コラム

2019/02/20
緑内障

緑内障とは、眼の神経が傷つき「視野」が欠けていく病気です。

決して珍しい病気ではありません。

これといった自覚症状がないまま進行するので、視野の異常に気付いた時には、失明寸前というケースもあります。

失明してからの治療は、現代の医学では不可能といわれています。

最近なんだか視力が落ちた・・・”“なんだか眼が疲れるようになった・・・”といった、よくある眼の不調は、緑内障という眼の病気のせいかもしれません。

 

はじめに、眼の仕組みから説明していきます。

物を見るということは、物から反射した光が眼に入るところからスタートします。

光は、眼球の角膜・前房・瞳孔・水晶体・硝子体を順に通って、網膜に像を結びます。

その情報が、網膜の視神経細胞を通って脳に伝えられることで、私たちは物を見ることができるのです。

この仕組みが正常に働くには、眼球内が一定の圧力、つまり一定の“眼圧”に保たれていることが必要です。

眼圧がいつもほぼ一定なのは、水晶体の周りが「房水」という液体に満たされて、またその後ろが硝子体というゲル状の物質に満たされているからです。

重要なのは、“房水が一定量に保たれている”ということです。

その圧力のおかげで眼球が球形に保たれ、変形することもなく、物の像が結ばれて、物を見ることが出来るのです。

房水は血液の血漿とよく似た成分の透明な液体で、血液の代わりに目の中にあって、水晶体や角膜に栄養を与えています。

房水は、虹彩の裏側にある“毛様体”(後房内)でつくられ、眼の前方(前房)に流れていき、虹彩 と角膜の間の排出管(隅角)から排出され血管へと流れ出ています。

つまり房水が常に一定量流れていることで、ある程度の眼圧が保たれているのです。

ところが、房水の流れが悪くなったり、流れ出なくなったりすると、房水が眼球内に溜まって眼圧が高くなり、周りを圧迫し、硝子体も、その先の網膜も圧迫されてしまいます。

眼圧が高くなると、圧力に弱い視神経が侵され、消失してしまい、そのため視野障害が起こります。これが緑内障です。

視神経は一部でも消失すると、その分だけ視野が欠けてしまいます。

しかも消失した視神経は二度と戻りません。

 

緑内障の患者総数は、治療を受けていない潜在患者数を含めて全国で約250万~300万人と推定されています。

最近の調査では、40代以上の30人のうち1人に緑内障が見つかりました。

治療を受けていたのは、その中の約20%です。(日本緑内障学会調査)

 

では、緑内障について“現代医学”と“中医学”それぞれの捉え方を説明していきます。

 

現代医学的な捉え方≫

緑内障には、大きく分けて3つのタイプがあります。

先天緑内障・続発緑内障・原発緑内障の3つです。

先天緑内障”は、生まれつき隅角の異常があるなどの場合です。

続発緑内障”は、ケガや病気、薬剤の使用などが原因で起こります。

原発緑内障”は、ほかに原因となる病気がなく、誰にでも起きる可能性があります。

実際に患者数が多いのが原発緑内障です。そして、原発緑内障はさらに「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」とに分けられます。

 

 

開放隅角緑内障

隅角の房水の排出路にはフィルター状の部分があります。

このフィルター部分に様々な物質が溜まって目詰まりしてしまうと、房水の排出がうまく出来なくなります。なぜフィルター部分が目詰まりしてしまうのか、原因ははっきりしていませんが、老化現象のひとつであることは間違いないだろうといわれています。

いずれにしても、房水の排出がうまくいかないと、房水がたまり、眼圧が上がってしまいます。そしてやがて視神経を侵して消失させ、視野障害が起こります。

これが“開放隅角緑内障”です。開放隅角緑内障は、非常にゆっくりと進行し、また自覚症状が現れにくいために気づきにくいといえます。

 また、眼圧が正常範囲の緑内障もあります。

眼圧の正常範囲は1020mmHgです。そして21mmHg以上の高い眼圧のときには、それだけ緑内障の発生率は高くなるといえます。

しかし、眼圧が高い人すべてが緑内障になるというわけではありません。逆に、眼圧が正常範囲なのに視神経の消失や視野障害が起きている正常眼圧緑内障もあります。

眼圧がいくつだと緑内障という、数値の目安はないのです。

なぜ正常眼圧で緑内障になるかについては、視神経の強さには個人差があるからだと考えられています。

実は、日本人には正常眼圧緑内障がとても多く、開放隅角緑内障の4分の3は正常眼圧緑内障だということがわかっています。

 

 

閉塞隅角緑内障

開放隅角緑内障が房水の排出路の問題で起こるのに対して、房水の通 り道の問題で起こるのが閉塞隅角緑内障です。

毛様体で作り出された房水は、水晶体の後ろから瞳孔の方へと流れています。

その通り道である水晶体と虹彩とがくっついて「瞳孔ブロック」を起こすと房水がそこでせき止められてしまうのです。

すると、隅角の房水の排出路も虹彩で塞がれてしまい、房水が溜まって眼圧が上がり、閉塞隅角緑内障になります。

瞳孔ブロックが広い範囲で起きると、短時間で隅角が閉塞し、急激に眼圧が上がって、急性の閉塞隅角緑内障発作が起こります。

この場合には、急激な強い眼の痛みや、その他の症状が現れます。

しかし、隅角の閉塞が起こっては戻り、起こっては戻るということを繰り返す慢性の閉塞隅角緑内障もあって、その場合は開放隅角緑内障同様、症状に気づきにくいといえます。

 

 

緑内障の症状

正常眼圧緑内障を含む開放隅角緑内障や、慢性の閉塞隅角緑内障では視神経が徐々に侵されて視野障害が起こりますが、初期の自覚症状はほとんどありません。

視神経は、視神経乳頭というところから束になって脳へとつながっています。

眼圧が高くなり視神経が侵されると、視神経の線維は徐々に消失し、視神経乳頭がへこんでしまいます。こうなると神経線維が消失した部分の情報は脳に伝わらなくなり、視野が欠けるという障害が起こります。

この変化はとてもゆっくりと起こっています。そして、神経線維は120から130万本もあるので、神経線維が消失し始めてもすぐには視野に影響が現れません。

通常、視野の異常が発見されるときは、神経線維の半分ほどが消失している段階です。

さらに、私たちは物を見るときに片方の眼の視野が欠けていても、もう一方の眼で自然にカバーしてしまい、視野が欠けているとは思わずに日常生活にも支障のないまま過ごしてしまうことが多いのです。

しかし、急性の閉塞隅角緑内障の発作の場合はすぐに気づきます。

突然の強い眼の痛みに襲われ、目の充血、かすみ等とともに強い頭痛や嘔吐までもが起こることがあります。こうした症状が起きた時には直ちに専門医の診察を受けることが必要です。

 

 

緑内障の検査

早期発見のためにできることは、定期的な検査を受けることです。

緑内障を診断し治療経過の良し悪しを判断するには、多くの検査が必要なのです。

 

(1) 眼圧検査

 

