コラム

2019/03/12
【外科・整形外科・皮膚科疾患】腰痛について1

鍼治療と言えば、肩こり、腰痛と思われる方も多いとおもいます。しかし、腰痛に鍼治療と言ってもギックリ腰や普通 の腰痛、神経痛のあるもの、内蔵からくるものなどあり、ただ腰の痛いところだけに鍼を打てば治るというものではありません。やはり、その腰痛の種類、患者さんの体質にあった鍼治療をしなくては治るものも治らなくなってしまいます。

西洋医学的アプローチ、東洋医学的アプローチ、家庭でのツボ刺激方法と考えていきましょう。

 

<西洋医学的診断と治療>

簡単にではありますが、腰痛の診断方法、一般的な治療方法をお話させていただきます。

1.急性の腰痛

安静にしていても痛む

腫瘍、強い炎症性、内臓性の腰痛

 

安静で改善する

ギックリ腰、圧迫骨折(高齢者)

 

2.一般 の腰痛

起床直後、夕方や疲労時に痛む

変形性脊椎症、分離すべり症

(慢性)

 

 

 

脊柱管狭窄症

 

中腰で痛む、座位 から立位で痛む

筋肉性(筋・筋膜性)腰痛

 

場所が一定しない

心因性腰痛

 

3.神経症状(足の痺れ)

ある

ヘルニア、分離すべり症、変形性脊椎症

 

ない

筋肉性(筋・筋膜性)腰痛

 

4.つらい動作

前屈がつらい

ヘルニア、変形性脊椎症、筋肉性腰痛

 

後屈がつらい

分離すべり症、椎間関節性腰痛

 

 

※ 椎間板とは腰椎の間に挟まれている弾力性のある組織です。クッションの役目をしています。お饅頭のように中に餡のような組織があって、その中の餡が飛び出してしまった状態をヘルニアといいます。飛び出したものが神経を圧迫すると足が痺れたりする症状がでます。

※ 注意をしなくてはいけない腰痛――海老のように丸くなっていてもどんどん痛みが増す場合や、おしっこが出にくくなってしまうときは直ぐに病院に行きましょう。

○治療方針

 

急性の腰痛  ―

臥床、安静(湿布など)、神経ブロックをする場合もある

おしっこが出にくくなる(排尿障害)ヘルニアでは手術もある

 

一般の腰痛  ―

湿布、牽引、温熱、マッサージなどの理学療法が主体になる

 

内臓性の腰痛 ―

問題となる内科の治療

 

心因性の腰痛 ―

ストレスなどを解消する。場合によっては安定剤を使用する

 

<中医学的診断と治療方法>

中医学では痛みに対する考え方に「不通則痛(通らぬもの則ち痛む)」と「不栄則痛(栄えぬ もの則ち痛む)」がある。つまり、気血の流れている経絡の流れが悪くなったり、気血が足りなくなったりすると痛みが出現するということです。腰痛においては腰の経絡が滞ってしまったり、腰に関係している臓腑の力が弱り気血が足りなくなったりして症状として出てきます。

※ 経絡とは、全身に気や血をいきわたらせ、臓腑と手足をつなぎ、身体の上下左右をめぐる通 路のようなものです。

治療では滞った経絡のながれをよくして、足りなくなった気血を補っていきます。

ギックリ腰には経絡の流れを利用した経験穴があります。

ポイント:関係の深い経絡、臓腑

腰を通 る経絡

足の太陽膀胱経

腰の盛り上がった筋肉のあたりを通 る

 

督脈

腰の真中を縦に通る

腰と関係する臓腑

腎「腰為腎之府」

腰は腎の重要な建物という意味

 

○ ギックリ腰(急性の腰痛)の原因と治療

物を持ち上げた時に激痛が走る、振り向いたときに痛むなどの腰痛(脚の痺れがある場合はヘルニアの疑い)

中医学的には、寒さや、ストレス、疲労などで経絡の気血の流れが悪くなっているところに、急激な動きによって、経絡や経筋(経筋…経絡の気血によって滋養されている筋肉)が障害をうけて発症する。治療は関係する経絡上の経験穴を主体に使う。

 

痛みが真中(正中線上)にある ―督 脈― 人中(鼻と上唇の間のツボ)を使う

痛みが真中より少し脇にある ―膀胱経― サン竹(眉毛の内側)を使う

 

ポイント:ギックリ腰の鍼治療の注意。ギックリ腰になると動くのがとても大変です。うっかりベッドに横になると立てなくなってしまうこともあります。治療の時には、まず腕の反射区に鍼を打ち、少し動ける様になってからベッドに寝てもらいます。このような治療方法を微鍼治療といいます。詳しくは「鍼灸治療体験談」のギックリ腰のページをご覧になってください。

 

○ 一般的な腰痛の原因と治療

腰痛の場合、中医学では主に3つのタイプに分かれます。

1.寒湿タイプ腰痛

 

原因:

たくさん汗をかいた後冷やしたり、冷たい風をあびたり、長期にわたり湿度の高いところに居たり、雨に濡れてしまったりして、寒湿の邪気が腰部の経絡を侵して気血のながれが悪くなってしまったため。

 

症状:

腰に鈍痛がある。強張って横になりにくい。臀部、股関節、膝まで痛む。腰が冷たくなっている。雨が降っている日に悪化するなどの特徴が現れる

 

治療:

寒湿タイプの場合は、寒邪を追い出し、湿邪を流してあげる治療をおこなう。温めることも大事である。(去湿散寒)

 

 

ツボ ―腎兪、委中、腰陽関など

 

 

漢方薬―甘姜苓朮湯加味

 

ポイント:

寒の邪気の性質

 

 

●凝結 ―

滞って通じない性質を持つ。

気血の流れを滞らせて痛みを発生させる。

 

●収引 ―

収縮して、牽引する性質をもつ。

経絡、筋などを収縮して引きつらせてしまう。

 

湿の邪気の性質

 

 

●重濁 ―

重く濁らせたり、陽気を抑える性質をもつ。

だるく重い疲労感。

 

●下に向かう―

下向し易く、下半身に症状が出ることが多い。

 

2.オ血タイプ腰痛(血の流れが滞ってしまった状態をオ血という)

 

原因:

過去に何度も腰を痛めていたり、常に中腰姿勢で腰に負担をかけていると腰の経絡の気血の流れが滞ってしまう状態になる。

 

症状:

刺すような痛みの腰痛、固定して動かない痛み、日中よりも夜が痛む、寝返りもつらいくてしにくい、膝裏のくぼんだ所に静脈が浮いて青くなっているなどの症状。

 

治療:

堰きとめてある川を流してあげるように、気血の流れをよくする治療をおこなう(活血化オ)。

 

 

ツボ ―腎兪、委中、膈兪、三陰交など

 

 

漢方薬―身痛逐オ湯

 

 

