コラム

2019/02/20
便秘

排泄物が長時間腸内にとどまり、水分が吸収されて、排便に困難を伴う状態をいいます。健康な人は普通 1日1回の便通があるが中には2~3日に1回の人もあり、それでも充分に満足でき、また不規則な排便であっても苦痛を感じない場合は便秘とはいいません。毎日便通 があって苦痛や残便感など不快感を伴う場合便秘とみなします。

 

原因として

1.

小食および水分不足

食べ物が便のもとです。小食が便秘を起こします。最近はダイエット志向で小食の方が増えていますので便秘になりやすいです。また十分な水分をとらないと便が硬くなり便秘となります。

 

2.

食べ物の繊維不足

食物繊維は腸で消化されず、便として排出されます。繊維は便通 を整えると共に腸を刺激しスムーズな排便を促します。   

また、繊維は腸内細菌の善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。

 

3.

がまん癖

便意が起きてもすぐにトイレに行けない状態で我慢し続けると便意が消えてしますので便秘習慣がついてしまいます。

 

4.

精神的ストレスで

精神的ストレスが自律神経のバランスを崩し、ケイレン性便秘を起こしやすくなります。

 

5.

運動不足

腸の働きは運動などで活発化します。

 

6.

病気

病気で寝たきりの場合、腸の運動が弱くなります。

 

便秘の種類は急性便秘と慢性便秘があります。   

ここでよく悩みとしてでる便秘は、いわゆる慢性便秘、その中の習慣性便秘の方でしょう。  

・習慣性便秘にはさらに3つのタイプに分かれます。弛緩性便秘・直腸性便秘・ケイレン性便秘があります。

 

 

1.弛緩性便秘

便秘の多くはこのタイプです。   

大腸の緊張が緩んでいて蠕動運動が弱く便秘を感じなくなっています。虚弱体質、無力体質の人に多く見られます。   

内臓下垂の人、病気の後で体力が低下した場合になりやすいです。

 

2.直腸性便秘

便が直腸に達しても便意が起きず蠕動運動が始まらない場合をいいます。忙しくてトイレに行かず我慢をしたり、痔で排 便を抑える、また浣腸を繰り返して年老いて神経が鈍くなったりするとこれにかかわります。特徴として太く硬い便で切痔を起こすことがあります。

 

3.ケイレン性便秘

大腸の運動が強すぎ、ケイレンを起こし便の通過を妨げて便秘になるタイプです。また、神経的ストレス、自律神経失調症が原因でなりやすいです。特徴としては便意は強いが排便困難、腹痛、腹がゴロゴロ鳴ったり、腹が張ったりします。  

便はウサギの糞状の細いものです。

 

便秘の予防および治療

食物繊維は充分の摂る  

・繊維は消化吸収されないので、便の量を増やし便意がつきやすくなります。

 

朝食後に排便の習慣をつける  

・朝食を食べて食べ物が胃にはいると胃から大腸へと信号が送られ大腸の蠕動運動が始まり、便が直腸へと送られ便意が起こります。

 

運動をして腹筋を強化する  

・腹筋が弱いと大腸がだらんとして、りきむ力が弱くなるので腹筋をつけて腹圧を高めます。

 

上記のことをしてもなかなか改善されない場合に下剤や浣腸を使っていきます。

 

 

中医学的に便秘を診たときに4つに分かれます。

1.熱証タイプ

このタイプは便秘は「熱秘」と呼ばれます。病気としては体に熱を持ちやすい体質のうえに辛いもを食べ過ぎたり、野菜不足により陽明(消化器系に関するツボのルート)に熱がたまると津熱(体内を潤す作用のある水分)が損なわれ便が出にくくなるものです。

〈主症状〉

大便は乾燥して硬く通じない・腹部がつかえて膨満感がある・腹部を押さえると塊があり痛む・おならがよく出る・排便の切れが悪い等です。  

 

〈随伴症状〉  

顔色が赤い・身体が熱っぽい・頭痛・口が渇く・小便は量が少なく黄色。

 

治療のポイント  

体の中の熱を取り去るツボや体を潤す「水」(津液)の通りを良くするツボを選んで治療を行っていきます。

 

 

2.気滞タイプ

このタイプは便秘は「気秘」と呼ばれます。病気としては、ストレスなどが原因で鬱状態になると体の気の流れがうっ滞します。

そうなると、気の流れをつかさどっている「肝」の働きが失調して便が流れなくなるものです。

〈主症状〉

便秘であるが乾燥や硬さはひどくない・腹部から両脇に連なる張痛  

 

〈随伴症状〉  

食欲不振・めまい・よくげっぷをする等です。

 

治療ポイント  

「肝」の働きを良くし「気」(エネルギー源)の流れを良くするツボを選んで治療を行っていきます。

 

 

3.虚証タイプ

このタイプの便秘は「虚秘」と呼ばれています。病機としては病後や産後に気血(体にとってのエネルギー源や栄養するもの)が回復せず気虚(エネルギー不足)により、うまく便を出せなくなった状態です。また血虚(体を滋養するものの不足)のため、腸が潤いを失っています。

〈主症状〉  

腹部に張痛はない・小腹(下腹部)が不快で便意があるが力が足りず排便が困難・大便はカスのように軟らかい。  

 