(2) 隅角検査

主に診断のために行う検査で、専用のコンタクトレンズを用いて行います。

 

(3) 眼底検査

視神経の障害の程度を判定するために行う検査です。視神経の眼球の出口(視神経乳頭)には、小さなくぼみがあり、緑内障ではこのくぼみが拡大します。健康診断などでは、よく「視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)」と判定されます。

 

(4) 視野検査

見える範囲を調べる検査です。緑内障の進行具合を判断するために、最も重要な検査です。

 

 

緑内障の治療

緑内障は、眼圧を下げることができれば、その進行を防止したり、遅らせたりすることができる可能性のある病気です。正常眼圧緑内障でさえも、眼圧をさらに下げることで病気の進行を遅らせることができる可能性があります。ただし、ひとたび障害されてしまった視神経は、残念ながら回復することはありません。また、どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もあります。しかし、早期に緑内障を発見できれば、言い換えれば、まだ視神経の障害が軽いうちに手を打つことができれば、失明に至る危険性はぐっと少なくなります。

治療方法としては、薬物療法・レーザー治療・手術がありますが、すべての緑内障に対して同じ治療効果 があるのではなく、緑内障のタイプやそれぞれの人に適した治療方針を決定してゆくことがとても重要です。

 

(1) 薬物療法

多くの緑内障では、薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬が発売されており、緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。一種類の目薬だけで効果 が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。また、眼圧を下げる飲み薬もありますが、全身の副作用が強く出ることがあり、内服できない場合もあります。

 

(2) レーザー治療

レーザー治療には主に二つの方法があります。ひとつは、虹彩(いわゆる茶目)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変えるというもので、多くの閉塞隅角緑内障がこの方法によって治療可能です。虹彩 に孔を開けるときにレーザーを使用します。

もうひとつは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。一部の開放隅角緑内障に効果 があります。レーザー治療は外来で行うことができます。

 

(3) 手術

薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われる治療です。大まかには、房水を眼外に染み出すように細工をする手術と、線維柱帯を切開して房水の排出をたやすくしてやる手術の二つがあります。緑内障の手術方法は年々改良が進み、治療成績もかなり改善されてきました。

 

 

 

中医学的な捉え方≫

中医学の病気の捉え方は、現代医学とは異なります。

その違いは、病気の原因を考える病理観や人体のしくみを考える生理観といった、根本的なところから始まります。

中医学独自の診断体系に基づいて診断を下し、それに沿った治療方法で病気にアプローチをしていきます。

現代医学とは違う角度から人体を見つめる医学なのですから、比較して“どちらが良いのか?”ということではありません。

病気を治す”という目的は同じで、そのためのアプローチ方法が違うだけなのです。

 

中医学的に健康を考えるときに重要なのは、「正気」の充実です。

正気とは、免疫力や抵抗力の源です。

正気を生み出す物質が「気・血・水」です。

気・血・水は人体を構成する基本物質で、骨や肉になると同時にエネルギー源にもなっていると考えるのです。

そして、気・血・水をつくり、その補充や代謝を行うのが「五臓六腑」です。

五臓六腑が順調に働けば、気・血・水は充実し、それによって正気も充実します。

これが健康な状態なのです。

逆に、五臓六腑が失調し、気・血・水が不足したり、あるいは代謝が悪くなった状態が病気なのです。

 

ですから、どんな病気でも気・血・水の異常に行きつくのです。

 

では、気・血・水の異常は何故おこるのでしょうか。

病気の原因を「病因」といいます。病因には、体の外からの病因「外感」と、体の内に原因がある「内傷」の二つ大別 されます。

さらに、「外感」には“六淫(りくいん)”といわれる気候の異常(風邪・暑邪・火邪(熱邪)・湿邪・燥邪・寒邪)のほか、“外傷”“寄生虫”“疫痢”があります。

「内傷」には、“七情(精神的病因)”“飲食不調(食事による病因)”“労逸(過労や休みすぎ)”“血・水の代謝異常(体内異常物質が病因)”があります。

 

どういった病因によって、気・血・水の何がどのようにバランスを崩しているのかを見極めることを、“弁証”といいます。

弁証の結果から、治療方法を決めることを“論治”といいます。

中医学では、この“弁証論治”に基づいて治療が行われます。

一般に、未知な病気に対しては対応策をとることは困難ですが、病気の原因(病因)やメカニズムが分析できれば、中医学ではそれに対する何らかの対応策をとってゆくことができます。

 

それでは“緑内障”についての弁証を考えていきたいと思います。

緑内障は、視神経が障害をうけて、視力が低下、悪化すると失明に至る病気です。

中医学には、“緑内障”という弁証はありません。

弁証では、“脾胃虚弱・肝気鬱結・肝腎陰虚”があります。

各弁証を説明する前に、関わる臓腑“肝・脾・腎”の働きから説明します。

 

 

肝の主な働き≫

肝は疏泄を主ります。具体的には、全身の気機(気の昇降出入の運動)を調整し、それによって血・水の運行や、脾胃の運化作用を促進し、情志(感情)を調整するといった作用があります。

肝の疏泄機能が正常であれば、気機はスムーズにゆき、気血が調和し、経絡は滞らず、臓腑・器官も正常に活動します。

しかし、この機能が失調すると、気・血・水の輸送・代謝に異常がおこり、血行障害や病理産物を形成し、経絡が渋滞し、臓腑・器官の活動に影響がでます。

肝の経脈は上って目系に連絡しています。

そして、視力は肝血の滋養に依存しています。このことから、肝は目に開竅するといわれています。

また、五臓六腑の精気はすべて目に上注するため、目と五臓六腑は内在的に連携しています。肝の機能が正常であるか否かは、しばしば目に反映されます。

 

 

脾の主な働き≫

脾は運化を主ります。運化とは、水穀(飲食物)を精微(栄養素)と化し、全身に輸布する機能のことです。脾の運化機能とは“水穀の運化”と“水液の運化”の二つからなります。

水穀の運化”とは、飲食物の消化・吸収作用のことです。この機能が正常であれば、臓腑・経絡・筋肉・骨髄などに必要な栄養が届き、正常な生理活動が営むことができます。

しかし、運化機能が失調すると食欲不振となり、倦怠感、消痩(やせやつれる)や、気血生化不足などの病変がおこります。

水液の運化”とは、水液の吸収・輸布の作用のことです。水湿の運化ともいわれています。

吸収された水穀の精微に含まれる余った水分はこの作用により、肺と腎に送られ、肺と腎の気化作用により汗・尿となり体外に排泄されます。

この働きが正常であれば、水液は体内に異常に停滞することはなく、湿・痰・飲などの病理産物も生じません。

しかし、脾の水液運化の機能が失調すると水液が体内に停滞し、湿・痰・飲などの病理産物が生じ、また水腫となることもあります。

病理産物が経絡の流れを滞らせると、必要な栄養素が行き渡らず、また痛みを発生させます。

 

 

