 円形脱毛症
鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院