〈随伴症状〉  

排便後に疲れる・汗が出る・息切れ・顔色の色艶が良くない・動悸・目のかすみ

 

治療ポイント   

「気」、「血」を回復させるツボを選んで治療を行っていきます。

 

 

4.寒証タイプ

このタイプの便秘は「冷秘」と呼ばれます。病機としては加齢により下焦(下腹)の陽気(温かいエネルギー)が衰えるため温く(温める)出来なくなると陰寒(冷たいもの)が凝結して、気化作用(この場合物質代謝)がうまくいかず便が出にくくなるものです。

〈主症状〉  

排便困難・ひどいときは脱肛・ときどき腹が冷えて痛む。  

 

〈随伴症状〉  

顔色が白い・小便は透明で量が多い・手足の冷え・足腰がだるく力が入らない。

 

治療ポイント  

下焦(下腹)付近のツボを使い気の働き(ここでは体を温めたり、物質体謝を活発にしたりする働き)を強化、また体が冷えるのでお灸を使った治療を していきます。

 

 

食養生として  

はくさい(熱証タイプ、気滞タイプ)、にら(寒証タイプ)、さつまいも(虚証タイプ)、もも(寒証タイプ、虚証タイプ)などを普段の食事にプラスしてあげると良いかと思います。

 

このように中医学では「便秘」=便が出にくい状態にその他の随伴症状をもとに舌の状態や脈の状態も合わせてタイプ別 に診ていきます。

その結果、便秘だけでなくその他の症状にも治療効果が出ますので統合的にお体のお手当てになります。便秘に対しての対処療法ではなく便秘にならない体にしていきましょうというのが中医学の特徴ですのでなかなか治らない頑固な便秘は中医学的鍼灸治療で改善をはかるのも良いかと思います。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

2019/02/20
無月経

生活や社会環境から生じる精神的ストレス、無理なダイエット、薄着での体の冷やしすぎなどによりまねいてしまう無月経。

中医学では、こういった器質的に異常がない、原因不明の無月経に効果 を発揮します。

 

現代医学的診断・治療法▼

 

1.原発性の場合

(性機能が成熟する年齢になっても月経が来朝しない)

原因の約半分は卵巣形成障害が占めていると言われています。

その他、性中枢や内分泌の異常によるものと考えられています。

 

初経が16歳を過ぎても来ない場合は、産婦人科を受診された方がよいでしょう。

早期に診断、治療することにより将来への妊娠、分娩が可能となります。      

 

2.続発性の場合

(今まで周期的に月経があったにも関わらず連続して3ヶ月以上月経が中断している状態)原因はホルモン分泌の異常や排卵障害で起こるとされています。  

排卵障害による無月経は、ホルモン療法や排卵誘発剤が主な治療法になります。

 

器質的に異常がない場合でも、中医学とうまく使い分けて治療することにより、効果 が高まりやすくなります。

 

 

中医学的無月経のとらえ方▼

発症する原因は様々ですが(以下後述)主に2つのタイプに分けることができます。

 

1.栄養が不足しているため、子宮を養うことができず発症する「血枯タイプ」

このタイプは月経が始まる年齢になっても初潮がない、あるいは月経が遅れ、経血量 が減少し、無月経にいたります。

先天的に虚弱体質で発達が遅い場合や無理なダイエットにより(特に成長期で代謝が高まる時期に)摂取量 や質の少ない栄養は、まず必要な臓器へ供給されるため、子宮まで届かず無月経をまねいてしまうなどが主な原因となります。

 

2.エネルギーの流れが停滞し、栄養が子宮へ行き渡らないために発症する「血滞タイプ」

このタイプは突然発症し、数ヶ月にわたり月経が停まります。

こちらは主に、精神的ストレス(周りの社会環境、生活環境など)や生活の中での不摂生(飲食、睡眠不足、過労)が主な原因になります。

 

この他、病状が長引くことにより症状は複雑化していきます。そのため12のタイプが混合しているタイプの方も少なくありません。その場合は問診で症状の軽重を推し量 り、現在あらわれているつらい症状がある場合はそちらから先に治療し、特にこれといった自覚症状がない場合は病の根本から治療していきます。

 

 

中医学的からだのしくみ▼

~「気」「血」「水」とは~

体全体の活動源である「気」、体内の各組織に栄養を与える「血」、血液以外の体液で体を潤してくれる「水」、これらの3つが体内に十分な量 で、スムーズに流れていることにより、体の正常な状態が保たれます。

もし、これらのひとつでも流れが停滞してしまったり、不足してしまったりすると からだに変調をきたし、様々な症状がでてきます。さらにこの状態を放置し、慢性化してしまうとお互い(気・血・水)に影響が及び症状が悪化してきてしまうのです。

 

~臓腑の働きとは~

「気・血・水」を作り出し、蓄え、排泄するといった一連の働きを担っているのがこの臓腑です。西洋医学的な働き以外に中医学では「気・血・水」が深く関わってきます。

ですので、西洋医学と全く同じ役割分担ではありません。ゆえに違う診たてができるのです。この点をまず理解してください。

「肝」・・

1

全身の気の流れをスムーズにし、各器官の働きを助けます。  伸びやかな状態を好むため、精神的ストレスなどを受けると働きが低下し、他の器官の働きに悪影響を与えます。この状態を「気滞」(気の流れがとどこおる)といいます。

