気について
中医学基礎理論の気・血・津液は、人体の生命活動を維持するための重要なもので、飲食物からつくられる水穀の精微から生成されます。
気とは、どのようなもので、体にどのような影響をおよぼすものなのでしょうか。
気というと、目に見えないもので分かりにくいところがあるといわれますが、人体を構成する最小単位の物質と考えます。そのため、気は体を動かすエネルギー源であるといえるのです。日常生活の中で、今日はいつもよりたくさん体を動かしたから疲れた、というときはエネルギーを使って消耗したと実感できると思います。また、「気を遣う」「気が張る」など、「気」を使った言葉がたくさんありますが、気が体を動かすエネルギー源と考えると、常に気を遣ったり、気が張って緊張感が続いている状態というのは、エネルギーを常に使い続けているので体は消耗していきます。
今の季節は、外は暑く湿度も高い状態で汗を多くかき、建物の中はエアコンがきいて涼しいというより、寒いと感じる環境に置かれることも多くなります。こういった寒暖差に体は負けないようにと頑張るため、エネルギーは知らず知らずのうちに消耗されていくのです。体を動かすことだけがエネルギーを消耗するものではなく、中医学では心と体は密接に関わっていると捉えるため、感情や天候の変化にも大きく左右されることがわかります。
気とは体を動かすエネルギー源と大きく捉えてみましたが、気にはその他にも重要な作用
があります。気は体にどのような影響を与えるのか、次回は気の作用について整理していきます。