腎の主な働き≫

腎の機能は、精気(人体の各種機能を支える基本物質)を貯蔵し、発育・成長、生殖を主ること、また水液代謝や呼吸(深い呼吸=納気)作用を管理することです。

腎中の精気は生命活動の基本で、腎陰と腎陽は各臓の陰陽の根本です。

腎陰は人体における陰液(血・水)の根源であらゆる臓腑・器官を潤し、滋養する作用を有しています。また、腎陽は人体における陽気の根源で臓腑・器官を温煦し、推動する作用があります。

これらが衰えると、老化現象が加速され、耳鳴り、難聴、健忘症などの症状や、生殖能力の減退、浮腫などの症状があらわれます。

 

それでは、各弁証の説明をしていきます。

 

 

脾胃虚弱タイプ

過労や思慮過多、慢性疾患などにより、脾気を消耗し運化機能が失われることにより、水穀と水液の代謝障害を引き起こします。

水穀の精微が化生できなくなれば、気血の生成が低下し、気血不足を引き起こします。

また、脾の機能が低下すると、体内に水液が停滞し病理産物である湿が発生します。

これを“内湿”といいます。内湿が停滞すると、そこに“熱”が発生し、経絡の流れが滞っていきます。

このように、気血不足、湿の発生による経絡の阻滞が起こると目(全身)を滋養できなくなります。

その他、食欲不振、下痢、水腫、倦怠疲労、無気力などの症状があらわれます。

 

(治療方法)益気健脾・・・脾の気を充実させ運化機能を整える治療です

 

 

肝気鬱結タイプ

肝の疏泄作用は精神的な要素、ストレスが加わることにより失調します。気機が鬱滞した状態を“気滞”といい、気滞が生じた部分には膨満感と疼痛がおこります。

湿と同様に、気滞がおこると“熱”が発生します。これを肝火といいます。

肝火は経絡の阻滞をおこし、上部に上炎して頭顔面部に症状を引き起こします。

目の充血・腫脹・疼痛、頭痛、顔面紅潮、突発性難聴、耳鳴り、イライラ感、怒りっぽい、不眠などの症状があらわれます。

(治療方法)

疏肝理気解鬱・・・

鬱滞した肝気の流れを改善する治療です

 

瀉肝清火・・・・・

肝火を取り除いて、燃え上がる炎を鎮める治療です

 

 

肝腎陰虚タイプ

肝血が腎を養うことによって精を生成し、腎精が肝を滋養して血を生成します。

ストレス・疲労の長期化・慢性病などによって、両者のバランスが失調すると、内熱が出現して、肝気の疏泄や腎の蔵精機能を減退させます。

肝血と腎精(精血)は同源であるため、肝腎は同時に陰虚が現れやすく、一方が衰えるともう一方が同じように衰える性質があります。

肝の陰液(血・水)が不足すると、目を滋養できなくなります。

腎陰が不足すると、肝の陽を制御できなくなり肝陽上亢を引き起こします。

頭部や目の脹痛、目の充血、顔面紅潮、眩暈、耳鳴り、イライラ感、怒りっぽい、不眠、多夢、腰や膝のだるさなどの症状があらわれます。

 

(治療方法)滋養肝腎・・・肝腎の精血を滋養して内熱を冷ます治療です

 

 

上記の3つのタイプに分類して説明しましたが、大きな原因は目を巡る経絡の流れが滞り、視神経が栄養・滋潤されないことであると考え治療を行います。

 

 

本日の内容は如何でしたか?

一般に鍼灸治療は、痛み・凝り・自律神経失調症などの適応は知られております。

しかし、中医鍼灸を行って居る場合、眼科系の疾患などでも治療効果 を発揮することが出来ます。

眼科疾患でお悩みの方、一度経験豊かな鍼灸の先生の治療を試みるのも良いかも知れません。

本日の内容が、眼科疾患・特に緑内障でお悩みの方の参考になれば幸いかと存じます。

2022/04/27
スタッフ紹介

その他

研修生 在籍中。

2019/02/20
冷え性

女性の半数は冷えに悩んでいると言われています。

「手足が冷たい、夜、布団に入っても足が温まらない、冷房にあたると体調を崩す、手足は冷えているのに顔はのぼせる」という声をよく耳にします。

現代医学で冷えは、症状のひとつにすぎないとされ、指導と対策は軽視されがちです。

一方東洋医学では‘冷えは万病のもと’と言われるほどでさまざまな病気の原因になると考えられています。

よくみられる肩こり、頭痛、便秘、下痢、腰痛をはじめ、月経痛、月経不順、不妊症などを引き起こす原因となるのです。

 

 

中医学的冷え症の考え方▼

中医学では、冷え症を招く要因として身体上の病気因子と環境因子、食生活や嗜好因子、ストレス、年齢・体質及び性差などが考えられます。

身体上の因子とは・・

気虚(パワー不足:疲れやすい、やる気がでないなど)

 

気滞(エネルギーが滞り、スムーズに流れない)

 

血虚(血不足のため各器官、手足などを栄養できない)

 

お血(血が滞り一定の場所で停滞してしまう)

 

水滞(体内で余分な水分が停滞してしまう)

これらの因子によって体を温める働きが低下してしまいます。

自分がどの因子にあてはまるか詳しく知りたい方は、当ホームページの「身体健康チェックの‘健康check’」を参照してください。

 

環境因子とは・・季節、天候、生活環境

食べ物・嗜好因子とは・・冷やす食べものの多食、たばこ、飲酒

 

 

中医学的からだのしくみ▼

~「気」「血」「水」とは~

体全体の活動源である「気」、体内の各組織に栄養を与える「血」、血液以外の体液で体を潤してくれる「水」、これらの3つが体内に十分な量 で、スムーズに流れていることにより、体の正常な状態が保たれます。もし、これらのひとつでも流れが停滞してしまったり、不足してしまったりするとからだに変調をきたし、 様々な症状がでてきます。さらにこの状態を放置し、慢性化してしまうとお互い(気・血・水)に影響が及び症状が悪化してきてしまうのです。

 

~臓腑の働きとは~

「気・血・水」を作り出し、蓄え、排泄するといった一連の働きを担っているのがこの臓腑です。西洋医学的な働き以外に中医学では「気・血・水」が深く関わってきます。ですので、西洋医学と全く同じ役割分担ではありません。ゆえに違う診たてができるのです。この点をまず理解してください。

中医学的にみた婦人科疾患で重要な臓腑の働きは下記のようになります。

 

・「肝」

1.全身の気の流れをスムーズにし、各器官の働きを助けます。

伸びやかな状態を好むため、精神的ストレスなどを受けると働きが低下し、他の器官の働きに悪影響を与えます。

この状態を「気滞」(気の流れがとどこおる)といいます。

 

2.全身の血液量をコントロールし、蓄える働きがあります。

ですので、肝の働きが弱まってしまうと血液を蓄えることが出来なくなるため(肝が支配している器官である)目のかすみ、爪が割れやすくなる、 手足がしびれる、筋けいれんが起こりやすくなったりします。

 

・「脾」

1.食べたものをエネルギー(気・血・水を主に作り出す)に変え、体全体の機能を活発にします(運化作用)。  

働きが弱まってしまうと、うまくエネルギーを生み出せないために疲れやすいなど全身の機能(臓器など)が低下してしまいます。

 