 

2

全身の血液量をコントロールし、蓄える働きがあります。

肝の働きが弱まってしまうと血液を蓄えることが出来なくなるため肝の支配している器官の機能減退症状があらわれてきます。

 

例)目のかすみ、爪が割れやすくなる、手足の震えやしびれ、筋けいれんが起こりやすくなったりします。

婦人科疾患としては、無月経、不妊症、月経前の乳房のはった痛み、ストレスにより月経周期が早まったり、遅くなったりする。

 

「脾」・・

1

食べたものをエネルギー(気・血・水を主に作り出す)に変え、体全体の機能を活発にします(運化作用)。

働きが弱まってしまうと、うまくエネルギーを生み出せないために疲れやすいなど全身の機能(臓器など)が低下してしまいます。

 

2

エネルギーを上に持ち上げる働きがあります(昇提作用)。

働きが低下すると、いいエネルギーが上にいかないために、めまい、たちくらみが起こり、さらに悪化すると子宮下垂、胃下垂、脱肛、など内臓の下垂が見られます。

 

3

血を脈外に漏らさないよう引き締める働きがあります(固摂作用)。

働きが低下すると、不正出血、月経が早まる、青あざが出来やすくなったりします。

婦人科疾患として見られる症状は白いおりものが多くでる、黄色っぽく臭いおりものがでる、不正出血、月経が早まる、子宮下垂

 

「腎」・・

 

生命力の源、生殖器・発育・成長関係と深く関わります。

「腎」には父母から受け継いだ先天の気が蓄えられています。このエネルギーが少なく、足りなかったりすると、成長が遅い(初潮が遅い)、免疫力が弱い、小柄などの状態があらわれます。

「腎」のエネルギー(先天の気)は、「脾」から作り出すエネルギー(後天の気)により補充されます。

年齢が増すにつれて、腎が支配する器官の機能減退症状があらわれてきます。

 

例)骨や歯がもろくなる、耳が遠くなる、髪が薄くなったり、白髪が多くなる。

婦人科疾患では無月経、不妊症、流産しやすい。

 

中医学的診断方法▼

個人の体質やその時々の症状、体調を考慮したうえで、治療方法を決めていきます。

そのため、同じ症状であっても人によっては治療方法が異なることがあります。

続発性の場合は月経があったときの月経の状態(周期・期間・月経量 ・質・色、月経に伴う不快な症状など)、基礎体温表などから体の中の状態を把握することができます。

この他、食べ物の嗜好、生活習慣(睡眠時間、食欲、排便の状態など)を問診し中医学独特の診断方法である舌診、脈診などを用いて診察していきます。

その診断に基づいて、個々の体質を把握し、その人その人に合った治療をしていきます。

 

 

中医学的無月経のタイプと治療方法▼

1.栄養が不足しているため、子宮を養うことができず発症する「血枯タイプ」です。

 

気血虚弱タイプ●

食物からエネルギー(気)を生み出す源である「脾・胃」。

この2つの臓器の働きが失調することにより体を養う気や血が作りだせないため、子宮はもとより、体全体の機能減退症状がみられます。

 

主な原因

生まれつき虚弱体質、飲食の不摂生、過労、あれこれ思い悩むことが多い。

月経の特徴

周期:

遅れぎみ

血量:

少ない

色 :

淡い、薄め

質 :

さらさらしている

随伴症状

めまい、頭がくらくらする、食欲がない、食べても少ししか入らない、息切れ、便はやや軟便傾向、元気がでない、疲れやすい、話したがらない(パワー不足の為)

治療方法

エネルギーと血を増やしていく「補気養血」、「調経」の治療をしていきます。

ツボ:

脾ユ、胃ユ、中カン、気海、三陰交、足三里

漢方:

人参養栄湯

 

 

肝腎不足タイプ●

肝は血を貯蔵し、腎は先天のエネルギーを貯蔵しています。これらはお互いに協力し必要なときに変換しあいます。この2つの臓器の働きが失調すると、体を養う「血」や「先天のエネルギー」不足を生じ、無月経にいたります。

 

主な原因

生まれつき虚弱体質、長期間の過労、性交過多による腎エネルギーの損傷。

月経の特徴

周期:

遅れがち

血量:

少ない

色 :

薄い赤色

質 :

水っぽくさらさらしている

随伴症状

めまい、耳鳴り、腰が重だるく不快感があり脚に力が入らない

治療方法

肝・腎の働きを高め子宮内を滋養していく「滋養肝腎」「調経」の治療をしていきます。

ツボ:

腎ユ、肝ユ、太渓、関元、三陰交

漢方:

帰腎丸、六味地黄丸

 

2.エネルギーの流れが停滞し、栄養が子宮へ行き渡らないために発症する「血滞タイプ」です。

 

気滞血オタイプ●

「気滞」とは主に、精神的ストレスなどにより気の流れが停滞しまうことです。

「血オ」とは血の流れが停滞してしまう状態をいいます。

気と血は、体の中をいっしょに運行していますので、気滞により流れがスムーズでなくなると血の流れも影響を受け、滞ってしまうタイプです。そのため子宮を養うことが出来ず無月経となってしまうタイプです。

