6ヶ月以上炎症が持続する場合、慢性肝炎といいます。慢性肝炎を起こすウイルスは今のところB型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)と考えられています。日本人では人口の1~2%がHBV、HCVのキャリアーとされています。日常良くみられる疾患で慢性肝炎と区別 を要するものに脂肪肝があります。これは慢性的に肝機能障害が持続しますが、肝臓の炎症(肝炎)を起こすことは稀です。
頻度的には慢性肝炎の約70%がC型肝炎で、B型肝炎が約15%、自己免疫性肝疾患数%とされています。
肝機能が悪化しているのを知らずに放置していると、次第に慢性肝炎から肝硬変へと病気が進行し、ついには肝臓癌に至ることがあるのです。したがって、これらのウイルス性肝炎に対する治療は、肝臓癌を減らすために非常に重要な意味を持つのです。
中医学的では独自の理論に基づき、現れている症状や日常の生活習慣状況(睡眠時間、食欲、食べ物の嗜好、排便の状態)などを照らし合わせ、舌診、脈診などを用いて診察していきます。
その診断に基づいて、個々の体質を把握し、その人その人に合った治療をしていきます。
鍼灸治療では、身体の機能を活性化させ、体力や免疫力の増強をはかることができ、現代医学での治療をうまく併用させることにより効果 が高まりやすくなるかと思います。
▼現代医学的な診断・検査・治療法▼
肝炎の原因には、下記のようなものがあります。
・ウィルスによるもの(ほとんどが、これになります。)
・アルコールの多飲
・自己免疫性疾患
自己免疫性肝炎(AIH)と原発性胆汁性肝硬変(PBC)があって、これらの疾患は、外からの原因ではなく、自らの免疫系が肝臓を攻撃してしまうもので、比較的稀な疾患です。
・薬剤性
・脂肪肝
ここでは、ウイルス性肝炎の中のB型肝炎とC型肝炎についてお話していきたいと思います。
<B型肝炎とは・・>
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染により肝臓に炎症が起こる病気です。
急性肝炎の約30%、慢性肝炎の約20%がB型肝炎ウィルスの感染で起こるといわれています。B型肝炎ウイルスは人の血液、体液を介して感染することが知られ、感染経路は、母親から子供に感染する「垂直感染」と、それ以外の経路による「水平感染」に分けられています。
■感染経路
<垂直感染>
キャリアの母親から赤ちゃんに感染する母子感染のことで、95%が出産時に産道を通 過する際に起こります。近年では、出産直後からはじまる予防プログラムの普及によりほとんど感染は起こりませんが、母親の子宮内で胎盤早期剥離などのため、出産以前に胎児に感染してしまっているケースが稀に存在します。
<水平感染>
輸血・注射・ハリ治療・入れ墨・性交為などにより、キャリアの血液や精液に濃厚に接触した際に起こります。現在では、血液銀行で厳重な検査がなされ輸血で感染することはありません。又ディスポーザブルの注射針やハリが一般 に使用されるので、注射やハリ治療で感染することはありません。
成人期の感染は、発病しても急性肝炎のみで慢性肝炎になることは稀です。しかしごくまれに劇症肝炎を発症することがありますので慎重な観察が必要です。
B型肝炎のほとんどは新生児、乳幼児期に感染したものです。
B型慢性肝炎の20~30%が肝硬変へ移行し、さらに肝がんを合併する可能性があります。
また時には、肝硬変を経ずに肝がんになる場合もあります。
<C型肝炎とは・・>
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染により肝臓に炎症が起こる病気です。
急性肝炎の約20%、慢性肝炎の約70%はHCVの感染により起こるといわれています。また、日本の肝がんの約80%はC型肝炎が原因といわれ、がん発症率の高さが問題となっています。
■感染経路
<輸血後肝炎>
輸血や血液製剤による感染で、およそ半数を占めます。現在では、血液銀行での厳重なチェックにより輸血で感染することはまずありません。
<散発性肝炎>
残りの半数にあたり、ほとんどが、昔の予防接種や覚醒剤注射などによる血液感染とみられ、性交為による感染はごくまれです。
HCVはHBVに比べ、血液中のウイルス量がはるかに少なく、精液などの体液に出てくる量 はきわめて微量だからです。HBVでは過去に高率にみられた母子感染もHCVでは2%前後にすぎません。
C型肝炎ウイルスに感染すると急性肝炎が起こりますが、症状が軽いために気づかれないケースが多く、劇症肝炎となるケースはほとんどありません。
急性C型肝炎の30%前後は治癒しますが、70%前後は治癒せず慢性C型肝炎に移行していきます。
<肝炎の検査>
慢性肝炎のなかでも軽いものから肝硬変に近いものまであり、その程度を知るために
・血液検査(GOT、GPT、血小板数など)、
・画像検査(エコー検査、CT検査)
などを行います。
進行してくるとGOTの方がGPTよりも高くなってきたり(慢性肝炎のうちはGPTの方が高い)、血小板数が減少したりします。
最終的には肝生検といって、細い針を用いて肝臓の組織を一部採取し、顕微鏡で調べる検査をするとより詳しく状態を見ることができます。
<肝炎の治療>