腎虚腰痛

 

原因:

加齢や長期の病気、または性交過多などにより腎の気を損傷してエネルギー不足になってしまったためにおこる。

腎為腰之府ともいい、腎と腰の関係は深い。

 

症状:

痛みは比較的ゆっくり出てきて、痛みは強くはないがなかなかよくならない。身体も疲れやすく、膝に力が入れにくいなどの症状。

 

治療:

腎の気のエネルギー不足なので腎の気を補う治療をおこなう(補益腎精)。

 

 

ツボ ―腎兪、委中、志室、太渓など

 

 

漢方薬―腎陽虚(手足が冷えたりする)―腎帰丸

    腎陰虚(咽が渇いたりする) ―六味丸

 

ポイント:心因性の腰痛―はっきりとした腰痛の原因がなく、痛む場所がころころ変わってしまう場合は心因性の腰痛も考慮する。ストレスを抱えていたり、神経質な人の場合、通 常の痛みより強く感じてしまうこともある。ストレスが肝の、精神活動は心の機能を低下させ、気と血の動きを悪くして経絡の流れを更に悪くしてしまうため。腰痛の治療と同じに、神経的な治療も必要。

 

<日常生活での注意>

身体を冷やさないように…夏はエアコンや汗をかいた後にも注意。

適度な運動…腰痛のない時には運動して、経絡のながれをよくしておきましょう。

姿勢に気をつけましょう…斜めに座ったり、長時間のあぐらは腰によくありません。

ギックリ腰は安静に…軽い腰痛は動いて経絡の流れや血流をよくしてあげれば、よくなることもありますが、ギックリ腰は無理に動くと更に悪くなりますので基本的に安静にします。

(海老のように丸くなる体勢が一番負担がかかりません)

 

 

<家庭でできること>

委中のマッサージ―腰部を通る膀胱経の委中は腰痛の治療の重要なツボです。膝の裏のくぼんだ所にあります。親指で3秒かけて押して、3秒とめて、3秒かけて離します。

委中からふくらはぎを外踝の方に指圧マッサージしていっても効果 的です。

ヨモギ湯―冷えがあったりする場合は、ヨモギの葉を乾燥させてお湯の中に入れ、その湯の中に入って身体を温めます。(寒湿腰痛に効果 )

 

<鍼治療について>

このように腰痛でもいろいろな原因、治療があります。また、ストレスで強張り+冷えて寒湿腰痛や、オ血腰痛+腎虚腰痛など実際には混ざって発症したりしています。そのため腰痛といえどもしっかりとした診断、ツボ選びが必要になります。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

 

2019/03/12
【外科・整形外科・皮膚科疾患】腰痛について2

お年寄りの方も、若年の方も、「腰痛」で悩まれている方は多いのではないでしょうか。

人間が二足歩行である以上、腰に負担をかけることは、避けては通れない道なのかもしれません。

「腰痛」は、No.14で取り上げられた疾患ではありますが、今回は中医学的な観点で、さらに詳しく 腰痛を述べていきたいと思います。

ただし、内臓疾患の反射痛が原因の腰痛については、ここでは割愛させていただきます。

予めご了承ください。

 

 

<体内を構成する物質「気」「血」「津液」>

 

「病気別“わかる”東洋医学診断」の熱心な読者の方は、もうご存知かもしれませんが、人体は、 「気」「血」「津液」の3つの「物質」により成り立っています。

 

気(き)     → 生体の原動力

血(けつ)    → 体内組織への栄養源

津液(しんえき) → 体内組織の必要な水分

 

これらの「物質」が失調することで、体内のバランスが崩れ、限界点(人それぞれ異なります)に 達したところで、様々な症状として現れます。

 

<気血津液の失調>

これらの物質の失調は、必ずしも目に見えるものではなく、現代医学の検査における数値にも現れることはありません。しかし、これらの物質は、中国の伝統医学において、帰納的な裏付けのもとで、確実に存在していると位 置付けられてきたものです。

ですから、検査の結果、数値には異常がないのに体の状態がおかしいといった場合にも、処置や予防をすることができるのです。

 

腰痛についても、これらの物質の失調は、大きく関係してきます。

 

◇腰部における気血の運行障害によるもの

中医学では、「不通則痛」という言葉があり、これは気血の流れがスムーズに流れない状態であると、痛みを感じるというものです。

腰痛においても気血の運行障害により、痛みを誘発します。

 

◇気血が不足し腰部の滋養不足によるもの

気血が不足すると、筋骨を栄養できず、時に痛みとして現れます。

特に、中医学では、「腰部は腎の腑」と言われ、腰痛と腎には大きな関わりがあります。

 

 

<腰痛の原因>

 

では、気血の失調はどのようにして起こるのでしょう。中医学的な観点で原因を述べていきます。

 

◇外傷によるもの

・重いものを持った時の急性腰痛

・激しい運動をしている時に起きた急性腰痛

・事故の後遺症

これらは物理的な「外傷」が原因と言えるでしょう。「外傷」では、筋骨の損傷に加え、血の滞った状態である「お血」を誘発することが多々あります。

[症状]

腰部の刺痛、固定痛

 

腰部の経脈に血が停滞することで、気血の運行が悪くなり痛みとして現れます。

 

夜間に痛みが増悪

 

夜間は陽が弱まり、気の流れが悪くなります。そのため、血の運行も悪くなり痛みが増悪します。

 

局部の血腫

 

お血が停滞しているために、血腫として見えることがあります。

 

◇六淫(ろくいん)によるもの

 「六淫」は、気候の異常であり、「風」「湿」「暑」「熱」「燥」「寒」という6種類の気候異常を言います。簡単に言ってしまえば、「湿度」と「温度」の著しい変化と言えるでしょう。

 

気候の著しい変化によって、その変化に体が対応しきれない場合に、腰痛が現れることがあります。例えば、梅雨時期に腰痛をぶり返すと言ったことは、  「湿」という「六淫」の一つが原因と考えられます。

腰痛では、特に「寒湿」と「湿熱」が関係しやすいと考えられています。

 

―寒湿―

冷気と湿気の多い環境で生活や仕事をしたり、梅雨時期で気温が低い時に関係しやすい「六淫」です。また他にも、運動で汗をかいて、それを長時間拭かずにいたりしても、「寒湿」による腰痛になることがあります。

[症状]

腰部が重だるく冷えて痛む

 

湿邪は重濁の性質、寒邪は冷えの性質を持つため、このように痛みます。

 

雨天や寒冷時に増悪

 

寒湿の邪が亢進するために、症状が増悪します。

 

温めると症状が軽減

 

温めると寒邪が弱まるため、症状が軽減します。

 

―湿熱―

甘味、辛味のものを多く摂取し続けたり、梅雨時期で気温が高い時に関係する「六淫」です。さきほどは、「六淫」は、著しい気候の変化と述べましたが、摂取する食物によっても、「六淫」から受けた影響と同じような体内の状態を作り出すことがあります。