 

主な原因

精神的ストレス、イライラしやすく怒りっぽい、マイナス思考。

月経の特徴

周期:

早まったり、遅くなったりその時の精神状態により変わる

血量:

少なく、ぽたぽたと出る程度

色 :

紫色っぽく、赤黒い色

質 :

レバー状のかたまりが血に混じる

随伴症状

胸や脇、乳房がはって痛む、イライラしやすい、ガスやげっぷが出やすくなる、下腹部がはって痛む。

治療方法

気と血の流れを調える「理気化オ」、「調経」の治療をしていきます。

ツボ:

太衝、中極、血海、三陰交、合谷

漢方:

血府逐オ湯、桂枝ぶくりょう丸、通 導散

 

 

痰湿阻滞タイプ●

「脾」のエネルギーが足りないために、食べた物が気・血・水に変わらず、余分な水分が体内に停滞し、経絡(気の流れるルート)の運行を阻害します。

栄養分である気、血が子宮へ到達できないため、無月経となってしまうタイプです。

 

主な原因

冷たい水分・甘いもの・味の濃いもの・脂っこいもの、ビール、生ものを多く摂取する、家が湿気を帯びやすい。

月経の特徴

周期:

遅れがち

血量:

少なめ

色 :

黒っぽい赤色

質 :

レバー状のかたまりが血に混じる、粘っこい

随伴症状

白いおりものが多くでる、水太り体質、色白、体が重だるい、痰が多くでる、頭が重くめまいがする、胸や胃のあたりがもたれる、吐き気、嘔吐をもよおす、手足・目のむくみ。

治療方法

脾の働きを高めることにより痰を作らないようにする「健脾化痰」、エネルギーの流れを調え、栄養が子宮へ行くよう促す「理気調経」の治療をしていきます。

ツボ:

(鍼)足三里、中カン、豊隆、陰陵泉、三陰交

(お灸も一緒にすると効果が高まります)

漢方:

半夏白ジュツ天麻湯

 

 

寒凝血オタイプ●  

冷たいものの飲食や寒気が体に入ってくることにより、血のめぐりが滞りやすくなってしまいます。 そのため体の各器官や子宮に栄養が行きわたらず無月経となってしまうタイプです。    

 

主な原因

冷たいものや体を冷やす食べ物の食べ過ぎ、

寒冷にあたる(冷房や真冬の冷たい風)、薄着(とくに下半身)

月経の特徴

周期:

遅れがち

血量:

少なめ

色 :

黒っぽい赤色

質 :

大きなレバー状のかたまりが血に混じる

 

随伴症状

下腹部が冷えて痛む、身体が寒い、手足の冷え、温めると楽になる顔色が青白い。

 

治療方法

経脈(エネルギーの通り道)を温め寒さを散らす「温経散寒」「調経」の治療をしていきます。

ツボ:

関元、中極、三陰交、次リョウ

(お灸も一緒にすると効果が高まります)

漢方:

温経湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯

 

 

 

タイプ別にみる生活養生・食養生▼

自分のタイプ(体質)を判断できた方はこれから説明していきます、タイプに合った食養生を1つでも2つでも毎日の生活の中に取り入れ、実践してみてください。

体質が徐々に改善し体調がよくなり、症状が軽くなっていくのが実感できると思います。  

 

脾胃虚弱タイプ●  

 

【生活習慣】

消化が良く、栄養バランスの取れた食べ物を心がけましょう。

消化が弱い気虚タイプの人は、消化・吸収をよくするためにもよく噛んでゆっくり食べましょう。

スタミナが切れやすいこのタイプの人は、穀物をしっかりとり、睡眠もしっかり取るように心がけて下さい。

頭や目の使いすぎは血を消耗させてしまうので、この時期は極力長時間パソコン作業や、夜遅くまでの勉強、仕事は避けましょう。

ダイエットによる食事制限も禁物です。

 

 

【食べ物】 ~エネルギーを益す食べ物を摂りましょう~

(穀類)

うるち米、粟米、小麦製品

(豆類)

大豆や大豆製品、牛乳

(肉類)

牛肉、鶏肉、烏骨鶏

(野菜)

山芋、じゃがいも、里芋、かぼちゃ、人参

(魚類)

いか、貝柱

(果物)

なつめ、もも、さくらんぼ

(お茶)

杜仲茶、ほうじ茶、なつめ茶

 

~体を冷やす食べ物、辛い食べ物、油っこく味の濃い食べ物は胃を刺激し気を消耗させるので避けましょう~

辛い食べ物・・・

青唐辛子、ねぎ、コショウなど

冷やす食べ物・・

すいか、バナナ、イチジク、なし、苦瓜、薄荷など

 

 

 

肝腎不足タイプ●

 

【生活習慣】

消化が良く、栄養バランスの取れた食べ物を心がけましょう。

穀物をしっかり取り、睡眠もしっかり取るように心がけて下さい。

ダイエットによる食事制限は禁物です。

 

【食べ物】  ~主に腎のエネルギーを補う食べ物を多く摂りましょう~

(穀類)

うるち米、粟米、小麦製品

(豆類)

大豆や大豆製品、牛乳

(肉類)