肝炎ウイルス保有者の方すべてに治療が必要なわけではありません。自然に治った方や、肝機能が安定している方の場合は、治療せずに定期的に血液検査を行い、経過をみます。
<インターフェロン(IFN)とは・・>
B型・C型どちらの慢性肝炎でも使われますが、特にC型肝炎ウィルスに対してウィルス完全排除が期待出来るので注目されています。
もともとは人間の体内で産生される糖蛋白質で、ウイルスを体内から排除したり、ウイルスの増殖を抑える働きがあります。また、完全にウイルスが排除されなくてもGOT・GPTの数値が正常化したり、肝機能の改善をもたらし、ひいては肝硬変・肝がんへの進行を抑える働きもあります。
根治的治療としては、インターフェロン治療があります。最近はリバビリン(経口抗ウイルス剤)を併用することによりインターフェロン単独では約30%の治癒率が、約50%まで上がったと言われています。
対症療法としては、ウルソデオキシコール酸、強力ネオミノファーゲンC(静脈注射)などがあります。インターフェロン治療をすると、たとえ治癒しなくても後の肝臓癌の発生を抑制することができるとも言われています。
~B型慢性肝炎の治療~
B型肝炎は、HBe抗原が陽性でHBe抗体が陰性であると、ウイルスが増殖し肝炎が増悪し持続する傾向があります。その結果 、肝機能が悪化しやすい状態になります。
しかし、HBe抗原陰性、HBe抗体陽性になるとウイルスの増殖が弱まり肝炎は鎮静化し、肝機能も安定化します。B型慢性肝炎ではこの状態になることを目指し治療をしていきます。
~C型慢性肝炎の治療~
C型肝炎ウイルスは、自然に排除されて消えてしまうことが極めて少ないウイルスで、急性感染者の約70%が慢性肝炎へ移行し、肝硬変、肝がんへと悪化する傾向にあります。最近、GPTを下げることができて肝炎を鎮静化させることができれば最終的には肝硬変、肝がんへの進行抑制が出来ることが判明しています。
治療の目標は、まず肝炎を鎮静化させること、最終的にはウイルスを排除することです。
▼中医学的慢性肝炎のとらえかた▼
中医学では、主に「肝」「胆」「脾」「胃」の働きが低下することにより、慢性肝炎を引き起こすと考えられています。
肝と胆が関わるということは、みなさんも既にお分かりになるかと思います。しかし、脾と胃はというと「???」の方もいらっしゃるかもしれません。この脾と胃こそが慢性化の段階では病気を長引かせる病気の根源となるわけです。
健康な状態の肝と脾胃との関係は、エネルギーの流れを円滑にする働きのある「肝」が、消化機能をつかさどる「脾胃」の働きを高め、消化・吸収の手助けをしています。一方、肝と脾胃との間で不均衡な状態が生まれますと、エネルギーの流れが停滞し、消化吸収がうまく行なわれなくなってしまいます。その結果 、食欲がわかない、吐き気がある、軟便ぎみである、体が重いなどの症状があらわれます。
急性期(肝炎)では、肝胆から脾胃に影響を及ぼし、慢性期では、脾胃のエネルギー不足の病変が肝胆に及ぶケースが多いのです。
脾は、消化吸収をつかさどり、湿をつかさどります。
この湿とは、粘滞性があり、流れを阻む性質があります。一旦この湿が身体に停滞しますと、病気が長引きやすく、熱を生みやすくなります。自然界でいう梅雨の季節がこれにあたります。蒸し暑く、ねっとりとした汗が肌にまとわりつく感じを体感されたことがあるかと思います。この状態が体内でも同じように起こり、気血の運行を阻むのです。この湿を生む主な原因となるのが飲食の不摂生や過度の飲酒になります。その結果 、脾胃の働きを低下させ湿邪(不必要な水分)が身体の中に蓄積します。
病状がさらに進むと肝胆に影響を及ぼし、肝のエネルギーが鬱滞しますと、胆汁の輸送がうまく行なわれなくなり、肝胆の正常な機能を阻害し、本病の発病につながるのです。
ここで簡単に、中医学的体のしくみについて、それぞれの臓腑の働きについてどのように考えられているのかを説明していきたいと思います。
▼中医学的からだのしくみ▼
~「気」「血」「水」とは~
体全体の活動源である「気」、体内の各組織に栄養を与える「血」、血液以外の体液で体を潤してくれる「水」、これらの3つが体内に十分な量 で、スムーズに流れていることにより、体の正常な状態が保たれます。
もし、これらのひとつでも流れが停滞してしまったり、不足してしまったりするとからだに変調をきたし、様々な症状がでてきます。さらにこの状態を放置し、慢性化してしまうとお互い(気・血・水)に影響が及び症状が悪化してきてしまうのです。
~臓腑の働きとは~
「気・血・水」を作り出し、蓄え、排泄するといった一連の働きを担っているのがこの臓腑です。
現代医学的な働き以外に中医学では「気・血・水」が深く関わってきます。ですので、現代医学と全く同じ役割分担ではありません。ゆえに違う診たてができるのです。
この点をまず理解してください。
「肝」・・ |
① |
全身のエネルギーの流れを調節する。 精神的ストレスなどを受けて働きが低下(エネルギーの流れが停滞)すると、 |
★ 気、血の流通の停滞が起こり→ |
偏頭痛、胸や脇の脹った痛みや苦しさ |
★ 情緒・感情が不安定になり → |
イライラ怒りっぽくなる、憂鬱感、 ヒステリー、ため息をつく |
★ 消化機能(脾・胃)の失調 → |
げっぷ、悪心、嘔吐、胸焼け、食欲不振、下痢、胃酸がこみ上げる、消化不良、 口が苦くなる、黄疸 |