甘味、辛味のものを摂取しすぎると、体内に「湿」と「熱」が生じることがあり、これらが腰痛の原因となることもあるのです。

[症状]

腰部が重だるく、熱感をもって痛む

 

湿邪は重濁の性質、熱邪は熱の性質を持つため、このように痛みます。

 

甘味、辛味のものの摂取で増悪

 

湿熱の邪が亢進するために、症状が増悪します。

 

雨天や加温時に増悪

 

これも、湿熱の邪が亢進するために、症状が増悪します。

 

冷やすと症状が軽減

 

冷やすと、熱邪が弱まるため、症状が軽減します。

 

 

◇腎虚によるもの

腎は、元々人が生まれ持った気(先天の気)を蓄えている臓器です。

これを中医学では「腎気」と言い、人の成長や発育に関係しているとされています。

逆に捉えれば、加齢に対しても大きく関係していると言えます。

そのため、歳を重ねるごとに「腎気」は減ってゆき、これにより腰部の滋養が不足し、腰痛として現れることがあります。

特に外傷の既往もないのに、年々重だるい腰痛を覚えるといった場合は、この「腎気」の不足である  「腎虚」による腰痛が疑われます。

 

「腎気」は、「腎陰」と「腎陽」という二つを基礎物質としています。

この「腎陰」と「腎陽」のどちらかが失調することで、「腎虚」となり、腰痛が現れることがあります。

 

 

-腎陽虚-

[症状]

腰部の冷えや冷痛、寒がり

 

腎陽(体内の温める作用)が、弱まることで、体内は冷えやすくなります。

腰部に冷痛は「腎の腑」である腰を温煦できずに気血の流れが悪くなるためです。

 

腰や膝の無力感

 

「腎の腑」である腰を、栄養できないためです。

 

疲労による増悪

 

疲労により、気がさらに損なわれると、腎陽虚が発展するためです。

 

腰部を揉み温めると軽減

 

揉んで温めると、局部の陽気が通り、気血の運行が一時的に改善されるためです。

 

 

-腎陰虚-

[症状]

発育障害

 

腎陰虚に到る前提として、発育に関わる「腎精」の不足がみられます。

そのため、発育が遅く体が小さい、若くして性機能の減退、老化が早い、といった発育に関わる障害が見られることがあります。

 

足腰がだるく痛む

 

腎精が不足して「腎の腑」である腰を、栄養できないためです。

 

五心煩熱

 

五心煩熱(手足の裏、胸中が熱く感じるといった症状)は、「腎精」の不足が発展して、「陰液(体内の熱を調節し潤す物質)」が不足するために起こります。

 

盗汗

 

夜半になると体内の陽気が相対的に亢進しますが、陰液不足により、その熱を調節できずに、自然と発汗してしまいます。

 

 

※夜半だとしても室温が高いなどの環境による発汗は盗汗ではありません。

 

 

<腰痛の治療>

治療については、先ほど述べた原因ごとに異なります。

ここでは、治療原則とそれに対する主要配穴(圧痛点以外)について、述べていきます。

 

 

◇遠導刺による痛みの緩和

経絡に気血が疏滞して痛みを誘発している場合、圧痛点以外にも、遠導刺によって痛みを緩和することができます。

遠導刺とは、患部から遠く離れた同一経絡上の部位に取穴することで、患部を治療するという治療方法です。

この遠導刺による治療をするためには、まず、どの経絡に痛みがあるのかを判断する必要があります。

 

膀胱経 → 脊柱の両サイド、もしくは片サイドが痛む場合

督脈  → 脊柱ラインが痛む場合

 

痛みの関係する経絡を特定した上で、同一経絡上に取穴し、鍼治療を施すことで、気血の疏滞を取り除き、痛みを緩和することができます。

 

 

◇外傷による腰痛の治療

 

[治則]

止痛化お・・・お血を除去して、痛みを緩和する治療

活血行気・・・血液循環を良くし、気のめぐりも改善する治療

 

[配穴]

委中、気海、血海

 

 

◇寒湿による腰痛の治療

 

[治則]

散寒除湿・・・寒邪、湿邪を取り除く治療

通絡止痛・・・経絡に疏帯した気血の流れをよくして、痛みを緩和する治療

 

[配穴]

腰陽関、大椎、委中

 

 

◇湿熱による腰痛の治療

 

[治則]

清熱除湿・・・熱邪、湿邪を取り除く治療

通絡止痛・・・経絡に疏帯した気血の流れをよくして、痛みを緩和する治療

 

[配穴]

陰陵泉、委中、足三里、中かん

 

 

◇腎陽虚による腰痛の治療

 

[治則]

温補腎陽・・・腎陽を補い、さらに腎陽の温める作用を高める治療

強腰止痛・・・腎陽を強化し、腰部を滋養する作用を高める治療

 

[配穴]

命門、腎兪、太谿

 

 

◇腎陰虚による腰痛の治療

 

[治則]

滋補腎陰・・・腎陰を補い、体内の熱を抑え潤す作用を高める治療

補益精気・・・腎精を補い、先天的な滋養不足を軽減する治療

 

[配穴]

復溜、太谿、腎兪

 

 

いかがでしょう?

中医学における腰痛の治療は、ご理解いただけましたでしょうか?

 

腰痛というと、腰部の骨や筋肉などの物理的な外傷をイメージしがちですが、中医学では、気候や生活環境、体質も含めた上で、腰痛の原因を捉えて治療をしていきます。

腰痛の発症時期が偏っている方、慢性的な腰痛を持つ方は、一度、このような視点で腰痛のお手当てをしてみるのも良いかと思います。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

 

2019/03/12
【産科・婦人科疾患】妊娠腎について

妊娠腎は妊娠中毒症の一種で、妊娠後期に、蛋白尿・浮腫・高血圧などの症状があらわれる事をいいます。

頭痛や吐き気を伴う場合もあり、長く続くと胎児の発育も悪く、重症になると、母体や胎児の生命にかかわることもあります。

妊娠期間が終了すると同時に回復していくケースがほとんどですが、中には回復せずに慢性腎炎や本態性高血圧の経過をたどるものもあります。

 

妊娠中には強い薬を使えないため、現代医学的には治し難く、食事制限と安静を保つ事が主な治療です。

 

妊娠中は胎児の分も命を支えていかなければならないのが母体です。

胎児が成長していく上では、胎児も栄養を吸収し、老廃物を排泄していくわけですが、その老廃物の処理を自分の身体の老廃物の処理と一緒に担っているのが母体の腎臓です。

負担がとても大きくなるので、その負担を少しでも軽くし、身体も安静に保つべきだというのが、現代医学的考え方です。

 