2.エネルギーを上に持ち上げる働きがあります(昇提作用)。

働きが低下すると、いいエネルギーが上にいかないために、めまい、たちくらみが起こり、さらに悪化すると子宮下垂、胃下垂、脱肛、など内臓の下垂が見られます。

 

3.血を脈外に漏らさないようにする働きがあります(固摂作用)。  

働きが低下すると、不正出血、月経が早まる、青あざが出来やすくなったりします。

 

 

・「腎」・・生命力の源、生殖器・発育・成長関係と深く関わります。

「腎」には父母から受け継いだ先天の気が蓄えられています。

このエネルギーが少なく、足りなかったりすると、成長が遅い(初潮が遅い)、免疫力が弱い、小柄などの状態があらわれます。

女性では、月経不順や不妊症、閉経などの原因になります。

「腎」のエネルギー(先天の気)は、「脾」から作り出すエネルギー(後天の気)により補充されます。

 

 

 

中医学的冷え症のタイプと治療法▼

それぞれのタイプの原因は主に、冷たいもの、冷たい飲料(ビール)、生もの(刺身、おすしなど)の食べ過ぎなどと似ていますが、 人により症状の現れる場所や見られる症状が違いますので気をつけて見てみてください。

 

 

外寒犯胃タイプ●

冷たいもの、生ものの過食、精神的ストレスなどにより、胃の陽気が損傷されて生じるタイプです。

 

主な原因    

冷たいもの、生ものを多く摂取したとき、クーラーや寒冷にあたってしまい胃を冷やしてしまったとき

 

随伴症状   

胃のあたりの冷えと痛み(特に空腹時)があり、軽いときはシクシクと痛み、重いときは激痛、寒冷によって悪化し、温めると楽になる。

少し飲食すると楽になるが冷たいものを食べ過ぎると吐き気を催す、つばやよだれが多い、げっぷ、酸っぱい胃液が上がる、寒がる、胃のあたりがぽちゃぽちゃと音がする、手足が冷える。

 

治療方法   

脾・胃を温め、寒さを散らす「温中散寒」の治療をしていきます。     

ツボ:大椎、胃ユ、上カン、中カン、梁丘、足三里、神ケツにお灸     

漢方:小建中湯、厚朴温中湯、安中散     

 

 

脾陽虚タイプ●

冷たい食べ物、生ものの食べ過ぎによって「脾・胃」が冷えてしまい働きが弱まってしまうタイプです。現代医学的には消化機能減退、循環障害などが考えられます。

 

主な原因   

冷たいもの、生ものを多く摂取するなど

 

随伴症状   

お腹がはる、お腹が冷えると痛くなり、温めたり押さえると楽になる、手足の冷え、便が軟らかい、不消化性の下痢、寒がる、 尿は透明でうすく、量が多い、ふくらはぎがむくみやすい、疲れやすい、女性は水様の白いおりものがたくさんみられる。

 

治療方法  

脾を温め、働きを高める「健脾温陽」、寒さを散らす「散寒」の治療をしていきます。    

ツボ:脾ユ、足三里、陰陵泉、三陰交、章門、神ケツにはお灸    

漢方:附子理中湯、真武湯、人参湯

 

 

腎陽虚タイプ●

腎陽は全身の陽気(体を温める力)の源です。体を温め、生殖発育を促進する働きがあります。腎陽の働きが弱まると温める作用が失われてしまいます。

先天的に腎のエネルギーが弱いか、冷たいものの過食などから体の陽気を損なってしまうタイプです。

 

主な原因   

生まれつき体質が虚弱体質、長期間の過労、性交過多による腎エネルギーの損傷

 

随伴症状   

腰の周囲が冷え、時に重だるさや痛みを伴う、下腹部が冷える、手足が冷える、尿が希薄で量 が多い、 明け方に下痢、精神、気力が振るわない、性欲低下、女性では不妊症の原因にもなります。(詳しくは「不妊症について」を参照してください)

 

治療方法   

体を温め、活動力を増す「温補腎陽」の治療をしていきます。     

ツボ:大椎、命門、関元にお灸、腎ユ、太ケイ     

漢方:八味地黄丸、右帰飲

 

 

寒滞肝脈タイプ●

「肝」エネルギーは、足の親指の先端からはじまり、脚の内側、陰部を通 り下腹部、胸のあたりまで流れています。

この流れに沿った部位に、寒気が入ると、気血の流れが滞り冷えや痛みを引き起こすタイプです。

現代医学的には寒冷による血管収縮、筋肉の緊張、平滑筋のけいれんなどが考えられます。

そけいヘルニア、陰嚢水腫、腸管癒着などでみられます。

 

主な原因   

寒冷、薄着(特に下半身)、冷たいものの摂りすぎ

 

随伴症状  

冷えると下腹部が痛み、温めると楽になる、男性の場合は冷えによる痛みが睾丸に放散する、 陰嚢の収縮、または腫大、女性の場合は生理前の下腹部の冷え、痛み、温めると楽になる。

 

治療方法   

肝気の流れる通り道を温め寒さを散らす「暖肝散寒」の治療をしていきます。

ツボ:大椎、肝ユ、期門、関元、中極

漢方:暖肝煎、天台烏薬散

 

 

寒滞経脈タイプ●  

先の「寒滞肝脈タイプ」は主に肝気の流れと深く関わり、このタイプは外傷を受けた部位 に(特に関節周囲部でみられます)寒気が入り気血の流れが滞ってしまうタイプです。よく「古傷が痛む」という言葉を耳にしまが、痛みを引き起こす原因は主に冷えから来ているものと考えられます。   

リウマチの安静期、坐骨神経痛の慢性期、捻挫・骨折の後遺症などにみられます。

 

主な原因  

外傷

 

主な症状  

関節またはその周囲の筋肉や腱の冷え、痛み、手足末端の冷え、重症の場合は局所のしびれ、知覚、感覚が鈍くなる。

 

治療方法

寒さをとり、エネルギーのルートを温め、流れを良くしていく「散寒」「温経通 絡」の治療をしていきます。    

ツボ:大椎、大ジョ、懸鐘、陽稜泉、足三里、痛む部位の周囲    

漢方:四逆湯、温経湯、小柴胡湯

 

 

 

タイプ別にみる生活養生・食養生▼

私が臨床実習の勉強のため上海へ行ったときに、病院で出会った患者Aさんのお話をしたいと思います。

その方は50歳代前半の女性でとても手足が細く長く、モデル体型をしていました。訴えていた症状は、腰痛と膝の痛みでした。

私は膝の治療を受けていたAさんの脚をみてきれいな脚をしているなと思い、「モデルさんのような脚ですね。」と言いました。そうしましたらAさんは笑いながら、 「30歳代までほとんど毎日、冬でもミニスカートをはいていたのよ。そうしたら今になって急に腰や膝が痛みはじめたの。何か外傷を受けたわけでもないのに。 若いころ冷やし過ぎたのね。」と言っていました。       

