コラム

2019-03-12
【外科・整形外科・皮膚科疾患】脱肛について

みなさんは、脱肛(だっこう)という病気はご存知でしょうか?

一般的にはよく知らない方が多い病気だと思います。しかし、これは決してめずらしい病気だからというわけではないようです。脱肛は、肛門、直腸の病気です。だからこそ、なかなか人に相談しにくくあまり知られていないのではないでしょうか。

 

今回は、脱肛という病気について述べていきたいと思います。

 

●現代医学的な脱肛の捉え方●

 

まずは現代医学的に脱肛を捉えていきたいと思います。

 

脱肛を簡単に言ってしまえば、痔が進行した状態ということになります。

ですので、まずは痔について少し述べていきます。

 

痔とは、肛門周囲における病気の総称で、大きく分けて、痔核(イボ痔)、切れ痔、痔ろうの 3つのタイプがあります。この中でもっとも多いのが痔核であり、痔の半数以上は痔核であると言われています。

 

痔核は、肛門の静脈がうっ血して起こるもので、肛門の内側にできるものを内痔核、外側にできるものを 外痔核といいます。

内痔核は、痛みはありませんが、残便感や出血が認められることがあります。この症状が進むにつれて 排便時に内痔核が肛門の外へ出るようになってきます。外へ出た内痔核は、始めのうちは自然に肛門の中へ戻りますが、次第に手で押し込まないと戻らなくなってきます。さらに、症状が進行すると常に内痔核が 肛門の外へ出ている状態となります。

 

このように肛門の外に内痔核が出てしまっている状態を脱肛と言います。

症状は、進行の度合いにより違ってきますが、痔核がこすれて異物感を感じたり、痔核から出血したり、 粘液で下着が汚れたり、痛みを感じることもあります。

脱肛は生命に関わる病気ではありませんが、陰部の病気であることから、とくに女性では悩まれる方も 多い病気です。

 

脱肛の原因はさまざまですが、以下のような場合に起こりやすいとされています。

 

・便秘が常習化している

・排便時の力み

・出産時の力み

・力仕事

・過度の飲酒

 

治療は、脱肛の進行状態によって異なります。

完全な脱肛ではなく、進行が軽ければ、生活習慣の改善と、座薬や軟膏を併用すれば治ります。

しかし、完全に脱肛になってしまうと、薬剤や生活習慣の改善だけでは、治療することができないため、 手術の必要があります。

 

●中医学的な脱肛の捉え方●

 

では次に、中医学的にみた脱肛を述べていきたいと思います。

 

中医学的にみた脱肛では、虚証によるものと、実証によるものに分類されます。

 

◇虚証による脱肛

 

虚証とは、体内の臓腑の機能が低下していることが原因で、疾病となるものをさします。

 

脱肛の場合、主に脾の臓の機能低下が原因となる場合が多いとされています。

これは、中医学では、脾の臓が昇挙の機能をもち、臓器の位置が下がらないよう保っていると 考えられているためです。このため、長期間の消化器疾患を持つ方は、虚証による脱肛を患う可能性が 高いと言えます。

 

脾の臓の疾患であることから、随伴症状としては他にも、次の症状がみられることがあります。

・慢性的な倦怠感

・下痢 ・顔が黄色い

・腹部の張り

・女性の場合、子宮下垂や子宮脱

 

治療は主に、原因となっている脾の機能を高めることを目的とした配穴を処方します。

また、慢性的な疾患であることから、日々の食養生も大切です。

 

以下の食材は、脾の機能を高めるとともに、脱肛を改善する力が高い食材です。

・白きくらげ

・なつめ

・もち米

・鶏肉

 

 

◇実証による脱肛

 

実証は、虚証とはことなり、原因が外的要因によるものが疾患の原因となるものをさします。

脱肛の場合、長期間の便秘による力み過ぎや、痔疾患の急性期による局部の腫脹が原因で、 肛門の拘束機能が果たせなくなった場合が、実証に分類されます。

 

実証における脱肛では、局部の発赤や腫脹、激しい痛みや痒み、時には発熱をすることもあります。

 

治療は主に、体内に熱を生み出しやすいことから、体内の熱を取り除く配穴を処方していきます。

 

また、食養生でも体内の熱を取り除くことはできます。

以下の食材は、体内の熱を取り除くために効果的な食材です。

・せり

・うずらの卵

・昆布

 

便秘痔の力みが原因の場合は、以下の食材が便秘改善に適しています。

・ごぼう

・さつまいも

・くらげ

・はちみつ

 

いかがでしょうか?

中医学的な脱肛に関しての考え、ご理解頂けましたでしょうか。

 

中医学的な観点では、見た目に現れる外科的な疾患であっても、決して外科手術だけが、 手当ての手段というわけではありません。原因によっては、臓腑生理の視点からお手当て していくことで、根本的な治療につながると考えるのが、中医学的治療であるとご理解いただけると幸いです。

 

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