コラム

2019/03/11
【内科疾患】脳卒中1・西洋医学編

今回のテーマは脳卒中の後遺症です。

皆さんは脳卒中の後遺症に対しての針治療は、麻痺のある部位にのみ針を打つと思っている方もいらっしゃると思います。

しかし、それは大きな間違いなのです。中医針灸では麻痺の部位にも針を打ちますが、頭から足の先まで針を打ちます。例えば顔の歪みの治療であっても足の甲のツボを使います。

ではどうして麻痺の無い足にまで針を打つのでしょうか?それは中医学の生理観が我々の親しんでいる西洋医学の生理観とはまったく違うからなのです。中医針灸とは、決して患部にのみ針を打つような単純な治療ではないのです。

 

さて、中医学については後程説明するとして、先ずは皆さんが慣れている西洋医学の観点から話を始めたいと思います。

 

皆さんは「脳卒中」以外に「脳」という字が付く病気を幾つ知っていますか?

「脳梗塞」「脳軟化症」「脳塞栓」「脳血栓」「脳出血」「脳溢血(のういっけつ)」・・・などがあります。

皆さんもいくつか知っている病名があったと思いまが、違いがおわかりになりますか?

実は今挙げた病名は全て『脳卒中』なのです。つまり脳卒中とは、1つの病気を指す病名ではなく、いくつかの病気の総称なのです。そして今挙げた他に皆さんもよくご存知の「くも膜下出血」なども脳卒中に含まれます。

ここで、脳卒中の説明に入る前に脳卒中について、少し恐ろしい数字を皆さんに紹介したいと思います。決して脳卒中は他人事でないことが実感できると思います。

 

 

▼日本は脳卒中がとても多い国ってご存知ですか?▼

1951~1970年まで、脳卒中は日本国内の死因の第一位でした。実に10万人に125~176人の方が亡くなるという高率でした。その後1970年をピークに死亡率は減少しはじめ、1981以降は癌が死亡率の第一位 となり、1986年には心臓病が第二位となりました。以降、脳卒中は第三位 を続けております。(1995~96年は再び第二位となりましたが、1997年以降再び入れ替わり第三位 となっております。)

2000年では死因の13.3%を占めておりました。いかがですか、皆さんはこの数字をどう思いますか?

「なんだー、患者数は減ってるんだー」とか「多いと言っても三位なんだー」と思われますか?

では、もう少し具体的な数字を使ってみましょう。まず、今紹介した数字は「脳卒中が死因の第三位 」ということです。つまり、患者数が減っているのではなくて、減っているのは死亡率のみなのです。あくまでも脳卒中で死ぬ 確立が低くなったということです。

では総患者数はどの位かというと、癌の総患者数127万人に対して脳卒中は147万人です。しかも癌の場合は体の全ての癌を含んだ数字です。これで患者数は脳卒中の方が多いことがわかります。

次に死亡数を見てみると、脳卒中で亡くなる人数は年間で13万人です。これは癌で亡くなる人の半数だそうです。しかし、交通 事故で亡くなる方は年間1万人位ですから、三位とは言っても、いかに13万人という数字が多いかがわかっていただけると思います。因みに日本の脳卒中の死亡率は欧米の2倍だそうです。

さて、日本の脳卒中患者数が多いことがわかっていただけたところで、脳卒中自体の説明に入りたいと思います。今回は『脳卒中の後遺症』というテーマですが、脳卒中だけでなく「生活習慣病」にも少しスポットを当ててみたいと思っています。「生活習慣病」は脳卒中と深い関係がありますし、皆様に少しでも正しい生活習慣の大切さが伝わればと思っています。

 

 

▼現代医学からみた脳卒中▼

ところで、皆さんは「脳血管障害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「脳血管障害」とは読んで字のごとく、脳の血管の障害です。例えば、脳の血管が詰る(虚血性病変)・又は破れる(出血性病変)などがあります。

脳卒中は脳血管障害によって、障害が起きた血管の先へ栄養が送られなくなってしまい、細胞が死んでしまうことにより、急に倒れる・大小便の失禁・半身麻痺・ロレツが回らない・などの発作を起こす疾患です。脳卒中は生活習慣の積み重ねで起こる生活習慣病の一つです。急性の発作により死亡することも珍しくなく、回復しても後遺症が残り易く長期のリハビリテーションが必要とされています。死亡率は低下したものの後遺症に悩まされている方はとても多いのが実情です。

 

 

=脳卒中の分類=

冒頭でも触れましたが、脳卒中とは脳血管障害による病気の総称ですので、ここで1つ1つ説明してゆきましょう。

脳血管障害には血管が詰まって起こる【虚血性病変】と、破れる場合【出血性病変】の2通 りあります。脳卒中を分類する場合は、まず大きく虚血性と出血性に2分します。

 

1.【虚血性病変】

虚血性病変とは血管に何かが詰まって起きる病変で、皆さんもよく耳にする『脳梗塞』がこれに当たり、『脳軟化症』ともいわれます。

更に脳梗塞は、心臓や比較的太い血管にできた血栓などが脳に達して血管を閉塞させる「脳塞栓」と、血管に血栓が生じて血管を閉塞させる「脳血栓」に分けられます。

更に、「脳血栓」は、コレステロールの固まりが脳の太い血管の内側にできることにより、血管を詰まらせる「アテローム性梗塞」と、動脈硬化により脳の深部の細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」に分けられます。『脳梗塞』は脳卒中死亡の62.4%(2000年)を占めると言われております。上記のことからも動脈硬化やコレステロールが怖いことがご理解いただけると思います。

又、『一過性脳虚血発作』というものあります。これは脳の血管が微小の塞栓によって起こり、24時間以内に回復するものをいいます。年間発症率は約5%といわれております。症状は一時的に半身麻痺が起きたり言葉が喋れなくなったりするのですが、血流が回復すれば症状は消えてしまいます。しかし、一過性脳虚血発作は「脳血栓症の前触れ」と言われ、一時的とはいえ脳の血管が詰まったわけですから、再度詰まる可能性があるわけです。実際に一過性脳虚血発作患者さんの脳梗塞へ移行する確立は30%と言われており、発作発症後1年以内、特に1ヵ月以内の脳梗塞発症がもっとも高い状況です。もしこの様な状態になったら必ず専門医の受診をして下さい。

 

 

2.【出血性病変】

出血性病変とは脳の血管が破裂して出血を起こす病変で『頭蓋内出血』がこれに当たり「脳溢血(のういっけつ)」ともいわれます。血管が破れる位 置によって更に「脳出血」「くも膜下出血」に分かれます。

脳内の細い血管が破れて起こるのが「脳出血」です。高血圧や動脈硬化などが主な原因になり、精神的緊張・飲酒・過労・などが誘因となります。脳卒中死亡の23.4%(2000年)を占めます。

さて、脳は3層の膜に覆われており、内側から軟膜・くも膜・硬膜といいます。このくも膜と硬膜の間の血管が破れて起こるのが「くも膜下出血」で、年間10万人に15~17人前後発症しているといわれています。原因の90%以上が脳動脈瘤破裂によるもので、脳卒中死亡の11.2%(2000年)と言われております。

(参考;本来、頭蓋内出血は出血の起きた場所によって、硬膜外出血・硬膜下出血・くも膜下出血・脳葉型出血・外側型出血・内側型出血・橋出血・小脳出血・といった具合にもう少し細い分類があります。)

因みに、1950年代まで「出血性病変」の方が多かったのですが、今では「虚血性病変」の方が多いようです。以前は高血圧の治療やコントロールが上手く出来ていないところに加え、食生活においても高塩分・低脂肪食により血管が弱くなっていたために多かったようです。しかし現在は肥満・糖尿病・高脂血症が増えたため「虚血性病変」のほうが多くなってしまったのです。

 

 

=脳卒中の危険因子=

次に一般的な危険因子を紹介します。

 

*大量飲酒

一日にアルコール換算で30ml以上の飲酒をされている方に脳卒中で死亡される方が増えています。(アルコール換算で30mlとは、ビールなら中ビン1本・日本酒では1合・ワインは2杯・ウイスキーはダブルで1杯・焼酎はぐい飲み1杯に値します。)

 

*たばこ

一日に40本の喫煙をされる方の脳卒中の死亡者数は、吸わない方の40倍と言われております。

 

*運動不足

運動不足は、肥満・糖尿病・高脂血症・高血圧を招きます。

 

*肥満

肥満は、高血圧・高脂血症・糖尿病を招きます。

 

*脳塞栓は、心房細動・心筋梗塞・僧房弁狭窄症・感染性心内膜炎、といった心疾患を持っていると発症しやすいです。

 

 

=主な症状=

脳は大きく「大脳」「小脳」「脳幹(間脳・中脳・延髄・橋)」に区分することが出来き、さらに各々が細かく区分されております。そして各区分ごとに働きが異なります。

したがって、脳卒中の症状は梗塞や出血が起きた場所によって症状が異なるわけです。又、左右でも違差があり、例えば左の脳に梗塞が起きると右半身に運動障害・知覚障害などが発症します。又、右利きの方で左の大脳に梗塞が起こると、言語障害が伴いやすかったりします。では、それぞれの疾患別 に特徴を説明します。

 

 

**脳梗塞**

主な症状としては、

麻痺・知覚障害・失語・失行・意識障害・感覚障害・病態失認・半側空間無視・同名半盲

自発性の低下・眼球運動異常・回転性のめまい・などがあげられます。

(失行とは:麻痺がないのに、ある目的を持った動作が困難な状態です。)

(同名半盲とは:両目の麻痺側半側の視野が欠損してしまう状態です。)