牛肉、鶏肉、烏骨鶏

(野菜)

山芋、じゃがいも、里芋、かぼちゃ、人参

(魚類)

いか、貝柱

(果物)

栗、もも、さくらんぼ

(木の実)

くるみ、なつめ、黒ごま、クコの実

(お茶)

杜仲茶、ほうじ茶、なつめ茶

 

 

気滞血オタイプ●

 

【生活習慣】

イライラしやすく、ストレスを感じやすいこのタイプは、ヨガや気功などの呼吸法やストレッチでリラックスできる時間を作りましょう。その時、室内でアロマオイルやお香を焚くと、気持ちが静まり部屋の空気も変わるので心身ともに気分が落ち着きます。

お風呂に入る時や寝る前に、みかんやレモンの柑橘類の皮を袋に入れて香りを楽しむのもよいものです。

 

 

【食べ物】~香りの高い食べ物を摂ることにより鬱々とした気持ちを発散してくれます~

(野菜)

春菊、三つ葉、みょうが、シソの葉、パセリ、セロリ

(果物)

みかん、レモン、グレープフルーツ、きんかん、ゆず

(お茶)

ジャスミン茶、ミントティー

 

 

 

痰湿タイプ●  

 

【生活習慣】

甘いものや味付けの濃いもの、油っこい食べ物は控えましょう。

水分代謝が悪く、水太りしやすいので水分の摂りすぎには注意して下さい。  また、冷たい物(アイスやジュース)は控えめにしましょう。

運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。

梅雨の時期は湿気の影響を直に受けるので、この時期は食べ物に気をつけましょう。

 

 

【食べ物】  ~水分を排出してくれる働きのある食べ物を摂りましょう~

(穀類)

はと麦、とうもろこし、小豆、黒豆

(野菜)

冬瓜、白菜、山芋、トマト、チンゲンサイ

(魚類)

こい、ふな

(果物)

すいか、ぶどう、メロン

(お茶)

紅茶、ジャスミン茶、杜仲茶、なつめ茶

 

 

 

その他日常生活での注意点▼ 

 

1.基礎体温を毎日つけましょう。

基礎体温を測ることにより自分の体の状態(体内リズム)を目でみてわかることができます。またグラフの内容で体質別 も分かりやすくなります。    

 

2.睡眠はしっかりとりましょう。

 

3.ストレスはためないよう、運動(ヨガ、気功など)、読書、散歩などで気持ちが安らぐ空間を持ちましょう。

 

さて、お読みになって無月経にはさまざまなタイプがあり、タイプ別による治療、食養生、生活習慣が重要だということがお分りになって頂けましたでしょうか。

些細なことなのですが日常の過ごし方を少し見直してみるだけで体調が変わりはじめ、 体質改善に繋がっていきます。無理のない範囲で実践し、続けていくことが大事です。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

2022/04/27
スタッフ紹介

スタッフ

楊 博志

【出身地】 東京都

【出身校】 日本医学柔整鍼灸専門学校

【所有資格】鍼灸専門士,行動・心理カウンセラー

 

2019/02/20
緑内障

緑内障とは、眼の神経が傷つき「視野」が欠けていく病気です。

決して珍しい病気ではありません。

これといった自覚症状がないまま進行するので、視野の異常に気付いた時には、失明寸前というケースもあります。

失明してからの治療は、現代の医学では不可能といわれています。

最近なんだか視力が落ちた・・・”“なんだか眼が疲れるようになった・・・”といった、よくある眼の不調は、緑内障という眼の病気のせいかもしれません。

 

はじめに、眼の仕組みから説明していきます。

物を見るということは、物から反射した光が眼に入るところからスタートします。

光は、眼球の角膜・前房・瞳孔・水晶体・硝子体を順に通って、網膜に像を結びます。

その情報が、網膜の視神経細胞を通って脳に伝えられることで、私たちは物を見ることができるのです。

この仕組みが正常に働くには、眼球内が一定の圧力、つまり一定の“眼圧”に保たれていることが必要です。

眼圧がいつもほぼ一定なのは、水晶体の周りが「房水」という液体に満たされて、またその後ろが硝子体というゲル状の物質に満たされているからです。

重要なのは、“房水が一定量に保たれている”ということです。

その圧力のおかげで眼球が球形に保たれ、変形することもなく、物の像が結ばれて、物を見ることが出来るのです。

房水は血液の血漿とよく似た成分の透明な液体で、血液の代わりに目の中にあって、水晶体や角膜に栄養を与えています。

房水は、虹彩の裏側にある“毛様体”(後房内)でつくられ、眼の前方(前房)に流れていき、虹彩 と角膜の間の排出管(隅角)から排出され血管へと流れ出ています。

つまり房水が常に一定量流れていることで、ある程度の眼圧が保たれているのです。

ところが、房水の流れが悪くなったり、流れ出なくなったりすると、房水が眼球内に溜まって眼圧が高くなり、周りを圧迫し、硝子体も、その先の網膜も圧迫されてしまいます。

眼圧が高くなると、圧力に弱い視神経が侵され、消失してしまい、そのため視野障害が起こります。これが緑内障です。

視神経は一部でも消失すると、その分だけ視野が欠けてしまいます。

しかも消失した視神経は二度と戻りません。

 

