コラム

2019-10-25
夜間尿「おねしょ」~楊中医鍼灸院治療体験談10~

東京都武蔵野市在住M.Kさん

 

 

息子さんが「おねしょ」をするということで、お母様が当院へ相談に来られました。

息子さんは小学6年生。

半年後に修学旅行を控えているということでした。

そこで、一度息子さんを連れて来院するようにお伝えしました。

 

後日、息子さん(以下、M.Kさん)はお母様と一緒に当院へやってきました。

M.Kさんは、色白で、同じ年頃の子どもと比べて身長が低く、少しやせ気味でした。

生活状況を尋ねてみると、食は細く、便は軟らかい、オシッコの色は透明で、トイレが近い。

時々、頭がボーっとする、どちらかと言えば寒がり、ということでした。

 

手足に触れてみると、たしかに冷たく、舌を診ると色は淡くて、型は胖大、脈は細くて遅いということがわかりました。

 

以上のことから、M.Kさんの体質が、「脾腎気虚」から「脾腎陽虚」という状態になりかけていると判断いたしました。

 

「脾腎気虚」とは、食が細く、軟便気味で体の活力が不足している状態のことをいいます。

本来なら小学6年生と言えば、食欲旺盛で活動的、背もぐんぐん伸びる時期です。

しかし、M.Kさんは、食が細く軟便気味であるので、栄養が吸収されず成長が遅れていました。

 

そして、栄養が足りないため、人間が「生まれ持ったエネルギー」をも消耗している状態でした。

「生まれ持ったエネルギー」というのは、中医学では、「腎」にあると考えています。

 

そして、中医学では、食べたものを消化吸収して、人間が生活していくのに必要な「気」や「血」というエネルギーを生産するのを「脾」の働きと考えています。

 

M.Kさんの場合、常に軟便気味になっていたので、「気」や「血」のエネルギーが不足していました。

そのため、「生まれ持ったエネルギー」を貯蔵している「腎」から少しずつ少しずつエネルギーをもらっていたため、「腎」のエネルギーが不足し、冷えの現象が出始めたのです。

「腎」のエネルギーが不足し、働きが低下してきたので、「おねしょ」という症状が出てきたと考えられました。

中医学では、「腎」のエネルギーは、尿の働きと深い関係があると考えられています。

 

 

体を温め、食欲を増させることが大切と考えて、「温補脾腎」と治療を行ないました。

「腎」のエネルギーが補強されるように、週2回のペースで通院していただきました。

 

2か月後、「おねしょ」はすっかり治りました。

食欲も増し、軟便も治りました。

そして、治療後もしばらく、家でお灸をするよう勧めました。お母様の協力もあり、3ヵ月間お灸を行なっていただけたようです。

 

その後、お母様がM.Kさんと共に来院されました。

約半年で、身長が8cm伸び、体重は6㎏増え、見違えるほどに成長していたのです。

心配していた修学旅行も無事に行けたということでした。

 

 

 

吉祥寺 中医学に基づく 夜間尿 おねしょ

鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院

 

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