 

 

○アテローム梗塞○

症状としては、発症に先立ち、先程説明した「一過性脳虚血発作」が起こることがあると報告されています。

片麻痺・片側の感覚障害

優位半球(右利きの人であれば、左脳)の障害であれば:失語・失認・失計算などの症状

非優位半球のしょうがいであれば:着衣失行などがあげられます。

又、意識障害も認められますが、麻痺などに比べると軽度のことが多いようです。

(失認とは:知能障害がないのに物体や概念の認知・把握が困難な状態です。)

(着衣失行とは:麻痺がないのに着衣ができない状態です。)

 

 

○ラクナ梗塞○

アテローム型と異なり、「一過性脳虚血発作」が前駆することは少ないようです。又、意識障害も通 常は認められません。80%が無症状ですが、多発すると脳血管型痴呆の原因となります。

 

 

○脳塞栓○

脳塞栓の症状の特徴は急激に発現することがあげられます。片麻痺など、局所的な症候が特徴です。

主な症状としては意識障害・失語・病態失認・脳浮腫があげられます。

 

 

○一過性脳虚血発作○

大部分の患者さんは運動障害を認めることが多いようです。又、1回の発作中に体の一部分に感覚障害が認められ、他の症状は伴いません。一般 的には、発作は5分以内(多くは2分以内)に極期に達し、持続時間は2分~15分と言われております。

 

 

**脳出血**

突然の激しい頭痛に襲われ、続いて麻痺や意識障害などが起こることが多いようです。脳出血は頭蓋内で出血が起きているため脳梗塞に比べて頭蓋内の圧力は高くなっております。そのため意識障害は出現しやすいといわれています。

症状については、脳梗塞と同様に出血が起きている部位によって異なりますが、主な症状としては以下になります。

片麻痺・知覚障害・意識障害・瞳孔が縮む・眼球運動の障害・四肢麻痺

呼吸障害・嘔吐・嘔気・めまい・頭痛・歩行障害・運動失調・失調性失語

ケイレン・一過性の精神症状・半盲・失書・失読

優位半球の障害 :失語     非優位半球の障害:失認・失行

 

 

**くも膜下出血**

経験したことがない激しい頭痛が突然生じ、嘔気・嘔吐を伴います。頭痛の特徴としては、「後頭部をハンマーで殴られたような痛み」としてよく表現されます。また、頭痛の発症時間を患者さんが正確に言えるほど突然に発症します。頭痛の部位 は額や後頭部が多いようです。軽症の場合は目の奥や側頭部の痛みが数日間続くこともあります。ケイレンなどもよく起こります。意識障害については、ボーっとする程度のものから、数日間意識がはっきりしないものまであり、意識がなくなり急死することもあります。意識障害は約半数に認められ、片麻痺などの局所神経症候は通 常示しませが、場合によっては、局所的神経症候を伴う場合もあります。

 

 

▼脳卒中の主な治療法▼

先ず、CT・MRI・MRAなどを使用して脳のどこにどのような異常があるのかの検査に加え、家族などの病歴などを参考にして適した治療が行われます。又、脳塞栓の場合は脳の検査のみでなく、心エコー・心電図・頚動脈エコー、といった検査を行い、塞栓源の発見に努めます。必要であれば手術が行われ、それ以外の場合は内科的治療が行われます。

 

=手術=

手術により血管の中の血栓を溶かしたり削ったりします。また、破れた血管にクリップをかけたりもします。

 

=内科的治療=

主に点滴により血栓を溶かす薬などを投与します。また、脳浮腫や肺炎の防止に努めます。

 

=治療の段階=

脳卒中の治療の段階は急性期と回復期(慢性期・維持期)に分けられます。

急性期とは脳内の病変がまだ進行中だったり、意識障害があって生命の危険が残っている状態です。発症から数日~4週間の間を言い、その後を回復期といいます。

上記の治療は主に急性期に行われ、慢性期はリハビリが主体になりますが、再発防止のため、血液が固まりづらくなる薬(抗血小板薬)を使用します。

 

 

▼脳卒中のリハビリテーション▼

リハビリテーション科の外来・入院患者の50~60%はなんと脳卒中の患者さんだそうです。ここでも、日本の脳卒中の患者さんの多さがうかがえます。

 

=急性期のリハビリ=

病気で入院をしてベッドに横になっていると、本来の病気とは関係の無い様々な症状が出てまいります。このような二次的障害を「廃用症候群」といいます。これらの症状は入院後数日から現れ、回復には何倍もの時間がかかったり、最悪の場合は治らないこともあります。

具体的には、筋肉の萎縮・関節が動かなくなる・骨粗髪症・尿路結石・循環障害・床ずれ・意欲の低下・不眠・痴呆・失禁・頻尿・便秘・などの症状があらわれます。

そして、この廃用症候群はリハビリテーションの阻害因子になります。そして、急性期はこの廃用症候群が急激に起こっている時期でもあります。したがってこの時期は、先ず、呼吸管理・血圧管理・呼吸器や尿路の感染予防などの全身管理が大切で、次に血圧が安定し嘔吐・痙攣などの急性症状が落ち着いたら、廃用症候群予防のリハビリを出来るだけ早期に開始します。又、起立性低血圧の予防のための訓練も早めに開始します。

 

=回復期のリハビリ=

急性期を脱して、生命の危険がなくなり意識が清明となったら本格的なリハビリの開始です。具体的には自力による、寝返り・起き上がる・座る・立つ・歩く・といったことから、ベッド上での自立動作・トイレ動作・移動動作・整容行為・食事行為・更衣の自立・入浴更衣・といった訓練をおこないます。そして、退院後は自宅でのリハビリになります。

 

=脳卒中リハビリテーションのまとめ=

脳卒中のリハビリ訓練は発症後6ヶ月までは集中的な訓練が必要と言われております。その後は継続的な訓練を行うことで、ゆるやかではありますが回復すると言われております。ですから、リハビリは根気強く続けることがとても大事になってきます。そして何より大切なのは本人のやる気と家族の支えです。「病気に負けない」という強い意志がとても大切になってきます。

 

いかがでしょうか、西洋医学の見地から「脳卒中」について、その原因からリハビリテーションまでを簡単に説明してみました。ご理解していただけたでしょうか?

いつもなら、次に中医学から見た「脳卒中」の説明に入るのですが、今回はもう少し西洋医学的な話にお付き合い下さい。

2019/03/11
【内科疾患】脳卒中2・生活習慣病編

「脳卒中」の死亡率は減ったとはいえ命を失うこともありますし、生存しても上記のようなリハビリなどの回復訓練を行わなければなりません。ですから、できることなら脳卒中はかからないようにしたいものです。つまり、予防が大切なのです。

先程も述べましたが、脳卒中と生活習慣病は深い関係があります。脳卒中はある日突然発症しますが、生活習慣病は生まれてから発症するまでの長い年月をかけて序々に発症します。生活習慣病の怖いところは、序々に発症するところにあります。つまり、本人が気付かないうちに病気に犯されているというこが多々あるのです。

実は皆さんもよく耳にする「生活習慣病」という言葉は、たった10年位 前に作られた言葉なのです。たった10年でこれだけの認知度があるということは、我々にとって人事ではなく、かなり重要な病気だということです。

そういった理由で今回は、脳卒中と深い関係にある生活習慣病についても少し触れてみたいと思います。

 

 

▼生活習慣病ってどんな病気??▼

皆さんは「成人病」という言葉を聞いたことがあるかと思います。成人病とは加齢とともに特に40代から発症率が急激に増加する疾病の総称で、癌・循環器疾患・糖尿病などが代表的な疾患です。そして、これらの疾患の研究が進むに従い、その成因は生まれてから現在にいたる数十年間に作られた生活習慣・遺伝的素因・加齢が深く関与していることが明らかとなってまいりました。したがって、生活習慣の改善は成人病の発生や進行を予防することができるわけです。そこで、1997年にその当時の厚生省は、このことを国民全体に周知させる目的で「生活習慣病」という言葉を使うようになったわけです。つまり、簡単に言うと生活習慣病とは、毎日の良くない生活習慣の蓄積が引き起こす病気ということです。

「生活習慣病」というと何となく軽い病気のイメージがある方もいると思いますが、なんと日本人の三分の二以上がこの病気で亡くなっているという報告もされており、とても怖い病気なのです。そして、「生活習慣病」のやっかいな点は長年の生活習慣や加齢が関与して序々に発症します。つまり、健康な状態と病気の状態の区別 が明確でないと言う点があります。これは成人期に生活習慣病にかかり、気付かぬ まま老年期に引きずり老人病の基礎を築いてしまいます。具体的に今回のテーマである脳卒中で説明すると、成人期に「動脈硬化」が発症し、そのまま放置して進行してしまい、老年期で「脳卒中」などを引き起こすということになるわけです。次に今話題の代表的な生活習慣病を4つ紹介しましょう。

 

=恐怖の死の四重奏=

皆さんは『死の四重奏』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これはある4つの症状が重なった場合、死亡リスクがかなり高まることから「死の四重奏」と呼ばれています。ではその4つの症状とは、「高血圧」「高脂血症」「肥満」「糖尿病」です。もうお気づきの方も多いと思いますが、今話題になっている『メタボリック・シンドローム(症候群)』のことです。

なぜここで『メタボリック・シンドローム』を皆さんに紹介したかというと、実はこれらの疾患は全てが脳卒中を引き起こす要因に成りうるからなのです。せっかくですから、これらの疾患についても簡単に説明をしたいと思います。

 