中医学では、妊娠腫脹、妊娠眩暈、妊娠かん証などに相当し、体質や症状に合わせて様々な鍼灸治療・漢方薬を使い分けます。

 

中医学的に考えても、「腎」は妊娠の維持に大きくかかわっています。

(中医学的考え方の基本について、詳しくは、「わかりやすい東洋医学理論」が、病気別 わかりやすい東洋医学診断のまとめのページの上段にありますので、ご参考にして下さい。)

 

もともと腎気が弱かったり、脾胃の働き(胃腸の消化能力・吸収した栄養物をエネルギーや血に変える働き)が弱いと、胎児が養われなくなるので、妊娠が不安定になります。

 

中医学的治療は、妊婦さん一人一人の体質や症状に合わせて、身体全体のバランスを整える治療をします。

目的は、症状をなくすだけではなく、安定した妊娠を維持することです。

方針としては、「腎」の働きを補う・脾胃の働きを整える・気のめぐりを良くするなどが中心となります。

 

では、妊娠腫脹、妊娠眩暈、妊娠かん証について詳しく説明していきましょう。

 

【妊娠腫脹について】

妊娠腫脹は「子腫」ともいい、顔面・下肢に浮腫が生じ、次第に全身の浮腫を呈します。

―原因別症状と治則―

1.脾虚による妊娠腫脹

 

もともと脾胃虚弱であったり、妊娠初期の飲食不摂生(食べすぎ・生もの・冷たいものの過食)が原因でおこります。

 

・症状

 

妊娠数ヶ月で眼瞼・四肢に浮腫が生じ、次第に全身に波及。

皮膚色が淡黄・浮腫部の皮膚が薄く光沢があり、圧すると陥凹して戻りにくい。

息切れ無力感・四肢が温かくない。食欲不振。泥状便。

舌質が淡。舌苔が薄白で湿潤。脈が緩滑で無力。

 

・治則

 

健脾利水(胃腸の働きを整え、水分の排泄を良くする治療をします)

 

2.腎虚による妊娠腫脹

 

腎気が弱い、腎気の消耗が激しいなどの原因でおこります。

 

・症状

 

妊娠5~6ヶ月で顔面・四肢の浮腫が生じ、浮腫部の皮膚が薄く光沢があり、圧すると泥状に陥凹し、顔色がどす黒い・動悸・息切れ・下肢の冷え・腰や膝が重だるく無力。

舌質が淡・舌苔が白あるいは白膩で湿潤。脈が沈遅などを呈する。

 

・治則

 

補腎・補陽利水(腎の働きを整え、水分の排泄が良くなる治療をします)

 

3.気滞による妊娠腫脹

 

気の滞りがあるために、身体全体の気血のめぐりが悪くなるのが原因です。

 

・症状

 

妊娠3~4ヶ月で肢体の腫脹が生じ、下腿から始まって大腿に及ぶことが多く、腫脹部の皮膚色は正常で、圧すると陥凹するがすぐもとに戻る。

胸苦しい・脇部がはる・めまい感・いらいら・怒りっぽい・少食・

舌苔が白膩。脈が弦滑。

 

・治則

 

理気行滞(気のめぐりを良くし、滞りをなくす治療をします)

 

 

―むくみをとる食品―

(とり過ぎると身体を冷やしてしまうので、少量 をバランス良くとりましょう)

 

大麦、トウモロコシ、もち米、 桃、なつめ、 なずな、さつまいも

緑豆、黄大豆、落花生、小豆、そら豆、 インゲンマメ

コイ、フナ、ギムネマ茶、スギナ茶、生姜、杏仁 など

 

 

【妊娠眩暈について】

妊娠眩暈は「子眩」ともいい、妊娠の後期に生じるめまい・耳鳴り・目がかすむなどの 症状があります。

適切な治療を怠ると、次にあげる妊娠かん証を引き起こすこともあるので、早期治療が必要と考えられています。

―原因別症状と治則―

1.陰虚陽亢による眩暈

 

胎児を養うために、血の働きが普段より多く必要になります。その為、肝腎の陰液(血のもとになり、身体の陰陽バランスをとるために、冷やす作用を持つ)が不足し、肝の陰陽バランスが崩れて、陽気(熱)が上にあがってしまうために起こります。

 

・症状

 

妊娠5~6ヶ月でのめまい・頭のふらつき・耳鳴り・目がかすむ・いらいら・焦燥感・動悸・不眠など

腰背部のだるい痛み・両下肢がだるく無力・ときに顔面紅潮

舌質が紅。舌苔が少ない。脈が弦滑。

 

・治則

 

養陰清熱・平肝潜陽(陰液を養い、上にあがった気を静める。

肝の働きを整える治療をします)

 

 

2.脾虚挟痰による妊娠眩暈

 

脾胃の働きがもともと虚弱の方が、妊娠後期に子宮が大きくなるために圧迫をうけてさらに脾胃の消化吸収やエネルギーを運ぶ力が弱くなり、痰湿が生じて気のめぐりが悪くなることが原因でおこります。

 

・症状

 

めまい・頭のふらつき・頭重・目がかすむ・悪心・胸が苦しい・食欲不振。

四肢の倦怠感・尿量が少ない・

舌質が淡。舌苔が白膩。脈が滑で無力。

 

・治則

 

健脾化痰・理気除湿(脾胃の働きを良くし、痰湿をなくす治療をします)

 

3.気血両虚による妊娠眩暈

 

脾胃虚弱による気血不足、あるいは妊娠悪阻による胃気の損傷などで気血がともに不足することが原因でおこります。

 

・症状

 

妊娠後期のめまい・ふらつき。動くと悪化。動悸・息切れ・声に力がない・焦燥感・眠りが浅い・元気がない・食欲不振・皮膚の乾燥・顔色が白い・口唇が淡色・

舌質が淡。舌苔が薄白。脈が細滑で無力。

 

・治則

 

益気補血・補益心脾(気血を補い、心脾の働きを整える治療をします)

 

 

【妊娠かん証について】

妊娠かん証は「子かん」ともいい、妊娠後期・分娩時・産褥期などに、意識喪失・けいれん・項部強直などをおこすことをいいます。

発作を繰り返すこともあり、重篤な場合は命にかかわることもあります。

発病に至るまでに、一般には頭痛・めまい・目がかすむ・胸苦しい・嘔吐などの前兆がありますので、早期診断と早期予防が必要です。

―原因別症状と治則―

1.陰虚肝旺による妊娠かん証

 

もともと陰虚体質の方が、妊娠により胎児を養うためにさらに陰液が不足し、肝陽を制約できなくなって、肝陽上亢をきたすことが原因です。

(陰陽のバランスが崩れた状態です。)

 

・症状

 

妊娠後期に頭痛・めまい・視力減退・悪心・息切れ・四肢の痺れ・顔面 や下肢の浮腫などの前兆があり、突然に意識喪失・けいれん・口から泡をふくなどの発作をおこす。

舌質は紅あるいは絳。脈は弦数で有力。

 