このお話の例から私は、季節に応じて体を温かくしなければ体内の陽気は寒気におかされそれが成人後の冷え、腰痛、関節症など病気の原因につながることを学びました。

食生活においては、冷たいジュース、生ビール、冷水、冷茶、果物、刺身、冷たいサラダなどの冷飲冷食が多く売られ食べられています。確かに喉ごしがよくついついたくさん食べてしまいがちです。

しかしこのような食べ物を季節を問わず頻繁に食べ続けてしまうと冷え症を招くばかりでなく、さまざまな病気の原因を生み出し、胃腸病の発生率を高くする要因の一つになります。  

 

これから説明していきます、養生法を1つでも2つでも毎日の生活の中に取り入れ実践してみてください。

体質が除々に改善し体調がよくなり、症状が軽くなっていくのが実感できると思います。

 

 

【生活習慣】

夏、冷房が強く寒さを感じる場合は腹巻をしたりレッグウォーマーをはき下半身は冷やさないようにしましょう。冬は暖かい服装をし体の温まる食べ物を摂取しましょう。

入浴時はぬるめのお風呂にゆっくり入り体のしんまで温めるようにしましょう。40℃のお湯に1015分つかると温まります。

冷えやすい下半身は下腹部や腰部にカイロをはって、しっかり温めましょう。

体を温める食べ物を摂るようにしましょう。

女性は普段よりいっそう体が冷えやすい生理中は、体を冷やさないよう充分気をつけましょう。

 

【食べ物】   

~体を温め、活動力を増す作用のある食べ物を摂りましょう~

(穀類)

もち米

(肉類)

羊肉、鶏肉、牛肉

(魚介類)

えび、なまこ、あなご、いわし

(野菜)

にら、ねぎ、ししとう、かぼちゃ、しょうが、にんにく、らっきょう

(木の実)

栗、くるみ、なつめ

(香辛料)

こしょう、さんしょう、八角、酒、シナモン、黒砂糖

(お茶)

杜仲茶、ジンジャーティー黒砂糖入り、よもぎ茶

 

~体を冷やす性質のある食べ物は極力避けましょう~

(野菜)

きゅうり、トマト、冬瓜、苦瓜、レタス、なす、ごぼう、大根

(果物)

すいか、なし、バナナ、柿、レモン

(豆類)

豆腐、豆乳、緑豆

(お茶)

緑茶、ウーロン茶、菊花茶、薄荷(ミント)茶

 

 

中医学を導入している鍼灸院は、それほど多くはございません。

ですので、 中医学的な治療を受けたいとお考えの方はお気軽に当院までご相談下さい。鍼灸・漢方全般 に関する相談も承ります。

2019/02/20
肋間神経痛 

肋間神経痛に関して、始めに神経の働きから説明します。“神経”とは、動物に見られる組織で、情報伝達の役割を担っています。

神経は、中枢神経と末梢神経に分かれます。中枢神経は、脳そのものと脊髄そのものをいいます。末梢神経は、脳と脊髄と全身の各部との連結する部分で、脳から出る脳神経と脊髄から出る脊髄神経があります。

脳神経は脳から左右それぞれ12本あります。末梢神経は、体性神経と自律神経があります。体性神経とは、痛みや温度などを脳に伝える知覚(感覚)神経と、自らの意志で動かすことの出来る運動神経です。顔の筋肉や手・足の筋肉などは末梢神経で支配されているので自分の意志で動かすことが出来ます。自律神経とは、自分の意志で動かすことの出来ない心臓や血管、内臓に分布している神経です。

肋間神経は、脊髄の胸髄から出て肋骨に沿って走り胸部や腹部に分布している末梢神経です。肋間神経の知覚性のものは胸・背部と腹部の皮膚に行き知覚を司っています。更に胸膜・横隔膜にも肋間神経が分布して痛覚に関与し、心膜・食道にも肋間神経の知覚線維が分布しています。運動性のものは、脊柱起立筋(最長筋・腸肋筋)、肋間筋、腹筋に分布しています。

 

【現代医学的な捉え方】

末梢神経の経路に沿って起こる激痛発作を“神経痛”とよんでいます。神経支配に関係なく現れる痛みは漠然と用いられることが多い病名ですが、医学的にはいくつかの特徴が見られる場合だけを神経痛と定義しています。

神経痛の痛みの発作は1回につき数秒から数分間で終わることが多く、無症状の時間をはさんで繰り返し現れます。さらに、痛みが起こる末梢神経の支配領域に刺激を加えると、痛みを誘発する圧痛点と呼ばれるポイントが認められます。

また、くしゃみや咳をしたときなどに痛みが引き起こされることがあります。体を曲げるといった、ある決まった姿勢をとると痛みが起こる場合もあります。

神経痛は、特発性と症候性(続発性)に分けられます。特発性とは、原因となる病名が判明せず、神経痛が病名としてつけられる場合です。知覚や筋肉の運動・反射といった末梢神経の機能を調べる神経学的な検査をしても、痛み以外の症状が見られません。

かつては、背骨にある病気がなかなか突き止られず、ほとんどの神経痛が特発性として扱われていました。しかし、診断技術の進歩に伴い、神経痛の多くに原因となる病気があることが判明してきました。

症候性とは、診断や検査によって神経痛の背景にある病気が明らかになり、その1つの症状として痛みが現れる場合です。肋間神経痛は症候性タイプがほとんどとされています。 “脊髄の病変”“神経根の障害”“帯状疱疹(ウィルス感染)”“背骨の側湾症”“内臓異常から起こる関連痛”などが原因と考えられています。

 

脊髄の病変が原因の肋間神経痛

背骨の中に脊髄神経が走行していますが、この脊髄神経が何かの原因で圧迫を受けて神経異常を起こした状態です。圧迫を起こすのは、腫瘍・椎間板ヘルニア・脱臼・骨折・血腫 等が考えられます。胸椎部の病変で両側の異常(両側の肋間神経に知覚異常が感じられる) が現れたら、脊髄の病変が疑われます。また、トイレで力んだり、くしゃみをした時に体の両側に症状が出たり、電気的な痛みが走る、なども脊髄病変が疑われます。

 

神経根の障害が原因の肋間神経痛

肋間神経が胸椎の骨の間から出てくる時に、この出口の部分で何かしらの障害を受ける事で痛みなどの神経症状が出てくるものです。神経根をいたずらする要因は、椎間板ヘルニア・骨の変形・椎間関節症などによるものがあります。通 常は片側に症状が出ます。

 

背骨の側湾症が原因の肋間神経痛

側湾症は背骨が側湾しているため、肋骨にアンバランスが生じて神経を圧迫し、靭帯や筋肉に異常をきたし、背中のあちこちが痛くなることがあります。

 

帯状疱疹が原因の肋間神経痛

帯状疱疹は脊髄神経節のウィルス感染症による肋間神経痛で、神経の支配領域に沿って病変が広がります。ウィルスの正体である“ヘルペスウィルス”は脊髄神経節に進入し皮膚に運ばれ、そこに感染を起こして、感染した神経が支配する皮膚領域に激しい痛みを起こします。この場合、身体を動かさなくても痛みが持続します。