○高血圧○

高血圧とは血圧の数値で言えば、上が140mmHg以上か下が90mmHg以上です。簡単に言ってしまえば、血管に強い圧力がかかっている状態です。

1999年の年齢階級別受療率をみてみると、高血圧症は40代後半から急激に増加しております。これは、壮年期からの生活習慣の影響が老年期にでているという見方が出来ます。ところで、高血圧は「サイレント・キラー」という怖い別 名があるのをご存知ですか?その理由は高血圧には自覚症状がほとんど無いところにあります。ですから、なかなか自分では高血圧に気付くことが出来なかったり、検査などで高血圧と言われても、そのまま放置してしまうことが多く、最終的には脳卒中や心筋梗塞といった死亡する可能性のある怖い病気を招いてしまうからです。

血管に常に高い圧力がかかっていると、血管が痛みやすくなるばかりではなく、高い圧力で血液を送り出す心臓にもかなりの負担がかかってしまいます。また、高血圧は動脈硬化も招いてしまいます。そして、動脈硬化は高血圧を更に悪化させるといった悪循環に陥ってしまいます。更に、動脈硬化は腎臓の機能さえも低下させてしまいます。

ところで、先ほど老化が高血圧をまねく話をいたしましたが、確かに日本では血圧は成人に達して以降、加齢とともに上昇していかれる方が多いようですが、発展途上国では加齢にともなう血圧の上昇が認められない民族があることも確認されております。

又、国内地域や国際比較に目を向けてみると、高血圧は都市部より農漁村部に多く西日本より東日本が多く、食塩摂取量 が5g以下の民族より多量に摂取する民族に多いことがわかっております。塩分を採りすぎると体内の塩分の濃度を下げる為に大量 の水分が血管内に吸収され、血液の量が増えてしまい、それに伴い血圧が上昇してしまうのです。このことからも、高血圧は生活習慣と深い関係があることがうかがえます。

 

○高脂血症○

高脂血症とは簡単に言ってしまうと、血液中の脂が増え過ぎてしまった病気で、日本の死因の二位 ・三位である心臓病・脳卒中の原因である動脈硬化の原因になります。又、高血圧を更に悪化させたりもします。

高脂血症の恐ろしいところは、高血圧と同じく痛くもかゆくもないところです。つまり自分ではなかなか気付きません。又他人に「あなたは高脂血症です」と言われても「それは大変だ!なんとかせねば!!」とはなかなか思いません。しかし、そのまま放置しておくと脂は血管の中でどんどん溜まってゆき「動脈硬化」をきたします。ところが、この「動脈硬化」も痛くもかゆくもありませんので、そのまま放置してしまいがちです。そしてついに「脳卒中」や「心筋梗塞」を発症させてしまうのです。

今の事を裏付ける数字を厚生労働省が発表していますので紹介します。

高脂血症の方と潜在患者の合計は2200万人で、さらに細かく見てゆくと男性の30代・女性は50代から高脂血症の状態の方は、なんと二人に一人だそうです。しかも自覚している方はわずか30%だけだったそうです。

さて、血液の中には「コレステロール・中性脂肪・リン脂質・遊離脂肪酸」の4種類の脂質が存在しております。高脂血症とは、この中の「コレステロール」と「中性脂肪」が多すぎる状態です。コレステロールの中の「悪玉 コレステロール(LDL)」は動脈の壁にくっついて動脈を厚くして血液の通 り道を細くしたり、血管を硬くして動脈硬化を招いてしまいます。又、中性脂肪自体は動脈硬化を招きませんが中性脂肪の増加は「善玉 コレステロール(HDL)」の減少を招きます。「善玉コレステロール」は血管や細胞内の余分なコレステロールを肝臓に運んでいますので、「善玉 コレステロール」の減少は「悪玉コレステロール」の増加を招くことになり、間接的に動脈硬化を招いてしまうことになります。

(参考:コレステロールや中性脂肪は多すぎると問題ありますが、体にとって必要なものです。)

 

○肥満○

肥満とは脂肪が一定以上体に付いた状態をいいます。肥満の目安を知る方法としては皆さんもよく耳にするBMIなどがあります。

BMIとはBody Mass Indexの略で、日本語では「肥満指数」といいます。

計算方法は、体重kg÷身長m×身長m=BMIです。

日本肥満学会では標準BMIを22とし、25以上を肥満と定めております。つまり、皆さんが上記の式にご自分の身長と体重を当てはめて出た数字が25以上であれば肥満ということになります。因みに、18.5以下は痩せと定められております。

ではこの25という数値は何を根拠に定められたかというと、25以上の人は「高血圧」「高脂血症」「糖尿病」にかかりやすい数値なのです。25という数値には実はこのような意味があったのです。尚、肥満は上記の疾患以外にも高尿酸血症・痛風・脂肪肝・膵炎・睡眠時無呼吸症候群・腰痛・膝痛などの関節痛・月経の異常・などとも関係があります。

さて、肥満も生活習慣病です、ではどのような生活習慣をしている人が肥満になりやすいのでしょうか?肥満はエネルギーの消費量 を摂取量が上まった時に起こります。つまり、エネルギーの過剰摂取と運動不足によって起こるわけです。又、摂取量 以外に不規則な食事や早食い・まとめ食い、といった食事の採り方にも肥満の原因があります。

 

○糖尿病○

糖尿病の患者さんの脳卒中死亡率は、正常な方の2~3倍と言われております。そして、平成9年の糖尿病実態調査によると、糖尿病の疑いがある人は1370万人いるそうです。

血液の中には筋肉や臓器の栄養源である「ブドウ糖」が流れています。糖尿病は「ブドウ糖」が細胞に吸収されなくなってしまい、血液の中にあふれてしまっている状態です。因みに、血液の中にどの位 のブドウ糖があるかを知る値が血糖値です。このことから、糖尿病にかかると血糖値が上昇するのです。

ブドウ糖が細胞に吸収されなければ、体はエネルギー不足を起こします。ブドウ糖が細胞に吸収されるのに必要なホルモンが「インスリン」です。糖尿病はこのインスリンが分泌されなかったり、分泌されても少量 であったりうまく働かない状態で、前者を1型(小児糖尿病・インスリン依存型)、後者を2型と呼びます。日本の糖尿病患者さんの95%以上が2型といわれております。その他には遺伝子や肝臓・すい臓などの病気や感染症・免疫異常なども原因になります。そしてこの2型糖尿病の原因となるのが、食べすぎや飲酒や運動不足といった生活習慣の影響が大きいのです。

糖尿病は脳卒中は勿論、他にも様々な病気をまねきます。例えば、網膜症・心筋梗塞・皮膚病・感染症・腎臓の病気(糖尿病腎症)・手足のしびれや冷え(糖尿病神経障害)・下肢閉塞性動脈硬化症などがあります。又、高脂血症・高血圧・腎臓病の方が糖尿病にかかると症状をさらに悪化させてしまいます。

 

いかがですか、生活習慣病の恐ろしさや脳卒中との関係がご理解できましたでしょうか。

これらについての予防法については、後ほど脳卒中の予防法と一緒に紹介いたします。

尚、当ホームページの「ためになる話」でも紹介されていますので、興味のある方はどうぞご覧下さい。

2019/03/11
【内科疾患】脳卒中3・中医学基礎編

さて、それでは中医学から見た「脳卒中」の説明をしたいと思います。

今回も『脳卒中』を通して、できるだけ皆さんに中医学の病気の捉え方や、治療方針の立て方から治療にいたるまでをイメージしていただけるように説明してみたいと思います。

 

 

▼中医学の生理観▼

中医学も現代医学と同様に医学です。医学である以上そこにはしっかりとした学問体系や理論が存在します。医学には正常な身体の状態を考える『生理観』(現代医学では生理学や解剖学など・中医学では臓腑学や経絡経穴学や気血津液学など)というものがあり、その上に病気の成り立ちを考える『病理観』(現代医学では病理学・中医学では病因学説や病機学説)が存在します。つまり、病気を理解するためには、まず正常な身体の仕組みや構造を理解しなければ病気を理解することは出来ません。ですから、まずは中医学の生理観を理解しないと、中医学から見た病気は理解することは出来きません。

しかし中医学の生理観は現代医学のそれとは全く異なった考え方をし、とても奥深いものですので、とりあえず今回は脳卒中に関係するものだけにしぼって説明をさせていただきます。

 

 

≪気・血・水≫

中医学では人の身体は「気」「血」「水」の三つの物質により構成されると考えます。

そしてこれらが多くも少なくもなく適量で、バランスよく且つスムーズに流れてこそ健康でいられると考えます。

 

<気>

気の主な作用には、物を動かす「推動作用」・栄養に関わる「栄養作用」・身体を温める「温煦作用」・身体を守る「防衛作用」・ものを変化させる「気化作用」・体内から血や栄養物が漏れるのを防ぐ「固摂作用」など様々な働きがあります。

この中で脳卒中と深く関係があるのは「栄養作用」と「推動作用」です。

「栄養作用」とは読んで字のごとく各部を栄養する働きです。

「推動作用」とは物を動かす作用のことです。例えば気の推動作用によって血は流れることができるのです。このことは『気めぐれば血めぐる』と言われております。

 

<血>

血の主な作用は各器官を栄養することです。

 

<水(津液)>

水は津液とも言い、体内にある正常な水液のことをいいます。主な作用としては身体の各部所に潤いを与えます。さて、今ここで説明しているのは正常な水の話ですが、実は体内に不要な水が貯留することがあります。例えば正常な水である津液は本来スムーズに流れていなければなりませんが、この流れが長時間停滞を起こしたり、本来は尿となって排泄されなければならない水液が、何らかの異常で体内に貯留した場合などがあります。この様な不要な水を度合いによって「湿」とか「痰濁」といいます。これらの不要な水分は様々な病気を引き起こします。脳卒中も「湿」によって発症することがあります。

