女性にまつわるお話
- 2019/02/20
- 不正出血
不正出血とは、月経以外で膣や子宮などから出血することを言います。大きく分けると機能性出血と、器質性出血の二つに分類されます。
機能性出血とは子宮や膣などその組織自体に異常はみられないが、正常な月経以外で出血をおこすことを言います。多くは、ストレスや不規則な生活、また過度のダイエットなどによって女性ホルモンのバランスが崩れ、不正出血をおこすと考えられています。婦人科で検査をしても子宮などに異常は無いが、月経が長引く、または経血量 の急激な増加、月経周期が短い…などはこの不正出血に含まれます。
器質性出血は、子宮がん・子宮筋腫・子宮内膜症・膣炎などの炎症性疾患が原因でおこる不正出血です。特に不正出血は子宮がんの初期症状でもあります。検査をしなければ、炎症や器質的異常の有無はわからないので、月経の乱れが続く場合は、早めに婦人科を受診されることをお勧めいたします。
<中医学による考察>
一般に現代医学で「不正出血」と総称される女性の月経期間以外の陰道内出血、及び月経後に出血が続くものを、中医学では「崩漏」あるいは「崩漏下」と言います。
崩漏は、急激に大量の出血がおこる「崩」、だらだらと少量の出血が続く「漏」に分けられます。この「崩」と「漏」は時に相互転化をおこします。「崩」が長引いて気血を消耗すれば「漏」に病証が移行し、逆に「漏」から出血量 が次第に増加して「崩」の状態に移行することもあります。
この「崩漏」のおこる背景には、衝脈・任脈という経絡の損傷と、それにともなう固摂機能の失調が深く関わっています。女性の生殖機能を主る臓腑の考え方と「衝脈」・「任脈」を軸に、中医学的考察を次に示します。
○中医学のいろは・1○
中医学では、人間のからだを構成し、生命活動を維持する基本物質を「気・血・津液」と呼んでいます。
「気・血・津液」は、五臓六腑―〔五臓〕肝・心・脾・肺・腎〔六腑〕胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦―の働きにより、飲食物から得た水穀の精微をもとに作られ、からだのすみずみまで運ばれます。臓腑は自らの役割を果 たすのみにとどまらず、他の臓器とも協力して機能を果たしています。臓腑や器官、組織がそれぞれ円滑に働き、「気・血・津液」が充分にあって、かつ、流れがスムーズであれば、病気からからだをまもる「正気」が働いて病気にかかりにくなりますが、何らかの原因で臓腑の機能が損なわれ、「気・血・津液」の不足や停滞がおこれば、健康は脅かされてしまいます。
一個の「統一体」としてのからだの働きに注目し、目には見えない「気・血・津液」の状態や、臓腑の働きに重きをおく中医学の治療は、検査数値で異常がない=健康とする西洋医学的な観点を離れ、何よりも一人一人のからだの「性質の変化」を優先しています。
○中医学のいろは・2○
経絡とは気血がめぐる通路です。体内では臓腑と臓腑、あるいは臓腑と器官をつなぎ、体表では皮膚をはじめ骨・関節などとも繋がっています。このように経絡は全身に分布して、網の目のようにネットワークを広げ、この経絡を流れる「経気」を仲立ちとして、臓腑や器官、組織は互いに連絡し合い、有機的に機能し合っているのです。
この経絡のなかで、縦に流れる主要な脈を経脈と呼びます。経脈には、特定の臓腑と直接繋がっている十二正経(※経絡の根幹をなす)と、属絡する臓腑を持たない奇経八脈、さらに十二経脈から分かれ、深部を走る十二経別 があります。
「衝脈」・「任脈」はともに奇経八脈に含まれ、属する臓腑はありませんが、どちらもその走行は会陰部に起こって腹部を通 り、直接子宮と連なることから、婦人の月経や妊娠と深く関わっているのです。
○中医学のいろは・3○
前述したように、「気・血・津液」は中医学の中で人体を構成する代表的な物質ですが、その他では「精」があります。
「精」は人体の機能活動全てを支える根本的な物質であり、先天の精と後天の精の区別 があります。
先天の精は、両親から受け継ぐ生殖の精で、五臓のうちの腎に蔵されて、生殖や発育を主ることから、「腎精」とも呼ばれます。一般 に狭義的に精という場合は、この腎精を指します。両親の先天の精が交わって受胎すると、先天の精は胎児の腎に蓄えられて(これを“腎は封蔵を主る”という)、腎精となります。青年期になると、腎の精気は生殖の精である「性ホルモン」を産生し、性器を発育させて生殖能力を高め、男子には精子の産生を盛んにし、女子には月経を開始させるのです。
この腎精は物質であるため、発育や成長で使用されれば消耗してしまいます。両親から受け継ぐ先天の精は、一度生まれ出てしまえば、それ以上直接受け取ることは出来ません。そこでもう一つの精、「後天の精」が重要な働きを担うのです。
後天の精は、脾胃の働きにより飲食物から化生された栄養豊富な物質で、全身の臓腑組織にゆきわたり、人間の生理作用を円滑に行うためのエネルギー源となっているものです。この後天の精をもとに、「気・血・津液」の多くは作られています。このように、後天の精は日々人間が生きていく為のエネルギーとなる一方で、その一部は腎に運ばれ、腎精へと化生されます。発育・成長の過程で消耗を続ける「腎精」を補う大切な役割を果 たしているのです。
この他に、精が不足すると「血」が「精」に変化して精を補充しています。反対に「精」が主る骨は「髄」を生じ、この「髄」によって「血」は化生されることから、「腎精は血を化生する」と呼ばれています。この両者の関係を「精血同源」と言います。
<中医学による生殖機能の考え方>
胞宮(子宮)は月経と胎児を育むことを主っており、その機能は腎気の盛衰・天き(人体の成長・発育・生殖機能を促進する物質)の分泌の度合い、衝脈・任脈の気血の状態と密接な関係があります。
※ 腎には、両親から受け継がれた腎精(中医学のいろは・3参照)と、腎精が気化してできた腎気があります。このほか、両親より先天の陰気と陽気が継承されており、先天の陰気は腎精とともに体の火照りをとる力を形成し、先天の陽気は腎気とともに体を温める力を形成しています。腎気は、蔵精・封蔵・気化の作用を持ち、腎精を貯蔵したり、脾より運ばれた後天の精を貯蔵し、腎精に化生する働きを主っており、腎陽はからだを温める作用に優れ、全身を温めて体温を維持したり、熱エネルギーを産み出しています。
腎は精を蔵し、生殖を主り、天きの源であります。そして、衝脈・任脈(あわせて衝任)の本となり、胞宮が胎児を養うことに深く関わっています。腎気が充実し、腎の陰陽が平衡を保つことによってはじめて、天きは分泌されて胞宮に至り、衝任脈は通 じ、精血は胞宮に注入されて月経に変化し、胞宮は懐胎が可能となります。
肝は、血を蔵し、疏泄を主っています。(疏泄とは、気血の流れをスムーズにすることを言います)肝の蔵血と疏泄の機能によって、胞宮の血を蓄え、溢れさせる機能が持続的になされ、月経は規則的に来るよう調整されます。
脾は、胃や小腸、大腸を含めた飲食物の消化吸収に関わるすべてを管理し、水穀の精微から「気・血・津液」を作ります。この作用が失調すると、食欲不振・腹部のもたれ・食後倦怠感や眠気・軟便・下痢・むくみなどの症状があらわれます。
脾胃は後天の本であり、気血生化の源であります。規則的な月経や胎児の栄養、乳汁の分泌には、脾の化生する気血が旺盛か否かに関わっているのです。
また、気の固摂作用(出血や汗がダラダラと出るのを抑える。尿、精液、帯下などの過剰な排泄を防ぎ、内臓が下がらないように一定の位 置に保つ)によって、脾は血が経脈を流れる際に、脈外に漏れださないように監督して、血の漏出を防いでいます。これを「脾は血を統す」といいます。規則的な月経を保つことに、脾の統血作用は不可欠なのです。
ではここから「衝脈」・「任脈」の話に入ります。
「衝脈」は子宮から出て、腹部・胸部の正中線の左右両則に沿い、上に向かって走る経絡で、咽喉を経て口唇に連なっています。衝脈は「十二経の海」・または「血海」とも言われ、五臓六腑に連なる十二の経絡から集められた「血」をたくわえる「海」のような存在です。衝脈にたくわえられた「血」が妊娠時には胎児の栄養として使われます。中国最古の医学書の一つである〔黄帝内経(こうていだいけい)〕の「素問」には、「女性は十四歳になると腎の気が充実して衝脈が血で満たされるので、生殖機能を促進する発育物質{天き}が生まれ、生理が始まり、妊娠が可能になる」と記されています。このように「衝脈」は女性の妊娠・生理作用と深く関わっているのです。
また「任脈」は子宮から出て、腹部や胸部を通る正中線に沿って走る経絡です。「任」とは、妊娠あるいは妊養の意味で、子宮と直接つながり、衝脈同様、女性の生理や、特に妊娠と深く関わっています。中医学の陰陽学説では、からだの前面 である胸腹部は「陰」に、背部は「陽」に属すと考え、からだ前面の胸腹部を通 る「任脈」には人体の陰経の脈気が集まり、諸陰の海を為しているとしています。諸陰の中でも特に足三陰経とは、中極・関元で交会し、さらに足三陰経が全て少腹部を循行していることから、任脈がこれらを隷属させると考えています。
この二つの経絡はともに奇経八脈と呼ばれ、絡属する臓腑はありません。しかし、上記のように、「衝脈」・「任脈」はともに女性の生理・妊娠と密接に結びついており、「崩漏」を含め、中医学に於いて今日の婦人科疾患を治療する上では欠かすことの出来ない、重要な役割を果 たしている経絡なのです。
では次に、この「衝脈」・「任脈」が損傷され崩漏がおこる発生機序を、中医学の弁証により分類し、以下に示します。
○衝任不固○
平素から脾気不足であったり、あるいは飲食の不摂や疲労により脾気を損傷して、統摂機能の失調がおこる。あるいは、先天の不足や房事過多により腎虚精欠となり、封蔵を司ることができなくなって崩漏が生じる。
・主症
―
