コラム

2019-03-12
【五官科疾患】近視について

西洋医学的に考える近視

近視は屈折異常の一種で、遠方から目に入ってきた光が網膜上の正しい位 置ではなく、網膜より手前で像を結び、物がぼやけて見える状態です。近視は、角膜から網膜までの長さが正常より長すぎるか、角膜・水晶体の光の屈折力が強すぎることにより起こります。

 

なぜ起こるのか…

近視の正しい原因は、現在のところはっきりとはわかっていませんが、遺伝的な要素と環境が関係すると考えられています。

 

遺伝的な原因

親が近視の場合、子供が近視になる可能性は比較的高く、遺伝的な要素が複雑にからんでいると考えられます。

 

環境的な原因

一般的な近視の場合、環境も影響すると考えられています。勉強、読書、テレビ、コンピューターゲームといった近くを見る作業を長く続けたり、暗い部屋など、適正な照明の元で行われない場合、目の負担になります。このような状態を長く続けることにより、視力低下が起こるといわれています。(化学的な因果 関係はまだ研究段階です)

 

●●●中医学的にみると…

中医学的に近視を捉える場合は、西洋医学のように、単なる屈折異常のひとつとして捉えるわけではなく、眼精疲労や視力低下も含めて全般 的に捉え、その方の体質や生活をしっかりと把握してタイプ別に分けて治療することになります。

 

▼関係する臓腑

中医学では、目に関連する臓腑は肝・胆・腎と言われています。

肝と胆は目に通じており、肝に何らかの負担がかかると目の疲れや視力の低下が起こります。また、肝は筋の働きも管理していますから、視力を調整する筋の管理も担当しており、その働きが悪くなると、近視の症状が出てしまいます。

腎は生まれながらにして人間がもっている両親から授かったエネルギー(精)を蔵しています。また、中医学には「肝腎同源」という言葉があり、肝と腎はお互い助け合いながら働いているため、どちらかの臓腑に問題があると視力低下や目に関する症状が出てくるのです。

また、両親から授かったエネルギーを蔵している腎に対して、脾は、生まれた後のエネルギーを作る作業を担う臓腑のため、直接ではありませんが、関係のある臓腑としては無視できません。

 

▼ 近視をタイプ別に分けると…

● 肝血不足による近視

中医学では肝は血を蔵すると言われています。肝血は目を滋養する働きを担っていますので、なんらかの原因で肝血が不足すると目を充分に栄養することができなくなりますから、眼精疲労や視力低下の症状が起きたり、目の周りの筋がピクピクするなどの症状が現れます。

 

付随する症状:目の乾燥感、かすみ、肩こり、手足の痺れ、ひきつり、足がつるなど

治療方法:肝の血を補う治療を行います。

ツボ:太衝、三陰交、血海、地機、陽りょう泉、風池、膈兪、足三里

 

積極的に取った方が良い食べ物:赤色、黒色、紫色の食品、黒米、栗、黒豆、あずき、紫いも、ごま、松の実など全ての種実類、ほうれん草、小松菜などの緑の濃い野菜、人参、きくらげ、血筋の多い魚(さば、さんま、まぐろ、いわしなど・・青み魚類)、ブルーベリーほかベリー類

 

 

● 肝気鬱滞による近視

肝の気は目に通じて、眼球運動と視力に関係するわけですが、肝は臓腑の中で最もストレスに弱い臓腑と言われています。ですから、ストレスが多いと、肝の気の流れが悪くなり、身体を構成している気・血・水の流れが悪くなるため、本来目を栄養するはずの、気や血の流れが滞り、視力の低下や目の疲れが起こります。

 

付随する症状:イライラ感、側頭部の頭痛、胸脇の張り感、腹にガスがたまる感じなど

治療方法:肝の気をスムーズに流す治療を行います。

ツボ:太衝、陽りょう泉、三陰交、内関

 

積極的に取った方が良い食べ物:春菊、三つ葉、柚子の皮、香菜など、香りの良いもの。 ジャスミン、カモミール、ミントなどのお茶を飲むのも良い。

 

● 腎虚による近視

腎は生まれながらにして人間がもっている両親から授かったエネルギー(精)を蔵しています。その生まれながらにして蔵しているエネルギーが少ないと、比較的低年齢から近視や弱視の症状が出ることになります。

また、年齢を重ねることにより(加齢)、両親から授かったエネルギーが消耗しても、このタイプの近視は起こります。

 

付随する症状:頭のふらつき、知力減退、めまい、耳鳴り、聴力減退、腰と膝に力が入らないなど。

治療方法:腎精を補う治療を行います。

ツボ:三陰交、太渓、絶骨、復溜

 

積極的に取った方が良い食べ物:もちこめ、やまいも、大豆、そらまめ、栗、はすの実、 黒い食べ物(もずくなど海藻類)、ネバネバのもの。

 

※腎虚には、更に、冷えの症状を強く訴えるタイプと、身体の内側に熱感を感じるようなほてり感を訴えるタイプに分けられ、それぞれ治療方法が異なります。

 

― 冷えの症状を訴えるタイプに付随する症状:目が疲れやすい、冷たい涙が出やすい、手足の冷え、夜尿多い、腰膝のだるさ、手足のむくみ

 

― ほてり感のあるタイプに付随する症状:目の乾燥感、かすみ、眩暈、難聴、耳鳴り、皮膚乾燥、口乾、腰のだるさ

 

● 脾気虚による近視

腎が生まれながらにして両親から授かったエネルギーを蔵するのに対し、生まれた後の精を作り出すのは、脾の働きによるものです。ところが、飲食の不摂生により、生まれた後のエネルギーがしっかりと作ることができないと、気も血も水も不足してしまうため、視力低下の症状が現れます。

 

付随する症状:目の乾燥感、涙が出ない、食べると腹が鳴る、食欲不振、便秘あるいは軟便・下痢

治療方法:脾の気を補う治療を行います。

ツボ:足三里、太白、陰りょう泉、三陰交、内関、公孫、血海

 

積極的に取った方が良い食べ物:かぼちゃや芋などの黄色く、ホクホクとした食べ物、きのこ、もち米など。

 

以上近視について述べさせて頂きました。

近視に関して、中医学(東洋医学)ではタイプ別により治療の仕方が変わってくることを、ご理解頂けましたでしょうか?

 

近視でお悩みの方

一度、中医学的な治療を試みるのも宜しいかと思います。特に受験期の学生の急な近視傾向、或は、仮性近視の治療などは早めのお手当てをされた方が、良い結果 が出やすいと思います。

 

近視の治療に関して、必ずしも、目の周りのツボを使う必要性はないので、眼の周りに鍼を打たれるのが不安な方は、ご心配されなくても大丈夫です。手足のツボで、目の症状を治療するツボをしようして、治療が行えるのも、中医鍼灸の特徴です。

 

詳しい事をお知りになりたい方は、お気軽に当院までご相談下さい。

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