・治則

 

育陰潜陽・養血・平肝熄風(陰液や血を補い、肝の働きを正常に整える治療をします)

 

 

2.脾虚肝旺による妊娠かん証

 

脾虚により運化作用が低下して水湿が生じ、経絡に停滞して水腫となり、気血の流れを滞らせるために、肝の濡養ができずに肝陽上亢をひきおこすことが原因です。

 

・症状

 

妊娠後期に浮腫が次第に強くなり、尿量 減少・胸苦しい・悪心・食欲不振・頭痛・めまい・目がかすむなどの前兆があり、突然に意識喪失・けいれん・口から泡をふくなどの発作をおこす。

舌質は淡で胖。舌苔は薄あるいは膩。脈は虚弦で滑。

 

・治則

 

健脾利湿・平肝潜陽(脾胃の働きを整え運化作用が良くなる治療と、肝の働きを正常に整える治療をします)

 

以上にあげたように、中医学では、強い西洋薬を使わなくても、妊娠腎(腫脹・眩暈・かん証)に対応した処置をすることができます。

どちらかが優れているというのではなく、現代医学とは根本的に、生命に対する基礎理論が違うからできるのです。

妊婦さんは現代医学的な健診を受けていくことも大切ですが、それだけに頼らずに、違った面 からの身体のケアも大切にしてください。

心豊かに妊婦生活を送ることもお腹の赤ちゃんの栄養になります。

 

身体に対してはもちろん、心に対しても優しく、学問的にも奥の深い中医学は、幅広くいろいろな疾患に対応することが出来ます。

 

個人個人の体質に合わせて治療を行います。

是非一度ご相談ください。

 

 

=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=

 

当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。

例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。

急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。

ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。

西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。

ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。

例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。

大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。

 

当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。

これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。

又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。

 

しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。

 

さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。

当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。

それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。

この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。

特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。

顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)

急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子

その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳

アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など

これらの疾患はほんの一例です。

疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。

針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。

 

当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。

 

少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。

 

2019/03/12
【外科・整形外科・皮膚科疾患】脱肛について

みなさんは、脱肛(だっこう)という病気はご存知でしょうか?

一般的にはよく知らない方が多い病気だと思います。しかし、これは決してめずらしい病気だからというわけではないようです。脱肛は、肛門、直腸の病気です。だからこそ、なかなか人に相談しにくくあまり知られていないのではないでしょうか。

 

今回は、脱肛という病気について述べていきたいと思います。

 

●現代医学的な脱肛の捉え方●

 

まずは現代医学的に脱肛を捉えていきたいと思います。

 

脱肛を簡単に言ってしまえば、痔が進行した状態ということになります。

ですので、まずは痔について少し述べていきます。

 

痔とは、肛門周囲における病気の総称で、大きく分けて、痔核(イボ痔)、切れ痔、痔ろうの 3つのタイプがあります。この中でもっとも多いのが痔核であり、痔の半数以上は痔核であると言われています。

 

痔核は、肛門の静脈がうっ血して起こるもので、肛門の内側にできるものを内痔核、外側にできるものを 外痔核といいます。

内痔核は、痛みはありませんが、残便感や出血が認められることがあります。この症状が進むにつれて 排便時に内痔核が肛門の外へ出るようになってきます。外へ出た内痔核は、始めのうちは自然に肛門の中へ戻りますが、次第に手で押し込まないと戻らなくなってきます。さらに、症状が進行すると常に内痔核が 肛門の外へ出ている状態となります。

 

このように肛門の外に内痔核が出てしまっている状態を脱肛と言います。

症状は、進行の度合いにより違ってきますが、痔核がこすれて異物感を感じたり、痔核から出血したり、 粘液で下着が汚れたり、痛みを感じることもあります。

脱肛は生命に関わる病気ではありませんが、陰部の病気であることから、とくに女性では悩まれる方も 多い病気です。

 

脱肛の原因はさまざまですが、以下のような場合に起こりやすいとされています。

 

・便秘が常習化している

・排便時の力み

・出産時の力み

・力仕事

・過度の飲酒

 

治療は、脱肛の進行状態によって異なります。

完全な脱肛ではなく、進行が軽ければ、生活習慣の改善と、座薬や軟膏を併用すれば治ります。

しかし、完全に脱肛になってしまうと、薬剤や生活習慣の改善だけでは、治療することができないため、 手術の必要があります。

 

●中医学的な脱肛の捉え方●

 

では次に、中医学的にみた脱肛を述べていきたいと思います。

 

中医学的にみた脱肛では、虚証によるものと、実証によるものに分類されます。

 

◇虚証による脱肛

 

虚証とは、体内の臓腑の機能が低下していることが原因で、疾病となるものをさします。

 

脱肛の場合、主に脾の臓の機能低下が原因となる場合が多いとされています。

これは、中医学では、脾の臓が昇挙の機能をもち、臓器の位置が下がらないよう保っていると 考えられているためです。このため、長期間の消化器疾患を持つ方は、虚証による脱肛を患う可能性が 高いと言えます。

 

脾の臓の疾患であることから、随伴症状としては他にも、次の症状がみられることがあります。

・慢性的な倦怠感

・下痢 ・顔が黄色い

・腹部の張り

・女性の場合、子宮下垂や子宮脱

 

治療は主に、原因となっている脾の機能を高めることを目的とした配穴を処方します。

また、慢性的な疾患であることから、日々の食養生も大切です。

 

以下の食材は、脾の機能を高めるとともに、脱肛を改善する力が高い食材です。

・白きくらげ

・なつめ

・もち米

・鶏肉

 

 

◇実証による脱肛

 

実証は、虚証とはことなり、原因が外的要因によるものが疾患の原因となるものをさします。

脱肛の場合、長期間の便秘による力み過ぎや、痔疾患の急性期による局部の腫脹が原因で、 肛門の拘束機能が果たせなくなった場合が、実証に分類されます。

 

実証における脱肛では、局部の発赤や腫脹、激しい痛みや痒み、時には発熱をすることもあります。

 

治療は主に、体内に熱を生み出しやすいことから、体内の熱を取り除く配穴を処方していきます。

 

また、食養生でも体内の熱を取り除くことはできます。

以下の食材は、体内の熱を取り除くために効果的な食材です。

・せり

・うずらの卵

・昆布

 

便秘痔の力みが原因の場合は、以下の食材が便秘改善に適しています。

・ごぼう

・さつまいも

・くらげ

・はちみつ

 

いかがでしょうか?

