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「メニエル氏病」には、真性と化性(ヒステリー・癲癇)とがあり、他に、内耳出血など、原因が明確なタイプのメニエール症候群に大別
する考え方があります。
「メニエール症候群」とは、突発的に起こる回転性眩暈発作を言います。一過性で、一側に耳鳴りと難聴を伴います。時には、耳鳴り・難聴が先行したり、耳の回り、後頭部の圧迫感が出たりと、症状は不定です。また、蒼白、発汗、嘔吐を伴うこともあり、発作時にはうずくまってしまう様な事もあります。発作の原因は、体液代謝異常、内耳血管、運動神経障害、アレルギー、耳管狭窄、甲状腺機能低下、局所浮腫などがあげられます。これらの症状は、内リンパの分泌過剰、或いは、吸収障害が原因とされていますが、まだ充分な解明はされていません。そして、症状の中で眩暈や難聴が長引く場合は、迷路出血、或いは血栓を疑い、器質的病変(機能的な障害)の有無に関する検査が必要です。メニエール氏病は、西洋医学的には大変治しにくい病の一つに数えらています。
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< 西洋医学的な治療方法>
●安静 :軽症の場合は安静だけで改善する事もあります。
● 薬物療法 :難聴への対策は抹消循環改善剤、VB12
自律神経失調への対策はアドレナリン、アトロピンの投与、
対症的にめまい改善剤 を用います。
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では、中国医学では、メニエル氏病をどう捉えるのでしょうか?
中国医学の考えでは「眩暈」は、水毒によってもたされている症状の一つと捉え、水分代謝の改善を中心に治療が行なわれます。この水分代謝に深く関わっているのは、腎臓のエネルギーですので、そのバランスを診ていきます。また、水分代謝とはあまり関係ないのですが、肝臓のエネルギーも時々眩暈を起こす原因と考えられています。
<眩暈は大体3つのタイプに分けられます>
1. 天井や周囲がグルグル回る回転性の眩暈。
これはメニエル氏病にもっとも特徴的な眩暈の症状です。
2. 歩いているときに突然グラッとする。
或いは、座っていてもフワッとして地震でもあったのかと錯覚す るタイプの眩暈。
3. 急に立ち上がったり、急に顔を上げた時に、一瞬目の前が暗く なる眩暈。
いわゆる「立ちくらみ」です。
当院のホームページの中でたびたびご説明していますが、西洋医学と中国医学(東洋医学)では、病の捉え方がまったく違っています。中国医学では、目に見えない生命力、活力エネルギーの失調を見つけ出して手当てを行います。先程説明しました、「腎臓のエネルギー」、「肝臓のエネルギー」などがそうです。一般
の方には聞きなれない言葉ですから、分かりずらいかと思いますが、例えば、「空気」が目に見えていなくても、我々人間が生きてゆくのに欠かせないエネルギーであるのは解りますよね。それと同様に、人間の体の中にも、目に見えないエネルギーがあって、それらの失調が病気をもたらす、と考えるのが中国医学なのです。
では、中国医学では何を基準にして、この目に見えないエネルギーの失調を判断するのでしょうか。それは以下の治療例でもお話ししていますが、脉(みゃく)の打ち方、舌の色、患者さんの症状、訴え等、様々な要素を照らし合わせる事によって判断して行きます。例えば、舌の色が白っぽい時は、どこそこのエネルギーが不足とか、脉の打ち方が速ければ、熱状態であるなどといった情報から、体内のエネルギー失調を見極めて行くわけです。こうした判断は、長い年月につちかわれた中医学的経験の蓄積によって行っていきます。
それでは、実際にどの様に治療にあたったのかお話したいと思います。
< 実際の治療例 >
47歳女性。数ヶ月前、朝起きて立ち上がった時、急に天井がグルグルと回り出し、激しい眩暈発作に襲われたそうです。耳鼻科でメニエル氏病と診断を受け、治療を受けたのですが、一向に症状が改善されず、発作もたびたび起こったそうです。発作は回転性の眩暈のほかに、耳鳴りも伴うようになり、知人の紹介で、当院への受診を試みられました。
まず、問診で生活習慣や、どの様な体質や症状があるかを把握したところ、冷えやすい体質である・疲れやすい・疲れや寝不足があったりすると発作が起こりやすく、常に腰も痛い、お小水も近いということでした。また、耳鳴りは「キー」と言う音ではなく、「ジー」と言う虫の鳴く様な音で、ここ数ヶ月は生理の周期も不安定になってきている、と言っておられました。脉診では脉(みゃく)の打ち方が遅く沈んだ状態で、体全体に元気が足りない脉になっており、舌の色と形を見ると、やや淡紫になってボテッとした形になっていました。これは中国医学的な考えでは、体を温める力が不足しているのと、活力のエネルギーが少ない状態を表わしています。
これらの情報から診て、腎のエネルギーが少ない為に起きている症状に加え、冷えの症状が有ることから、最終的に「腎陽虚タイプ」のメニエル氏病と判断いたしました(中国医学の考え方では、各々の臓器ごとにエネルギーが存在し、症状の傾向により、どの臓器のエネルギーが崩れているのかを見分けます。そして、「○○タイプ」と言う様に振り分けてお手当てを行なっていきます)。
さて、この方の場合は「腎陽虚タイプ」なので温補腎陽と言う治則を立てて、手当てを行ないました。温補腎陽とは、体を温めて行きながら、腎のエネルギーを補うと言う治療方法です。
この方には、5ヶ月程通院して頂きました。最初の1ヶ月は週2回位のペースで治療に来ていただき、ある程度症状が緩和してきた段階で、週1回のペースで治療を行ないました。だいたい4ヵ月目位
から、体が温まって来て、腰のだるさも抜け、眩暈感も無くなり、症状は安定して来ました。その後、念のためにもう1ヶ月継続して治療を受けていただき、完治されました。
これは、治療の一例であって、お話ししましたとおり、ご来院される方により、症状を起こす原因は様々です。西洋医学的治療をされても、症状が治まらないとお悩みの方は、詳しい症状を書いた上で、一度当院までご相談頂けたらと思います。症状が少しでも改善できるよう、出来る限り力にならせて頂きます。
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