緑内障の患者総数は、治療を受けていない潜在患者数を含めて全国で約250万~300万人と推定されています。

最近の調査では、40代以上の30人のうち1人に緑内障が見つかりました。

治療を受けていたのは、その中の約20%です。(日本緑内障学会調査)

 

では、緑内障について“現代医学”と“中医学”それぞれの捉え方を説明していきます。

 

現代医学的な捉え方≫

緑内障には、大きく分けて3つのタイプがあります。

先天緑内障・続発緑内障・原発緑内障の3つです。

先天緑内障”は、生まれつき隅角の異常があるなどの場合です。

続発緑内障”は、ケガや病気、薬剤の使用などが原因で起こります。

原発緑内障”は、ほかに原因となる病気がなく、誰にでも起きる可能性があります。

実際に患者数が多いのが原発緑内障です。そして、原発緑内障はさらに「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」とに分けられます。

 

 

開放隅角緑内障

隅角の房水の排出路にはフィルター状の部分があります。

このフィルター部分に様々な物質が溜まって目詰まりしてしまうと、房水の排出がうまく出来なくなります。なぜフィルター部分が目詰まりしてしまうのか、原因ははっきりしていませんが、老化現象のひとつであることは間違いないだろうといわれています。

いずれにしても、房水の排出がうまくいかないと、房水がたまり、眼圧が上がってしまいます。そしてやがて視神経を侵して消失させ、視野障害が起こります。

これが“開放隅角緑内障”です。開放隅角緑内障は、非常にゆっくりと進行し、また自覚症状が現れにくいために気づきにくいといえます。

 また、眼圧が正常範囲の緑内障もあります。

眼圧の正常範囲は1020mmHgです。そして21mmHg以上の高い眼圧のときには、それだけ緑内障の発生率は高くなるといえます。

しかし、眼圧が高い人すべてが緑内障になるというわけではありません。逆に、眼圧が正常範囲なのに視神経の消失や視野障害が起きている正常眼圧緑内障もあります。

眼圧がいくつだと緑内障という、数値の目安はないのです。

なぜ正常眼圧で緑内障になるかについては、視神経の強さには個人差があるからだと考えられています。

実は、日本人には正常眼圧緑内障がとても多く、開放隅角緑内障の4分の3は正常眼圧緑内障だということがわかっています。

 

 

閉塞隅角緑内障

開放隅角緑内障が房水の排出路の問題で起こるのに対して、房水の通 り道の問題で起こるのが閉塞隅角緑内障です。

毛様体で作り出された房水は、水晶体の後ろから瞳孔の方へと流れています。

その通り道である水晶体と虹彩とがくっついて「瞳孔ブロック」を起こすと房水がそこでせき止められてしまうのです。

すると、隅角の房水の排出路も虹彩で塞がれてしまい、房水が溜まって眼圧が上がり、閉塞隅角緑内障になります。

瞳孔ブロックが広い範囲で起きると、短時間で隅角が閉塞し、急激に眼圧が上がって、急性の閉塞隅角緑内障発作が起こります。

この場合には、急激な強い眼の痛みや、その他の症状が現れます。

しかし、隅角の閉塞が起こっては戻り、起こっては戻るということを繰り返す慢性の閉塞隅角緑内障もあって、その場合は開放隅角緑内障同様、症状に気づきにくいといえます。

 

 

緑内障の症状

正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障や、慢性の閉塞隅角緑内障では視神経が徐々に侵されて視野障害が起こりますが、初期の自覚症状はほとんどありません。

視神経は、視神経乳頭というところから束になって脳へとつながっています。

眼圧が高くなり視神経が侵されると、視神経の線維は徐々に消失し、視神経乳頭がへこんでしまいます。こうなると神経線維が消失した部分の情報は脳に伝わらなくなり、視野が欠けるという障害が起こります。

この変化はとてもゆっくりと起こっています。そして、神経線維は120から130万本もあるので、神経線維が消失し始めてもすぐには視野に影響が現れません。

通常、視野の異常が発見されるときは、神経線維の半分ほどが消失している段階です。

さらに、私たちは物を見るときに片方の眼の視野が欠けていても、もう一方の眼で自然にカバーしてしまい、視野が欠けているとは思わずに日常生活にも支障のないまま過ごしてしまうことが多いのです。

しかし、急性の閉塞隅角緑内障の発作の場合はすぐに気づきます。

突然の強い眼の痛みに襲われ、目の充血、かすみ等とともに強い頭痛や嘔吐までもが起こることがあります。こうした症状が起きた時には直ちに専門医の診察を受けることが必要です。

 

 

緑内障の検査

早期発見のためにできることは、定期的な検査を受けることです。

緑内障を診断し治療経過の良し悪しを判断するには、多くの検査が必要なのです。

 

(1) 眼圧検査

 

(2) 隅角検査

主に診断のために行う検査で、専用のコンタクトレンズを用いて行います。

 

(3) 眼底検査

視神経の障害の程度を判定するために行う検査です。視神経の眼球の出口(視神経乳頭)には、小さなくぼみがあり、緑内障ではこのくぼみが拡大します。健康診断などでは、よく「視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)」と判定されます。

 

(4) 視野検査

見える範囲を調べる検査です。緑内障の進行具合を判断するために、最も重要な検査です。

 