中医学的な脱肛に関しての考え、ご理解頂けましたでしょうか。

 

中医学的な観点では、見た目に現れる外科的な疾患であっても、決して外科手術だけが、 手当ての手段というわけではありません。原因によっては、臓腑生理の視点からお手当て していくことで、根本的な治療につながると考えるのが、中医学的治療であるとご理解いただけると幸いです。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

2019/03/12
【産科・婦人科疾患】妊娠中のトラブルの原因と対策

こんにちは。

今回は妊娠中によくあらわれる様々な症状について、中医学ではどのように捉え、治療をしていくのかをお話していきたいと思います。

「妊娠中にハリ!?」と驚かれ、心配される方もいるかと思いますが、機能的な疾患は、鍼灸の得意とするところです。

「症状がつらい。でもお腹の胎児のことを考えると薬の服用は極力避けたい。」という方、是非、鍼治療をおすすめします。

その際、しっかりと妊婦さんの体の状態を心得ており、信頼を持って受けることのできる鍼灸院であることが望まれます。

 

ここでは「つわり、いらいらしやすく怒りっぽい、便秘、むくみ、足のしびれやこむら返り、脇腹の張り」などの症状について紹介していきたいと思います。

習慣性流産や早産、逆子は、当院のHP上にあります「わかる東洋医学診断・まとめ」のページに、‘わかりやすい東洋医学理論’と題して、詳しく説明しております。そちらをご参照ください。

また、各項目別の最後の方で、日常生活の過ごし方、食事で不調を和らげる食養生などを紹介していきます。ご参考までに読んでいただけたらと思います。

 

【中医学的にみるからだのはたらき】

体の活動源である「エネルギー」、体の各組織に栄養を与える「血」、体を潤す「水」、これらの3つが体内に十分な量 で、スムーズに流れていることにより、体の中が正常な状態に保たれています。

しかし、妊娠中はこの「気・血・水」が不足したり、流れが停滞しやすくなります。そのため、不快な症状がぽつぽつと現れてくるのです。

★さらに、より深く中医学のからだのしくみについて、お知りになりたい方は当院HP上「わかる東洋医学診断・まとめ」のページに、‘わかりやすい東洋医学理論’として詳しく説明しております。そちらをご参照下さい。

 

~つわり~

つわりは妊娠4~16週の時期にもっともよくあらわれます。

症状の軽重は個人差が大きく、ほとんど経験しない人もいれば出産直前まで続く人までとさまざまです。

 

<中医学で考えられている主な原因>

① 日頃から胃が弱い方、思い悩むことが多い、神経質 ⇒胃虚タイプ

② イライラしやすく怒りっぽい方 ⇒肝熱タイプ

③ 胃のあたりに冷えを感じ体の中に余分な水分が停滞してしまっている方 ⇒痰飲内停タイプ

 

<主な症状>

胃の働きが低下している「胃虚タイプ」

 

吐き気、嘔吐、ひどいときは食べたらすぐに戻してしまう、食欲不振

、お腹がはりやすい、めまい、元気がでない、日中よく眠くなる

 

怒りやすいために、エネルギーがうまく循環せず、渋滞してしまう「肝熱タイプ」

 

酸っぱい水を吐く、または苦い水、胸や脇腹がはりやすい、頻繁にげっぷがでる、めまい、冷たい水を欲する、便秘、尿は濃い黄色

 

不要な水分がうまく体外へ排出されないために生じる「痰飲内停タイプ」

 

嘔吐、よだれや白っぽい痰がでる、みぞおちのあたりがはる、食欲がない、口の中がネバネバする、食べ物の味がしない、めまい、息切れ、足がむくみやすい

 

<治療及びタイプ別食養生>

①胃虚タイプ

鍼では胃の働きを健やかにしていく「降気和胃」、上にあがってしまった気をおろし、嘔吐を静めていく「降逆止嘔」という治療をしていきます。

 

~適した食べ物~

☆生姜黒糖茶:生姜は胃腸を温め、嘔吐をしずめる働きがあり、黒糖は不足しがちな 鉄分を補ってくれる働きがあります。

その他、なつめ、山芋

 

~不適切な食べ物~

生もの、冷たい飲料水や食べ物は、胃腸の働きを更に弱めてしまいますので、極力控えましょう。

 

②肝熱タイプ

鍼では体の中に滞ってしまったエネルギー(熱症状)を冷ましていく「清肝和胃」、上にあがってしまった気をおろし、嘔吐を静めていく「降逆止嘔」という治療をしていきます。

 

~適した食べ物~

☆ 緑豆粥:春雨の原料にもなる緑豆。体の中にこもった熱をさましてくれる働きがあります。

その他、きゅうり、冬瓜、梨、トマト、大根、ナス、レタスは体の中にこもった熱を冷ましてくれる働きがあります。

パセリ、春菊、シソの葉、みかん、ゆず、レモン、グレープフルーツ、ジャスミン茶、菊花茶など、香りのよい食べ物は鬱々とした気持ちを発散してくれます。

 

 

③ 痰飲内停タイプ

鍼では体の中の余分な水分を取り除いていく「化痰除湿」、上にあがってしまった気をおろし、嘔吐を静めていく「降逆止嘔」という治療をしていきます。

 

~適した食べ物~

☆ 小豆(あずき)粥:小豆には利尿効果があり体内に溜まった余分な水分を排出してくれる働きがあります。

その他、はと麦、山芋、鯉(こい)、ジャスミン茶、杜仲茶、なつめ茶

鯉は利尿作用によりむくみを改善し、エネルギーの不足を補ってくれる働きがあります。また母乳の分泌も促す働きや産後の体力を回復してくれる働きがあります。

あまり食べ慣れないものですが、特に妊娠中・産後の女性にとっては重要な食べ物です。

 

~不適切な食べ物~

生もの、冷たい飲料水や食べ物は、さらに水分代謝の低下をまねき、症状を悪化させてしまいますので極力控えましょう。

 

 

~イライラしやすく怒りっぽい症状、足のしびれやこむら返り、お腹の張り感が強いなどの症状がある~

上記の症状について、お話しをしていく前に中医学のからだのしくみについて、少し述べていきたいと思います。

中医学では、体のすべての器官や機能はすべての臓器と密接な関係があります。感情面 での怒りという症状は「肝」に属します。

この「肝」は西洋医学で捉えられている肝臓の働きとは異なりますので、これから説明していきます中医学的な「肝」の働きと混同しないように注意して下さい。

 

~「肝」の働きとは~

中医学でいう「肝」の働きには①血を蓄え、②全身の「気」のめぐりをコントロールし精神・情緒を安定させる作用や筋肉の働きを維持する働きがあります。

「肝」が支配している器官には、目や爪、手足の筋肉などがあります。

以下に、肝の主な働きである血の貯蔵と気の流れが、なぜ乱れやすいのかを解説していきたいと思います。

 

