武蔵野市吉祥寺在住T.Kさん
この方は、慢性的な下痢症状のため、当院に来院されました。
いろいろな病院で検査をしたのですが、胃腸には何の異常も見つからず、整腸薬を長く投与されていたのですが、結局、症状は改善されなかったそうです。
初診時に体質を判断した結果、T.Kさんは「冷え」タイプに当てはまりました。さらに、中医学的にみて、「脾」と「腎」という部分も働きが低下していることがわかりました。
また、問診をしていくうちに、食生活に問題があることがわかったのです。
T.Kさんは、身体に良いということで、毎朝、ヨーグルトにトマトやキウイなどを混ぜて食べる習慣がありました。
ヨーグルトは、整腸作用のある食べ物ではありますが、トマトやキウイは、食べ物の中では「寒タイプ」の食材であり、あまり摂りすぎると、身体を冷やしてしまうのです。
T.Kさんはもともと「冷え」の体質でありましたので、「寒タイプ」のものを摂りすぎたために、身体をさらに冷やしてしまうこととなり、身体を温める力が損なわれることによって、「脾」と「腎」に負担がかかってしまったのです。
そのために、「脾」と「腎」のエネルギー不足が長く続き、結果的に、慢性的な下痢症状が起きていたのです。
中医学的に、「脾」と「腎」という臓器は冷えを嫌がり、さらに排便にも関わっています。
人間の身体が冷えると、普通に摂取している水分を排泄しにくくなり、身体に余分な水分を溜め込んでしまいます。
そうなると、身体の防御反応で、余分な水分を「下痢」という形で強制的に排泄するのです。
下痢として水分を排出すれば、必要な栄養も一緒に出て行ってしまい、当然、充分な栄養吸収がなされないので、エネルギー不足となり、身体が温まらなくなるという悪循環を起こしてしまいます。
T.Kさんは、こうような状態を繰り返すことにより、慢性的な下痢症状を起こしてしまっていたのです。
当院では、T.Kさんに身体の芯が温まる鍼灸治療を施し、さらに体を温める食事を摂るように指導しました。
T.Kさんは、治療を受けていくうちに、段々と便の症状が改善されていきました。
T.Kさんは現在も、週に1~2回の治療を継続することで、症状の回復とともに、脳梗塞の再発防止など、その他の症状の予防にも繋がっております。
また、80歳という年齢にもかかわらず、元気に海外旅行にも出掛けていらっしゃいます。
吉祥寺 中医学に基づく 慢性的な下痢
鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院