中医学のあれこれ
- 2022/08/19
- 【コラム】研修生による研修コラム#5~気の作用について~
こんにちは!楊中医鍼灸院です!
前回のコラムでは、「気について」書かせて頂きましたが今回はその続きで「気の作用」について書かせて頂きます。
①推動作用(すいどう…前に推し進めて動かす)
気はものを動かすという意味があります。歩く、走る、話すなど、すべての動作や行動は気の推動作用により行われています。気は血、津液をはじめ、汗、尿、便などを流通、排泄する働きがあります。血と津液は、水からの力で流れているのではありません。これは気が血や津液を押し動かして流れているのです。また汗、尿、便なども推動の働きにより排泄され、この働きが失調すると動きが緩慢になり、さらに血、津液、あるいは不要な水液が停滞することになります。便意があっても便が出にくいというのは、便を押しだす力がないためにおこることがあります。また、気には人体の生長・発育、各臓腑・経絡の生理作用を促進する働きがあり、これも推動作用の1つです。
②温煦作用(おんく…温めること)
気は体を温めます。人体が正常な体温を維持することができるのは、気の温煦作用の調節を受けているからです。温煦作用が失調すると、手足が冷える、寒がり、寒気、尿が薄くて多いなどの症状があらわれます。
③防御作用(ぼうぎょ…外邪の侵入を防ぎ護ること)
気は体表を保護し、外界からの発病素因(外邪)の侵入を防ぎます。また外邪がすでに人体に侵入してしまった場合、気はこの病邪と闘って外へ追い出し、健康を回復させるように働きます。防御作用が低下すると、外邪が侵入しやすくなり、風邪をひきやすい、すぐ熱がでる、すぐ寒気がするなどの症状があらわれます。
④固摂作用(こせつ…体液が漏れ出ないように引き締めること)
気は漏出する、下垂することを防ぐ働きがあります。血が体外に漏れることを防いで出血を抑え、また汗、尿、精液、帯下などの過剰な排泄を防ぎます。また内臓が一定位置から下垂しないのは、気の固摂の働きによるものです。固摂作用の低下は、各種の出血症状をはじめ、汗が止まらない、尿が漏れる、頻尿、胃下垂、子宮下垂、脱肛などの症状があらわれます。
⑤気化作用(きか…ものを変化させる)
気は、あるものを別なものに変化させる働きがあります。栄養物質である水穀の精微から血、津液などをつくりだし、また、不要な水液は汗や尿に変化させます。気化作用が低下すると、むくみ、汗が出ない、尿が出ないなどの症状があらわれます。
暑い季節になると体温調節のため汗を多くかきます。体に熱がこもらないようにするためにおこる体の生理作用ですが、汗も気によって動いているので、汗とともに気も流れ出てしまいます。体の外に漏れ出ないように引き締める力が低下してしまい、体の中にとどめておきたい水分も、ダラダラと汗をかき続けてしまうことでさらに気を消耗してしまいます。気は内臓の働きにも関係しています。気が消耗し続けてしまうと、消化器官の働きも悪くなり、食欲がなくなって飲食物の摂取が減ると、気血の生成が少なくなって体を動かす力が足りなくなってしまいます。いわゆる夏バテという状態になってしまいます。こうした季節にはしっかりと睡眠をとって体を休め、バランスのとれた食事を摂取し、体に充分な気血を巡らしてあげましょう。
- 2022/10/28
- 他とは違う当院のアトピー性皮膚炎の治療法とは!?
- 2022/12/02
- 吸玉の施術について
吸玉(カッピング)の施術に関して、時々YouTubeの動画サイトを散見すると、
- 2022/12/09
- 当院で行われてる伝統式吸玉カッピングの特徴
↑メディア掲載情報のコラムです。
- 2023/04/16
- 慢性化してしまった症状を鍼灸治療で治すには!?
鍼灸治療で特に慢性化した症状治療の結果を出して頂くのには…
①施術者が起因となる項目を考えて細かく問診を進めて頂けること
②問診から得た体の発している情報を分析し体質判断をして頂くこと
③体質判断をして、治療方針を出して頂き説明をして貰いましょう。
その後はどの様にケアを進めて行くかを教えてもらいましょう。
最終的内容に納得してから治療を受けたほうが良いです。
特にあやふやな説明をされているところは避けましょう。
まずは、自分の病気症状を過去に手掛けたことがあるかどうかの確認もした方が良いです。
これらの項目が行えている所は安心して受けられますし、ある程度結果を出していただけるかと思います。
但し医療と言う物は絶対100%の結果を出せる保証は出来無い物でも有ることを認識しとく必要もございます。
それと、自分自身も怖がらずに鍼灸治療を受けることも大切です。
恐怖心を抱いて受けると、体を治そうとする自然治癒力が上手く引き出せません。理由は恐々と治療を受けると脳が緊張してしまい、その為脳と体が治療を否定する状態を引き起こしてしまうからです。
また、施術者の経験とツボの選びと組み合わせも治療結果を左右致します。
何故ならば、ツボの効能と性質作用と言う2つの役割が有りそれをどの様に組み合わせるかによって効果の出方が違ってきます。
勿論、鍼の刺激なども関わって来ます。これらは施術者の裁量に掛かっております。
これらのことを予めご理解した上で、自分に合った治療所での受診を考えた方が良いかと思います。
それと、一回の治療で直ぐに結果を求めない方が宜しいです。鍼灸治療は魔法の治療術ではございませんので…
まず自分自身が患った経過過程を思い出して下さいませ。
多分慢性化されている方はそれなりの時間経過が有るかと存じます。
故に回復させて行くにも多少お時間が必要だと思ってくださいませ。
本日は色々と書かせて貰い、最後まで目を通して頂き有り難うございます。
上記の項目をご参考までにどうぞ。
次回のコラムは、問診から得られる体の体質情報に関して述べさせて頂きます。
特に大切な、食欲、睡眠、便通等に関して
これらの内容を把握することにより体質の把握分析がしやすくなる理由をコラムにあげる予定です。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~ 12:00 |
〇 13:00まで | 休 | 〇 | 〇 | 〇 | 休 | 〇 |
14:00~ 16:30 |
休 診 |
診 | 〇 | 〇 | 〇 | 診 | 〇 |
※ 火曜日・水曜日・木曜日が祝祭日の場合は午前診療となります。
※ 当院は予約制です。
〒180-0002
東京都武蔵野市吉祥寺東町1丁目17-10