 

緑内障の治療

緑内障は、眼圧を下げることができれば、その進行を防止したり、遅らせたりすることができる可能性のある病気です。正常眼圧緑内障でさえも、眼圧をさらに下げることで病気の進行を遅らせることができる可能性があります。ただし、ひとたび障害されてしまった視神経は、残念ながら回復することはありません。また、どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もあります。しかし、早期に緑内障を発見できれば、言い換えれば、まだ視神経の障害が軽いうちに手を打つことができれば、失明に至る危険性はぐっと少なくなります。

治療方法としては、薬物療法・レーザー治療・手術がありますが、すべての緑内障に対して同じ治療効果 があるのではなく、緑内障のタイプやそれぞれの人に適した治療方針を決定してゆくことがとても重要です。

 

(1) 薬物療法

多くの緑内障では、薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬が発売されており、緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。一種類の目薬だけで効果 が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。また、眼圧を下げる飲み薬もありますが、全身の副作用が強く出ることがあり、内服できない場合もあります。

 

(2) レーザー治療

レーザー治療には主に二つの方法があります。ひとつは、虹彩(いわゆる茶目)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変えるというもので、多くの閉塞隅角緑内障がこの方法によって治療可能です。虹彩 に孔を開けるときにレーザーを使用します。

もうひとつは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。一部の開放隅角緑内障に効果 があります。レーザー治療は外来で行うことができます。

 

(3) 手術

薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われる治療です。大まかには、房水を眼外に染み出すように細工をする手術と、線維柱帯を切開して房水の排出をたやすくしてやる手術の二つがあります。緑内障の手術方法は年々改良が進み、治療成績もかなり改善されてきました。

 

 

 

中医学的な捉え方≫

中医学の病気の捉え方は、現代医学とは異なります。

その違いは、病気の原因を考える病理観や人体のしくみを考える生理観といった、根本的なところから始まります。

中医学独自の診断体系に基づいて診断を下し、それに沿った治療方法で病気にアプローチをしていきます。

現代医学とは違う角度から人体を見つめる医学なのですから、比較して“どちらが良いのか?”ということではありません。

病気を治す”という目的は同じで、そのためのアプローチ方法が違うだけなのです。

 

中医学的に健康を考えるときに重要なのは、「正気」の充実です。

正気とは、免疫力や抵抗力の源です。

正気を生み出す物質が「気・血・水」です。

気・血・水は人体を構成する基本物質で、骨や肉になると同時にエネルギー源にもなっていると考えるのです。

そして、気・血・水をつくり、その補充や代謝を行うのが「五臓六腑」です。

五臓六腑が順調に働けば、気・血・水は充実し、それによって正気も充実します。

これが健康な状態なのです。

逆に、五臓六腑が失調し、気・血・水が不足したり、あるいは代謝が悪くなった状態が病気なのです。

 

ですから、どんな病気でも気・血・水の異常に行きつくのです。

 

では、気・血・水の異常は何故おこるのでしょうか。

病気の原因を「病因」といいます。病因には、体の外からの病因「外感」と、体の内に原因がある「内傷」の二つ大別 されます。

さらに、「外感」には“六淫(りくいん)”といわれる気候の異常(風邪・暑邪・火邪(熱邪)・湿邪・燥邪・寒邪)のほか、“外傷”“寄生虫”“疫痢”があります。

「内傷」には、“七情(精神的病因)”“飲食不調(食事による病因)”“労逸(過労や休みすぎ)”“血・水の代謝異常(体内異常物質が病因)”があります。

 

どういった病因によって、気・血・水の何がどのようにバランスを崩しているのかを見極めることを、“弁証”といいます。

弁証の結果から、治療方法を決めることを“論治”といいます。

中医学では、この“弁証論治”に基づいて治療が行われます。

一般に、未知な病気に対しては対応策をとることは困難ですが、病気の原因(病因)やメカニズムが分析できれば、中医学ではそれに対する何らかの対応策をとってゆくことができます。

 

それでは“緑内障”についての弁証を考えていきたいと思います。

緑内障は、視神経が障害をうけて、視力が低下、悪化すると失明に至る病気です。

中医学には、“緑内障”という弁証はありません。

弁証では、“脾胃虚弱・肝気鬱結・肝腎陰虚”があります。

各弁証を説明する前に、関わる臓腑“肝・脾・腎”の働きから説明します。

 

 

肝の主な働き≫

肝は疏泄を主ります。具体的には、全身の気機(気の昇降出入の運動)を調整し、それによって血・水の運行や、脾胃の運化作用を促進し、情志(感情)を調整するといった作用があります。

肝の疏泄機能が正常であれば、気機はスムーズにゆき、気血が調和し、経絡は滞らず、臓腑・器官も正常に活動します。

しかし、この機能が失調すると、気・血・水の輸送・代謝に異常がおこり、血行障害や病理産物を形成し、経絡が渋滞し、臓腑・器官の活動に影響がでます。

肝の経脈は上って目系に連絡しています。

そして、視力は肝血の滋養に依存しています。このことから、肝は目に開竅するといわれています。

また、五臓六腑の精気はすべて目に上注するため、目と五臓六腑は内在的に連携しています。肝の機能が正常であるか否かは、しばしば目に反映されます。

 