肝のエネルギーが巡っている部位に、これらの症状がみられます。
肝の気がスムーズに流れず滞ってしまうと、消化機能をつかさどる脾・胃に影響を与え、消化、吸収の働きが停滞してしまう。
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② |
全身の血液量をコントロールし、蓄える働きがあります。 肝の働きが弱まってしまうと血液を蓄えることが出来なくなるため肝の支配している器官の機能減退症状があらわれてきます。 |
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例) |
目のかすみ、爪が割れやすくなる、手足の震えやしびれ、 筋けいれんが起こりやすくなったりします。 |
「胆」・・ |
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肝で生成された消化酵素、胆汁を蓄える。分泌は、肝の調整により行われる。 胆汁の運行が阻まれると、皮膚の外に溢れ、肝の支配器官である目が黄色くなるなどの症状が現れます。 |
「脾」・・ |
① |
食べたものをエネルギー(気・血・水を主に作り出す)に変え、体全体の機能を活発にします(運化作用)。 働きが弱まってしまうと、うまくエネルギーを生み出せないために疲れやすいなど全身の機能(臓器など)が低下してしまいます。 軟便または下痢、痰が多く出る、手足がむくむ、食欲がない、身体が重だるい |
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② |
エネルギーを上に持ち上げる働きがあります(昇提作用)。 働きが低下すると、いいエネルギーが上にいかないために、めまい、たちくらみが起こり、さらに悪化すると子宮下垂、胃下垂、脱肛、など内臓の下垂が見られます。 |
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③ |
血を脈外に漏らさないよう引き締める働きがあります(固摂作用)。 働きが低下すると、不正出血、月経が早まる、青あざが出来やすくなったりします。 |
「胃」・・ |
① |
食べた物を胃の中空器官で受け取る |
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↓ |
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② |
熟成させる |
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↓ |
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③ |
下に位置する小腸へ送るといった一連の働きを担っています。 |
①の働きが失調しますと、食べたものを戻す(悪心、嘔吐)
②の働きが失調しますと、胃の中に食物が停滞したまま、消化されません。
(臭いげっぷがでる、腹部の膨満感、胃痛)
③の働きが失調しますと、下へ下降させることができません(便秘)。
胃の働きの失調の特徴は、「停滞」と「逆流」です。①②③それぞれの状態で留まった状態が長く続きますと、食べ物は熱と化し腐敗します。そのため、熱症状および臭いを伴った症状が多くみられるのです。
<中医学で考える慢性肝炎の主な原因> |
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① |
飲食の不摂生、空腹と満腹のリズムの崩れ、過度の飲酒は、すべて「脾」「胃」の働きを低下させ、消化吸収に影響を及ぼします。そして、体の中に不必要な水分と熱を生み出し、肝胆に影響を及ぼし発病にいたります。 |
② |
体質的に脾胃が虚弱である、または病後でエネルギーが消耗しているなどの状態から、エネルギーがうまく生産されないため、体の中に冷え症症状を生み出し、その結果 、余分な水分が蒸発せず、停滞し、発病にいたります。 |
③ |
肝炎が長期化してなかなか治癒しないため、エネルギーを損ない、(気血が損なわれ)スムーズに運行しないため、血が肝胆に滞り、かたまりとなって、血の停滞(オ血)症状をまねき発病にいたります。 |
▼中医学的慢性肝炎のタイプと治療法▼
●湿熱内鬱タイプ●
消化に関わる「脾」の働きが低下すると
⇒水分代謝がうまくおこなわれない為、余分な水分がたまります(湿)。
またエネルギー不足のため食物が消化されず停滞し、熱を生みます(熱)。
この湿と熱2つが合わさると、病気は長期化しやすくなります。
○主な症状
頭が重い、体がだるい、口が苦い、吐き気、胸から胃の上部がつかえて、脹る、脂っこいものを食べたくない、食欲がない、お腹が脹る、下痢
○治療法
鬱滞している水と熱を冷まし、体外へ尿として排泄する「清熱利湿」、
脾胃の働きを保つ「調和脾胃」の治療をしていきます。
●寒湿阻滞タイプ●
冷えが「脾・胃」に停滞しているため、水分代謝がうまく行なわれず、身体の中に余分な水分を生んでしまい発症するタイプです。
○主な症状
食欲がない、消化不良、胃の上部あるいはお腹が脹る、気力が衰え寒さを嫌う、便は軟便
○治療法
体の中を温めながら、脾胃の働きを高め、体内に滞ってしまった余分な水分をだしていく「温寒化湿」「健脾和胃」の治療をしていきます。