月経が頻発し経血量が多い。また月経期間が延長する。重症になると出血がたらたらと続く。経血の色(経色)は淡紅色でさらさらして薄い。顔色は白く、息切れ、倦怠感、食欲不振を呈す。腎虚精欠の場合は膝や腰がだるく、力が入らない。澄んで白色の帯下がみられる。
・舌診
―
舌質:淡 舌苔:薄白
・脈診
―
細弱
・治則
―
固摂衝任(脾虚の場合―加えて補中益気、腎虚の場合―温補腎陽)
○衝任失調○
① 鬱熱
―
ストレスなどにより肝の疏泄が失われ、肝気が滞ることにより、鬱熱が化火する。これにより肝の蔵血機能が失調して崩漏がおこる。さらにこの血熱が直接、衝任脈を破ることもある。
② 血熱
A:実熱
―
もともと陽盛の人が辛いものを食べ過ぎたり、外から熱邪を受けることによって実火が内生し、血を妄行させる。
・脈診
―
細弱
・治則
―
固摂衝任(脾虚の場合―加えて補中益気、腎虚の場合―温補腎陽)
B:虚熱
―
体質が陰虚であったり、失血や長期に渡る慢性病によって、腎陰の不足がおこる。陰虚によって相対的に内熱が発生し、虚火が妄動して精血を固守できなくなって崩漏がおこる。
③ 湿熱
―
甘いものや油っぽいものの過剰摂取や外感湿熱は体内にも湿熱を内生させる。この湿熱が下焦に留まり胞宮の血絡が損傷される。
④ 血オ
―
月経期や産後の悪露が尽きない時に、寒熱を感受したり、気鬱が長期間にわたると血オを形成して衝任脈が阻滞する。衝任脈が阻滞して、胞宮の循環が悪くなると、胞宮に終結した血液は経脈に戻れず、胞宮に蓄積する。血液の蓄積が過剰になると、急激に溢れ出して崩漏が起こる。
①肝鬱による崩漏
・主症
―
精神的刺激などにより誘発されて出血することが多い。経色は暗紅色で血塊がまじることがある。乳房の張痛、心煩、怒りっぽい。
・舌診
―
舌質:紅 舌苔:黄色
・脈診
―
弦数
・治則
―
調理衝任・疏肝理気
②血熱による崩漏
<実熱>
・主症
―
通常の月経期間でない時期に急激に出血がおこる。経色は深紅色、経質は粘り気があり、臭いが強い。口が渇いて水分を取りたがる。イライラ感や、心煩をともなう。便秘傾向。
・舌診
―
舌質:紅 舌苔:黄
・脈診
―
滑数 または弦数
・治則
―
調理衝任、清熱涼血
<虚熱>
・主症
―
少量の出血がだらだら続いて止まらない。または、虚熱が強くなると突然経血量 が多くなる。経色は鮮紅色で粘調。頬の紅潮や五心煩熱、口の乾燥感などを呈す。また、不眠や盗汗を兼ねることも多い。
・舌診
―
舌質:紅 舌苔:少苔または剥離苔
・脈診
―
細数
・治則
―
調理衝任、滋陰清熱
③湿熱による崩漏
・主症
―
月経期間以外の急激な出血、だらだらと出血していて、突然大量 に出血する。経色は暗紅色。臭いが強く、出血とともに濁った帯下、または黄緑色の膿様の帯下が出る。さらに陰部のかゆみと疼痛がある。(湿熱が下注し、陰部を犯す)
・舌診
―
舌苔:黄じ
・脈診
―
濡数
・治則
―
調理衝任、清熱利湿
④オ血による崩漏
・主症
―
月経が停止している期間が続いた後、突然大量 出血をする。または、出血後継続して「漏」状態となる。経色は紫暗色、経質は粘調で血塊がある。小腹部が痛むが、出血後は痛みが軽減する。
・舌診
―
舌質:紫暗色、あるいは辺縁や舌先にオ斑やオ点がある。
舌苔:薄白
・脈診
―
沈渋または、しょく脈
・治則
―
調理衝任、調血化オ
以上のように、同じ崩漏のようであっても、その性質や原因は様様です。特にストレスや不規則な生活、また、若い女性にみられる極端な痩せ願望は、女性のからだに多大な影響を与えます。不正出血だけでなく、月経周期の乱れ、月経痛などは、自分のからだが発する危険信号です。一つでもあてはまる方は、食事や生活環境を整え、養生に努めましょう。食事にあっては、まず、なま物や冷たい物をなるべく避けて下さいね。
また、不正出血が再三反復しておこる場合は、一度、婦人科を受診してみて下さい。
=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=
当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。
例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。
急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。
ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。
西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。
ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。例えば、顔面 麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。
大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。
当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。
又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。
しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。
さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。
当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。
それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。
この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。
特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。
顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)
急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子
その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳
アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など
これらの疾患はほんの一例です。
疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。
針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。
当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。
少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。
- 2019/02/20
- 乳腺炎
乳腺炎とひとくちに言っても症状は様々です。
もともとあったしこりが、どんどんひどくなって熱を持ち、真っ赤になり、乳腺炎になる場合や、何の前触れもなく、ある日突然しこりができて、一気に高熱が出る場合や、熱はないものの、おっぱいが石のように固くなり、搾乳もできないほどになる場合もあります。どんな状態にしても、そのままにしておくとどんどん悪化し、切開(手術)しなくてはいけなくなります。
おかしい、と思ったら早めに対処することで悪化を防ぐことができます。
産婦人科だと抗生物質などを処方されて終わりということもよくあるようです。
お薬を飲んでも搾乳はできますが、一時的な対処法であり、根本的な解決にはなりません。
一般的に乳腺炎は母乳が出すぎて乳腺がつまってしまうことを想像される方が多いかと思います。実は張らないおっぱいでも溜まらないおっぱいでも乳腺炎になりえるのです。
これは何故でしょう?
はじめに西洋医学からみた乳腺炎の種類、症状、治療方法をご説明します。
その後東洋医学(中医学)からみた乳腺炎(乳少といいます)の説明をさせていただきます。
西洋医学からみた乳腺炎
① 急性乳腺炎
授乳中の乳腺に細菌感染(主にブドウ球菌)が起きて生じる
② 鬱滞性乳腺炎
乳汁が分泌されず、に乳腺内にたまることによって起きる
③ 慢性乳腺炎
陥没乳頭(陥凹乳頭ともいう)が原因で起きる
症状
① 急性乳腺炎
乳房が赤く腫れあがり、激しい痛みと高熱を伴う。
感染は乳首を乳歯によって傷つけられることが原因と考えられています。
生後5ヶ月以上の乳児を育てているお母さんが発病します。
② 鬱滞性乳腺炎
乳児への授乳が十分でない場合
乳首の発達が悪くて乳汁が分泌されにくい場合
(急性乳腺炎ほど激しい全身症状は出ません)
③ 慢性乳腺炎
授乳とあまり関係せず、乳輪近辺に腫瘤が生じ、時々腫れて膿が出ることを繰り返します。
一般的な治療法
① 急性乳腺炎
抗生物質による治療が必要になります。
化膿が進み、膿瘍ができてしまった場合は切開・排膿せねばなりません。
治療が功を奏すると急速に症状は改善しますが、授乳はストップしなければなりません。
② 鬱滞性乳腺炎
搾乳(乳しぼること)と乳房を冷やすなどの治療があります。
③ 慢性乳腺炎
炎症性腫瘤の切除と炎症のもとになっている陥没乳頭の処置療法を行わなければなりません。行わなければ、再燃する可能性が高くなります。
まず、抗生物質で炎症を沈静させ、それから根治手術を行います。
これから妊娠・出産を考えている人は形成外科で治療してもらうほうがいいでしょう。
東洋医学(中医学)からみた乳腺炎とは?
