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喘息は気道(空気が肺に入る道)が狭くなるために、呼吸を吐く息が苦しくなる病気です。
喘息の原因として一般に良く知られるものはアレルギー性のものです。
例えば、エビや卵などを食べたり、ある種の花粉がハウスダストを吸収したりすると発作が起こるのが特徴です。
気候の変化や温度の変化なども発作の誘引になりますし、精神的なストレスや過労なども原因になります。
このようにさまざまな原因が複雑にからみ合って起こるために、治療も中々決め手となるものがありません。
中国医学では、喘息を単に肺や気管支の問題として捉えず、他の臓器や体質など、また、当院のホームページの中でたびたび出てくる生命エネルギー、体を整えるエネルギー(気・血・水)の失調として考えます。
そして大事なのは、咳の状態が空咳か痰がからむかどうかを見極めて、そして痰がからむ場合は痰の性質を振り分けることです。
痰の具合が、黄色く粘りがある場合は熱性ですし痰に粘着性がなくうすく水様、
透明の場合は寒性のタイプと細かく分析して治療をして行きます。
基本的には、ただ単に、咳を止める治療、或は痰を取り去る治療というのではなく、根本的な体質を改善して行くのが治療のメインとなります。
それにより、発作を起こしにくい体づくりをして行くのです。 ですから中国医学の治療は、根本的な体質改善により、痰を除き、痰の産生を防止し、気道を開通
させるとともに、外因に対する抵抗力を高めることなのです。
それから、病態が込み入っていないお子さんの喘息には短期間に効果
を示すことが珍しくありません。このような場合には 中国医学による手当てをおすすめ致します。
時には当院で述べている違う角度、観点から病に対して着手するのも一手かもしれません。
では、実際の治験を挙げてお話ししましょう。
例1:S・Yさん 三鷹市在住 48才。 元気がなく、疲れ易い、寒がる、手足が冷える。白くうすい水様状の痰、動くと息切れし、
食欲不振、腰や膝がだるく無力、むくみ、夜間頻尿、舌質が淡で、はれぼったい。
脈が沈んでいて遅い症状が見られました。
中国医学では、これらの症状を統括して“水飲内停”というタイプの喘息と判断します。
どうしてこの様なタイプの喘息になったかといいますと、先天的虚弱と、喘息の慢性化により、
体を温めるエネルギーが消耗し、体内に存在する水液を運搬したり、温めて気化する機能が不足したために、水液が停滞して希薄な水飲(痰)を生じ、それを出そうとして喘息の発作が出てくると考えられました。
治療法は温補脾腎・化飲利水と言って体を温める気を高めて、水飲(痰)の産生を抑制し、さらに水液の排泄を強める鍼灸をいたします。
例2:小児喘息 国分寺在住 4才の男の子。 症状は活力がなく、声が小さく、すぐに疲れて家にいたがる。風邪をひきやすい、野菜を嫌う。 食が細く、軟便から時々排便回数が多い。白い痰で舌質が淡く、白い舌苔がある状態でした。中国医学的には脾気虚タイプの喘息になり、この場合は胃腸関係が弱く食が細いために、食物から栄養吸収をする力が弱くなり、抵抗力も弱まって風邪を引きやすくなっていると考えられました。
それによって喘息発作がおこりやすくなってしまっていたのです。
そこで、益気健脾という方針で、胃腸を強くしてあげ、食欲が増すようにし、栄養吸収を良くし、体力をつけるよう促してあげるという治療をいたしました。
一般的に小児がかかりやすい病は、風邪とか胃腸関係の病気が多いです。
中国医学でこの様な場合、背中の正中線上にある経穴(ツボ)をよく使います。
なぜならば、この背中の経穴のルートは督脈といい、すべてを監督、調整する作用があり、また、元気を補充する作用の経穴(ツボ)が多くあり、その中に肺の機能や胃腸の機能を整える経穴(ツボ)も有るからです。
小さいお子さんの場合は直接鍼を打たずに、当院ではローラー灸というもので経穴(ツボ)に刺激を与えています。これは、温熱効果
のある物で、とても気持ちがよく、お子さんも恐がらずに受けてもらえます。中には眠くなってしまうお子さんもいらっしゃいます。
さて、例にあげたお子さんは基本的には当院へ3回しかみえていません。あとは家庭で、今言ったローラー灸を行ってもらってました。やり方は簡単なので、誰でもすぐ覚えて行なう事ができます。
家庭内で定期的にローラー灸を行なってもらっているので喘息はあまり起こらなくなったと連絡を頂いています。喘息発作がおきても、すぐおさまる様になったとのことです。
経穴(ツボ)は、体を温めてゆくツボを多く取り、水液の流れをコントロールするツボに刺激を与え、産生された水飲(痰)を取り除くツボを使い体質改善をうながしてあげます。治療期間は半年程かかりました。最初の3ヶ月は週二回のペースで治療を受けて頂き、後半の3ヶ月は週一回のペースで1ヶ月半ぐらい、その後は10日に一回のペースにして、3ヶ月間発作が出なくなったので治療を終えました。
基本的に慢性疾患の場合、症状、発作等が落ち着いて3ヶ月間、現れなかった場合は一応
治癒したと見ます。その他の疾患の場合もそうですが症状が出なくなったといって治療をすぐやめてしまう方がおられますが、本来はまだ症状が小康状態になっているだけで完全に治ったという訳ではないのです。ですから症状が出なくなっても最低3ヶ月ぐらいは様子見で継続治療を
行なった方が宜しいかと思います。
それともうひとつ喘息治療で大切なのは、発作を止めることが喘息の治療ではないということです。病変を根本から改善し、次の発作をひきおこさないようにすることが大切です。
当院にご来院頂いた患者さんから「今までにも鍼灸治療も受けたことがあるのですが、効果
が感じられず、 漢方薬も服用したが効かなかったのですがどうしてでしょう」と聞かれる事があります。
それはひとつに、技術的なレベル、診断・体質分析の把握ができてなかった事、また、局所的な治療しか行なってないと効かない場合もあります。漢方薬も奥深いものでただ単に対症療法的に、咳をおさえ気管支を拡張させるという様な処方をされると、思う様な効果
が出ないケースがあります。 ですので、患者さんサイドも鍼灸・漢方医院で受診、相談される場合、どの様な治療を行なって頂けるのか、また、自分の症状に対して細かく問診をして頂いているかを判断し、受診なり治療を受けた方が宜しいかと思います。
私が言えるのはろくに問診も、体質判断せず、やたらめったら鍼を打ったりするような鍼灸院での受診はなるべくさけられた方が良いかと思います。
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