 

《経絡》

経絡とは一言で言えば、気血水を全身の各部位へ運ぶための通路みたいなものです。経絡の作用は「生理作用」「病理作用」「治療作用」の3つにわけられます。上記の気血水が流れる経路としての働きが「生理作用」になります。ところが経絡が何らかの病因物質によって塞がれてしまうことがあります。そうなってしまうと気血水がその先へ行けなくなってしまいます。当然、気血水が行きわたらなければ様々な症状がでてきます。その中に脳卒中も含まれます。

 

《五臓六腑》

さて、次は内臓です。よく「五臓六腑にしみわたる」などといいますが、この五臓六腑が東洋医学の考える内蔵のことです。西洋医学のそれとは異なり東洋医学では内臓を物体として区別 するのではなく、働きで区別します。六腑は飲食物の消化吸収を行い、五臓が栄養分から「気血水」を作ったり運んだり貯蔵をしています。

具体的に五臓とは「肝」「心」「脾」「肺」「腎」があり、六腑には「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦」があります。先程の働きの他にも五臓六腑には沢山の働きがあります。

しかし、各々の臓腑には西洋医学と同じような働きをするものや、全く違う働きをする臓腑もあります。それは、西洋医学と同じ臓腑の名前を使ってはいますが、冒頭で説明したように中医学では臓腑の働きに注目しておりますので、名前が同じでも全く同じ物を指しているわけではありません。私もそうですが、こういったところが皆さんが混乱してしまうところだと思います。ですから、今から脳卒中に関係のある臓器ついて説明をいたしますが、名前が同じでも西洋医学のそれとは違う物という認識で(別 物と思って)これから先を読まれた方がよろしいかと思います。

では、脳卒中に関係の深い臓器の生理作用の説明を始めます。

 

『心』

心は横隔膜の上やや左にあります。生理作用は血脈を主る・神明を主る・神を蔵する などがあります。

心の主要な生理作用は血を全身に運ぶことと、精神活動の総括になります。心の機能活動を現す言葉に『心火』という言葉があり、生体全体の機能活動を促進する作用があります。ところが、情志失調などにより心火が亢進してしまうことがあります。この心火の亢進が脳卒中の病因となることがあります。

 

『肝』

肝はお腹の右上部にあります。肝の働きは西洋医学のそれとはかなり異なり、疏泄を主る・血を蔵す・目の働きを維持する・筋を主る などがあります。

肝の主要な働きは蔵血と疏泄で、これらは脳卒中と深く関係します。肝に蔵血されている血のことを肝血(かんけつ)と呼び、他の血と区別 して表すことがあります。

疏泄の「疏」は疎通(流れが通じる)「泄」は発散を意味します。疏泄とは気の運行や消化活動の促進・精神状態を安定などの作用があります。さて、ここで気の運行の調整に注目したいと思います。気は、体内で行なわれる昇ったり降りたりの上下運動と、体内と外界の間で行われる発散と収納といった出入り方向の運動が基本となって行われています。この様な「上・下・出・入」の運動を「昇降出入」といい、肝の疏泄作用は昇降出入対してスムーズに運動できる様に調整をしているのです。特にこの昇らせる作用(昇発作用)が脳卒中の起因に深く関係しますのでよく覚えておいて下さい。また、陰陽論では気は陽に血は陰に属します。このことから肝の気を「肝陽」と言う場合もあります。

又、肝はノビノビした状況を好みます。ですから、過度のストレスや怒りは肝を損傷してしまい、肝の機能低下や過度な機能亢進をまねきます。

 

『脾』

横隔膜の下やや左側にあります。生理作用としては、運化を主る・昇清を主る・統血を主る・肌肉を主る・四肢を主する などがあります。

この中で脳卒中に関係がある作用は、運化作用です。運化作用とは消化と吸収のことで、具体的には飲食物から栄養分とそうでない物を分別 し、栄養分は吸収して肺に送り、そうでない物は大腸に送ります。脾が吸収した栄養分から気血は作られますので、脾の運化作用の低下は気血の不足をまねいてしまいます。 又、「思は脾の志」とされていて、脾は思い悩むと損傷され易い臓器です。

その他に「甘は先ず脾に入る」と言われ、甘味には脾胃を調和してくれる作用がありますが、甘味の食べ過ぎは湿を生み、脾胃を損傷させ作用低下をまねきます。

 

○肝と脾の関係○

中医学は陰陽五行論という考え方を基本としています。陰陽五行論とは陰陽論と五行説という中国の古代哲学を合わせた考え方です。五行説とは世の中の全ての物は「木」「火」「土」「金」「水」の五つの性質に分けることが出来、さらにお互いに影響しあいながらバランスを保っていると言う考え方です。そして肝や脾も五行説によって「肝は木の性質・脾は土の性質」に分類できます。自然界を見てみると、木は土から栄養分を奪っています。これは「木は土を克す関係」と解釈し、木克土(もっこくど)といいます。この関係はこのまま肝と脾の関係に置き換えられます。つまり、「肝が脾を克す関係」です。もう少しこの関係を具体的に説明すると、先ず、健康な状態のときは肝が脾を克すことにより、脾の作用が過度になるのを肝が抑えてくれています。ところがバランスが崩れた状態では肝が脾を抑えすぎてしまい脾を損傷させてしまうことがあります。脳卒中の病機の中にはこの木克土によるものもあります。

 

『腎』

腰の位置で背骨の両脇に1対存在します。生理作用としては、精を蔵す、先天を主る、生殖を主る・水を主る・納気を主る・二陰を主る・骨を主る、骨髄を生ずる などがあります。

この中で、腎に蔵されている精に注目してみましょう。精とはとは生命活動の根本をなすもので、両親から受け継ぐ「先天の精」が、生後飲食物から作られる「後天の精」の滋養をうけて形成されます。精は腎に蔵されていることから「腎精」とも呼ばれています。精には腎陰と腎陽があり、これらは腎中の精気を基盤としています。腎陰は臓腑・組織を潤し滋養している陰液の根源となります。例えば、加齢に伴いこの腎陰の不足が起きることがあります。すると組織を潤す作用の不足が起こり、肌のカサツキや更年期では「のぼせ」が発症するわけです。脳卒中は老化に伴う腎陰の不足が病因となることがあります。

 

 

中医学の生理観はご理解いただけたでしょうか?我々が慣れ親しんでいる西洋医学とは大分違っていたと思います。最初はなかなか理解するのは難しかったり、抵抗があったりすると思いますが、生理観の概念が違うからこそ西洋医学で治らなかった病気を中医学で治すことができるわけです。

それでは次に生理観の他に中医学の独特の考え方をするものを少しだけ紹介します。これも中医学を理解する上でとても大事な予備知識になります。

 

《病因》

病因とは病気となる原因のことです。中医学ではこの病因を「外因・内因・不内外因」の3つに大別 します。

『外因』とは身体の外の環境が病因となるものをさします。これらは六淫と呼ばれ「風・湿・熱(火)・暑・寒・燥」の6種類あります。また、それぞれに「邪」を付けて「風邪・湿邪・熱邪・暑邪・寒邪・燥邪」と呼びます。

この中で脳卒中と関係があるのは「風邪」「火邪」「湿邪」です。

 

「風邪」

風の特性の一つに「善く(よく)行り(めぐり)数々変じる」とあります。これは、風は遊走性や変化に富むことを意味します。又、自然界では風が吹くと枯葉などは高く舞い上がります。体内でもこれと同じ事が起こります。風邪が人体を襲うと、人体の上部である頭を犯すことがあり脳卒中の病因となります。

 

「火邪」

自然界では、火は熱を生みます、熱は上昇する性質を持ちさらに風を生みます。体内でもやはりこれと同じ事がおこります、つまり、火熱は上へ上へと昇って行き頭顔面 部を犯します。また、火熱は容易に風を生んでしまいます。中医学は天人相応という考え方を基本にしています。これは人間も大自然の一部という考えで、自然界で起こる現象は体内でも同じようなことが起こるという考えにつながります。自然界で火が風を生むように、体内に入って来たり生まれた火熱は、体内で風を生むと考えるわけです。これも、脳卒中を引き起こす病因になります。

 

「湿邪」

体の中の不必要な水分を言います。湿は、重い・粘度が高い・人体の下部を襲いやす・気の流れを妨げる・などの性質があります。この中で脳卒中に特に関係があるのは、重い・粘度と気の流れを妨げることがあげられます。

衣類が水に濡れると重くなるように、湿が体内に入ると体が重くなります。空気中の湿気が増える梅雨時期に体が重くなる方がいますが、これは空気中の湿気が体内に入り込んでしまっている状態です。又、自然界でも清らかな水に比べ、川の淀みなどの濁った水は粘ついていますよね。これと同じように体内の湿も粘ついています。ですから湿に犯されると泥状便といって大便が粘ついたりします。また、粘度が高いので一度体に入るとへばり付いてなかなか取れにくい特性があります。

湿は重く粘りけがあるので、湿が経絡に入り込むと気の流れを妨げてしまいます。この状態を「気機の阻滞」といい、脳卒中の原因となります。

 