 

内臓異常から起こる関連痛

関連痛は、内臓の異常があるときに、ある一定の場所に出てくる痛みです。神経の支配域とは別 の痛みであり、動かしても変化はありません。背中に出てくる痛みが多いために、肋間神経痛と間違われることがあります。肋骨の中には、心臓・肺・肝臓・胃・膵臓などの臓器があります。これらの内臓には自律神経が背骨から走行しています。内臓の異常は神経を伝わって背骨の回旋筋に影響を与えるといわれています。胸椎は支持力を失って変位 を起こし、これが痛みの原因ではないかとも言われています。

 

【中医学的な捉え方】

中医学では、病気は体内の「気・血・水」のバランスが崩れた状態であると考えます。

必要なところに足りなかったり(この状態を“虚”といいます)、必要以上に多かったり (この状態を“実”といいます)、巡りが悪くなったりした状態を、独自の診断方法を用いて見極めて、証をたてて治療方法を決めていきます(これを弁証論治といいます)。

 

~気・血・水について~

《気》・・・

気は人体を構成し、人体の生命活動を維持する最も基本的な物質なのです。

気”は二つの源から作られています。

・先天の気・・・両親から受け継いだ気です。生命の土台といえます。 ・後天の気・・・後天の気には二つあり、生命活動の基礎になっています。

1つは“水穀の精微”と呼ばれ、脾と胃の働きで飲食物を栄養に変えて作られます。

もう1つは、“清気”と呼ばれ、呼吸によって新鮮な外気を取り入れて体内の濁気を吐き出します。

気は体内で、絶え間なく流れ、全身の臓器や組織・器官をめぐり生理活動の動力となっています。

 

《血》・・・

血は栄養素を豊富に含んだものです。脈管内を通 じ、全身を流れ、各器官に 栄養を与え、その活動を支えています。

血の流れが悪くなり、有害な状態で体内に停滞した状態を”オ血“といい、月経痛や肩こりなど様々な痛みの症状を生みます。血が不足した状態を“血虚”といい、貧血やめまいの症状が現れます。

 

《水》・・・

体内に存在する必要な水液のことです。全身に潤いを与え、関節などの動きを 円滑にする作用があります。不足すると乾燥、関節が動かしづらいなど症状が現れます。多過ぎたり、流れが悪くなって停滞すると“湿”となり、むくみ・だるさ・冷えなどの症状が現れます。

 

この“気・血”が流れる通路を、「経絡」といいます。経絡は、臓腑で生成された気血を上下・内外に運び、全身を栄養したり機能を調節したりする作用を持っています。

さらに、臓腑と臓腑、あるいは臓腑と器官、体表などをつなぐ連絡網でもあります。

中医学には、現代医学でいう神経に該当する概念はありませんが、経絡は独自の楯行経路 をもつ循環・伝達系であると考えられています。

 

肋間神経痛は、中医学において“脇痛”に属する疾患で「季肋部痛」「脇下痛」などの病名があります。脇痛は情緒の不安定、飲食の不摂生、慢性疾患が長期化することなどが原因で起こると考えられています。そして経絡の流れに異常が起こったときに「痛み」という身体からの警告が発せられるのです。

経絡の運行障害による痛みを“不通則痛”といいます。治療は「通ずればすなはち痛まず」(通 則不痛)に基づいて行われます。

 

それでは、運行障害を起こす原因をタイプ別に説明していきます。

 

肝気鬱結タイプ

中医学でいう“肝”とは、現代医学の“肝臓”とは異なります。肝の作用には、気の運動を調節して気血の運行を維持して、消化や水液代謝の促進があります。更に、精神・心理活動にも肝の調節機能が作用しています。このような作用を“疏泄(そせつ)”といいます。感情の抑鬱や悩み、怒りによって肝が傷つくことによって、気の流れが滞り経絡の流れが悪くなり胸肋部が張って痛みます(脹痛)。この時、痛む場所は流動的で定まりません。

情緒が安定して、気持ちがのびやかになると症状が軽減します。

舌質は紅、舌苔は薄白、脈は弦です。

(治療原則)・・・・疏肝解鬱・理気通絡(肝の疏泄作用の失調を整えて、気の流れを促し 経絡の通りを良くして“血”や“水”をどんどん行かせて痛みを取り除きます)

 

血オ(血流不全)タイプ

肝気鬱結”の症状が長く経過すると血行に影響して、オ血(血の流れが停滞した状態)を生み、これが経絡の流れを悪くし痛みが起こります。特徴は、針で刺されるような痛みで、痛む場所が一定しており、痛みは昼間は軽く、夜間に激しくなります。

舌質は暗紫またはオ斑、舌苔は薄白、脈は渋です。

(治療原則)・・・・活血化オ・疏経活絡・キョ風通絡(血の流れを良くして、オ血を取り 除き経絡の通りを良くして痛みを改善します)

 

痰飲タイプ

飲食の不摂生や消化機能の減退により水飲・痰積(体内に溜まった不要な水分のこと)が肋部に停滞した為に経絡の流れを妨げ、胸脇部に痛みを生じることがあります。咳をしたり唾を吐くと胸脇下に痛みが響く、脇間部が脹る、息切れがする、などの症状も現れます。

舌質は淡、舌苔は白、脈は沈弦または沈滑です。

(治療原則)・・・・化痰逐飲(水分代謝を改善し体内にある不要な水分を取り除いて 胃腸の働きを整えて痛みを改善します)

 

肝陰虚(血液・栄養不足)タイプ

肝の働きには“血の貯蔵”があります。活動時にその貯蔵した血を疏泄機能を用いて四肢末端まで供給する役目を担っています。過労や慢性疾患などによって、本来からだに必要な気血が不足することでも痛みが発生します。このような栄養不足の痛みを“不栄則痛”といいます。いつも胸脇部に痛みがあり、目のかすみ、耳鳴り、口の渇きなどの症状も現れます。

舌質は紅、舌苔は少、脈は弦細数です。

(治療原則)・・・・活血潤燥・理気疏肝・和絡止痛(血の不足を補って体を潤し、経絡の 流れを良くして痛みを改善します)

 

少陽病タイプ

これは、“六経弁証”の中の症状です。中医学では、“弁証論治”という方法で病状を見極め、治療方法を導きます。弁証方法には“六経弁証“の他“臓腑弁証”“八綱弁証”“気血弁証”“三焦弁証”などがあります。

六経弁証は、おもに寒冷性の外邪(外因)により、疾病が発生する時に用いられます。六経弁証では、疾病の段階を、“太陽病・陽明病・少陽病・太陰病・少陰病・厥陰病”の6段階に分けています。少陽病は、外邪が体表にはなく、しかしまだ内部(裏)にまでは入っていない状態をいいます。これを、“半表半裏証”ともいい、冷感と熱感とが交互にあらわれること(寒熱往来といいます)を特徴とします。脇肋部が張って痛む他、口が苦い、呼吸をすると増悪する、咽喉部の乾燥感、食欲不振などが現れます。