 

脾の主な働き≫

脾は運化を主ります。運化とは、水穀(飲食物)を精微(栄養素)と化し、全身に輸布する機能のことです。脾の運化機能とは“水穀の運化”と“水液の運化”の二つからなります。

水穀の運化”とは、飲食物の消化・吸収作用のことです。この機能が正常であれば、臓腑・経絡・筋肉・骨髄などに必要な栄養が届き、正常な生理活動が営むことができます。

しかし、運化機能が失調すると食欲不振となり、倦怠感、消痩(やせやつれる)や、気血生化不足などの病変がおこります。

水液の運化”とは、水液の吸収・輸布の作用のことです。水湿の運化ともいわれています。

吸収された水穀の精微に含まれる余った水分はこの作用により、肺と腎に送られ、肺と腎の気化作用により汗・尿となり体外に排泄されます。

この働きが正常であれば、水液は体内に異常に停滞することはなく、湿・痰・飲などの病理産物も生じません。

しかし、脾の水液運化の機能が失調すると水液が体内に停滞し、湿・痰・飲などの病理産物が生じ、また水腫となることもあります。

病理産物が経絡の流れを滞らせると、必要な栄養素が行き渡らず、また痛みを発生させます。

 

 

腎の主な働き≫

腎の機能は、精気(人体の各種機能を支える基本物質)を貯蔵し、発育・成長、生殖を主ること、また水液代謝や呼吸(深い呼吸=納気)作用を管理することです。

腎中の精気は生命活動の基本で、腎陰と腎陽は各臓の陰陽の根本です。

腎陰は人体における陰液(血・水)の根源であらゆる臓腑・器官を潤し、滋養する作用を有しています。また、腎陽は人体における陽気の根源で臓腑・器官を温煦し、推動する作用があります。

これらが衰えると、老化現象が加速され、耳鳴り、難聴、健忘症などの症状や、生殖能力の減退、浮腫などの症状があらわれます。

 

それでは、各弁証の説明をしていきます。

 

 

脾胃虚弱タイプ

過労や思慮過多、慢性疾患などにより、脾気を消耗し運化機能が失われることにより、水穀と水液の代謝障害を引き起こします。

水穀の精微が化生できなくなれば、気血の生成が低下し、気血不足を引き起こします。

また、脾の機能が低下すると、体内に水液が停滞し病理産物である湿が発生します。

これを“内湿”といいます。内湿が停滞すると、そこに“熱”が発生し、経絡の流れが滞っていきます。

このように、気血不足、湿の発生による経絡の阻滞が起こると目(全身)を滋養できなくなります。

その他、食欲不振、下痢、水腫、倦怠疲労、無気力などの症状があらわれます。

 

(治療方法)益気健脾・・・脾の気を充実させ運化機能を整える治療です

 

 

肝気鬱結タイプ

肝の疏泄作用は精神的な要素、ストレスが加わることにより失調します。気機が鬱滞した状態を“気滞”といい、気滞が生じた部分には膨満感と疼痛がおこります。

湿と同様に、気滞がおこると“熱”が発生します。これを肝火といいます。

肝火は経絡の阻滞をおこし、上部に上炎して頭顔面部に症状を引き起こします。

目の充血・腫脹・疼痛、頭痛、顔面紅潮、突発性難聴、耳鳴り、イライラ感、怒りっぽい、不眠などの症状があらわれます。

(治療方法)

疏肝理気解鬱・・・

鬱滞した肝気の流れを改善する治療です

 

瀉肝清火・・・・・

肝火を取り除いて、燃え上がる炎を鎮める治療です

 

 

肝腎陰虚タイプ

肝血が腎を養うことによって精を生成し、腎精が肝を滋養して血を生成します。

ストレス・疲労の長期化・慢性病などによって、両者のバランスが失調すると、内熱が出現して、肝気の疏泄や腎の蔵精機能を減退させます。

肝血と腎精(精血)は同源であるため、肝腎は同時に陰虚が現れやすく、一方が衰えるともう一方が同じように衰える性質があります。

肝の陰液(血・水)が不足すると、目を滋養できなくなります。

腎陰が不足すると、肝の陽を制御できなくなり肝陽上亢を引き起こします。

頭部や目の脹痛、目の充血、顔面紅潮、眩暈、耳鳴り、イライラ感、怒りっぽい、不眠、多夢、腰や膝のだるさなどの症状があらわれます。

 

(治療方法)滋養肝腎・・・肝腎の精血を滋養して内熱を冷ます治療です

 

 

上記の3つのタイプに分類して説明しましたが、大きな原因は目を巡る経絡の流れが滞り、視神経が栄養・滋潤されないことであると考え治療を行います。

 

 

本日の内容は如何でしたか?

一般に鍼灸治療は、痛み・凝り・自律神経失調症などの適応は知られております。

しかし、中医鍼灸を行って居る場合、眼科系の疾患などでも治療効果 を発揮することが出来ます。

眼科疾患でお悩みの方、一度経験豊かな鍼灸の先生の治療を試みるのも良いかも知れません。

本日の内容が、眼科疾患・特に緑内障でお悩みの方の参考になれば幸いかと存じます。

2022/04/27
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