『内因』とは過度の精神状態が病因となるものをさします。これらは「喜・怒・思・悲・恐・憂・驚」の7種類あります。これらは七情と呼ばれます。七情は健康な方も持っていますが、これらの感情が過度であったり、長時間持続的に続く場合は正常ではありません。この様な状態を「情志失調」といい、病因になってしまいます。現代医学では感情の変化と内臓の相関関係はまだ認められていませんが、中医学では感情の変化が各臓腑と深く結びついており、情志の失調が臓腑の働きに障害をおよぼすと考えています。というわけで、この七情が病因に含まれているのです。ではせっかくですから結びつきの深い五臓と七情のペアーを紹介しましょう。

 

喜⇔心 怒⇔肝 思⇔脾 悲⇔肺 憂⇔肺 恐⇔腎 驚⇔腎

これらのペアーはお互いに刺激しあいますので、五臓に異常が発生すれば感情も変化し、逆に過度な感情は臓器を障害してしまいます。この関係の中で、特に脳卒中と関係の深いペアーは「怒⇔肝」と「思⇔脾」になりまので、この関係についてだけもう少し説明いたします。

 

○怒は肝に属し、怒り過ぎると肝を傷る(やぶる)○

「肝」の生理でも触れましたが「肝」はノビノビした状況を好みますので、過度の怒りは「肝」を損傷してしまうわけです。

 

○怒れば則ち気は上がる○

これも「肝」の生理で触れましたが、「肝」の疏泄作用のところで気を上に昇らせる昇発作用というのがありました。怒りや興奮のし過ぎはこの昇発作用を過度にさせてしまいます。その結果 、気が過度に上行してしまう「肝気の上逆」という状態になってしまいます。また、気の生理作用で血流の促進をしている推動作用というのがありました、昇発作用気が過度になることにより気の推動作用も又過度になってしまいます。その結果 気は血を伴い急激に頭の昇ってしまいます。よく「頭に血が昇る」といいますが、この様な状態です。もっと酷いと、急に卒倒し手足を触ってみると冷たくなっていたりする状態を引き起こします。たまにテレビなどで、ご老人がパチンコ屋さんで大当たりして興奮しすぎて、卒中を起こしたなどといったニュースが流れますが、まさにこの状態です。

 

○思は脾に属し、思い過ぎると脾を傷る○

思とは思考・思慮のことをさします。正常な思考は悪い影響は与えませんが、過度の思慮は脾を損傷してしまいます。

 

○思えば則ち気は結ぶ○

思慮により精神疲労が過度になると、気の流れがスムーズでなくなり、脾の運化作用に影響がおよび食欲不振や消化吸収障害が発症してしまいます。これらの症状は栄養素の摂取の障害につながり、ひいては気血不足を起こします。

 

○心と肝○

心と肝は精神活動に深く関与していることは五臓の生理で説明しました。このことから心と肝は精神的要因でおこる病変に対しては相互に影響し合っています。

 

『不内外因』とは内因・外因のどちらにも属さないものをさします。これらは「不節な飲食・外傷・寄生虫・過労・運動不足」などがあります。

特に脳卒中の病因となるものは「不節な飲食」と「過労」が挙げられます。

 

「不節な飲食」とは食べすぎ・飢え・偏食・不衛生な物の飲食があります。この中の偏食に注目してみましょう。

偏食には、「肥甘厚味の過食」「辛辣の過食」「生冷の過食」「飲酒の過度」があります。この中で「肥甘厚味の過食」と「過度の飲酒」が脳卒中の病因になりますので少し説明をします。

「肥甘厚味」とは甘い物・味の濃い物・油っぽい物・といった食物をさします。これらの食物は湿や痰や熱を生みやすく、脾や胃を損傷させてしまいます。

又、「過度の飲酒」は湿熱を生み、脾胃を損傷します。

 

《病位》

病んでいる部位のことです。これも中医学の独特の考え方で、例えば風邪のひき始めなどでは、外邪はまだ体表にいます。したがってこの場合の病位 は体表を指します(表)。しかし、風邪をひいてもそのままにしておけば、やがて外邪は体内に入り込みます。この場合の病位 は体内になります(裏)。それでも放っておくと、やがて脾や腎といった臓腑が損傷をうけます。この場合の病位 は脾や腎といった具合に損傷をうけた臓腑になります。

 

《弁証》

中医学では病気の種類を「証」(しょう)と言います。その「証」を見極めることを「弁証」と言います。つまり、弁証とは簡単に言えば病気の原因や性質や状態などを見極めることです。もう少し具体的に説明しましょう。

先程「生理観」のところでも述べましたが、健康であるためには「気・血・水」が適量 であり、スームーズに流れていなくてはなりません。もし、その中のどれかのバランスが崩れると、重度・軽度はありますが、何らかの不調が現れてきます。

弁証とは、何が原因で・何が・何処で・どの様に・バランスを崩しているのかを見極めるのです。

皆さんの中には「病証」とは現代医学の「病名」のことと思われる方もいらっしゃると思いますが、実は似ているようで少し違うのです。例えば現代医学で○○病と言われれば、その病名によって治療法が決まり、同じ病名の患者さんであれば基本的にはみな同じ治療が施されます。しかし「証」となると、もっと細かい分類になります。今回の脳卒中でも、中医学の弁証では数種類に分類され、すべて処方される漢方薬や、使用するツボも異なってきます。ですから、「弁証」とは病気を診るものではなく、あくまでも体の中のバランスの崩れを診るものなのです。

 

さて、実際の治療では、患者さんの弁証が出来たら、次に治療方針を考えます。

 

《治則と治法》

中医学の治療理論は治則と治法に分けられます。

治則とは治療の根本的な原則で、標治と本治と標本同治の3種類あります。

治法とはそれぞれの疾患に対しての具体的な治療法のことです。

簡単に言えば、治則は治法を導き出すための大原則です。つまり、「弁証」により病気の状態がわかり、次に「治則」による治療の方向性を出し「治法」で具体的な治療法を考えるのです。そして最後に「治法」にそって漢方薬は処方され使用するツボが決まるのです。

 

《【理・法・方・薬(穴)】という大原則》

『理・法・方・薬(穴)』とは中医学での診察から治療までの流れを表す言葉です。

 

「理」とは理解と言う意味で、具体的には「弁証」により病気を理解することをさします。

 

「法」とは弁証に基づいて治療方針を決定します。

 

「方」とは治療方針にのっとった漢方薬の処方やツボの選穴になります。

 

「薬(穴)」とは薬やツボの知識をさします。

 

つまり、本来の臨床の現場では「弁証」が立てられ、「弁証」に基づいて治療方針を決定して、それに沿った処方や選穴がしっかりした漢方薬やツボの知識により行われるのです。逆を言えば、「理・法・方・薬(穴)」の大原則に沿って行われる治療が中医学の治療となります。

 

問診もろくにしないで痛い所やコリが在る所に針を打ったり、この疾患にはこのツボといったような短絡的な選穴の仕方のみの治療は本来の中医学(東洋医学)ではありません。

 

さて、中医学の予備知識もだいぶ頭に入ってきたところで、本題の脳卒中に入りましょう。

2019/03/11
【内科疾患】脳卒中4・中医学臨床編

さて、中医学の予備知識もだいぶ頭に入ってきたところで、本題の脳卒中に入りましょう。

 

 

▼中医学から見た脳卒中▼

中医学では「脳卒中」のことを『中風』といいます。脳卒中は急に発症し変化も早く、外邪の中の「風邪(ふうじゃ)」の特性に似ていることから『中風』と名付けられたそうです。

中風は病位や病状の程度により『中経絡』と『中臓腑』に分類され、弁証と治療が行われます。

 

=原因と発症までの機序=

中風の多くは、体内のエネルギー(気・血・水)の不足やアンバランスな状態があり、それに、主に下記の4つの誘因が加わることによって発症します。

1.老化

2.情志失調

3.濃厚な物の食べ過ぎ

4.気や血の不足

 

次に以上の誘因が、どの様な機序で脳卒中を起こすのかを説明してゆきましょう。

 

【老化や過労による中風】

老化に伴い腎陰の不足と肝血の不足がおこることがあります。これを「肝腎陰虚」といいます。腎陰も肝血も体を潤したり冷却したりする作用があります。これらが不足してしまうことにより、肝陽を抑えづらくなり肝陽が亢進しやすくなります。陰陽の関係の一つにお互いを抑制し合うことによって全体の平衡を保つ働きがあります。ですから陰が虚せば、おのずと陽が亢進してしまうのです。特にこの場合は肝陽が非常に亢進してしまいます。陽気は温める作用がありますから肝陽の亢進は熱を生んでしまいます。熱は風を生みますので、肝陽の亢進により生まれた熱が生んだ風のことを「肝陽化風」といいます。熱と風は通 常上に上がります。熱によって生まれた風は気血を伴って頭まで上がり、脳が蒙閉されて中風が発症します。

また、これらを更に亢進させる要因として過度の思慮や過労があげられます。過度の思慮は脾の生理作用を損傷し気と血の不足(気血両虚)が起こします。気血両虚は真気の不足をまねきます。{真気とは気の本質をさします。この場合は生命エネルギーと理解してください。}

過労などの要因は、人体の下部で陰が虚してしまいます。先程も述べたように陰虚は陽気の亢進をまねきます。

 

【情志失調による中風】

心の生理でも述べましたが、情志失調により心火の亢進が起こることがあります。

また、病因のところで説明しましたが、心と肝は精神的要因の病変では相互に影響し合います。ですから腎陰が虚しての肝陽の亢進はさらに心火の亢進を誘発させることもあります。これらにより、熱が生まれ、風が生まれます。熱や風は気血を伴い上部である頭を犯し中風が発症します。

 

