むくみとは、体内に余分な水分が留まり押すと陥凹するものを指します。筋層や皮下にあふれ出て、 顔面部の眼、まぶた、手足、お腹、背中など、身体全体にあらわれます。
重症になると胸水、腹水を伴うことがあり、そのときは原因となる疾患の治療が優先になってきます。
(例:急・慢性ネフローゼ症候群、肝硬変、クッシング症候群など)
そして、むくみが症状としてあらわれる疾患はたくさんあります。身近な例を上げますと 働く成人女性の7~8割の方は、仕事帰りになると靴がパンパンになるという、むくみの不快さを経験したことがあるかと思います。
最近では、足がむくまない靴下も売られており、女性にとってはありがたい製品だなと感じます。女性はとくに排卵期から月経までの間は、黄体ホルモンの影響を受けるのに加え、男性に比べて筋肉量 も少なく、血管も細いため、むくみが出やすくなってきます。
ここのところ疲れやすく代謝が落ちているなと感じる方、冷え症がある方などのむくみは、身体の根本から見直して改善していく必要があります。
むくみとはいえ、身体の機能が低下している状態が長く続きますと、違う症状や病気をまねきます。最近、特にむくみが気になる方は、これから説明していきます、タイプ別 の過ごし方、適した食べ物を参考に日常生活の中で役立てていただけたらと思います。
妊娠中の浮腫については「病気別・わかる東洋医学診断~妊娠中トラブルの原因と対処法について~」の項をご参照ください。
▼中医学的に診るむくみのとらえ方▼
中医学では主に水分代謝に関わる臓器として「脾」「肺」「腎」があります。これらの機能が障害されると、膀胱の働きも影響を受け、不調になります。
そのため余分な水分が順調に排泄されずに停滞し、筋や皮下に溢れてむくみが発生するのです。
中医学でとらえる「肺」「脾」「腎」「膀胱」それぞれの臓器の働きとは・・
「肺」・・汗の調節を行なう。不必要になった水分は、腎へ送られる。
「脾」・・食べた食物の中から、必要な水分の吸収と輸送を行なう。
「腎」・・水分代謝全般を調節し、主導的な役割を担っている。
体内で不要となった水分を尿として排泄します。再利用可能な水分は、霧状のものとして再び各臓器へ送られます。
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腎は体全体を温める働きがあり(体の中の陽気の源)、各臓腑機能を推し動し、温める役割を果 たしています。よって上記の「脾」「肺」もこの「腎」の推し動かす力によって活動を維持していくことができるのです。 |
「膀胱」・・腎から作り出された尿を一時的に溜めておく。尿の生成には関与しない。
▼中医学的からだのしくみ▼
~「気」「血」「水」とは~
体全体の活動源である「気」、体内の各組織に栄養を与える「血」、血液以外の体液で体を潤してくれる「水」、これらの3つが体内に十分な量 で、スムーズに流れていることにより、体の正常な状態が保たれます。
もし、これらのひとつでも流れが停滞してしまったり、不足してしまったりするとからだに変調をきたし、様々な症状がでてきます。
さらにこの状態を放置し、慢性化してしまうとお互い(気・血・水)に影響が及び症状が悪化してきてしまうのです。
「気・血・水」を作り出し、蓄え、排泄するといった一連の働きを担っているのがこれら「肺」、「脾」、「腎」の臓腑です。
西洋医学的な働き以外に中医学では「気・血・水」が深く関わってきます。ですので、西洋医学と全く同じ役割分担ではありません。
ゆえに違う診たてができるのです。この点をまず理解してください。
詳しくは、HP上の‘わかる東洋医学診断・まとめ’の中に「わかりやすい東洋医学理論」があります。そちらをご参照ください。
▼水分代謝に関わる主な臓腑の働き▼ |
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「肺」・・ |
① |
気(エネルギー)を生成する。 下記の「脾」「腎」とともに気の生成をするために不可欠の臓腑です。 気の不足による主な症状は、息切れ、声にはりがない、かぜをひきやすい、抵抗力が弱いなどがあります。 |
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② |
肺の最も重要な働きに、呼吸を司る。「発散と下降」があります。 肺は身体の上部へ位置するために、瞼や顔にむくみがでやすい。 《気の場合》 発散とは、各臓腑や体表にエネルギーを送り出す働き。 下降とは、息を吸って得たエネルギーを体の中に取り込む。 そして体の活動源とする。 主な症状:喘息、咳が出る。 《水分の場合》 発散とは、咽喉部、皮膚を潤す働き。 汗として体外へ発散させる働き。 下降とは、不要となった水分を腎へ下ろす。 主な症状:喉がイガイガする、皮膚が乾燥する、水分を腎へ下ろせない場合は、主に顔面 部がむくみ、尿がでない。 |
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③ |
鼻や皮膚の働きを司る。 主な症状:鼻づまり、鼻水、くしゃみ、アレルギー性鼻炎、蓄膿症。 |
「脾」・・ |
① |
食べたものをエネルギー(気・血・水を主に作り出す)に変え、体全体の機能を活発にします(運化作用)。 働きが弱まってしまうと、うまくエネルギーを生み出せないために疲れやすいなど全身の機能(臓器など)が低下してしまいます。 |
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② |
エネルギーを上に持ち上げる働きがあります(昇提作用)。 働きが低下すると、いいエネルギーが上にいかないために、めまい、たちくらみが起こり、さらに悪化すると子宮下垂、胃下垂、脱肛、など内臓の下垂が見られます。 |
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③ |
血を脈外に漏らさないよう引き締める働きがあります(固摂作用)。 働きが低下すると、不正出血、月経が早まる、青あざが出来やすくなったりします。 水分代謝の障害が起こると・・軟便または下痢、痰が多く出る、手足がむくむ、食欲がない、身体が重だるい、疲れやすい。 |