中医学は体に存在する活力エネルギーの失調部分を調整し、元のバランスの良い状態に戻し、体の元気を回復させる事にあります。
乳腺炎が引き金となって起こっている他の不快な症状も緩和されていくことが大きなメリットです。例えば、体のだるさ、食欲不振など様々な症状が乳腺炎と一緒に快方に向かっていきます。
中医学では専門用語がたくさん出てきますので、わかりやすい言葉でご説明していきたいと思います。
乳腺炎と関わりの深い臓腑
中医学では基礎物質(気・血・水)のほかに臓腑(内臓)がとても大切なものと考えられています。
現在、日本の西洋医学で使われている、内臓を表す用語は中医学の「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」と同じ文字で表現していますが、機能は必ずしも一致しません。
肝臓ではなく、「肝」というように、中医学について書かれた文章の中で五臓の名前に「臓」の文字をつけないのは西洋医学と区別 するためなのです。
中医学独特の診断方法で、何が原因で、気・血・水のいずれが、どの様にバランスを崩し、五臓六腑のどの臓腑が、どの様に失調したかを見極めます。
これらによって治療方法が異なるわけです。
タイプによって治療方法が異なりますので、もちろん鍼を打つ場所や漢方の処方も異なるわけです。
乳腺炎にはおおまかに2つのタイプに分かれます。
ご自分の体調などと照らし合わせてどちらのタイプなのかご参照ください。
☆ タイプⅠ☆
気血両虚によるもの
乳汁は「血」が化生したものであり、気によって運行されると考えます。したがって普段から気血生化の源である脾胃が虚して(不足している)いたり、分娩時や産後の出血過多で気血が不足すると乳汁の生成に影響し、乳少(乳腺炎)がおこります。
基本的に栄養状態が悪いことが原因です。
「血」とは中医学的な専門用語です。どのような働きをしているのか詳しく紹介していきたいと思います。
血の生成
血は五臓でいう「脾胃」で作られます。脾胃の消化吸収により「血」が生成される為、脾と胃は気血生化の源といわれます。
血の機能
・ 全身に栄養分を供給し、潤いを与えます。
・ 精神活動の主要な基本物質になります。例を出すと、血の運行が異常である場合には、精神不足、不安感、多夢などの症状が出やすくなります。
血の循環
正常な血の循環は気の推動作用(正常な生理活動に対し激発と促進作用があります)によい行われ、内蔵の生理機能と深く関係しています。
血は「脾」で飲食物から作られ、「心」と「肺」の力によって全身に運ばれ、「脾」の統摂と「肝」の貯蔵、疏泄機能の調整で行われています。
血の原料は五臓の中の「脾」で飲食物を消化して生成される水穀の精微(栄養分)です。生成された血は「心」と「肺」の働きで五臓六腑から皮膚にいたるまで全身に送られ続けます。
全身に送られる血は体の働きを支える栄養源として活用されます。
筋肉や骨格が丈夫でたくましくなるのも、物がしっかり見えるのもすべて血の働きです。
さらに血は気とともに精神活動を支える基本物質でもあります。
基本物質が十分にあるからこそ、意識がはっきりし、精神が安定するのです。
先ほども述べましたが、乳腺炎(乳少)は「血」が化生したもので、気によって運行されています。
では「気」とは何でしょう?簡単にご説明します。
「気」は先天の生まれつきと食べ物の栄養分(脾胃で血と一緒に消化吸収により作られます)呼吸(肺の機能により人体に吸いこまれます)取り込まれ、体内の様々な働きを支えています。
「気」は一種の活動であり、絶えず運動し、全身の内外の各組織、器官をめぐっているのです。そして「血」の項でも紹介しましたが、推動作用など、様々な働きを担っているのです。
「血」は「気」から作られ、その「血」は「気」に変化することもあるように、気血は車の車輪のように、密接に連動しながら人体の生理を支えています。
気血両虚とは、どちらか一方の乱れがもう一方に深刻な影響を与えて病気が起きることをいいます。
● 気血両虚による細かい症状 ●
● 産後に乳汁が分泌しない、または分泌量が非常に少ない
原因
母乳はお母さんの血液「血」からできています。
母乳のおおもとが気血不足になり、乳汁の生成が不足すると起こります。
● 皮膚の乾燥
原因
血虚のために皮膚を潤せないとおこります。
前項でも述べましたが、「血」には身体を潤す働きがあります。これらを滋潤作用といます。これらが不足すると皮膚の栄養失調状態になり、皮膚の乾燥感が起こります。
皮膚表面の皮脂膜を作る力が弱くなってしまっている状態です。
● 顔面蒼白
原因
気血が不足して顔面部をうまく栄養できないと起こります。
「脾」の運化作用には食べ物から気血を作りそれを上にある「肺」などに送る働きも含まれています。この気血を上に持ち上げることを「昇清作用」といいます。
「脾」の運化作用が失調すると気血を生成できなくなるばかりか昇清作用も減退してしまいます。その結果 、顔面部の栄養不足がおこり、顔面蒼白になるのです。
● 食欲減退・大便溏薄
原因
脾胃虚弱により運化機能(食べたものを消化吸収して全身に栄養分を運ぶ作用)が減退すると起こります。
★ タイプ② ★
肝鬱気滞によるもの
産後に情志が抑鬱して条達が悪くなると、気機(気の運動)が滞って経脈の運行不利がおこります。そのために乳汁の分泌が阻害されると乳汁がおこります。
「肝」は肝臓だけでなく、体全体の機能を調節し、消化吸収や血流を正常に保ち、精神活動や情緒をも司る臓腑と捉えられています。
自律神経系の緊張や失調との関係が深いのです。「鬱」は機能の阻滞を表します。
つまり肝鬱には肝機能のストライキによる体調や精神活動の不調のことなのです。
「肝」は憂鬱、イライラ、思考力の低下、ため息などの精神面との関連が深い臓腑です。
こういう状態を「気滞」といいます。「気」は活気の気で、本来体内をスムーズに流れる生命エネルギーを指します。「滞」は渋滞の滞で、流れの悪い状態を指します。
つまり「気滞」は精神面、肉体面でのスムーズな気の流れが悪くなった状態です。
これが乳汁の分泌と深く関係していると考えます。
● 肝鬱気滞による細かい症状 ●
● 産後に乳汁が分泌せず、乳房は脹満して痛む
原因
肝気が鬱滞して気機(気の運動)の運行が失調するとおこります。
「肝」
「肝は女性の先天の本」とも古来言われているほど、女性にとっては大きな臓腑です。「肝」には「血を貯蔵する」「疏泄をつかさどる」という大きな2つの働きがあります。
生理時の血液量をコントロールしているのは、主に肝の「血を蔵す」働きによるものです。
女性の病気は、血の問題と切っても切れない関係にあります。
また、これらは感情、精神状態、自律神経の状態と密接に関連しています。
臓腑の中で、最も感情の状態や自律神経、血の問題と深く関連するのが肝です。
肝は「疏泄(全身の気・血を伸びやかにさせる)」という働きによって、全身の気・血を伸びやかに、滞りなく循環させています。
● 身体発熱
原因
「肝」はのびのびとした環境を好みます。しかし、過度のストレス・イライラなどの状況下では「肝」はのびのびせず、「肝の気」がスムーズに流れなくなってしまい、渋滞を起こします。気や血が渋滞を起こすと熱を生む特性を持っていますので、肝の気が渋滞したことで熱が生まれてしまいます。
これを肝鬱といいます。つまり肝鬱は肝機能のストライキによる体調や精神活動の不調のことなのです。気欝化火によりおこります。
● 胸脇部の不快感
原因
「肝」の働きは疏泄といって気血の流れを調節しています。肝の疏泄が失調すると気血の流れが停滞を起こします。
流れが悪くなると停滞を起こした箇所で不快感や痛みが生じます。
胸脇部に不快感が生じるのは「肝」のエネルギーが流れているルートが胸脇部を通 っているためです。
● 胃脘部の脹痛・食欲減退
原因
「気」の滞りが続いて「肝」の機能が異常に亢進すると、「気」は本来違う方向に働きます。このような症状を「気逆」といいます。
気逆には体の上のほうに向かう「上逆」と脾胃の機能を損なう「横逆(おうぎゃく)」があります。
横逆がおこると栄養素を「肺」に送る「脾」の働きと、不要物を大腸に送る「胃」の働きが乱れ、お腹の張り感や痛みなどの症状があらわれます。
人によって、ゲップやむかつき、吐き気、大小便がすっきり出ない、便がゆるくなるなどの症状も併発します。
乳汁不足の原因のひとつがストレスであることがわかっていただけたかと思います。
育児に家事と日々の生活に追われ、常に気が張った状態ではないでしょうか?