●脾虚血損タイプ●
食物からエネルギー(気)を生み出す源である「脾」。
この臓器の働きが失調することにより体を養う気や血が作りだせないため、主に、血の不足症状があらわれるタイプです。
○主な症状
顔面および皮膚が黄色くツヤがない、手足に力が入らない、食欲不振、動悸、息切れ、夜ぐっすり眠れない、大便が軟らかくうすい
○治療法
脾の働きを高め「健脾和中」、気血を生産していく「補気養血」の治療をしていきます。
●オ血タイプ●
病気が長期に及ぶと血の流れが停滞し、さまざまな血の停滞症状を現します。
○主な症状
身体や目が黄色くてくすんでいる、顔面が青紫で暗い、脇下に固まりがあり、かつ針で刺すような痛みがある、皮膚に静脈が蜘蛛の糸状にみえる、大便がときに黒色。
○治療法
肝のエネルギーの流れをスムーズにし「疎肝理気」、血の流れを良くしていく「活血化オ」の治療をしていきます。
▼タイプ別にみる生活養生・食養生▼
自分のタイプ(体質)を判断できた方はこれから説明していきます。
タイプに合った食養生を1つでも2つでも毎日の生活の中に取り入れ、実践してみてください。
体質が徐々に改善し体調がよくなり、症状が軽くなっていくのが実感できると思います。
●湿熱内鬱タイプ● |
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【生活習慣】 |
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・ |
甘いものや味付けの濃いもの、油っこい食べ物は控えましょう。 |
・ |
水分代謝が悪いため、水分の摂りすぎには注意して下さい。 また、冷たい物(アイスやジュース)は控えめにしましょう。 |
・ |
運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。 |
・ |
梅雨の時期は湿気の影響を直に受けるので、この時期は食べ物に気をつけましょう。 |
【食べ物】 ~水分を排出してくれる働きのある食べ物を摂りましょう~ 尿とともに熱も排出されます。
(穀類)はと麦、とうもろこし、小豆、黒豆
(野菜)冬瓜、白菜、山芋、トマト、チンゲンサイ
(魚類)こい、ふな
(果物)すいか、ぶどう、メロン、なつめ
●寒湿阻滞タイプ●
【生活習慣】
・夏場のクーラーによる冷やし過ぎや冬場の薄着には気をつけましょう。
【食べ物】 ~体を温める性質の食べ物を摂りましょう~
(穀類)もち米
(野菜)にら、にんにく、ねぎ、生姜
(肉類)羊肉
(スパイス)唐辛子、コショウ、シナモン、黒砂糖
(お茶)生姜入り紅茶(甘くして飲みたい時は黒砂糖やはちみつ、麦芽糖を入れて)
~体を冷やす性質のある食べ物は極力避けましょう~
(野菜)きゅうり、トマト、冬瓜、苦瓜、レタス、なす、ごぼう、大根
(果物)すいか、なし、バナナ、柿、レモン
(豆類)豆腐、豆乳、緑豆
(お茶)緑茶、ウーロン茶、菊花茶、薄荷(ミント)茶
●脾虚血損タイプ● |
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【生活習慣】 |
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・ |
消化が良く、栄養バランスの取れた食べ物を心がけましょう。 |
・ |
消化が弱い気虚タイプの人は、消化・吸収をよくするためにもよく噛んでゆっくり食べましょう。 |
・ |
スタミナが切れやすいこのタイプの人は、穀物をしっかりとり、睡眠もしっかり取るように心がけて下さい。 |
・ |
頭や目の使いすぎは血を消耗させてしまうので、この時期は極力長時間パソコン作業や、夜遅くまでの勉強、仕事は避けましょう。 |
・ |
ダイエットによる食事制限も禁物です。 |
~血虚(血の不足)の症状が多いタイプは血を補う食べ物を摂りましょう~
(穀物)黒豆、赤豆、もち米、小麦
(豆類)黒豆、豆乳
(野菜)ほうれん草、小松菜
(肉類)動物のレバー、赤みの多い肉
(魚類)まぐろの赤身、牡蠣、しじみ
(木の実)黒ごま、クルミ、なつめ
(ドライフルーツ)レーズン、プルーン、ブルーベリー
(お茶)竜眼茶、ライチ茶、クコの実茶
●血於タイプ●
【生活習慣】
・夏は冷房、冬は外気の寒さから体が冷えるのを防ぐようにしましょう。
・冷たいものの摂り過ぎは血行を悪くするので気をつけましょう。
・寒い季節や冷房で冷えた日は、生野菜は控え、温野菜を摂るようにしましょう。
・適度に運動をして、適度な汗をかくよう心がけましょう。
【食べ物】 ~血液の流れを良くする作用のある食べ物を摂りましょう~
(豆類)小豆、黒豆
(野菜)あぶらな、にんにく、にら、ねぎ、しょうが、とうがらし
(香辛料)酢、少量の酒
(お茶)山ざし茶、バラ茶、紅花茶
▼その他日常生活での注意点▼ |
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(1) 休息 |
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肝炎がひどくて主治医より制限指示のある方を除いて、基本的には食後の安静や運動の制限の必要はありません。 しかし多忙な生活を送っている人は、心身のリラックスのために、食後、できれば1時間、最低でも30分は横になって休むようにしましょう。(難しければ椅子にゆったりと腰掛けているだけで構いません。) |