「腎」・・ |
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生命力の源、生殖器・発育・成長関係と深く関わります。 「腎」には父母から受け継いだ先天の気が蓄えられています。生まれたときにこのエネルギーが少なく、足りなかったりすると、成長が遅い(初潮が遅い)、免疫力が弱い、小柄などの発育不良の状態があらわれます。 「腎」のエネルギー(先天の気)は、「脾」から作り出すエネルギー(後天の気)により補充されます。 年齢が増すにつれて、腎が支配する器官の機能減退症状があらわれてきます。 |
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例) |
骨や歯がもろくなる、耳が遠くなる、髪が薄くなったり、白髪が多くなる。 婦人科疾患では無月経、不妊症、流産しやすい。 水分代謝の障害が起こると、尿量が少ない、全身のむくみ(特に腰以下)。 冷え症状が加わると、さむけ、下痢をしやすい(特に朝方)、手足、腰の冷え。 |
▼現代医学的な治療を必要とするむくみ▼
寝起きの顔がはれぼったい、夕方に靴がきつくなる…などの普段健康的な人に起こるむくみは、“一過性のむくみ”といわれます。以下の原因が考えられますが、きちんと対処すればすぐに治ります。
・長時間立ち続ける、疲労、睡眠不足、月経前、妊娠時、ダイエット、塩分の取りすぎ。
一過性のむくみとは違って、以下のようなむくみが局所的または全身的に起こり、長く続いて解消しない場合は注意が必要です。病気が原因となって起こることが多いので、医師の診断と治療を受けるようにしましょう。
<顔にあらわれるむくみ>
腎炎、ネフローゼ症候群、血管神経性浮腫、バセドウ病、上大静脈症候群 など
<足にあらわれるむくみ>
静脈瘤、うっ血性心不全、静脈炎 など
<お腹にあらわれるむくみ>
肝硬変
<全身にあらわれるむくみ>
腎炎、ネフローゼ症候群、肝硬変、悪性腫瘍、甲状腺機能低下症
▼中医学的病気の診断・治療方法▼
個人の体質やその時々の症状、体調を考慮したうえで、治療方法を決めていきます。
そのため、同じ症状であっても人によっては治療方法が異なることがあります。
この他、食べ物の嗜好、生活習慣(睡眠時間、食欲、排便の状態など)を問診し中医学独特の診断方法である舌診、脈診などを用いて診察していきます。
その診断に基づいて、個々の体質を把握し、その人その人に合った治療をしていきます。
▼中医学的むくみのタイプと治療法▼
●風寒犯肺タイプ● |
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冷たく寒い風が体に侵入し、肺の働きを失調させます。 そのためにあらわれるむくみのタイプです。 |
○主な原因 |
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クーラーや冬の寒冷にあたってしまった、体の抵抗力(防御力)の低下、 虚弱体質。 |
○随伴症状 |
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まぶたからむくみが生じ、次第に全身におよぶ、悪寒、発熱、関節痛、 尿量の減少。 |
○治療法 |
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風寒の邪気を体外に発散させる「散寒解表」、 肺の水分代謝作用を高める「宣肺利水」の治療をしていきます。 |
●風熱犯肺タイプ● |
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暖かい空気を伴った風邪が体に侵入し、肺の働きを失調させ、むくみを生じさせます。 |
○主な原因 |
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暖房の生暖かい風、春の暖かい空気を伴った風にあたってしまった、 体の抵抗力(防御力)の低下 |
○随伴症状 |
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突然にまぶたと顔面にむくみが生じ、高熱、軽度の悪風(風にあたるのを嫌がる)、咳、のどの発赤と疼痛、尿が濃い。 |
○治療法 |
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風熱の邪気を体外に発散させる「辛涼解表」、 肺の水分代謝作用を高める「宣肺利水」の治療をしていきます。 |
●水湿困脾タイプ● |
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「脾」のエネルギーが足りないために、食べた物が気・血・水に変わらず、余分な水分が体内に停滞し、むくみを生じさせます。 |
○主な原因 |
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冷たい水分・甘いもの・味の濃いもの・脂っこいもの、ビール、 生ものを多く摂取する。 家が湿気を帯びやすい。 |
○随伴症状 |
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慢性に生じる身体全体のむくみ、尿はしぶり量 が少ない、身体が重だるく疲れる、食欲がない、食後胃がもたれる、むかむかする、腹部の膨満感がある。 |
○治療法 |
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停滞している水分を温めて尿として体外へ排出していく「温化水湿」 「通陽利水」の治療をしていきます。 |
●脾陽虚タイプ● |
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冷たい食べ物、生ものの食べ過ぎによって「脾・胃」が冷えてしまい働きが弱まってしまったために水分が胃に停滞して生じるむくみのタイプです。 |
○主な原因 |