できる範で周囲の協力を得ながら、ストレス解消し、針治療をしながら、育児を楽しく乗り切りましょう。
さて、乳腺炎になってしまった場合、里芋湿布やじゃがいも湿布などを患部に当てると良いなどの知識を持ち、乳房マッサージの経験豊富な助産婦さんもいらっしゃいますが、残念ながら、現状はごくわずかしかいらっしゃいません。
最後に日常生活に取り入れて頂きたい食べ物、生活習慣について書きます。
タイプに合った食養生を1つでも取り入れて、毎日の生活の中に取り入れ、実践してみてください。
体質が徐々に改善し、体調が軽くなっていくのが実感できると思います。
気血両虚タイプ
さくらんぼ・桃
インゲン豆・キクラゲ
蓮根・さつまいも・きゃべつ
枸杞の実・栗・棗
真鯛・ヒラメ・カレイ・どじょう・フナ
鶏・卵・ウズラ・羊
生姜など
消化力が弱く、高カロリーや繊維質が多い食材などは消化吸収しきれず、胃腸の負担にえなるので、栄養価は高くても消化しにくいものは控えめに取りましょう。
肉を少なくし、冷たい飲み物や食べ物を控えめにすることが大切です。
また、牛乳にはカルシウムの吸収を助ける乳糖を含み、日本人の大多数はその乳糖の消化酵素の活性が低いので、牛乳を飲んだ後、むかつきや下痢、水太りなどの症状を引き起こしやすいので控えめに摂りましょう。
「血」を補うためには夜は早く寝るようにしましょう。正しい睡眠が「血」を増やすので睡眠不足や夜更かしは大敵です。
また、激しい運動やサウナ入浴のように多量の発汗を促すことはなるべくしないようにしましょう。
もともと足りないパワー(気)を汗とともに奪ってしまうのでよくありません。
肝鬱気滞タイプ
三つ葉・生姜・パセリ・紫蘇の葉
ジャスミン茶
レモン・きんかん・ゆず・グレープフルーツなど
このタイプの方はストレスは禁物です。
気血の巡りを悪くし、マイナス思考に陥りやすくなってしまいます。
ご自分にあったストレス解消法(アロマ・ヨガなど)を実践してみてください。
「食養」は漢方薬と同様、一人ひとりの体質にあう食品を摂取することが基本になります。
穀物類、野菜類、果物類、動物性食品をバランスよくとれば、氣力を養うことができます。
ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=
当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。
例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。
急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。
ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。
西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。
ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。
例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。
大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。
当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。
又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。
しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。
さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。
当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。
それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。
この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。
特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。
顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)
急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子
その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳
アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など
これらの疾患はほんの一例です。
疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。
針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。
当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。
少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。
- 2019/02/20
- 習慣性流産
習慣性流産とは、3回以上連続する流産あるいは、早産をいいます。
主な症状に、胎盤がはがれかけるための「性器出血」と、子宮収縮のための「下腹部痛」がみられます。
中医学では「滑胎」(胎児が滑る)といい、体の中のエネルギー不足によって胎位 を維持していくことができないと考えます。
流産の徴候がなく、感染症や頚管ポリープ、器質的異常などの問題がない、初期の出血や下腹部痛は、漢方薬や鍼灸治療が有効といえます。
また、流産直後および妊娠初期から継続して鍼灸治療を受けることにより、自然な状態で流産や早産の予防ができ、胎位 の安定感が得られるとともに、妊娠中にあらわれやすい(つわり、便秘、痔、足のむくみ、脇腹の脹り、疲労感など)諸症状を緩和してくれます。
その他、エネルギーの流れがスムーズになるため情緒の安定感を図ることができ、胎児も健やかに成長していくことができます。
●流産とは・・・
妊娠22W(6ヶ月半ば)未満に、胎児が生まれても生命が維持できない段階で生まれてしまうことをいいます。この時期に生まれてしまった赤ちゃんは、助けることが難しいのが現状です。
~現代医学的診断・治療方法~
<原因>
母体側:子宮の異常(位置、大きさ、形)、頚管無力症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、母体の病気(腎臓・心臓の病気、感染症)
母体を中心にした環境:過労、転倒
胎児側:受精卵の染色体異常、重大な形態異常、子宮外妊娠や胞状奇胎
<治療>
梅毒やトキソプラズマ症といった感染症が原因と思われるときは、その病気の治療を受けます。
子宮の形や位置の異常、頚管の裂傷や閉鎖不全症などは手術療法が考えられます。
特に、妊娠の中期にいつも自然に陣痛が起こり破水してしまうようなタイプの習慣性流産の場合は、子宮頚管縫縮手術という手術を行なうことにより80~90%は無事に出産を迎えられます。
●早産とは・・
妊娠22W以後、37W未満で出産してしまうことをいいます。この時期には胎児の発育が完全ではなく、死産になったり、生まれても育ちにくかったり、育っても心身に障害を残したりすることがあります。
~現代医学的診断・治療方法~
<原因>
母体側:過労、精神的ストレスなどの環境的なもの、事故やけがなどの外傷
産科的な異常の閉鎖不全症(頚管無力症)、妊娠中毒症、前期破水
胎児側:重大な奇形、多胎妊娠、逆子、前置胎盤
<徴候>
お産と同様、出血と陣痛とで始まりますが(破水が先に起こることもあります)。
その前に注意して診察を受けられると子宮口が開きかかっていることがわかる場合が多いようです。
<防止>
上記の徴候で見られる切迫流産では、入院して安静をとり、陣痛を抑える薬剤の内服や注射で早産の防止を図ります。
▼中医学的流産・早産のとらえ方▼
中医学では主に「腎」が生殖機能と深く関わっています。
腎の働きが低下することにより、気の働きの一つである『固摂作用』の減退症状があらわれます。
固摂作用とは、血や汗、尿などが不必要に体の外に漏れ出さないようにしたり、出血を抑えたり、臓器や胎児を正常な位 置に保つ働きをしています。
(固め、状態を維持する働きです)
腎のエネルギーが不足することにより、早産、流産、頻尿、尿失禁、脱肛、腹部の下垂感などの症状がみられます。この状態を「腎気不固」といいます。
原因は様々ですが、流産、早産を起こしやすい方の大半は、腎のエネルギー不足が根底にあると考えられています(詳しくは下記の~臓腑の働き~を参照して下さい)。
▼中医学的からだのしくみ▼
~「気」「血」「水」とは~
体全体の活動源である「気」、体内の各組織に栄養を与える「血」、血液以外の体液で体を潤してくれる「水」、