~全身に現われる血不足のサインとは???~

中医学で捉える「血」とは、気とともに流れ栄養分を運び、組織・器官に潤いを与えます。

妊娠中は「血」の消耗が激しくなります。そのため血の不足やめぐりの悪さからくる症状が現れやすくなります。

髪の抜け毛が多くなる、肌や髪がかさつく、目が乾きやすい、爪が割れやすい、手足をつりやすくなるなどといった症状は、全体的に血が不足しているサインであり、肝が支配している目や爪、筋肉に現われる症状はその中でも特に「肝に蓄えられている血が不足していますよ。」というサインを発しています。

肝に蓄えられている血は、夜寝ている間に作られるため、肝を養うためにも睡眠は大切です。しかし、血の不足した状態では、なかなか寝付けない、眠りが浅くよく夢をみる、夜中に何度も目が覚めるなど不眠の症状が出てきます。妊娠後期はお腹が大きくなって寝返りがうてない、トイレに何度も起きるなど睡眠不足の状態が続きます。そのため、イライラ感が増しやすくなってしまいます。

 

<治療法>

血を増やし、血のめぐりをよくしていく治療をしていきます。

<日常生活の過ごし方>

血の消耗につながる目の使いすぎには気をつけましょう。

例:パソコンの使いすぎ、テレビの見過ぎ、読書のし過ぎ、夜更かしの生活など。

汗は血から作られるため、大量の汗をかくことは血の消耗につながります。

温泉のつかり過ぎやサウナなどは、血を消耗させるだけではなく、体が温まり過ぎると、血の流れも盛んになり胎児が下に押し出されてしまいます。

長時間の入浴は避けましょう。

 

 

血行を悪くする冷たいものの摂り過ぎや、体を冷やす薄着には気をつけましょう。

例:夏場の冷房、冬場の寒さや生野菜の摂り過ぎなど。

 

<適した食べ物>

血を補う食べ物:もち米、小豆、黒豆、ほうれん草、小松菜、動物のレバー、黒ごま、くるみ、なつめ、レーズン、プルーン、ブルーベリー、龍眼茶、クコの実茶

 

血の流れを良くする食べ物:黒豆、あぶらな、にんにく、にら、しょうが、ねぎ、とうがらし、らっきょう

 

~気の流れの乱れとは???~

心がリラックスし、気持ちが伸びやかな状態のとき、気の流れは滞ることなく、スムーズに流れています。この気の流れを調節、管理しているのが「肝」の働きになります。

しかし精神的なストレスを受けると、気の流れが滞り、肝の機能を低下させてしまいます。

妊娠中は、肝のエネルギーが流れている部位である胸やお腹、脇腹に張りや痛みを訴える方がいます。これは「気滞」といい、気の流れが滞ってしまったためにみられる症状です。

気のめぐりは、ストレスや緊張といった精神状態と深く関係があり、特に仕事をしている方に多く見られます。

そのほか、お腹にガスがたまる、イライラする、不安感が強いなど気滞による症状がみられます。また、これらの症状がみられないけれど、お腹が張るなという方は、‘冷え’が考えられます。

冷えにより、血行が悪くなってしまっているため張りを感じるタイプです。

 

<治療法>

肝の気のめぐりをスムーズにし、滞りを改善していく「疎肝解鬱」の治療をしていきます。

 

<日常生活の過ごし方>

妊娠中は、お腹が大きくなるため、気の流れは滞りがちになります。

しかしお腹の痛みや張りが強いとき、働いている方であれば、‘休養をとる’ことが一番の薬になります。そうすることにより、家では気持ちもリラックスし、緊張もほぐれやすいため気滞症状が緩和するのです。

その他、軽い散歩やヨガ、ストレッチなどは、適度に気のめぐりを良くする働きがあるため、体の状態が良くなることはもちろんのこと、心もリラックスした状態を感じることができます。気分がのらない日や体調が思わしくないときを除いては、定期的に続けたいものです。

 

<適した食事>

春菊、三つ葉、みょうが、シソの葉、パセリ、セロリ、みかん、ゆず、レモン、グレープフルーツ、ジャスミン茶、など香りのよい食べ物は鬱々とした気持ちを発散してくれます。

 

~妊娠中の便秘~

妊娠をしている体は、便秘をしやすくなります。便秘にもいくつかのタイプがあり、その人の症状に合った治療が大切となります。そのため、世間でよく聞かれる「~の食べ物は便秘を解消する!」といったことは、すべて方の便秘症に効くというものではありません。個々の体質に合ったものでなければ逆に悪化させてしまうおそれもあるのです。

例としまして、冷えタイプの便秘症の人が、体を冷やす果物や生野菜を摂取して、便秘を解消しようとしても、便が出ないばかりか、さらに体の中に冷えをつくり助長させてしまうのです。

以下、タイプ別の特徴を参考に、ご自分にあった対処法を見つけ出してみて下さい。

 

<中医学で考えられる主な原因>

①ガスが多くお腹が張りやすい ⇒ 気滞タイプ

②お腹が冷えている ⇒ 寒タイプ

③お腹に熱がこもっている ⇒ 熱タイプ

④腸の潤いが不足している ⇒ 血の不足タイプ

⑤パワーが不足している ⇒ 気の不足タイプ

<特徴的な症状>

エネルギーが滞っている「気滞タイプ」(詳しくは1つ前の項目を参照してください)

 

お腹が張りガスやげっぷがよくでる、ひどくなるとお腹がはって痛む、イライラしやすい、胸が張る

 

体が冷えているために、腸の働きが低下し排出困難になる「寒タイプ」

 

寒がり、手足が冷たい、夏でもクーラーに当たるのを好まない、尿の量 が多く、その色は透明で澄んでいる、体を温めると気持ちがよい

 

辛いものや油っこいものが好きな方に多くみられる「熱タイプ」

 

大便は乾燥し硬くなっている、お腹が張って苦しい、体がほてる、のどが渇きやすい、尿は濃い黄色で量 は少ない

 

妊婦さんに多くみられる「血の不足タイプ」

 

コロコロ便、肌や髪のつやがない、貧血を起こしやすい、立ちくらみ、動悸、こむら返り、口やつめの色が淡い白

 

気が不足しているため排出する力がない「気の不足タイプ」

 

排便後に疲労感がある、便は最初硬くあとから柔らかくなる、

便意があってトイレに入るがなかなかでない、やる気が出ず、疲れやすい

 

 

<治療及びタイプ別食養生>

鍼では、気のめぐりをよくし、お通 じをうながす「理気、潤腸通便」の治療をしていきます。

 

~適した食べ物~ 便意をうながし、気のめぐりを促進させる食材

 

大根、春菊、パセリ、シソ、みかん、ゆず、ジャスミン茶

 

鍼では、体を温め、冷えを取り除き、お通 じをうながす「温陽通便」の治療をしていきます。

 

~適した食べ物~ 便意をうながし、体を温めて腸の働きを高めてくれる食材

 

人参、しょうが、にんにく、ねぎ、にら、かぼちゃ、えび、ラム肉、くるみ、杜仲茶

 