【濃厚な物の食べ過ぎによる中風】

濃厚な食べ物とは、病因の中の一つの飲食不節に含まれている「肥甘厚味の過食」を指します。先程も説明しましたが、肥甘厚味の過食は湿や熱を生みやすく、脾胃を損傷します。脾の作用に「運化」というのがありましたね。簡単にいうと運化とは消化吸収でした。

肥甘厚味の過食で生まれた湿や熱によって脾胃は損傷し、消化吸収能力が低下するとことにより、飲食物からの余分な水分などが体の中に貯留してしまいます。この余分な水のことを「湿」と呼びました。つまり、肥甘厚味の過食で生まれた湿や熱が脾を損傷することによって、更に湿を生むということです。しかも、湿が長時間にわたり停滞すれば今度は熱が生まれましたね。正に悪循環な状態です。

さて、長期にわたり体内に停滞し重濁の性質を持ち病気の原因となりうる「湿」のことを『痰湿』とよびます。この痰湿が長期間鬱積することにより熱化し、それが経絡に阻滞し中風をまねきます。

また、肝の陽気を亢進させやすい状態でもあります。肝と脾の関係で説明したように、肝は脾や胃を犯し易い性質を持ちます。脾は肝から損傷を受けたことにより運化作用の低下が起こり「湿」を生んでしまい、ここでも悪循環を作ってしまいます。

 

【気や血の不足による中風】

気や血が不足すると、それらが流れる通路である経絡の中に隙間ができてしまいます。すると風邪(ふうじゃ)が乗じて経絡に影響をおよぼし、気血が阻滞し肌や筋肉が栄養されなくなってしまいます。その結果 、口元や目尻に歪みが生じます。

 

中風の病気の機序は大きく上記の4つになります。ご理解できましたでしょうか?西洋医学のそれとはだいぶ概念が違うことがわかっていただけたとは思います。

次は、症状について説明を始めたいと思います。

 

 

=症状・証分類=

次は症状と証分類です。症とは、病気の種類のことです。

中風と一言で言っても、冒頭で述べたように先ず病位や程度により軽症の「中経絡」と重症の「中臓腑」に大きく2つの種類に分け、更に中臓腑については症状により「閉証」と「脱症」に分けられます。

では、証分類と症状を紹介しますが、症状については症状だけでなく、機序についても簡単に説明したいと思います。(もし、説明の内容で使っている言葉がわかりづらい場合は、もう一度中医学の生理観と病気の機序をお読みになってみて下さい。)

 

 

◆◆中経絡◆◆

中経絡は比較的軽症な中風をさします。

 

*病位*

経絡や血脈に限定されています。

(経絡・血脈とは気や血が流れる通路みたいなもの。)

 

*主症*

片麻痺・口や目の歪み・言語が緩徐で断片的・よだれが垂れる・食べ物を飲み込みづらい・皮膚の感覚の麻痺・手足の麻痺などがあります。

これらの症状は経絡に風邪(ふうじゃ)が入り気血の運行を妨げてしまうことによって起こります。

(詳しくは【気や血の不足による中風】を参照してください。)

 

*随伴症状*

○顔や手足がしびれて重い・手の指のふるえ・めまい・頭痛

これらについては肝の陽気が亢進しておこります。

(肝陽については【老化や過労による中風】を参照してください。)

 

○顔が紅い・目が赤い喉の渇き

これらは、心火と肝火によるものです。

(心火と肝火については【情志失調による中風】を参考してください。)

 

○痰が多くなる・舌に白い苔が現れる・などがあります。

これらは経絡に風邪が入って起こります。

 

 

◆◆中臓腑◆◆

中臓腑は重症の中風をさします。

 

*病位*

関係のある臓腑まで波及してしまっています。

 

中臓腑は症状により「閉証」と「脱症」に分けられますが、先ずは共通 症状から紹介しましょう。

 

*共通症状*

突然の昏倒・意識障害などがあります。発症の機序は「閉症」「脱症」で異なりますので後述いたします。

次にそれぞれの症状を紹介します。

 

 

■『閉証』の症状■

両手をしっかり握りしめる・便秘・尿閉・顔が赤い・呼吸が荒々しく痰が出る。

舌に厚く黄色い苔があり舌自体は紅色。などがあります。

 

閉証の場合の、突然の昏倒・意識障害は肝陽が亢進することにより風が生まれ、痰や気血の上逆を起こして発症します。

(詳しくは【老化や過労による中風】を参照してください。)

両手をしっかり握りしめる・便秘・尿閉・顔が赤い・呼吸が荒々しく痰が出る。

舌に厚く黄色い苔があり舌自体は紅色。は痰熱が鬱して阻滞して風を生み発症します。

(詳しくは【濃厚な物の食べ過ぎによる中風】を参照してください。)

 

■「脱証」の症状■

目を閉じ、口を開き、手に力がなく、いびきをともなって寝る・呼吸の衰弱・汗が多い。

両頬の紅潮が続いた後に蒼白となり、大便・小便を失禁する。四肢の先端の冷え。

 

突然の昏倒・意識障害・目を閉じ、口を開き、手に力がなく、いびきをともなって寝る・尿漏れ。

これらは、エネルギーの衰弱によるもので、陰陽離決といい陰と陽の協調関係が完全に壊れた時に起こります。

呼吸の衰弱・汗が多い・大便・小便を失禁する。四肢の先端の冷え・これらもやはりエネルギー不足で起こります。亡陽といって特に陽気の不足が起きたときに発症します。

両頬の紅潮が続いた後に蒼白は、極めて重篤な状態で、陰に属している生命エネルギーの枯渇した状態です。

陰に属しているエネルギーとは血・水・精をさします。つまりこれらの枯渇を意味します。

 

☆☆脱証の症状は閉症に比べて重症で、閉症が進展したものが多いようです。

 

さて、症状による分類はわかっていただけたかと思います。次は治療の説明に入ります。

 

 

=治療=

中風の治療は証分類と病気の機序により異なります。なぜなら、今まで説明してきたように中風と一言で言ってもその病気の機序や症状は様々でした。ですから、治療もただ麻痺しているところに針を打つというものではなく、病気の原因を取り除く治療をしなければなりません。

具体的に言えば、気血の不足で起こっている麻痺であれば、麻痺をしている患部と気血を補充するツボに針を打ってゆきます。

それでは先程の証分類にそって治療の説明をしてまいります。

 

 

●中経絡の治療

中経絡の病位を覚えていますか? 中経絡の病位は経絡と血脈でした。ですから、治療方針である治法は「疏通 経絡」「調和気血」といって、経絡の通りをよくし、気血の調和をします。

使用するツボとしては、

『半身不随』では、肩グウ・曲池・手三里・外関・合谷・環跳・陽陵泉・足三里・解ケイ・崑崙 といったツボを使います。

これらのツボは陽に働きかける経絡(手足の三陽経)に所属しているツボです。「半身不随」といった運動障害は「陽気」が深い関わりをもっているためこのようなツボを使うのです。

特に、肩グウ・曲池・合谷・手三里・足三里・解ケイといったツボは気も血も多い経絡(陽明経)に属しますので、気や血の流れをよくするにはとても効果 的なツボです。

この疾患の場合であれば、気や血の流れをよくすることで崩れていたエネルギーバランスを整えることが出来、機能の回復を助けることが出来ます。

漢方:鎮肝熄風湯加減

 

『目や口の歪み』では、地倉・頰車・合谷・内庭・太衝 といったツボを使います。

これらのツボは皆「手足の陽明経」か「足のケツ陰肝経」という経絡のいずれかに所属しているツボです。

これらの経絡は足か手の先から頭顔面部まで走行している経絡です。

地倉・頰車 というツボは顔面のツボです。これらは局所的(顔面 の歪みのある部分)な気血の流れの調整のためです。

合谷・内庭・太衝は、いずれも足の先か手の甲の存在するツボです。これは遠隔取穴といって、経絡の通 りを良くする治療ではよく使用する取穴方法です。患部を走行する経絡上にあって患部から離れたツボに針を打つことによって経絡の通 りを良くするものです。

 

 

●中臓腑の治療

中臓腑の治療については、『閉証』と『脱証』に分けて説明します。

 

『閉証』の治療

閉証の病機を思い出してください。閉証は肝陽が亢進して気血が逆上しておこりました。又、体内の不要な水分が停滞して痰熱となって風を生んでいました。

そこで治療方針は、肝の気を静める「清肝」、痰を体から出す「化痰」、体内の風を鎮める「熄風」、熱を下げる「泄熱」停滞している痰などや詰まっている物を取り除いて開かせる「開竅」などを主に治療します。

使用するツボとしては、

十二井穴・水溝・太衝・豊隆・労宮 などを使用します。

十二井穴・水溝 これらは「泄熱」「開竅」の効果があります。

労宮 は「泄熱」の効果があります。

太衝は「清肝」の効果があります。

豊隆は脾と胃の気を調整して「化痰」の効果があります。

漢方:局方至宝丹・安宮牛黄丸・蘇合香丸

 

『脱証』の治療

脱証の治法は「回陽固脱」といい、「脱」とは陽気が絶えようとしている重篤な常態のことで、「回陽固脱」とは絶えようとしている陽気を回復させる治療です。

使用するツボとしては

「閉証」のツボに、関元・神ケツ(施灸)・気海・足三里 などを加えて使用します。

更に症状により下記のツボを使いわけます。

大陵・行間・天枢・上巨虚・ダン中・腎兪・命門・陽陵泉・天突

漢方:参附湯加減

 

 

以上が中医学による脳卒中の病因・病気・脳卒中の分類・治療です。いかがでしたか?