(2)仕事や日常生活 |
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肝機能が安定している場合は、仕事や日常生活は普通 におこなってかまいません。(ただし、過激な労働や運動は避けましょう) 夜更かしなどをせず、規則正しい生活をしましょう。 |
(3)入浴 |
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ぬるめ(40℃より少し低め)のお湯に、10分間ぐらい入ると疲れをとるのに効果 があります。熱いお湯や長湯は避けましょう。 |
(4)運動 |
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適度な運動は、血流を良くし、脂肪肝を防ぎます。散歩をしたり、自分の好きなスポーツを楽しみましょう。 (ただし過激な運動は避けましょう) |
(5)食事・アルコール |
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あっさりとした消化の良いものを摂るようにし、脂っこいものはなるべく避けましょう。 |
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辛いもの、たばこ、お酒等の刺激性のものは断った方が良いでしょう。 病状の回復に有利です。 |
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食事時間を一定にしましょう。 |
(6)定期検査 |
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肝炎はひどくなるまで無症状のことが多いため、症状がなくても定期的に受診しましょう。(受診時期は医師と相談しましょう。) |
=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=
当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。
例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。
急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。
ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。
西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。
ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。
例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。
大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。
当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。
又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。
しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。
さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。
当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。
それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。
この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。
特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。
顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)
急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子
その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳
アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など
これらの疾患はほんの一例です。
疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。
針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。
当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。
少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。