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冷たいもの、生ものを多く摂取するなど。 |
○随伴症状 |
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下半身に顕著なむくみがあり、押すと陥凹してなかなかもとにもどらず、反復して慢性に経過する、疲労倦怠感、手足の冷え、食欲がない、胃が悶々として腹が張る、泥状便~水様便、尿量 は少なく色は薄い。 |
○治療法 |
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消化、吸収の要である脾を温める「温運脾陽」、余分な水分として停滞している湿気を尿として体外に排出させる「化湿行水」の治療をしていきます。 |
●腎陽虚タイプ● |
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身体全体を温める働きをもつ「腎陽」。機能が低下すると多くの冷え症状をまねき、むくみを生じさせます。 |
○主な原因 |
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生まれつき体質が虚弱体質、長期間の過労、性交過多による腎エネルギーの損傷。 |
○随伴症状 |
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顔面及び体全体のむくみ、腰以下に顕著で両足の内くるぶしに強くあらわれる。 腰や足がだるく痛む、手足が冷える、動悸、尿はしぶり量は少ない、寒がる。 |
○治療法 |
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陽気の源である腎を温める「温補腎陽」、尿の生成力を増し体外に排出させる「化気行水」の治療をしていきます。 |
●気血両虚タイプ● |
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食物からエネルギー(気)を生み出す源である「脾・胃」。 この2つの臓器の働きが失調することにより体を養う気や血が作りだせないため、身体全体の機能減退症状がみられます。 |
○主な原因 |
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生まれつき虚弱体質、飲食の不摂生、過労、あれこれ思い悩むことが多い。 |
○随伴症状 |
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慢性に生じる顔面、手足のむくみ、顔色が蒼白あるいは黄色っぽい、唇が白っぽい、頭のふらつき、動悸、息切れ、食欲がない、元気がない、倦怠感。 |
○治療法 |
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エネルギーと血を増やしていく「補気養血」の治療をしていきます。 |
▼タイプ別にみる生活養生・食養生▼
自分のタイプ(体質)を判断できた方はこれから説明していきます、タイプに合った食養生を1つでも2つでも毎日の生活の中に取り入れ、実践してみてください。
体質が徐々に改善し体調がよくなり、症状が軽くなっていくのが実感できると思います。
●風寒犯肺タイプ● |
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【生活習慣】 |
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・ |
日ごろから過労・飲食不摂生・睡眠不足を避けて気を充満させましょう。 |
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・ |
もともと体が冷えやすい方は、温める働きのある食べ物を摂取し、薄着は避け、寒い日は、腰やお臍の下にホッカイロを貼って、体を温めましょう。 |
【食べ物】
~風寒の邪気を体外に発散させ、肺の水分代謝作用をもつ食べ物を摂りましょう~
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ねぎ(白い部分)、生姜、紫蘇の葉、シナモン、こしょう |
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症状にあったお茶や飲み物:紫蘇入り生姜茶 、ねぎ入りお味噌汁 |
●風熱犯肺タイプ● |
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【生活習慣】 |
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・ |
日ごろから過労・飲食不摂生・睡眠不足を避けて気を充満させましょう。 |
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・ |
風が強い日は特に、からだ(首~背中)に直接風が当たらないような服装を心がけましょう。 |
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・ |
辛い食べ物、お酒の飲みすぎは、体の中に熱を生みます。過食、多飲は避けましょう。 |
【食べ物】
~風熱の邪気を体外に発散させ、肺の水分の代謝作用をもつ食べ物を摂りましょう~
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きゅうり、冬瓜、そら豆、薄荷、梨 |
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症状にあったお茶や飲み物:菊花茶と緑茶を混ぜたもの 、ミントティー |
●水湿困脾タイプ● |
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【生活習慣】 |
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・ |