ここでご一番理解していただきたかったのは、脳卒中という病気に対して中医学では西洋医学とは違った角度から病気の成り立ちを考え、それに見合ったツボや漢方薬を使い分けて治療するということです。決して、脳卒中にはこのツボとか、この漢方薬といったものではありません。

 

さて、次は、西洋・東洋の壁を取っ払って、脳卒中で一番大切な予防について少し説明をしたいと思います。

 

2019/03/11
【内科疾患】脳卒中5・予防編

▼脳卒中の予防▼

脳卒中の原因は様々で、その中でも特に生活習慣病が深く関与していることは先程も触れました。ここでは先ず生活習慣病の予防について説明したいと思います。

 

=生活習慣病の予防=

生活習慣は小児期から成人に持ち越されるので、本来は生活習慣病の予防策は幼児期から始めると良いといわれております。これをお読みの方の中でお子さんをお持ちの方は、是非今のうちから正しい生活習慣を身に付けてあげてください。又、大人の方でも生活活習慣を見直すことはとても大切なことですので今一度見直して見てください。

(これらの情報は内容が多いため、当HPでは全てを説明するのは避け、あくまでもヒント程度に止めさせていただきます。もし興味のおありの方は、生活習慣病の専門のHPや本などでも詳しく紹介されておりますので、そちらの方もご覧下さい。)

 

生活習慣病は生活習慣に起因するものです。食生活は生活習慣病の発生に重要な役割を演じています。

又、食生活のみならず、運動・休養・禁煙・飲酒などにも注意が必要です。つまり、よい食習慣を身に付けることを含めて日常生活習慣全体を健全なものにすることが、生活習慣病対策となります。

具体的には下記の様になります。

 

1.食生活の適正化

減塩・肉・魚・野菜などバランスの取れた食事。(一日30品目が目標です。)

 

2.運動・活動の適正化

運動は習慣化することが望ましいです。運動をすることは、心肺機能・精神機能・腎臓機能などを活発にするだけでなく、代謝をスムーズにし善玉 コレステロール(HDLC)を高め動脈硬化防止に働きます。

 

3.休養・睡眠・生活時間の適正化

休養のうちで最も重要なのは睡眠です。睡眠は大脳を休めるために必要なものです。6時間以下、又は9時間以上睡眠をとる集団の疾病の発症率(羅患率)と死亡率が高いことが明らかになっています。

 

4.物理的。精神的ストレスの回避あるいは解消

よく「風邪は万病の基」と言われますが、最近は「ストレスは万病の基」と言われるくらいストレスは様々の病気を招きます。生活習慣病でもこの例外ではなく、ストレスは殆どの生活習慣病を招きます。

 

5.飲酒・喫煙のコントロール

飲酒は適量では「百薬の長」になり、乱用すれば様々な健康問題を引き起こすことは皆さんもご承知のことと思います。喫煙についても同様で喫煙が健康に及ぼす影響は皆さんもご存知だと思います。

ところでアルコールの適量ってどの位かご存知ですか?

1日の適量はアルコール換算で30ml(アルコール換算で30mlとは、ビールなら中瓶1本・日本酒なら1合・ワインなら2杯・ウイスキーならダブルで1杯・焼酎ならぐい飲み1杯、)程度で、毎日は飲まないのが適量 だそうです。これは昔から伝わる「不老長寿食」の中で言われている量 です。

タバコは交感神経の活動を亢進させてしまいます。交感神経が亢進すると血圧上昇・心拍数の上昇などの影響が出ます。またタバコは遊離脂肪酸を増加させ、遊離脂肪酸は中性脂肪の原料となります。また動脈硬化の促進に作用します。

 

 

生活習慣病検診や成人・高齢者健康診査などは積極的に受診し、定期的に血圧測定をしましょう。又、尿タンパクや尿糖の検査、さらに必要に応じて心電図・眼底血管撮影・コレステロールや血清脂質の検査をうけると良いでしょう。これらの検査結果 から脳・心血管・および全身の老化状態を知ることができ、それによって適切な保険指導が受けられ、必要であれば早期の治療を受けることが可能となります。また、このような健康管理は脳卒中ばかりではなく、高血圧・心臓病の発症を遅らせることができます。

さて、ここで検査結果を見る場合の大事なポイントを紹介します。

もし自分の数値が正常値であっても、前回の数値と必ず比較して異常値へ近づいていないかもチェックして下さい。検査で大事なことは、現在と過去の数値の変化です。生活習慣病はゆっくりゆっくり本人の気が付かない内に忍び足で近づいて来るのです。それを知るのが、過去と現在の数値の変化です。ですから、現在の数値が安全圏であっても過去に比べて危険値へ近づいていれば注意しなければなりませんし、ましてや数年前は危険値へ近づくペースが緩やかだったのが近年になって急上昇したなどいった場合は要注意です。

 

再三述べましたが、生活習慣病は知らず知らずのうちに我々を犯してしまうのが恐ろしいところです。

是非、正しい生活習慣を身に付け生活習慣病の予防に心がけて下さい。

さて、ここで脳卒中予防について簡単にまとめておきます。卒中は予防が大切です。高血圧・糖尿病・心臓病にかからないようにしましょう。

次に大切なのは、「早期発見・適切な管理」です。つまり、もしこれらの疾患になってしまったら、脳卒中へ繋がる次のステップへは絶対に進ませないことです。

他には肥満対策や高齢者のおられる家庭などでは、住居などの防寒対策などと、いろいろありますが、脳卒中予防に最も大切なのは高血圧を防ぐことです。そこで次に脳卒中予防に特に大切な「高血圧」「高脂血症」「糖尿病」「肥満」の予防について簡単に紹介します。(生活習慣病同様に、ここで全てを説明するのは難しいので、あくまでもヒント程度に止めさせていただきます。もし興味のある方は、これらの専門のHPや本などもご覧下さい。)

 

 

=高血圧の予防=

高血圧は脳卒中の予防で一番大切です。又、脳梗塞・脳出血、くも膜下出血のいずれも再発防止には高血圧に気を付けなければなりません。そのためには動物性脂肪や塩分の摂りすぎに注意し過度の飲酒や熱い風呂は避け下さい。

因みに日本人の一日当りの平均食塩摂取量は1980年頃から12g位 で変化がありせん。高血圧予防の観点からは一日10g未満が望ましいとされております。既に高血圧と言われている方は7gを目標にされたほうが良いと思います。因みにアメリカでは5g以下を目標にしているそうです。

そこで減塩の方法のヒント少しだけ紹介します。

 

1.食事の味付けはまんべんなく薄味にするのではなく、塩味の効いた物と控えた物を混ぜてメリハリをつけるといいでしょう。

 

2.麺類の汁は飲まないほうが良いでしょう。

 

3.味の付いた副食にはソースや醤油はかけないようにしましょう。

 

4.漬物や佃煮は毎日食べないようにしましょう。

 

5.味噌汁はダシを効かせて具を多くしましょう。

 

☆☆カリウム摂取は腎臓からナトリウム排出の促進をしますので血圧を下げる効果 があります。

因みに、カリウムは果物やきのこや野菜に多く含まれます。

 

最後に高血圧の危険因子を紹介します。

遺伝・肥満・糖尿病予備軍・ストレス・喫煙・塩分の過剰摂取・飲酒の習慣などがあります。

 

 

=高脂血症の予防=

高脂血症の多くの原因も過食・高脂肪食・運動不足などの悪い生活習慣によるものです。

なかでも食に関する要因が多いようです。例えば、肉・高脂肪の乳製品・即席麺・スナック類・チョコレート・卵黄などはコレステロールを上げる食品です。中性脂肪の多い方は油脂・糖質・果 物の食べ過ぎに注意して下さい。

コレステロールを下げる食品としては、魚(特に青背の魚)や植物性の油に含まれる不飽和脂肪酸などがあります。飲酒はできるだけ適量 に止めましょう。ビタミン・ミネラル・食物繊維はしっかり採りましょう。又、運動は脂肪分が皮下や内蔵に蓄積されるのを防いだり、血行の改善に効果 があります。血行の改善は血圧低下につながり動脈硬化の予防にも繋がります。又、悪玉 コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やす効果もあります。

酸素を消費する有酸素運動を行うとよいでしょう。運動もお酒と同じで適量 が大事です。いくら運動がいいからといって、無理をすれば逆効果になりますので注意して下さい。けしてハードな運動は必要としません。また、運動をする際には水分補給も忘れずに!