これらの3つが体内に十分な量で、スムーズに流れていることにより、体の正常な状態が保たれます。
もし、これらのひとつでも流れが停滞してしまったり、不足してしまったりするとからだに変調をきたし、様々な症状がでてきます。
さらにこの状態を放置し、慢性化してしまうとお互い(気・血・水)に影響が及び症状が悪化してきてしまうのです。
~臓腑の働きとは~
「気・血・水」を作り出し、蓄え、排泄するといった一連の働きを担っているのがこの臓腑です。西洋医学的な働き以外に中医学では「気・血・水」が深く関わってきます。
ですので、西洋医学と全く同じ役割分担ではありません。ゆえに違う診たてができるのです。この点をまず理解してください。
「肝」・・
①
全身の気の流れをスムーズにし、各器官の働きを助けます。
伸びやかな状態を好むため、精神的ストレスなどを受けると働きが低下し、他の器官の働きに影響を与えます。
この状態を「気滞」(気の流れがとどこおる)といいます。
②
全身の血液量をコントロールし、蓄える働きがあります。
肝の働きが弱まってしまうと血液を蓄えることが出来なくなるため肝の支配している器官の機能減退症状があらわれてきます。
例)目のかすみ、爪が割れやすくなる、手足の震えやしびれ、筋けいれんが起こりやすくなったりします。
婦人科疾患としては、無月経、不妊症、月経前の乳房のはった痛み、ストレスにより月経周期が早まったり、遅くなったりする。
「脾」・・
①
食べたものをエネルギー(気・血・水を主に作り出す)に変え、体全体の機能を活発にします(運化作用)。
働きが弱まってしまうと、うまくエネルギーを生み出せないために疲れやすいなど全身の機能(臓器など)が低下してしまいます。
②
エネルギーを上に持ち上げる働きがあります(昇提作用)。
働きが低下すると、いいエネルギーが上にいかないために、めまい、たちくらみが起こり、さらに悪化すると子宮下垂、胃下垂、脱肛、など内臓の下垂が見られます。
③
血を脈外に漏らさないよう引き締める働きがあります(固摂作用)。
働きが低下すると、不正出血、月経が早まる、青あざが出来やすくなったりします。
婦人科疾患として見られる症状は白いおりものが多くでる、黄色っぽく臭いおりものがでる、不正出血、月経が早まる、子宮下垂。
「腎」・・
生命力の源、生殖器・発育・成長関係と深く関わります。
「腎」には父母から受け継いだ先天の気が蓄えられています。生まれたときにこのエネルギーが少なく、足りなかったりすると、成長が遅い(初潮が遅い)、免疫力が弱い、小柄などの発育不良の状態があらわれます。
「腎」のエネルギー(先天の気)は、「脾」から作り出すエネルギー(後天の気)により補充されます。
年齢が増すにつれて、腎が支配する器官の機能減退症状があらわれてきます。
例)骨や歯がもろくなる、耳が遠くなる、髪が薄くなったり、白髪が多くなる、婦人科疾患では無月経、不妊症、流産しやすい。
▼中医学的診断方法▼
妊婦さんの体質や妊娠した際にあらわれた特徴的な症状などから、流産や早産を引き起こしやすい原因を見極め、治療方法を決めていきます。
そのため、同じ症状であっても人によっては治療方法が異なることがあります。
その他、妊娠前の月経状態(周期・期間・月経量・質・色、月経に伴う不快な症状など)などからも体の中の状態を把握することができます。
さらに、食べ物の嗜好、生活習慣(睡眠時間、食欲、排便の状態など)、仕事場での環境状態を問診し中医学独特の診断方法である舌診、脈診などを用いて診察していきます。
その診断に基づいて、個々の体質を把握し、その人その人に合った治療をしていきます。
▼ 中医学的習慣性流産のタイプと治療方法▼
●腎気不固タイプ●
生殖機能の源である腎のエネルギー不足のため、胎位を維持することができずに流産を繰り返すタイプです。 習慣性流産のなかで、もっとも多いタイプです。
○主な原因
生まれつき虚弱体質、長期間の過労、慢性病、性交過多による腎エネルギーの損傷
○随伴症状
流産の既往がある、妊娠後に腰や膝がだるく無力、下腹部が下がってくるように感じる、めまい、耳鳴り、頻尿あるいは尿失禁、性器出血
○月経の特徴
周期:早まる
血量:多い
色 :薄い赤色
質 :薄くさらさらしている
○治療方法
腎のエネルギーを益し、胎位の安定感を図る「補腎固胎」の治療をしていきます。
●脾気虚タイプ●
食物からエネルギー(気)を生み出す源である「脾」。
この2つの臓器の働きが失調することにより体を養う気や血が作りだせないため、胎児を養うことができず、流産を繰り返すタイプです。
主な特徴として、体全体の機能減退症状がみられます。
○主な原因
生まれつき虚弱体質、飲食の不摂生、過労、あれこれ思い悩むことが多い。
○随伴症状
流産の既往がある、妊娠後に顔が黄色くむくむ、下腹部が脹って下がってくるように感じる、倦怠無力感、吐き気、嘔吐をもよおす
息切れ、話すのがおっくう、味を感じない、食欲不振、泥状もしくは水様便
○月経の特徴
周期:早まる
血量:多い
色 :淡い、薄め
質 :さらさらしている
○治療方法
エネルギーを増やし、胎位の安定を図る「補脾益気」、「固胎」の治療をしていきます。
●陰虚火旺タイプ●
陰陽のバランスが崩れることにより、体の不調がでてきます。
体を養う血、潤す働きの水(陰の部分)が不足し、体の中の陽気が相対的亢進してしまうためにあらわれる症状です。
そのため陽気が盛んになり胎動もその影響を受け活発に動き、流産や早産をまねきやすくなるタイプです。
○主な原因
精神的ストレス、疲労、徹夜が多い(または就寝時間が遅い)、性交過多により体の精や血を損傷する
○随伴症状
流産・あるいは早産の既往があり、妊娠後に痩せる、両頬部の紅潮、手足がほてる、口が乾く、腰がだるく痛む、性器出血
○月経血の状態
月経周期:早まる
量:少ない
色:紅い
質:少し粘る
○治療方法
体を養う血、潤す働きを高め、「滋陰降火」「固胎」の治療をしていきます。
▼タイプ別にみる生活養生・食養生▼
自分のタイプ(体質)を判断できた方はこれから説明していきます、タイプに合った食養生を1つでも2つでも毎日の生活の中に取り入れ、実践してみてください。
体質が徐々に改善し体調がよくなり、症状が軽くなっていくのが実感できると思います。
●腎気不固タイプ●
【生活習慣】
・
過労を防ぐことが第一です。
・
消化器をいたわるような食生活も大切です。消化が良く、栄養バランスの取れた食べ物を心がけましょう。
・
穀物をしっかりとり、睡眠もしっかり取るように心がけて下さい。
・
ダイエットによる食事制限は禁物です。
【食べ物】~主に腎のエネルギーを補う食べ物を多く摂りましょう~
(穀類)うるち米、粟米、小麦製品
(豆類)大豆や大豆製品、牛乳
(肉類)牛肉、鶏肉、烏骨鶏
(野菜)山芋、じゃがいも、里芋、かぼちゃ、人参
(魚類)いか、貝柱
(果物)栗、もも、さくらんぼ
(木の実)くるみ、なつめ、黒ごま、クコの実
(お茶)杜仲茶、ほうじ茶、なつめ茶
●脾気虚タイプ●
【生活習慣】
・
消化が良く、栄養バランスの取れた食べ物を心がけましょう。
・
消化が弱い気虚タイプの人は、消化・吸収をよくするためにもよく噛んでゆっくり食べましょう。
・
スタミナが切れやすいこのタイプの人は、穀物をしっかりとり、睡眠もしっかり取るように心がけて下さい。
・
頭や目の使いすぎは血を消耗させてしまうので、この時期は極力長時間パソコン作業や、夜遅くまでの勉強、仕事は避けましょう。
・
ダイエットによる食事制限も禁物です。
【食べ物】~エネルギーを益す食べ物を摂りましょう~
(穀類)うるち米、粟米、小麦製品
(豆類)大豆や大豆製品、牛乳
(肉類)牛肉、鶏肉、烏骨鶏
(野菜)山芋、じゃがいも、里芋、かぼちゃ、人参 (魚類)いか、貝柱
(果物)なつめ、もも、さくらんぼ
(お茶)杜仲茶、ほうじ茶、なつめ茶
~体を冷やす食べ物、辛い食べ物、油っこく味の濃い食べ物は胃を刺激し気を消耗させるので避けましょう~
辛い食べ物・・青唐辛子、ねぎ、コショウなど
冷やす食べ物・・すいか、バナナ、イチジク、なし、苦瓜、薄荷など
●陰虚火旺タイプ●
【生活習慣】
・
イライラしやすく、ストレスを感じやすいこのタイプは、ヨガや気功などの呼吸法やストレッチでリラックスできる時間を作りましょう。
その時、室内でアロマオイルやお香を焚くと、気持ちが静まり部屋の空気も変わるので心身ともに気分が落ち着きます。
・
お風呂に入る時や寝る前に、みかんやレモンの柑橘類の皮を袋に入れて香りを楽しむのもよいものです。
・
体を養う血の消耗につながる生活は避けましょう。
睡眠はしっかりとり、血を消耗させやすいパソコンの使いすぎ、テレビの見すぎ、夜更かしは避けましょう。
・
血を補い、体を潤す働きのある食べ物を摂るよう心がけましょう。
【食べ物】~体を冷まし、潤す作用のある食べ物を摂りましょう~
(乳製品)豆乳、牛乳
(肉類)豚の皮、鴨肉、豚肉
(魚介類)いか、牡蠣、すっぽん(とくに甲羅の部分)
(野菜)山芋、白きくらげ、黒きくらげ
(果物)なし、もも、ぶどう
(木の実)クコの実、くるみ、黒ごま
(お茶)桑の実とクコの実のお茶