甘いものや味付けの濃いもの、油っこい食べ物は控えましょう。 |
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・ |
水分代謝が悪く、水太りしやすいので水分の摂りすぎには注意して下さい。また、冷たい物(アイスやジュース)は控えめにしましょう。 |
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・ |
運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。 |
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・ |
梅雨の時期は湿気の影響を直に受けるので、この時期は食べ物に気をつけましょう。 |
【食べ物】 ~水分を排出してくれる働きのある食べ物を摂りましょう~ |
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(穀類) |
はと麦、とうもろこし、小豆、黒豆 |
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(野菜) |
冬瓜、白菜、山芋、トマト、チンゲンサイ |
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(魚類) |
こい、ふな |
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(果物) |
すいか、ぶどう、メロン |
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(お茶) |
紅茶、ジャスミン茶、杜仲茶、なつめ茶 |
●脾陽虚・腎陽虚タイプ● |
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【生活習慣】 |
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・ |
夏、冷房が強く寒さを感じる場合は腹巻をしたりレッグウォーマーをはき下半身は冷やさないようにしましょう。 冬は暖かい服装をし体の温まる食べ物を摂取しましょう。 |
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・ |
入浴時はぬるめのお風呂にゆっくり入り体のしんまで温めるようにしましょう。40℃のお湯に10~15分つかると温まります。 |
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・ |
冷えやすい下半身は下腹部や腰部にカイロをはって、しっかり温めましょう。 |
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・ |
体を温める食べ物を摂るようにしましょう。 |
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・ |
女性は普段よりいっそう体が冷えやすい生理中は、体を冷やさないよう充分気をつけましょう。 |
【食べ物】~体を温め、活動力を増す作用のある食べ物を摂りましょう~ |
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(穀類) |
もち米 |
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(肉類) |
羊肉、鶏肉、牛肉 |
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(魚介類) |
えび、なまこ、あなご、いわし |
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(野菜) |
にら、ねぎ、ししとう、かぼちゃ、しょうが、にんにく、らっきょう |
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(木の実) |
栗、くるみ、なつめ |
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(香辛料) |
こしょう、さんしょう、八角、酒、シナモン、黒砂糖 |
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(お茶) |
杜仲茶、ジンジャーティー黒砂糖入り、よもぎ茶 |
~体を冷やす性質のある食べ物は極力避けましょう~ |
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(野菜) |
きゅうり、トマト、冬瓜、苦瓜、レタス、なす、ごぼう、大根 |
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(果物) |
すいか、なし、バナナ、柿、レモン |
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(豆類) |
豆腐、豆乳、緑豆 |
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(お茶) |
緑茶、ウーロン茶、菊花茶、薄荷(ミント)茶 |
●気血両虚タイプ● |
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【生活習慣】 |
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・ |
消化が良く、栄養バランスの取れた食べ物を心がけましょう。 |
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・ |
消化が弱い気虚タイプの人は、消化・吸収をよくするためにもよく噛んでゆっくり食べましょう。 |