舌質は紅、舌苔は白滑~薄黄、脈は弦です。

(治療原則)・・・・和解少陽(邪気を取り除いて正気を助けて症状を改善していきます)

 

治療原則の四文字は見慣れないものだと思いますが、原因となるものを取り除き“経絡”の中の気・血・水の流れをスムーズにすることで痛みを取ることを目的としています。

 

現代医学と中医学とでは、“肋間神経痛”という症状の捉え方が異なります。

このように、違った角度から人体を見つめているので、現代医学とは違ったアプローチで治療が行なえるのが中医学であるといえます。

大まかな説明でしたが、少しでも中医学的なアプローチがご理解頂ければ幸いです。

 

最後に、肋骨で囲まれた中には、脊髄をはじめ様々な臓器が存在しています。痛みを発する原因も多くありますので、安易に自己判断をされずに検査を受けることも付け加えさせて頂きます。

 

中医学鍼灸は、一般的な局所治療鍼灸と異なります。

症状のタイプ別や、細かい体質、或は症状の起因を見極め手当てを行なうところに大きな特徴が有ります。

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

2019/02/20
脇痛

今回は脇痛についてのお話しです。

脇の痛みですが脇のみに限局するのでなく、場合によって胸部や腹部にまで波及するものも含めています。現代医学で脇に出る痛みを外傷によるもの、神経性によるものに分けて紹介していきます。

外傷によるものとしては「肋骨骨折」、神経性によるものとしては「肋間神経痛」、「内臓の関連痛」です。

 

《肋骨骨折》

転倒や打撲による外傷パターンと、スポーツや風邪(持続的な咳)などによる疲労骨折などが主な原因です。骨粗鬆症(骨がもろくなってしまう病気)の高齢者の他にも、スポーツを激しくする若年者にもよくみられます。

症状としては持続する胸脇部痛です。この痛みは咳や深呼吸、体動時に増強します。折れた肋骨が肺を傷つけ気胸(肺に穴が開いた状態)、血胸(胸腔内に血液が貯留した状態)をひきおこす場合もあります。

診断はレントゲン検査が欠かせませんが、骨がずれていないために骨折線が発見できなかったり、肋軟骨部での骨折では肋軟骨がレントゲンに写 らないために診断が難しくなります。したがって、自覚症状や医者の判断が重要となってきます。

2週間以上にわたって持続して痛みが出ている場合には、肋骨骨折の疑いを持ってください。単なる打撲や筋肉痛ではだいたい1週間程度で軽快します。骨折と診断された場合は、治療としてバストバンドによる固定や痛みに対しては非ステロイド系抗炎症剤等の服用があります。

 

《肋間神経痛》

肋間神経痛とは、胸髄(胸からお腹の高さくらいで背骨の中を通る神経のおおもと)から出て肋骨に沿って走行する肋間神経が、何らかの原因により特発的に痛みを生じるものをいいます。

原因不明の原発性肋間神経痛と原因の明らかな続発性肋間神経痛に分けられます。

原因-

原発性のものに関しては、心因性の痛みや続発性の痛みも除いた上で末梢神経になんらの病変がみられません。

続発性の場合は末梢神経、脊髄の知覚神経の刺激や障害によっておこります。最も多い原因としては肋間神経の絞扼(圧迫)障害で、肋間神経が肋骨と肋骨の間の肋間筋というところで圧迫されてしまうパターンです。

その他として寒冷刺激による神経炎や外傷(肋骨の骨折やひび)、帯状疱疹もしばしば肋間神経痛の原因となります。

 

症状-

肋間神経痛の主な症状は片側ででます。

脊髄から肋骨に沿って激しい痛みが突然おこる。

深呼吸や咳、会話で痛みが強くなる。

身体をひねったり、痛みのない側に身体を曲げて肋間神経を伸ばすような姿勢をとると刺すように痛む。 etc

 

治療-

原因が明らかな場合は、まず原因を取り除く治療を行います。

痛みに対しては温熱療法や鎮痛剤の使用、反応点への鍼刺激や筋肉や肋骨を整える徒手療法で様子をみて、それでも痛みが治まらない場合は神経ブロック注射で痛みの除去をはかります。

 

《内臓疾患による関連痛》

 

~関連痛とは?~

ある部位の痛みを、異なる部位の痛みと脳が勘違いをすることによっておこる痛みのことです。

なぜこのようなことがおこるかというと、人は痛みを感じるときは痛みが起きた場所にある受容器(痛みを感知する装置)から脳へ神経を通 って伝えられます。その神経はいくつかに枝分かれをして各所に伝わっているので、同じ神経束が源になっている場合などは、痛みの電気信号が一体どこから出ているのかわからない状態になってしまうことがあり、痛みの発生源が混乱してしまうためです。

 

・右脇腹に痛みが出る場合

・胆石-

肝臓の右下に胆嚢という袋状の臓器があります。

通常は胆汁といって食べた脂肪分の消化を助ける消化液を貯えています。この胆嚢に出来るまるで石のようなもの(結石)を胆石といいます。この胆石は脂肪分や糖分の成分が結晶を作り出来ます。そして胆嚢から胆石が管を通 って出ようとしたときに右脇腹に痛みが出るのです。

他にも心か部(みぞおち)の痛みや右肩、右背部にも痛みや筋肉の張りとしてあらわれます。

・肝炎-

肝炎とは、肝臓に炎症が起こった状態で赤く腫れて熱を持ち触ると痛みを感じます。

日本人の約80%はウイルス感染によるものですが、その他にも原因として薬剤、アルコール、アレルギー等があります。

右脇腹の痛み以外にも、全身倦怠感、発熱、頭痛、関節痛、悪心、食欲不振等もみられます。その後黄疸(眼球や皮膚などが黄色くなる)の症状がでてきます。

・尿管結石(右側)-

腎臓内でできた結石の一部が、尿管を下っていく途中で尿管につまってしまうものです。

主な症状としては血尿(目で見てわからない場合あり)と腹痛です。腹痛は脇腹あたりまで広がることもありかなり強い痛みです。

 

・左脇腹に痛みが出る場合

・膵炎-

膵炎には急性のものと慢性のものがあります。

膵臓から膵液という分泌液が出ますが、その中に消化酵素を含みます。この消化酵素が自らを消化してしまい組織が壊死してしまうものが急性です。慢性のものは膵臓が長年にわたって炎症を繰り返しているうちに徐々に膵臓の正常な細胞が破壊されていきます。原因としては胆石やアルコールの過飲等になります。

症状としては左脇腹の痛みの他に心か部(みぞおち)の痛み、発熱、嘔吐、腹部の膨満感、時として黄疸などです。

・脾腫-

脾臓が腫れて大きくなった状態です。

肝硬変や心不全による脾臓のうっ血、細菌やウイルス感染による炎症等が原因で起こります。

症状としては左脇腹の痛みの他に呼吸困難や吐き気、便秘などもみられます。脾臓が巨大になると脾臓への血流が阻害されて組織が壊死してしまい激しい痛みとなるのです。

・尿管結石(左側)-

右の場合と同じです。

 