~体を温める作用のある食べ物は熱を生み、症状を助長させますので控えめにしましょう~
(穀類) もち米
(肉類) 羊肉、鹿肉、牛肉
(魚介類)えび、なまこ
(野菜) にら、ねぎ、ししとう、かぼちゃ、しょうが、にんにく
(木の実)栗
(香辛料)酒、シナモン、黒砂糖、ウイキョウ(フェンネル)
▼その他日常生活での注意点▼
・妊娠をしたときには
1. 安静療養する
2. リラックスを心がける(常に不安がつきまとうので)
・過労、睡眠不足、精神的ストレスによる心身の疲労は症状を悪化させます。ストレスはためないよう、運動(ヨガ、気功、など)、軽い散歩などで気持ちが安らぐ空間を持ちましょう。
・栄養バランスの摂れた食べ物、特にカルシウムやビタミン類はをしっかり摂り、十分な睡眠をとりましょう。
★ 流産をしたあとは、産後と同じように「気」や「血」が極端に不足し、子宮や卵巣の血流が悪くなり、疲れた状態になっています。同時に体調の悪さと相まって不安感や後悔の念も強くなりがちです。次の妊娠につなげるためにも、できれば流産の直後からケアをされるとトラブルは起こりにくくなります。
産後の養生と同じような養生が必要です。
ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
◎当院での治療をお考えの方へ◎
= 本来の東洋医学の治療の姿に関して一言 =
当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。
例えば、「ギックリ腰」や「寝違い」といった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いのですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。
急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。
ゆえに慢性化した、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。
西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。
例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。
大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。
当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。
これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。
又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。
しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。
少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。
- 2019/02/20
- 子宮内膜症
女性を悩ませる代表的な病名ですが、どのような病態なのでしょう。
治療方法は西洋医学と東洋医学でかなり違うようですね。
《西洋医学的考え方》
子宮内膜症とは、本来子宮内腔に存在するはずの子宮内膜組織が、子宮以外の場所(主に腹部)にできる病気です。その内膜組織は,本来の子宮の周期と同じように月経期になると剥離・出血しますが、血液を体外に出すことが出来ず、体内に溜めてしまいます。
そのため、激しい月経痛や腰痛・不妊などの原因となったり、チョコレート嚢胞が出来たりすることがあります。
生殖年齢の女性の5%に,子宮内膜症があるという統計があり、やせ型・胃腸下垂型の人に多いようです。
☆症状
激しい月経痛や、月経時以外の下腹部痛が主な症状です。また不妊との関係も指摘されています。
生理時の出血が多くなる事もあります。
☆検査と診断
症状などから子宮内膜症が疑われた場合、内診や直腸診、超音波検査、血液検査(腫瘍マーカー測定)が行われます。確定診断に腹腔鏡検査を行う事もあります。
☆ 治療法
大きく分けて薬物療法と手術療法の2つがあります。
【薬物療法】
子宮内膜症は、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)によって、病状が進行します。
薬物療法では、卵胞ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン剤を使い、月経を一時的に止めて 病巣を小さくします。
この薬を服用中には妊娠を期待することは出来ません。
痛みの軽い場合は、鎮痛剤のみで経過をみます。
【手術療法】
・
・
・
病状が進行している場合に行われます。
将来、妊娠を希望する場合は卵巣や子宮を残し、病巣のみを取り除きます。
腹腔鏡を使って行われる事が多く、身体の負担も少ないのですが、およそ3割の患者さんは再発をします。
妊娠の希望はなく、閉経までまだ期間が長い場合、女性ホルモンを分泌する卵巣機能の正常な部分のみを残し、子宮を摘出する場合もあります。
閉経間近い患者さんの場合、子宮、卵巣、卵管を全て摘出します。
再発はなくなりますが、更年期障害のような症状が出ることがあります。
《中医学的考え方》
中医学では、子宮内膜症は子宮内膜異位症とも言われ、本来あるべきではない位 置に子宮内膜が増殖し、生理のように剥離・出血をくりかえす病態で、出血した血液の行き場がないところに問題があります。
この状態を中医学では「お血(おけつ)」といいます。(身体の中の血がどこかで滞っている状態です)
中医学では、身体のしくみの考え方が、西洋医学とは少し違います。
人間の身体を車に例えると、エンジンにあたるのが『五臓六腑』で、ガソリンにあたるのが、『気・血・水』です。
エンジンとガソリンのどちらに問題があっても、車は動きませんね。
人間も同じように、五臓六腑の働きを整えるのと同時に、『気・血・水』の働きも整えて、初めて 健康を維持する事が維持出来るのです。
中医学では、生命活動の源として働くものは『気・血・水』であると考えています。
気というのは、気持ちの気と同じような意味合いもありますが、中医学では、活力という意味であり、 血脈の流れを推進したり、臓器組織の活動を促進したり、人体を栄養する作用もあると考えます。
血は血液という意味よりも広く考えて全身を栄養するだけでなく、精神活動も支えています。
水は津液とも言われ、身体をうるおす水分の事です。
これらは飲食から得られ、五臓六腑で消化吸収して作られていきます。
気・血・水は『経絡』という、人体の上下・内外を貫く道筋によって、全身を流れ、栄養したり、 臓器の機能を調節したりしています。健康な状態では、経絡は全身を滞る事なく流れています。
これらのどこかに問題がおこることにより、身体のバランスが崩れます。
そしてその微妙な崩れは、日頃の体調(食欲・排尿・排便・睡眠・疲労感・主訴以外の症状)などにも 現れますし、他覚症状としては、顔色や脈状・舌の色や形にも現れてきます。
少しだけバランスが崩れた時、早めに治療をすれば、大きな病になることなく、 元の健康な状態に戻ることが出来ます。
これを『未病治』といい、病になる前のケアで治す、東洋医学の基本概念でもあります。
バランスの崩れが進んで、病に陥った場合も、治療の目的はバランスを整える事ですから、 細かい症状のすべてを総合し、その人全体をとらえて、どのように治療したら良いかを決めていきます。
経絡の流れを良くしてあげる事は、身体機能のバランスをとり、 健康な状態に近づけることにつながりますから、 中医学的治療を続けると、主訴がとれていくだけでなく、自然治癒力が増すなど、人間の基本的な生命力が強くなっていきます。
ですから、赤ちゃんのころから、中医学的養生を続けていると、根が深い樹木が太く高い木になるように、強く生命力のある子に育つでしょう。
高齢者においては、若返ることはないにしても、老化のスピードを遅くすることは出来ますから、元気に天寿を全うする事ができるでしょう。
治療においては、ただ単に痛みのある部位だけではなく、経絡上で、その流れを良くしてくれる作用のあるツボや、滞りを除いてくれるようなツボも使っていきます。
ツボにはそれぞれ特性がありますから、その詳しい効能を考慮し、効果 的な組み合わせを考える事も大切です。
頭痛の治療にも、手足のツボを使いますし、特効穴が手にあったりするのは、ツボの特性を利用しているからです。
子宮内膜症の話に戻りましょう。
子宮内膜の症状は主に生理痛などの激しい腹痛です。
基本的な原因は、気血の流れが悪くなり、オ血(おけつ・血の滞り)が出来るためです。
かなり痛みがひどく、鎮痛剤を服用してしまう方も多いようですね。
話は少しズレますが、鎮痛剤について考えてみましょう。
最近の鎮痛剤の作用機序は、痛みを感じる元の物質〔発痛物質〕の働きを止めるものがほとんどです。
痛みは感じなくなるかもしれませんが、果たして身体への影響は大丈夫なのでしょうか?