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・ |
スタミナが切れやすいこのタイプの人は、穀物をしっかりとり、睡眠もしっかり取るように心がけて下さい。 |
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・ |
頭や目の使いすぎは血を消耗させてしまうので、この時期は極力長時間パソコン作業や、夜遅くまでの勉強、仕事は避けましょう。 |
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・ |
ダイエットによる食事制限も禁物です。 |
【食べ物】 ~エネルギーを益す食べ物を摂りましょう~ |
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(穀類) |
うるち米、粟米、小麦製品 |
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(豆類) |
冬大豆や大豆製品、牛乳 |
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(肉類) |
牛肉、鶏肉、烏骨鶏 |
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(野菜) |
山芋、じゃがいも、里芋、かぼちゃ、人参 |
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(魚類) |
いか、貝柱 |
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(果物) |
なつめ、もも、さくらんぼ |
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(お茶) |
杜仲茶、ほうじ茶、なつめ茶 |
~体を冷やす食べ物、辛い食べ物、油っこく味の濃い食べ物は胃を刺激し気を消耗させるので避けましょう~
辛い食べ物・・青唐辛子、ねぎ、コショウなど
冷やす食べ物・・すいか、バナナ、イチジク、なし、苦瓜、薄荷など
さて、お読みになってむくみにはさまざまなタイプがあり、タイプ別による治療、食養生、生活習慣が重要だということがお分りになって頂けましたでしょうか。
些細なことなのですが日常の過ごし方を少し見直してみるだけで体調が変わりはじめ、体質改善に繋がっていきます。
無理のない範囲で実践し、続けていくことが大事です。
◎ 当院での治療をお考えへの方へ
=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=
当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。
例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。
急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。
ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。
西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。
ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。
例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。
大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。
当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、 中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。
又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。
しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。
少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。
さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。
当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。
それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。
この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。
特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。
顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)
急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子
その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳
アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など
これらの疾患はほんの一例です。
疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。
針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。
当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。
少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。