ここであげた例はごく基本的なことであり、でてくる症状も必ず脇への痛みに限らない場合もあります。脇への痛みを感じた際に、上記で思い当たるものがあれば参考にしていただければと思います。

時間が経過してもなかなか改善しないものであれば、専門の医師のところで検査をして指示を仰いでください。

 

おおまかに3つの項目でみてきましたが、いずれもすぐには完治しないものばかりです。はじめは筋肉の凝り、張り、痛みと思っていても症状がなかなか改善されず、他にも気になる症状が出ている場合には我慢をせず、しっかりと検査等を行いましょう。早期に病態がわかれば治療予後も良いです。

 

 

《中医学からみた脇痛》

 

まずは脇痛に関連する中医学独特の身体観を説明していきましょう。

 

~気・血・水について~

気-

「気」とは、人が生理活動を行う際に必要なエネルギー源です。

生まれながらに両親から授かった「先天の気」と飲食物や呼吸などによって得られる「後天の気」とがあります。

「気」のはたらきとして内臓の活動を促進したり血脈(血の流れ道)や経絡(気の流れ道)を推進したりする「推動作用」、体温を維持したり、内臓を温めて活動を促進する「温く作用」、体の表面 を保護し、外邪(外からやってくる侵入者)を防ぐ「防衛作用」、必要以上に体の外に血や水分が漏れないようにする「固摂作用」、代謝を促進し物質を変化させるはたらきの「気化作用」などがあります。

 

血-

「血」とは人、の生命活動にとって基本となる物質で全身を栄養し潤していきます。顔色や肌つや、毛髪や筋肉などすべて「血」の充足が必要です。また「血」は人の精神活動にも必要なもので「血」が欠乏すると精神的な症状(失眠、健忘、昏迷、不安など)が現れます。

 

水-

「水」とは、人体中の正常な水分の総称です。

主な作用として潤いを与えることであり、体の表面近くでは皮膚や毛など、深い部分では脳や骨、関節、内臓まで潤します。

 

~臓腑について~

臓-

「臓」とは、五臓とも呼ばれ、肝、心、脾、肺、腎という実質性臓器のことを指し、主なはたらきとして気、血、水の生成や貯蔵といったはたらきを担います。

 

腑-

「腑」とは、六腑とも呼ばれ、胃、小腸、大腸、膀胱、胆、三焦という中空性臓器のことを指し、主なはたらきとして飲食物の消化をし身体に必要なものは五臓に渡し、不必要なものは排泄するというはたらきをします。

今回の脇痛と関連する臓腑

肝-

「肝」とは、現代医学でいうところの肝臓とは少し意味合いが違い、色々なはたらきをします。

大きなはたらきとして、1つは身体のすみずみによどみなく気を送り出す「疏泄作用」、もう1つは血液量 を調整すべく貯蔵するはたらきがあります。その他にも目や爪、筋肉といったところとも通 じており「肝」の不調がそこに現れたりもします。

 

胆-

「胆」とは、現代医学でいうところの胆嚢とは少し意味合いが違い、おもしろいはたらきをします。「胆」には「肝」で作られた胆汁を貯蔵し、消化吸収の際に助けるはたらきがあります。また、決断をしたり勇気につながるなどの精神的なはたらきも担うのです。

 

身体には経絡という気の通り道があります。大きなものでは14本身体を上下に走っていますが「肝」、「胆」に関係する経絡は脇を通 過してそれぞれ足や頭に行くのです。それで「肝」、「胆」の不調は時として脇部に出やすいのです。それではこの脇を通 る経絡に影響を与える原因をタイプ別に見ていきましょう。

 

・肝鬱脇痛タイプ

 

先ほども説明したとおり、肝は気をスムーズに流す疏泄作用をもっていますがストレスや怒りなどといった感情の変化にとても敏感で、気の流れが悪くなります。そのために脇を通 る経絡の流れが滞り脇部が張って痛みます。

痛みの症状の他には胸悶(イライラ)、ゲップ、胃液が込み上げる、怒りっぽくて不眠症などです。舌の苔は薄くて白く脈は弦(はじくような脈)です。治療は肝の気の流れを整えつまりをとっていきます。

 

 

・湿熱脇痛タイプ

 

湿とは身体にとって不必要な水分で、身体の中に停滞し重くてだるい感じを出したりするもので、体内で発生するものと外からやってくる場合があります。それに熱が加わると湿熱となります。

具体例として、アルコールの過剰摂取や味の濃い物の食べすぎは体内で湿熱となりやすいですし、高温多湿の環境に長時間いる場合などは外から身体に湿熱が入ってきやすいです。この湿熱が胆の経絡を犯し脇の痛みとなって出てきます。

他の症状として悪寒発熱、口苦、心煩、悪心嘔吐、脂っこい食べ物を嫌うなどです。舌の苔は厚くべっとりとして黄味をおびることもあります。

脈は数弦(速くてはじくような脈)です。治療は熱を発散させて湿を消して肝の疏泄機能をアップさせ流れを良くします。

 

 

・お血脇痛

 

お血とは血の流れが悪くなり臓腑や経絡に停滞したものをいい、きの流れが悪くなったとき(気は血と一緒に巡る)や打ち身や捻挫をして出来ます。脇を痛めてしまうと脇でお血がおきてしまい一定の場所が刺すように痛みます。

他には昼間よりも夜間に痛みが強まります。舌の色は点状に出血があったり暗紫色、脈は弦か細数(細くて速い脈)です。治療は血を活発に循環させて気の巡りも良くして痛みを止めます。

 

 

・陰虚脇痛タイプ

 

肝のはたらきで先ほども説明しましたが、血を貯蔵するはたらきがます。

何か活動する際は、肝で貯蔵していた血が各所にいきますが、慢性的に疲労していたり過労などで身体に必要な血が不足すると(陰虚)肝の経絡が栄養出来ず脇が痛みます。

痛みの他に微熱や自汗、めまいや心悸などがあります。舌の色は赤く苔は少ないです。脈は細数です。治療は陰を滋養して血を養い経絡を和ませて痛みを止めます。

 

 

現代医学で検査をしても特に異常がなく、医者のほうから痛み止めや安静を指示された方などは一度中医学治療での診断をお勧めします。

数値やレントゲンなどに現れない症状をひろい、別の角度からのお手当てをしていくことができます。中医学(東洋医学)の治療の基本ベースは目には見えない体内の生命活力エネルギー(気、血、水)のバランス失調の調整にあります。減少したものは補い、多すぎるものは調整することで体調回復をはかります。生命活力エネルギーを良い状態に戻してあげることが大切であることを忘れずに。これを自然治癒力といいます。

 

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

 

=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=

 

当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。

例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。

急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。

ゆえに、慢性の症状を1~2回の治療で治すというのは難しいのです。

西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。

ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。

例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。

大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。

 

当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。

又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。

 

しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。

 

さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。

当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。

それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。

この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。

特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。

顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)

急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子

その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳

アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など

これらの疾患はほんの一例です。

疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。

針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。

 

当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。

 

少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。

当院は予約制となります

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