 

 

=糖尿病の予防=

糖尿病の予防策とし気をつけなくてはならないのは「肥満」「食事」「運動」です。

糖尿病の予防策の一番は肥満を避けることです。肥満の予防策については後述いたします。次に食事ですが、食べすぎに注意しバランスよく食べることです。

野菜は沢山採りましょう。目標としては一日350g(内、120g以上は緑黄色野菜)以上採って下さい。味は薄味にし甘いものや脂っこい物は食べ過ぎないようにしましょう。又、食事は決まった時間にゆっくり食べましょう。寝る前の3時間以内の食事は避けて下さい。調味料のかけすぎに注意して下さい。

又、無理のない適度な運動もこころがけましょう。運動は体に付いた中性脂肪を減らすだけでなく筋肉を付けます。筋肉が付くということは基礎代謝があがることになります。基礎代謝が上がれば摂取したエネルギーの消費率が高くなるので、その分脂肪にならなくてすむのです。因みに運動をしないと筋肉が落ちてしまい脂肪の多い体になってしまいます。この様な人は体重がすくなくても肥満です。ですから「かくれ肥満」などと言われます。

さて、適度の運動とは糖尿病防止の運動であれば、キツイと感じるほどの運動は必要ありません。例えば、できるだけ歩くようにしたり、いつもより遠回りしたり早く歩いたりしてもいいでしょう、1日の目標は1万歩位 がいいでしょう。又、水中を歩いたり、出来るだけ階段を使うのもいいでしょう。時間にして一日に20~30分位 を目安にするといいでしょう。

 

 

=肥満の予防=

皆さんが減量の方法で一番最初に思い浮かべるのは「食事制限」ではないでしょうか?勿論それは間違いではありませんが、実はちょっと違うかもしれません。というのは、ここ10年の日本人のエネルギー消費量 の平均の数字を見てみると横ばいなのです。しかし、肥満の人の数は確実に増えています。これがなにを意味するかというと。先ず肥満の原因は、「食べ過ぎ」と「運動不足」の2つです。エネルギー消費量 の平均が増えていないのに肥満が増えているということは、その多くは「食べ過ぎ」ではなく「運動不足」に原因があるということです。

日本では減量というと「食事制限」が重視される傾向にありますが、運動も大事であることを再認識していただきたいと思います。しかしながら運動だけでいったん体に付いてしまった脂肪を減らすのは大変です。(1キロの体脂肪を減らすのにかかる時間はウォーキングでは35時間といわれております。)しかし、「糖尿病の予防」で述べたように、運動には体脂肪消費の他に筋肉を付け基礎代謝をあげる効果 があるのです。

以上のことから運動は減量や肥満の予防には適しています。しかし、運動はやり過ぎは禁物です。

では、次に肥満予防の適度な運動について紹介します。

まず、運動の種類ですが、脂肪が燃えるときは多量の酸素を消費します。ですから、大量 の酸素を取り込むことのできるウォーキング・軽いジョギング・サイクリングといった有酸素運動が最適です。時間については青・壮年の方で1週間で140~180分位 と言われています。

 

予防のコーナーの最後に、脳卒中や生活習慣病に役立つ食養生を紹介しますので、是非参考にしてみてください。

 

=お茶=

「医食同源」と言う言葉は皆さんもご存知のことと思いますが、中国には「医茶同源」という言葉もあります。

お茶にも薬効があり、飲み方によってお茶は薬にもなるのです。中国では、季節・体質・精神状態に合わせてお茶を選んで飲むことによって上手に体調を整えています。

《高血圧》

 

菊花茶・・・・・・・・

疲れ目にも効果があり、イライラした時など体内の熱を下げてくれます。

杜仲茶・・・・・・・・

水分代謝を良くする働きがあります。

かきの葉茶・・・・・・

血管を丈夫にする働きがあり、高血圧に有効です。

クワの葉茶・・・・・・

高血圧の予防と治療・風邪のせき・滋養強壮に有効です。

高麗人参茶・・・・・・

血圧調整に効果があります。

ゲンノショウコ茶・・・

江戸時代から親しまれていました。

イチョウ葉茶・・・・・

血流の改善作用があるので血圧の調整の効果 があります。

 

《動脈硬化》

 

かきの葉茶・・・・・・

血管を丈夫にする働きがありますので、動脈硬化の予防になります。

 

《肥満》

 

杜仲茶・・・・・・・・

水分代謝を良くする働きがありますので、水分代謝異常による肥満の方にお勧めです。高血圧を抑える効果 もあります。

はと麦茶・・・・・・・

利尿作用があります。

はすのは茶・・・・・・

これも利尿作用があります。

山ザ子茶・・・・・・・

食事に含まれる油の吸収を遅らせます。

スギナ茶・・・・・・・

高い利尿効果があります。

羅布茶・・・・・・・・

血行や脂肪の燃焼を助け新陳代謝の促進効果 があります。

プーアール茶・・・・・

脂肪分解作用があるのでダイエット茶として有名です。

凍頂ウーロン茶・・・・

血中中性脂肪を減少させます。

柳茶(痩羊茶)・・・・

チベットでとれるお茶だそうです。脂肪燃焼を促進させる作用があるそうですが、最低でも2ヶ月以上継続して飲まないと効果 はでないそうです。

 

《ストレス》

 

ジャスミン茶・・・・・

気分をリラックスさせてくれます。

ナツメ茶・・・・・・・

精神安定の効果があります。

シソ茶・・・・・・・・

ビタミンAとカロテンを多く含みます。

カモミール茶・・・・・

鎮静作用にすぐれています。

 

《糖尿》

 

グアバ茶・・・・・・・

血糖値を抑える作用があります。

プーアール茶・・・・・

血糖値を抑える作用があります。

 

《高脂血症》

 

プーアール茶・・・・・

コレステロールを分解する働きがあります。

凍頂ウーロン茶・・・・

血中中性脂肪を減少させます。

 

=食べ物=

食の基本は自分の体質や体調や年齢に見合った食生活をおくることです。最近は「薬膳料理」のブームにより、食と健康について様々な所で紹介されています。

 

《ストレス》

ストレスはこまめに発散させましょう。香りの強い食材は気の流れをスムーズに整えてくれ精神の緊張をほぐしてくれます。

ミント・ウコン・はまなすの花・牛乳・蛎・あさり・しじみ・しゃこ・しらす・かに・みょうが・みつば・春菊・パセリ・セロリ・シソの葉・からしな・にら・ねぎ・小松菜・菊花・キャベツ・カイワレ大根・大根・かぶ・ザーサイ・みかん・グレープフルーツ・ゆず・きんかん・レモン・しょうが・八角・こしょう

* 食べてはいけない物*

ストレスがたまると、油濃い物や甘い物を大量に食べてしまいがちですが、これらは脳卒中の病因にもなりますし、胃がもたれて余計に気持ちがふさぎます。

 

 

《イライラ》

イライラしているときは頭に熱がのぼっているので、冷す食べ物を採ります。又、味付けはさっぱりとして気持ちを静める効果 を高めましょう。

たけのこ・にがうり・セロリ・百合・ミント

*食べてはいけないもの*

甘い物や辛味の強い物、お酒などは体内で熱を生みますので、更にイライラがましてしまいます。

 

《高脂血症》

脂肪や水分を排出させる食べ物をとりましょう。

コンニャク・あずき・紅花・オクラ

 

《高血圧》

とうもろこし・雑穀・青松葉・こんぶ・紅花・オクラ・りんご

 

《動脈硬化》

こんぶ・紅花

 

 

=お酒=

《高血圧》

イチジク酒・しいたけ酒・杜仲酒・アロエ酒・かきの葉酒・クコ酒・夏みかん酒

 

《高血圧予防》

あんず酒

 

《動脈硬化》

クコ酒・杜仲酒・夏みかん酒・にんにく酒・パイナップル酒・松の実酒

 

《高脂血症》

にんにく酒

 

《肥満》

れもん酒

 

《糖尿病》

くこ酒

 

 

=その他=

しいたけ昆布汁・・・

昆布は動脈硬化や高血圧の予防に有効です。しいたけ昆布を一晩水に漬け、翌朝にしいたけこんぶを取り出し、ドロドロした液体をそのまま飲みます。朝起きたときに飲むのが効果 的です。

 

グリーンジュース・・・

小松菜・かぶの葉・よめな・たんぽぽ・ハコベ・青じそ・春菊・つる菜・サラダ菜・レタス・パセリ・セロリ・ブロッコリー・ほうれん草・ケール・ナズナ・オオバコ・ニワトコ・ヨモギ・ツユクサ・ヒルガオ・メカジキ・など出来るだけ緑色の濃い野菜や野草を使います。

動脈硬化予防・高血圧・低血圧・貧血に有効です。

 

りんご酢とハチミツのドリンク・・・

高血圧予防・動脈硬化予防・疲労回復に有効

 

ドクダミ・・・

利尿効果があるので、高血圧や脳卒中の予防に効果があります。

 

豆乳・・・

朝食前に飲むと動脈硬化の予防になります。

 

黒豆とハチミツの汁・・・

腎臓病や糖尿病に効果があります。

 

以上が食養生になります。少しでも多くの種類を紹介するためにレシピは省きましたので、 もし、知りたいレシピがありましたらご遠慮なくお問い合わせ下さいませ。

 

ところで、もし身近にいた人が突然脳卒中で倒れたら、あなたは冷静に対処できますか?何をしたらよいかわかりますか?

最後に、身近にいた人が脳卒中で倒れた時、どのよに対処したらよいかを簡単にまとめておきますので参考にしてくださいませ。

 

▼ もし周りの人が脳卒中で倒れたら▼

1.先ず、自分が落ち着きましょう!

 

2.衣類をゆるめて救急車を呼びましょう。

(脳卒中はできるだけ早く(6時間以内)治療を開始することが、その後に大きく影響してきます。)

 

3.意識・呼吸の確認。

意識の確認は相手の名前を呼びかけてみましょう。呼吸があれば胸が上下に動いています。

 

4.嘔吐の有無の確認。

もし、嘔吐しているか、嘔吐しそうであれば、嘔吐物を詰まらせないために横向きにさせましょう。

 

5.救急隊員の方から今までの状況を訊かれるかもしれませんので、余裕があれば状況を記憶しておけるとよいです。

 

以上が脳卒中についてになりますが、ご理解いただけたでしょうか?

今回は大変長いものになってしまいお疲れ様でした。しかし、脳卒中はいつ誰に起きても不思議でない病気です。しかも、一度発作が起きれば命を奪われることありますし、生存したとしても、長いリハビリをしなくてはならない可能性もありますので、是非とも生活習慣病の予防に努め、脳卒中に犯されない体を作りましょう!

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

 

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