生理痛の原因は気・血の滞りです。
ただでさえ流れが滞っている身体に、さらに普通の働きを止めてしまうものを与えてしまって いいわけがありません。
本当は気血の流れを良くしてあげるお手当てをするべきなのですから・・・。
「すべてのものには意味があります」発痛物質にも大切な意味があるのです。
痛みは身体の異常を伝えるメッセージです。「ここに異常がありますから、なんとかして下さい」と、脳に伝えてくれる役目をしているのが、発痛物質です。その働きをむやみに止めてはいけません。
動けないほど痛い時は、本当は寝ているべきなのです。
横になり、暖かくして消化のいいものをとり、気血の流れを少しでも良くしてあげれば、 自然治癒力が治してくれます。
しかし、現代社会では、もちろん呑気に寝ているわけにはいきません。
鎮痛剤を飲んで動かなければいけない事も多いでしょう。
でも忘れないで下さい、身体は困っているのです。
痛みは感じなくても、いたわってあげて下さい。
なるべく気血の流れが良くなるように、時々深呼吸をするとか、胃腸に負担をかけないようにする・ 早めに寝るようする・等、ちょっとの努力で出来る事は沢山あります。
飲んですぐ効く薬というのは、つまり身体のバランスをすぐに崩してくれるものです。
やむなく服用した場合は、バランスを良くしてあげる事も合わせてしてください。
さて、中医学の話に戻りましょう。
中医学ではどのように子宮内膜症を治療していくのでしょうか。
患者さんの、その時の症状を細かく伺い、
舌診・脈診を通して体質をつかみ、食べ物の嗜好や生活習慣(食欲・排尿便・睡眠)等も加味したうえで、 診断をし、その人その人にあった治療をします。
身体全体のバランスを良くするというのが、目標です。
子宮内膜の主な原因である「血の滞り」は、なぜ起こるか考えてみましょう。
大きく分けて、以下の三つ原因があります。
1. 滞血オ : 気の流れが滞りその結果として血が滞る
2. 凝血オ : 寒邪(冷え)が身体に侵入し血が滞る
3. 気虚血オ: 気を流す力が弱く気滞を生じ、その結果血も滞る
【原因別 主な症状・治療法・日常の養生について】
1. 気滞血オ
症 状:
治 療:
養 生:
お勧め
の食品:
漢方薬:
精神的ストレス、イライラ、下腹部の張痛。生理の時、血の塊が出ると痛みが軽くなる。
「気」の流れを改善して、心身をのびやかに保ち、血行を良くする治療をします。
ヨガや気功などの呼吸法、ストレッチ等でリラックスしましょう。
シソの葉、梅、みょうが、みかん、レモン、ジャスミンティー、ミントティー等
血府逐お湯(けっぷちくおとう)
2.寒凝血オ
症 状:
治 療:
養 生:
お勧め
の食品:
漢方薬:
手足の冷え、寒がり、薄着、生ものや冷たいものの飲食を好む。生理痛は暖めると軽減する。
身体を温めて血流を良くする治療をします。
夏でも冷房などで冷えてしまう事がありますから、上着を着るなど、こまめに体温の調節をして、日頃も身体を冷やさないようにしましょう。
ショウガ、にんにく、シソ、ネギ、鳥肉、ジンジャーティーなど
少腹逐お湯(しょうふくちくおとう)、温経湯(うんけいとう)
3.気虚血オ
症 状:
治 療:
養 生:
お勧め
の食品:
体力がない、すぐ疲れる、やせ型、胃下垂、虚弱体質
体力をつけ、血行をよくする。「気」を補って血流を正常にする治療をします。
日常の食事をバランス良くとり、睡眠をしっかりとるようにしましょう。
梅、キクラゲ、しじみ、ショウガ、なつめ、クコの実、豆腐、なつめ茶など
漢方薬:
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)四物湯(しもつとう)
なお、子宮内膜症は、下腹部痛以外にも、生理の量が多くなる・生理の期間が長くなる等で出血が多くなる場合もあります。
その際、生理中は、必要以上に出血が多くならないようにする配慮も必要ですし、生理中とそうでない時では、治療法も違う場合があります。
個人個人の体質に合わせて治療を行います。お気軽に当院までご相談くださいませ。
- 2019/02/20
- 子宮筋腫
子宮筋腫は子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で成人女性の4人に1人の割合で見られる疾患です。
思春期前の若い女性に発症することはほとんどなく、閉経後には退縮して小さくなるため、筋腫の発育には女性ホルモンが強く関係していると考えられています。
この場合現代医学での検査は重要な診断・治療の目安となるため、比較的小さな筋腫で、特別 な症状が無い場合でも定期的な検診を受けることをお勧めします。
またその際、鍼灸治療と併用することにより(筋腫の大きさや症状の程度によりますが) 一定の効果があらわれやすく、治癒力も高められるため身体への負担も軽減されます。
そのほか病の根本である原因、誘発要因に着眼し治療を進めていくため再発しにくい体質へと改善していくことができます。
▼中医学的子宮筋腫のとらえ方▼
子宮筋腫で見られる症状の1つに「しこり」があります。
中医学では、この「しこり」の性質や特徴、全身に現れている症状を把握することにより 筋腫が形成された原因、誘発要因を導き出していきます。
「しこり」は体の活動源である<エネルギー>、栄養源である<血>、体を潤す<水>の流れが 長期間停滞することにより形成されていきます。
症状の軽重や進行状態は、生活環境や社会環境、個々の体質や性格が深く関与します。
▼現代医学的診断・治療方法▼
<筋腫の発生する部位>
*子宮体部(ショウ膜下筋腫、粘膜下筋腫、筋層内筋腫)
*子宮頚部(粘膜下分娩、子宮を支える靭帯に筋腫が発生する)
全体の95%は子宮体部に発生し、残りの5%が頚部に発生するといわれています。
<筋腫の主な症状>
月経の量が多くなる、月経期間の延長、頻発月経、月経痛などの月経異常と不正出血が見られます (これは中医学も同様です)。
また発生する部位や発育方向によりそれぞれ特異な症状が伴います。
<検査法>
子宮卵管造影や子宮鏡などがあります。
<治療法>
薬物療法と手術療法があります。
~薬物療法~
「偽閉経療法」という薬物を使って半年間ほど月経をとめ、子宮筋腫を小さくする方法です。
治療中は月経の症状で苦しむこともなく筋腫も小さくなるため有効な方法です。
しかし長期間の服用により骨量の減少や更年期障害のような副作用、さらには薬剤の服用中止後に卵巣機能が再開すると筋腫がまた大きくなってしまうという問題点もあります。
その他UAE(子宮動脈塞栓法)という子宮へ流れる血管に栓をして子宮筋腫を小さくするといった治療を行なっている施設もあるようです。
~手術療法~
手術を要する子宮筋腫は、大きさがこぶし大以上のとき、過多月経や不正出血などの出血傾向が強く貧血がひどくなる場合、不妊や習慣性流産、早産の原因になると考えられるときなどです。
治療法は子宮全摘術と筋腫核出術があります。
どちらの手術法を用いるかは全身状態、筋腫の数や大きさ、発生部位 、将来子どもを希望するかどうかなどにより選択されます。
▼中医学的からだのしくみ▼
~「気」「血」「水」とは~
体全体の活動源である「気」、体内の各組織に栄養を与える「血」、血液以外の体液で体を潤してくれる「水」、 これらの3つが体内に十分な量で、スムーズに流れていることにより、体の正常な状態が保たれます。
もし、これらのひとつでも流れが停滞してしまったり、不足してしまったりするとからだに変調をきたし、様々な症状がでてきます。
さらにこの状態を放置し、慢性化してしまうとお互い(気・血・水)に影響が及び症状が悪化してきてしまうのです。
~臓腑の働きとは~
「気・血・水」を作り出し、蓄え、排泄するといった一連の働きを担っているのがこの臓腑です。
西洋医学的な働き以外に中医学では「気・血・水」が深く関わってきます。
ですので、西洋医学と全く同じ役割分担ではありません。
ゆえに違う診たてができるのです。
この点をまず理解してください。
「肝」・・
全身の気の流れをスムーズにし、各器官の働きを助けます。
伸びやかな状態を好むため、精神的ストレスなどを受けると働きが低下し、他の器官の働きに悪影響を与えます。
この状態を「気滞」(気の流れがとどこおる)といいます。
全身の血液量をコントロールし、蓄える働きがあります。
肝の働きが弱まってしまうと血液を蓄えることが出来なくなるため肝の支配している器官の機能減退症状があらわれてきます。
例)目のかすみ、爪が割れやすくなる、手足の震えやしびれ、筋けいれんが起こりやすくなったりします。
婦人科疾患としては、無月経、不妊症、月経前の乳房のはった痛み、ストレスにより月経周期が早まったり、遅くなったりする。
「脾」・・
食べたものをエネルギー(気・血・水を主に作り出す)に変え、体全体の機能を活発にします(運化作用)。
働きが弱まってしまうと、うまくエネルギーを生み出せないために疲れやすいなど全身の機能(臓器など)が低下してしまいます。
エネルギーを上に持ち上げる働きがあります(昇提作用)。
