顔面神経まひとは顔面神経が何らかの原因により障害された病態の総称であります。
中枢性と末梢性の顔面神経マヒがあるが、ここでは末梢性の顔面神経まひについてお伝えします。
顔面神経とは主に顔面の表情筋の運動に関係する神経です。また、味覚や涙、唾液の分泌などにも関係しています。 西洋医学的には、 急性期では副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロンなど)により神経炎症・浮腫の改善を、ビタミンB製剤により神経再生の促進を目的に薬剤を併用し、保存的治療を行います。
症状は、 顔面部に表情の硬さ・麻痺を感じ、患側では額にしわを寄せたり、眉をあげたり、イーッと歯を見せたり、頬を膨らませることができません。
口角が健側に向いて歪み、口に水を含めると漏れたり、患側の額のしわと、鼻唇溝(鼻翼外側と口角外側にできる溝が消失し、眼瞼を完全に閉じることができなくなります。
なかには、耳後・耳下・顔面部の疼痛が生じたり、舌前2/3の味覚が減退(あるいは消失)や聴覚異常が現れます。
漢方薬は、
気温差や(夏場のクーラーや寒い日の)冷たい風をあびるなどして発症した方:川芎茶調散
ストレス・憂うつ・考えすぎといった精神的刺激などで発症した方:加味逍遙散
疲労・飲食の不摂生・ダイエット・神経質、心配性の性格などで発症した方:十全大補湯
などおすすめです。
ご紹介した漢方は一例ですので、同じものを飲めば良いかというとそうではありません。
タイプ別に分かれること、タイプによって色々な漢方があることをご理解頂ければ幸いです。
また、タイプは1つだけ現れる方もいれば、いくつかのタイプが合わさるタイプの方もいます。
実際に服用される際は、漢方薬をきちんと学習された方に診て頂くことをおすすめ致します。
吉祥寺 中医学に基づく 顔面神経麻痺
鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院