鍼では、体の中にこもっている熱を取り除き、お通 じをうながす「清熱潤腸、通便」の治療をしていきます。

 

~適した食べ物~ 便意をうながし、熱を冷ますような性質のある食材

 

バナナ、柿、梨、たけのこ、きゅうり、レタス、セロリ、なす、果 物、生野菜全般

 

鍼では、血を補い、腸の潤いを高める「養血潤腸」の治療をしていきます。

 

~適した食べ物~ 血をつくり、腸壁を潤してくれる食材

 

もち米、小豆、黒豆、ほうれん草、小松菜、動物のレバー、黒ごま、くるみ、なつめ、レーズン、プルーン、ブルーベリー、龍眼茶、クコの実茶

★潤い=水分ではありませんので、たくさん水を飲むだけでは潤せません。適度な水分をとることは必要ですが、がぶ飲みは胃腸の働きを弱めてしまう原因にもなりますので気をつけましょう。

 

鍼では、気を補う「益気・潤腸」の治療をしていきます。

 

~適した食べ物~ 体力をつけ便のすべりをよくする食材

 

粟米、大豆、牛肉、鶏肉、烏骨鶏(ウコッケイ)、山芋、じゃがいも、人参、なつめ、杜仲茶

 

~妊娠中のむくみ~

最後の項目になりましたが、最後は「妊娠中のむくみ」を取り上げていきたいと思います。女性では、足がむくむなど、大体の方が経験をしている症状ですが、妊娠中のむくみとなると、「むくみ=妊娠中毒症」という連想が浮かぶのではないでしょうか。

少しのむくみでも気になったり、不安になったりしますが、妊娠中毒症につながるようなむくみは、そう多くはありません。

しかし、不快な症状の一つでもありますし、快適な妊娠生活を送る上で、改善しておきたい症状であります。

 

中医学では、むくみが上半身に現われるか、下半身に現われるかを診断の目安の一つとしてみていきます。顔や手指などの上半身のむくみは、午前中に起こりやすく、体の水を全身に運び出す「気」の不足のために起こります。

一方、腰や足など下半身のむくみは、夕方に起こりやすく、「血」と「水」両方のめぐりが悪いために起こります。これは体の上部に戻っていかないという状態になるためです。

そして朝夕ともにむくみがひどいのは、「気」と「血」ともに不足している状態になります。特に妊娠中、問題になりやすいのは、下半身のむくみになります。この下半身のむくみの原因は主に、胃腸の働きが低下してなる場合と、体の中が冷えているために、引き起こされるむくみであると考えられます。

ここでは、妊娠中に起こりやすい下半身のむくみを中心にお話ししていきたいと思います。

<主な症状>

胃腸機能の低下により余分な水分がたまる 「水湿困脾タイプ」

 

慢性的に出ている全身のむくみ、手足からむくみはじめ、とくに下半身がむくむ、体が重だるい、頭が重い、食欲がない、吐き気がある、食べ物の味がしない、軟便傾向、白い痰がでる、尿は少ない

 

体の中を温める、陽のエネルギーが不足しているために、不必要な水分を体外へ排出する力がない「腎陽虚タイプ」

 

むくみは下半身からはじまることが多い、腰以下とくに内くるぶしに著しい、腰や膝が重だるく、力が入らない、手足の冷え、尿は少なく色は薄い

 

<治療及びタイプ別食養生>

鍼治療では、体内の余分な水分を排出させ、胃腸機能を高めていく「健脾利水」の治療をしていきます。

 

~適した食べ物~  体内の余分な水分の排出を促す食材

 

緑豆、小豆、黒豆、へちま、冬瓜、とうもろこし、はと麦、鯉(こい)、杜仲茶

 

鍼治療では、体全体を温める働きのある腎機能を高め、余分な水分の排出を促す「温補腎陽・利水」の治療をしていきます。

 

~適した食べ物~  温める力を増やし、余分な水分の排尿を促していく食材

 

もち米、ラム肉、えび、にら、ねぎ、しょうが、にんにく、ししとう、かぼちゃ、栗、くるみ、シナモンティー、ジンジャーティ、杜仲茶

 

<日常生活の過ごし方>

水湿困脾タイプ

塩分を控えめにすることはもちろんのこと、甘いものや味付けの濃いもの、油っこい食べ物は控えましょう。

冷たい物(アイスやジュース)は流れを阻みますので、避けましょう。

運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。無理のない範囲で行ないましょう。

梅雨の時期は湿気の影響を受けるので、特にこの時期は食べ物に気をつけましょう。

 

腎陽虚タイプ

冷えやすい下腹部や腰部はしっかり温めましょう。 薄着を避け、夏場はクーラーから、冬は寒気からくる寒さを、防寒でしっかりガードしましょう。

体を温める食べ物を適度に摂るよう、心がけましょう。

運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。無理のない範囲で行ないましょう。

梅雨の時期は湿気の影響を受けるので、特にこの時期は食べ物に気をつけましょう。

 

~最後に~

さて、見ていただきましたように中医学では「便秘」ひとつをあげてみても、様々なタイプがあり、それぞれに合った治療方法が大切であることがわかっていただけましたでしょうか。そして、タイプは1種類だけではなく、複雑に症状が絡み合っている場合も少なくありません。その際、何が根本的な原因で他の症状を誘発させているのかなど、細かい分別 が必要になってきます。皆さんの中で、症状に悩み、どのタイプも少しずつ当てはまるのでわからないという方は、お気軽にご相談ください。

またここでは、詳しく述べていませんが、逆子を治す際によく使われるツボとしまして、「三陰交」があります。このツボの作用は、子宮を収縮させる働きがあります。そのため、強く押しすぎたりしますと、胎児を下におろしてしまう可能性がありますので、気をつけてください。その他、三陰交と同じような働きをするツボがいくつかあります。使われる際は、一度信頼のできる鍼灸師の先生にご相談されることをおすすめします。

 

このほか、当院では産後の肥立ちをよくする体力の回復をうながす治療をはじめ、母乳が出づらい、抜け毛など血の不足による症状の改善なども行なっております。

 

 

=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=

 

当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。

例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。

急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。

ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。

西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。

ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。

例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。

大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。

 

当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。

又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。

 

しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。

 

さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。

当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。

それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。

この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。

特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。

顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)

急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子

その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳

アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など

これらの疾患はほんの一例です。

疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。

針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。

 

当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。

 

少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。

 

当院は予約制となります

  • まずはお電話でご相談ください。

  • 0088-221818

診療時間

8:30~
12:30
13:00まで
14:00~
17:30

※ 火曜日・水曜日・金曜日が祝祭日の場合は午前診療となります。
※ 当院は予約制です。

アクセス

〒180-0002
東京都武蔵野市吉祥寺東町1丁目17-10

院内の様子