働きが低下すると、いいエネルギーが上にいかないために、めまい、たちくらみが起こり、さらに悪化すると子宮下垂、胃下垂、脱肛、など内臓の下垂が見られます。
血を脈外に漏らさないよう引き締める働きがあります(固摂作用)。
働きが低下すると、不正出血、月経が早まる、青あざが出来やすくなったりします。
婦人科疾患として見られる症状は白いおりものが多くでる、黄色っぽく臭いおりものがでる、不正出血、月経が早まる、子宮下垂
「腎」・・
生命力の源、生殖器・発育・成長関係と深く関わります。
「腎」には父母から受け継いだ先天の気が蓄えられています。
このエネルギーが少なく、足りなかったりすると、成長が遅い(初潮が遅い)、免疫力が弱い、小柄などの状態があらわれます。
「腎」のエネルギー(先天の気)は、「脾」から作り出すエネルギー(後天の気)により補充されます。
年齢が増すにつれて、腎が支配する器官の機能減退症状があらわれてきます。
例)骨や歯がもろくなる、耳が遠くなる、髪が薄くなったり、白髪が多くなる。
婦人科疾患では無月経、不妊症、流産しやすい。
▼中医学的診断方法▼
中医学では主に以下の状態での治療に一定の効果をもたらします。
1.筋腫の大きさが5センチ以下と比較的小さいもの
2.過多月経、不正出血による貧血など出血傾向の少ない場合
3.周辺臓器への圧迫や他の器官への癒着のない場合
個人の体質やその時々の症状、体調を考慮したうえで、治療方法を決めていきます。
そのため、同じ症状であっても人によっては治療方法が異なることがあります。
月経の状態(周期・期間・月経量・質・色、月経に伴う不快な症状など)、基礎体温表などから体の中の状態を把握することができます。
この他、食べ物の嗜好、生活習慣(睡眠時間、食欲、排便の状態など)を問診し中医学独特の診断方法である舌診、脈診などを用いて診察していきます。
その診断に基づいて、個々の体質を把握し、その人その人に合った治療をしていきます。
▼中医学的子宮筋腫のタイプと治療方法▼
「気滞」とは主に、精神的ストレスなどにより気の流れが停滞してしまうことです。
「血オ」とは血の流れが停滞してしまう状態をいいます。
気と血は、体の中をいっしょに運行していますので、気滞(血オ)により流れがスムーズでなくなると血(気)の流れも影響を受け、 滞ってしまうタイプです。
その結果、しこりが形成されやすくなっていきます。
●気滞タイプ●
○主な原因
精神的ストレス、イライラしやすく怒りっぽい、マイナス思考
○筋腫の特徴
・下腹部にしこりがあり、張った感じはあるが触れると堅くはない
・しこりを押すと移動する
・日によっては触れるときと触れない時がある
・痛む部位は一定しない
○月経の特徴
周期:早まったり、遅くなったりその時の精神状態により変わる
血量:少なく、ぽたぽたと出る程度
色 :紫色っぽく、赤黒い色
質 :レバー状のかたまりが血に混じる
○随伴症状
胸や脇、乳房がはって痛む、イライラしやすい、ガスやげっぷが出やすくなる、
頭痛は頭の側面が張って痛む、偏頭痛
○治療方法
気の流れをスムーズにし、しこりを散らしていく「疎肝解鬱」「行気散結」の治療をしていきます。
ツボ:太衝、子宮、関元、帰来、三陰交、内関、合谷
漢方:香リョウ丸
●血オタイプ●
○主な原因
月経中或いは産後、子宮から血が体外へ排出されず(子宮へ)停滞してしまう、
ストレス、冷え、外傷、打撲、手術によるうっ血、過労
○筋腫の特徴
・下腹部にしこりを触れる
・しこりは堅く移動しない
・痛みが強く、触れられるのを嫌がる
○随伴症状
月経中、下腹部が痛む、脹った痛み、腰痛、痛みのため下腹部を押さえるのを嫌がる
○月経血の特徴
月経周期は遅れがち
色:赤黒い
量:少ない
質:レバー状のかたまりが血に混じる
○治療法
血の流れを良くし、停滞した血のしこりを取り除いていく「活血破オ」「散結」の治療をしていきます。
ツボ:子宮、中極、血海、三陰交、合谷
漢方:桂枝茯苓丸
●痰湿タイプ●
「脾」のエネルギーが足りないために、食べた物が気・血・水に変わらず、余分な水分が体内に停滞し、経絡(気の流れるルート)の運行を阻害します。
滞っている状態が長く続きますと「しこり」が形成されていきます。
○主な原因
冷たい水分・甘いもの・味の濃いもの・脂っこいもの、ビール、生ものを多く摂取する、
家が湿気を帯びやすい
○筋腫の特徴
・下腹部の真ん中に堅いしこりを触れる
・しこりを押すと柔らかい
○月経の特徴
周期:遅れがち、
血量:少なめ
色 :黒っぽい赤色
質 :レバー状のかたまりが血に混じる、粘っこい
○随伴症状
白いおりものが多くでる、水太り体質、色白、体が重だるい、痰が多くでる、 頭が重くめまいがする、胸や胃のあたりがもたれる、吐き気、嘔吐をもよおす、手足・目のむくみ
○治療方法
脾の働きを高めることにより痰を作らないようにする「健脾化痰」、しこりを散らしていく「散結」の治療をしていきます。
ツボ:子宮、中極、帰来、豊隆、百会、陰陵泉、三陰交
漢方:開鬱二陳湯、または抑肝散と二陳湯
▼タイプ別にみる生活養生・食養生▼
自分のタイプ(体質)を判断できた方はこれから説明していきます、タイプに合った食養生を1つでも2つでも毎日の生活の中に取り入れ、実践してみてください。
体質が徐々に改善し体調がよくなり、症状が軽くなっていくのが実感できると思います。
●気滞タイプ●
【生活習慣】
イライラしやすく、ストレスを感じやすいこのタイプは、ヨガや気功などの呼吸法やストレッチでリラックスできる時間を作りましょう。
その時、室内でアロマオイルやお香を焚くと、気持ちが静まり部屋の空気も変わるので心身ともに気分が落ち着きます。
お風呂に入る時や寝る前に、みかんやレモンの柑橘類の皮を袋に入れて香りを楽しむのもよいものです。
【食べ物】~香りの高い食べ物を摂ることにより鬱々とした気持ちを発散してくれます~
(野菜)春菊、三つ葉、みょうが、シソの葉、パセリ、セロリ、
(果物)みかん、レモン、グレープフルーツ、きんかん、ゆず
(お茶)ジャスミン茶、ミントティー
●血於タイプ●
【生活習慣】
夏は冷房、冬は外気の寒さから体が冷えるのを防ぐようにしましょう。
冷たいものの摂り過ぎは血行を悪くするので気をつけましょう。
寒い季節や冷房で冷えた日は、生野菜は控え、温野菜を摂るようにしましょう。
適度に運動をして、適度な汗をかくよう心がけましょう。
【食べ物】 ~血液の流れを良くする作用のある食べ物を摂りましょう~
(豆類)小豆、黒豆
(野菜)あぶらな、にんにく、にら、ねぎ、しょうが、とうがらし
(香辛料)酢、少量の酒
(お茶)さんざし茶、バラ茶、紅花茶
●痰湿タイプ●
【生活習慣】
甘いものや味付けの濃いもの、油っこい食べ物は控えましょう。
水分代謝が悪く、水太りしやすいので水分の摂りすぎには注意して下さい。また、冷たい物(アイスやジュース)は控えめにしましょう。
運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。
梅雨の時期は湿気の影響を直に受けるので、この時期は食べ物に気をつけましょう。
【食べ物】 ~水分を排出してくれる働きのある食べ物を摂りましょう~
(穀類)はと麦、とうもろこし、小豆、黒豆
(野菜)冬瓜、白菜、山芋、トマト、チンゲンサイ
(魚類)こい、ふな
(果物)すいか、ぶどう、メロン
(お茶)紅茶、ジャスミン茶、杜仲茶、なつめ茶
▼その他日常生活での注意点▼
悩んだり、焦ったり、イライラしたりする気持ち、心身の疲労などが症状を悪化させますので、ストレスはためないよう、運動(ヨガ、気功、など)、軽い散歩などで気持ちが安らぐ空間を持ちましょう。
室内でアロマオイルやお香を焚くと、気持ちが静まり部屋の空気も変わるので心身ともに気分が落ち着きます。
お風呂に入る時や寝る前に、みかんやレモンの柑橘類の皮を袋に入れて香りを楽しむのもよいものです。
規則正しい生活をし栄養バランスの摂れた食べ物、特にカルシウムやビタミン類をしっかり摂り、十分な睡眠をとりましょう。
さて、お読みになって子宮筋腫にはさまざまなタイプがあり、タイプ別による治療、食養生、生活習慣が重要だということがお分りになって頂けましたでしょうか。
些細なことなのですが日常の過ごし方を少し見直してみるだけで体調が変わりはじめ、 体質改善に繋がっていきます。無理のない範囲で実践し、続けていくことが大事です。
当院では現代医学が苦手とする領域
「検査で問題はないが症状がある」
「活力エネルギーの調整(自然治癒力の底上げ)、体質改善」
「予防と未病の手当て」に力を入れています。
ご質問等ございましたら、お気軽に楊中医鍼灸院までご相談ください。
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吉祥寺|中医学に基づく|子宮筋腫
鍼灸・吸玉(カッピング)療法専門 楊中医鍼灸院
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